俺の平穏は果たしてどこにあるのだろうか?   作:只今更新凍結中

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プロローグにくち挟む悪友

平穏。

変わったこともなく、おだやかなこと。また、そのさま。

俺、天樹流斗(あまぎながと)は……りゅうとじゃないぞ?ながとだぞ?

ゴホン。俺、天樹流斗はごく一般的な別にかっこいいわけでもなく、頭いいわけでもない一般人だ。

強いて言うなら母親が和菓子職人であり、有名だったらしいがそれは今はどうでもいいだろう。

とりあえず、俺は平穏が大好きだ。

そう、一般的に日常を過ごす=平穏だ。とくに別段何も特別ではない、一般人ならなおさらのこと。

 

「毎回言うけど、君は一般人のカテゴリーに含まれないと思うよ?」

 

……そう中学時代、コイツと仲良くならなければそれは続いていたんだ。

 

「ひどいな~ 気心知れた友人に対していうことはそれかい?」

「……言い方が悪かったのは認めるけど人の心を読まないでくれ」

「君の考えてることならすぐわかるよ」

 

そう言って微笑む美男子。

腰よりも長い黒髪をリボンでまとめ、その口から溢れるキザなセリフが様になるほどの容姿。

俺がこうやって平穏を欲する最もの原因であり、悪友であり、まぁ、気心知れた友人。

神崎詩音(かんざきしおん)、それが彼……いや、訂正しよう。

この男装麗女の名前である。

 

「麗女だなんて……褒めても何も出ないよ。出るとしたら僕と流斗の友情くらい?」

「そうかそうか……じゃあついでだ。今の現状は?」

「うん?そりゃ朝早くから猛ダッシュ中」

「あぁ、俺がな!!!!!」

 

現状簡単に言うと、

詩音を背負って寮から学園までダッシュしている。

なぜそのような現状になったか……その前に学園について説明しよう。

ここはふm……

 

「そういうネタはやめといたほうがいいよ?」

 

だから心読むなっての。

とりあえず、この学園は全寮制である。またここでもトップランクに位置する進学校であり普通俺のような凡人が受かるわけがない。

 

じゃあなんでそんな学園にいるかって?

それは今俺の背にまたがっているこいつが原因だ。

詩音と出会ったのは中学3年、転校してきた詩音と話が合い、意気投合した。

その時からコイツは男装してたんだがある日、自分が女であることを明かされ、俺はミスって気づいていた事を言ってしまった。

それからも付き合いが続いたわけで……と言うかこいつのスペックが高すぎる。

容姿は……親友目から見ても美形、美人だったな。学力も半端ない。

また運動神経もよく、何より神崎家。平たく言えばお金持ちの一人娘だ。

話が脱線した。

そんなある日、模試で書く高校に何を書くかと考えたとき詩音からこの高校を紹介された。

まぁ、どこでもいいかと書いたところ判定はCだった。

まぁ、そんなとこ行く気はなかったし、普通のとこ行って店を継ごうかなって考えてたのだが。

次の日、詩音が自宅にやって来た。

俺は確かコイツに住所とか教えてなかったはずなんだが……その時の回答は。

 

「僕の情報収集を舐めないでくれ」

 

俺にプライバシーはないのか。

そして何故か勉強会が開催された。受けてた俺も俺だが、いつの間にかそこを受ける流れになってた。

母さんは詩音の両親と顔見知りだったことに驚いたが(なんでもお客さん?だったらしい)。

そうこうやっているうちに試験当日、そして結果発表。

結果、俺の名前はあった。詩音の名前も普通にあった。しかも上位成績者に……トップじゃないことに驚いたが、こいつ楽観者なのでどうせて抜いたかな。

 

「よかった~受かってなかったら後期に向けて猛勉強会だったよ」

 

俺はそんな言葉は聞き流す。

 

 

 

 

受かってよかったと思おう。もう玄関先に黒ベンツが夜止まるのは懲り懲りだ。

 

「いや、向いに来なくてもいいって言ってたんだけどね?」

「だから回想にツッコミ入れるな。……これでもし受かってなかったらどうなってたのやら……」

「その時はあらゆる手段使って入学させてたよ」

「怖!?」

 

俺は詩音の恐ろしい一言に突っ込みを入れながら車を抜いていく。

しかし相変わらず軽いな……女としてはそれなりの身長のはずだが。

 

「いやいや、女の体重は気にしちゃダメだよ?デリカシーがないな」

「この現状は詩音が悪いと思うんだが、てか自分で走ったほうがいいだろ」

「いや、流斗の方が断然早いからね?」

 

失敬な。ある程度運動できる程度……

 

「……武道系有段者が何言ってるのかな?僕はそんな人を一般人とは言わないと思うんだ」

「詩音も合気道有段者だろ。てかあと何分だ?」

「10分」

「……スピードあげるから口閉じなよ」

 

先程よりスピードを上げ走る。

はぁ、まぁ平穏ではあるのかな、こんな日常でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこの時彼は知らなかった。

彼に降りかかる波乱?の人生に。

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