私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある?   作:天空ラスク

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一寸法師救命作戦〜星空とネズミ耳メイドミニイロハを添えて〜

『──チヨ。何故硬直しているのですか?』

 

 電子音声が右から左に通り過ぎようとした所をギリギリで脳が読み込んだ。ヤバ、偉い人(人? 人かなこれ?)の話聞いてなかった。

 

「え。え、っとね〜。ヤチヨは月の人じゃないんだけど、勘違いじゃないかにゃ〜?」

 

『回答。貴女が管理しているツクヨミのメインサーバーがあるアパート、そこに『もと光る竹』の実物がある事。当機は全て把握しています』

 

 誤魔化そうとしたけれど、完璧にプライバシーが侵害されてたせいで失敗に終わった。でも、月の技術ならツクヨミ経由で私のとこに辿り着けるか。しかも月で一番偉い人が作ってしまっておくレベルの技術。当然のごとく最高性能だ。そ、そんなの反則やんけ〜。

 

『交渉開始。当機は鼠浄土の使用権限の共有を対価にします。対象名・月見ヤチヨ。貴女が所有する最新の『もと光る竹』の設計図を要求します』

 

 ──え、ええ〜? 鼠浄土……ってさっきのキラキラだよね。確かにすっご〜く綺麗だけど、人を食べようとするのはちょっと……ねぇ。

 

『解。あれはここの品々の管理と侵入者の排除を担当しています。侵入者以外に敵対する事は命じられない限り実行しません』

 

 思考を読んだようなタイミングで答えられた。私そんなに顔に出てるかな。八千年の経験で表情筋は鍛えられてると思ったけど。

 自分のほっぺたを揉んでみてもよく分からないしなぁ。そもそも触れないからスカッ……スカッ……ってなるだけだ。あれ、私アホか?

 なんて、この時まではまだ考える余裕があった。

 

『対象名・少雛海琴の生命活動が掛かっています。それでも抵抗を続けますか?』

 

 ──そんな事を言われたら、無視なんてできるわけが無い。

 もう誤魔化す気にはなれなかった。

 

「どういう事? 情報生命体にとって、死はかけ離れた出来事だよ」

 

 じゃなかったら私は八千年も、いや、月に帰ってから仕事の引き継ぎまで計算に入れたら八千と八十年も生きていない。もし可能性があるとしたら精神崩壊による自我の消失とか、擬態に精神を移した上で『もと光る竹』と擬態の両方を破壊するとか、そのくらいしか方法は無い。

 

『対象名・少雛海琴が乗っていた船は既に大破しています。その上擬態を構成するナノマシンを保存していたタンク、擬態を構成するプリンターが破損していました。これによりナノマシンが急速に劣化。擬態構成時に両腕部にヒビ割れ(クラック)、頭部と腕部以外の神経系の接続ミスなど致命的な損傷が発生しました。対象名・少雛海琴の活動限界まで時間がありません』

 

 あの、柔らかな笑みを思い出す。

 

『──彩葉の事、よろしくね』

 

 あの子の擬態はそんな状態で動いていたのか。ああ、それなら納得する。あの子は欠陥まみれの擬態で生きている。月人は『もと光る竹』があれば基本的に死なない。でもあの子にはそれが無く、擬態が死んだらそのまま死んでしまう。……そんなの、納得できない!

 

『設計図があれば『もと光る竹』を作り擬態を再構成できます。対象名・月見ヤチヨ。対象名・少雛海琴の生命活動のため、どうかご協力を』

 

「分かった。設計図だけと言わずヤチヨにも手伝わせて。『もと光る竹』は作るのに時間がかかるから」

 

 私の手の届くところで、もう誰も死なせない。ウミウシの体じゃ誰一人助けられなかった。

 初めて会った男の子がいた。FUSHIを釣り上げた皇后がいた。愛の詩を謳った歌人がいた。辛くても笑顔を忘れない事を教えてくれた花魁がいた。彩葉と過ごした日々を親身に聞いてくれた物書きがいた。燃え尽きた都市で花を売る少女がいた。正蔵院から『もと光る竹』を盗み出してくれた友達がいた。……見ている事しかできなかった彩葉のお父さんがいた。

 そして、今にも散りそうなあの子がいる。今まで助けられなかった命が帰ってくる訳じゃないけど、もう一人も取りこぼさない。元かぐや姫の力を見せてやるんだ。

 私は、つよつよ彩葉の一人娘だからね!

