俺の平穏は果たしてどこにあるのだろうか? 作:只今更新凍結中
授業も終わり放課後。
俺はするような用事もないので帰りの準備を終え、カバンを持つと教室を出た。
詩音は女子達と遊びに行くそうだ、いつも通り。しかしおかしい。
あいつは女だ。なのになぜか違和感を感じるのはなぜだろうか……
「……単に口調と行動と格好が原因なんだろうけどな」
なにせ女の子同士ではなく、ナンパして一緒に遊びに行くだからな。
俺は何時も通りのことに再度ため息をつき、校舎から出ると、
「せんぱあああ~~~~~~い~~~~~~~~!!!!!」
そんな大きな、いやもうスピーカーでも使ってるんじゃないかという大声が響く。
聞き覚えが、というかよく聴き慣れた声。
そして猛スピードで運動場から駆けてくる影。
俺はヒラリとそれを避けるとそのまま通り過ぎず急停止する。
そこに立っていたのは外人特有とも言えるブロンドの髪を肩あたりで切り揃え、見ようによっては耳のようにも見える不思議な髪型。
そしてこれまたスレンダーながらも均等の取れた体格、美しいとも妖艶とも取れる人形のような容姿。
だがその姿は体操服に包まれており、どう見ても運動系には見えない容姿とのギャップが激しい。
「先輩!!ここは受け止めるとこじゃないんですか!?」
「スピードが早すぎる。危ないだろ」
「え?じゃあもう少し遅ければいいんですか?
ならやり直してきます」
「そういう問題じゃない。まぁ受け止めるだろ、ほかの奴が」
「ってそうじゃありません!!先輩、今日こそ部活来てもらいますよ!!」
この子はアルシア・M・アジフ。
見た目的にどうも予想できないだろうがハーフである。
アルシアは抱きつくように腕をホールドする。
そう言えば言ってなかったが、俺は不本意ながら陸上部に”幽霊部員として”入部している。
アルシアはその部での後輩であり、入部時から色々と懐かれている。
ここまでならすごく可愛い後輩で終わるだろう。
しかしだ……
「……」(ポ~……
突如と立ち止まったあの女に視線を向ける。
そこには腕に顔をうずめる姿があった。髪型の耳はまるで彼女の感情に反応するかのようにピクピクと動き、頬を紅葉とさせる彼女は熱ではない。
この後輩は匂いフェチであり、例に漏れず変人……いや、残念な少女だった。まぁそれだけではないが。
その場で硬直し、いや完璧に意識というか理性をログアウトさせてるアルシア。
「やっぱりこうなるんだな」
アルシアを抱き抱え、保健室へと向かうのだった。
なおこの光景はそこまで珍しいものでもなく、周りの人は「あぁ、いつものことか」で終わっていた。
あ~胃が痛い。