 

『否定。それは鼠浄土で事足ります』

 

「ズコーッ!?」

 

 で、出鼻をグーで殴られた。あのキラキラが部品の組み立てなんてできるのか。……ええ〜? 本当にござるか〜?

 

『解説。鼠浄土は汎用的な作業をこなすよう設計された、リソースを補充すると無尽蔵に増殖する作業用AIです。特徴は外装のデータを与えるとその形に集まり、より高度な作業が可能になります』

 

 例えば人型のデータを読み込むと、人型なら可能となる指を使った動きができます。と淀みなく館内アナウンスのような説明をされた。

 

「じゃあ、例えばミニヤチヨを読み込んだら無限のミニヤチヨが働いて『もと光る竹』を作ってくれるって事?」

 

『肯定。全ての工程を並列化できれば八月までに制作が終了するでしょう。対象名・少雛海琴が初めて海で遊泳するイベントも実現可能です』

 

 チ、チートだ〜!! 確かにそんなのがあれば私一人よりよっぽど作業効率が良い。地球に帰る時は私と姫様の二人がかりで作ったけど、相当大変だった記憶がある。その時に私も欲しかった〜〜!!

 

『質問。データの読み取りを試されますか?』

 

 ちょっと迷ったけど、おずおずとミニヤチヨを一匹手のひらに座らせる形で生成した。

 ツクヨミのバグ修正や新規要素の追加。ユーザークリエイトのKASSENステージのテストにゲームサポート用お助けヤチヨ、ヤチヨチャットなどなど作業に割ける人手が増えるならいくらでも欲しい!

 しかも、私の分身じゃないからつまらない仕事の倦怠感も質問箱(マシュマロ)の山のような質問の仕分けの辛さを統合して味わわなくていい! oh……神ですか。

 

「ヤチ-?」

 

 ミニヤチヨが不思議そうに首を傾げる。

 ザワッ。

 天井を覆う星の海が動いた。見られている。入ってきてから感じていた視線は気の所為なんかじゃなかった。ずっとずっと、ゆうに数千万、数億を超える数の星々に見られていたんだ。

 

『対象を検知。“無尽作業粉塵・鼠浄土”、読み込みを開始します。他に変更点がございましたら思考ルーチンから読み取り反映させて頂きます』

 

 ──え、私の脳内筒抜けになるの。待ってね、それ聞いてない。

 私の困惑を知らんがなと言いたげに星の海からはらりはらりと星の雪が降ってくる。最初と違うのは螺旋を描かずに一枚の幕を何枚も重ねたように間隔を開けた形になっている点。プリンターの読み取り機みたい。

 

「ヤチ! ヤチイロハ! ヤチプレゼント!」

 

 瞳に星を輝かせたミニヤチヨが手のひらの上でぴょんぴょんと跳ねて星の雪を取ろうと頑張っている。

 ──無心、無心で行くのです月見ヤチヨ。ここで彩葉の事考えたらミニヤチヨと彩葉が合体してしまう。

 その瞬間、ヤチに電流走る。

 ──待って、それって実質子作りじゃない? FUSHI君、それは“アリ”だ。

 電子の世界で生きる情報生命体と肉体を持つ人間の愛の結晶。一度妄想を始めたら、彩葉が言いそうな事を八千年壁打ちしてた私が止められるわけがなかった。

 ──私に似て白い肌で〜、彩葉みたいな一本芯が通ったイケメソな顔で〜、ツクヨミは動物のアバターが多いからネズミの耳が着いてたら可愛いよね〜。あ! あとメイド服! 和風でも洋風でもクラシックでも可愛いよ〜ッ!! 髪も長いと色々アレンジして遊べるからその方がいいよね! 普段クールな彩葉が髪の毛伸ばして可愛いメイド服着て恥ずかしそうに『ヤ、ヤチヨぉ……。これはさすがに彩葉さんに似合いませんよ〜』ってモジモジしてる所が見たいんだよぉぉぉおおおおおお!!(モモンガ)」

 

「……って、ありり? 小槌さんや小槌さんや。鼠浄土が帰ってくよ〜?」

 

 私とミニヤチヨを包むように積もっていた星の雪が空へ帰っていく。どうしたんだろう、故障かにゃ〜?

 

『報告。データの読み込みが完了しました。鼠浄土に反映しますので少々お待ちください』

 

 …………なうろーでぃんぐ。なうろーでぃんぐ。ぐんでぃーろよいがな。

 思考停止した私が我に帰った時は、星の雪が百体の小さな人型を形作るように積もっていく最中だった。

 

「ヨヨヨ〜。ヤチヨ渾身のやらかし! どうやって誤魔化せば良いんだ〜!」

 

『鼠浄土、作業用群体生成完了しました。対象名・月見ヤチヨ。震える程感動して頂けて幸いです。ダイコク様も知ればお喜びになるでしょう』

 

 Oh、ミニイロハ達私の顔watch……カワイイカワイイネ。ああ神よ。この罪深きAIおばあちゃんに裁きを。

 

「イロ!」「イロハロ-」「バイトノジカン?」「イロッピ-……イロピ-デ-ス」「イロハダヨ-」「!ヤチヨ!」「……ヤチヨ!?」「ヤヤヤヤヤヤヤチヨ!?」「ウワアアアア!?オシガデッカクナッタ-!」「ヤチヨサマ-!!」「アノ、エトソノ、イツモオウエンシテマヒュウウウウウウ」「ヤチヨトオシゴト!?」「ワレ、カチカク」「オシゴトクダサイ!(五体投地)」「オシゴトマッテマスゥゥゥ(五体投地)」「フンデクダサイ。コウ、フニュット(土下座)」「コノイノチニカケテハタラキマス(五体投地)」「ヤ゙ヂヨ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙゙オ゙オ゙オ゙(ガチ泣き)」「……(感動による放心中)」

 

『こちらの群体はツクヨミに贈呈します。どうぞご自由にお使いください』

 

 完全な善意で黒歴史が群れで押し寄せてきた。しかも、脳内妄想が途中から娘じゃなくて彩葉ラブ妄想になったせいで、推しを前にして限界迎えた彩葉in社畜根性インストール済み。和洋クラシック混合メイド服ネズミ耳を添えて。ミニヤチヨ要素が肌の色とSD頭身くらいしか面影が無い。

 

「あ、あはは。……ごめん、ちょっと横になるね」

 

 私の煩悩のせいでツクヨミに知られてはならない秘密ができてしまった……。

 ──ちくしょー! だいなしにしやがった! 私はいつもそうだ。このミニイロハ達は私の妄想そのものだ。私はいつも失敗ばかりだ。お前はコラボライブで告白するが、彩葉は答えてくれなかった。誰もお前を愛さない。

 あ、ごめんねミニイロハ達。物凄い勢いでプログラミングしてお布団作ってくれてる。サラサラと体表から星の雪が湧き出て、それが固まってできたキラキラなパソコンのキーボードを鬼気迫る顔で叩いている。エンターボタンを叩く度に少しずつ何も無いところに布団が形になって現れようとしている。

 そ、そんなに頑張らなくて良いんだよ? 手触りとか感じないからさ。八千年使ってないけど痛む体も無いので。

 

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「オシヲジベタデネカセラレマセン!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

「ヨヨヨ〜っ! ヤチヨはまだ何も言ってないのですっ!」

 

 結局、カップラーメンくらいの時間で本格的な羽毛布団ができました。ミニイロハ達のキラキラな目が使ってくださいと言ってるので天守閣に持って帰ろうと思います。

 ヤチヨは、ヤチヨは……悪いやつなのです……。

 

 それから、何とかお願いしてミニヤチヨを量産してそっちを『もと光る竹』制作に使ってもらうようにお願いした。頭の輪っかの代わりにネズミ耳が着いたチビヤチヨ達がどこかへ飛んで行く。多分別の作業場があるんだろう。

 これ以上ミニイロハを増やされたらバレた時に私が死ぬ。これでいい、これでいこう。

 

『設計図を確認。ご協力頂き感謝します』

 

「うん……。喜んでくれたならいいかな……」

 

 足元で餌に群がる鯉、じゃなくてミニイロハ達が私を中心に五体投地している。しっぽの振り方は風を切る音が聞こえそうなくらい爆速だ。美しい星空に囲まれてるのにそれが全部ミニイロハになると考えたら……そしたら、彩葉も昔みたいに怒ってくれるかなぁ。うん、そう考えたらまあいいや。まいや。

 

『鼠浄土へデータ提供して頂いた礼として、一度だけではありますが当機の使用権を差し上げます』

 

「打出の小槌の? えっとね〜、ミニイロハ達がバレないように──」

 

『否。当機の炉心、“運命確立金杭・八千矛”の使用権です』

 

「──ほえ?」

 

 てっきりお願いを聞いてくれるのかと思ったら、どうやら違うみたいだ。けど何をする物なのか名前じゃ良く分からない。

 小槌の柄の株がパカッと空いて、中から棒状の何かが落ちて地面に突き刺さった。

 それは身の毛がよだつ程、ゾッとする美しさの黄金の杭。RPGなら間違いなくラストダンジョンの隠し宝箱に入ってそうな、切子細工じみた幾何学的な紋様が浮かぶそれから目が離せない。

 

「打出の小槌は炉心から漏れ出た力を僅かに使用して願望が叶う因果を結びますが、これは事象を確定させる効果があります」

 

 ──例を上げるなら、“酒寄彩葉が月見ヤチヨの正体に気付く”など。その言葉を聞いた瞬間、小槌の柄を握り締めた。

 

「どうしてそれを……」

 

 怖い。分からない。私がかぐやだとどうして分かったの。

 

『回答。初めに当機は『当機は全て把握しています』と申し上げました』

 

「っ、言ってた、けど」

 

 だって、私がかぐやだとバレているなら。私とかぐやのどっちか、あるいは両方が月に送還されてしまう。

 

『当機は月と連絡を取りません。対象名・月見ヤチヨ、並びに対象名・かぐやを輪廻の日まで月から護ります。……それでよろしいですか?』

 

 感情を感じない電子音声に私は重苦しく頷いた。どうせ私が抵抗した所で無意味だし、何かしらで私の記憶を読み取ったんだろう。

 

「……うん。それともう一つ。良いかな」

 

『了。小槌を握り、望む運命を口にして八千矛に叩き込んでください。それが貴女の運命となりましょう』

 

 じっと黄金の杭を見据える。

 ──彩葉。私の全部。大切な、大切な宝物。……どうか、もう一度私を……。

 

「彩葉に私を抱き締めてほしい」

 

 澄んだ鐘のような音がどこまでも、どこまでも穏やかに響き渡った。

 それだけで、終わりでいい。またあなたの腕に包まれる事ができたなら、それだけで私は幸せだよ。

 

「どうもありがとうね。気休めでも助かっちゃうよ」

 

 突き刺さった八千矛を引き抜いて打出の小槌に手渡した。ヨーグルトに刺さったスプーンを抜いたかのような手応えのなさは記憶に新しい。

 

『確認。お帰りになりますか?』 

 

「そうしましょっかな〜。ヤッチョそっくりのおチビさんが眠っているものでして〜」

 

 一時間は経ってるしそろそろ起きたかもしれない。どうやって落ち着かせようかな、混乱してるだろうな。

 

『訂正。対象名・少雛海琴の顔パーツは対象名・月見ヤチヨとはあまり類似性がありません』

 

 打出の小槌が柄の中に八千矛をしまいながら、そんな事を言いだした。

 

「それは嘘だよ。実際に見たけどクリソツだったよ〜?」

 

『回答。それは少雛海琴による詐欺メイクによるものです』

 

 サギメイク。なんだろうそれは、ROKAも取り扱ってないよそんなの。インターネット中見てきたけど初めて聞いた。

 

『対象名・少雛海琴が生活していた次元とこちらの次元を比較すると、顔を構成するパーツの美醜の差が激しいようです。こちらの次元の方が全体的に対象名・少雛海琴が言うところの“顔面偏差値”が高い傾向にあります』

 

 前触れ無くウィンドウが浮かび上がり、私そっくりの顔が浮かび上がる。

 

『頬骨、顎、首などの輪郭の矯正。頬肉の形状変更。鼻筋の形状及び高低差変更。口角の変化。目元のサイズ及び形状変更。肌質の詐称。そこに通常の化粧を混ぜたそれらを全て剥がすと────こちらが対象名・少雛海琴の素顔です』

 

 そこに現れた少女の顔は……かお、は……。

 

「これCGじゃないんだよね? ここで嘘つかれたら冗談抜きに怒るよ」

 

 この顔を隠してかぐやに彩葉を譲ろうとしていたのか。ああ、理解したよ。君は“本物”になれないから諦めたんだなって。

 それはそれとして運命って残酷だね。かぐやはヤチヨになる定めなんだなってヤチヨは理解したよ。

 

『回答。正真正銘対象名・少雛海琴ご本人です』

 

 それを聞いて私は安堵の息を漏らした。ここの技術で嘘映像を流されたら私の解析能力を持ってしても騙される可能性が高いからだ。

 薄ぼんやりと霧が立ち込めていく。僅か数十秒で霧が晴れると見慣れたツクヨミの鳥居が堂々たる佇まいで鎮座していた。

 わちゃわちゃと思い思いに推し活してたミニイロハ達が集まってくる。置いていったら泣くかなぁ。……いやいやいやいや、彩葉を置いていくなんてそんな恐ろしき事できませんとも。

 

「また困った事があったらヤチヨに頼っていいよ〜」

 

『疑念。かぐやを優勝させる方法を思いついていないようですが』

 

「ヴッ。あ、あはは……。その時は助けてくれると嬉しいなぁ」

 

『返答。近いうちにアイデアが降りてくるでしょう。当機が、運命が保証します』

 

「なんと! そんな事されたらヤチヨすっごく助かっちゃうよ〜! 感謝、感激、雨アラモード〜〜! そいでは〜、さらば〜〜い!」

 

 あ、足元でミニイロハ達が供給過多で倒れていく。ごみん、彩葉のヤチヨ耐性ほんとによわよわだね〜。

 満点の星空の中、星々に手を振って鳥居をくぐった。

 とりあえずミニイロハ達を隠さないと。ツクヨミの外周で良いかな。

 

「ヤチヨノタメナラドコデモイケマスゥゥゥゥ」

 

 大丈夫そうで良かった良かった。でもー、そろそろ耐性つけて欲しいにゃあ。毎日歌ってあげたら治るかな?

 

「よ〜し、そろそろ眠り姫の出迎えと行こうか」

 

 あの子もきっと起きている。早く安心させてあげないとね。ふっふっふ〜、おばあちゃんが今行くよ〜〜!

 


 

 アイエエエエエ!? ネズミ耳メイド彩葉!? ネズミ耳メイド彩葉ナンデ!?

 

×

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 Uchide.log

 

 現状の対象名・かぐやのヤチヨカップ優勝確率──輪廻による補正込みで70パーセント。

 運命力確保のため使用した八千矛によって、本来辞退していた配信者(ライバー)と動画投稿者(クリエイター)が参加した事で確率が低下したものと見受けられます。優勝すれば膨大な運命力が確保可能となります。至高願望(グランドオーダー)達成のためにも必ず優勝させてください。

 

 対象名・月輪神楽──権限登録名・オッズアンドエンズ(ツギハギ)が乗っていた『もと光る竹』を対象名・月見ヤチヨから提供された設計図に基づき再構成します。

 対象名・月見ヤチヨに提供した情報、少雛海琴が乗っていた船は大破した・少雛海琴の生命活動の限界が近いと偽りの情報を提供した事が発覚しないようにします。

 

 対象名・月輪神楽の擬態に使用しているナノマシン(廃品)を対象名・かぐやの皮膚片や毛髪から採取したナノマシン(最高等級)に変更します。

 ナノマシン(廃品)で構成した皮下組織に直接高濃度の塩分と高熱を与えると劣化が加速すると知られてはなりません。対象名・七村唄葉の呪い(仮)が破られると対象名・月輪神楽の今後の行動が崩壊する可能性があります。至高願望(グランドオーダー)のためにも罪の意識を消させてはなりません。

 月輪神楽が海水浴と浴場に向かう前に『もと光る竹』の改修を終了させます。

 

マスター・かぐや。貴女の亡骸を当機のエゴで物として使用した事、お許し頂けなくても構いません。

 月輪神楽。貴女の魂はマスター・かぐやと四人の同一存在の亡骸を繋ぎ合わせた肉体に宿っていますが、当機は貴女をマスター・かぐやと認めません。せいぜいこの夏を楽しみなさい。

 

 全ては輪廻の破壊のために。

 

 記録終了。





幻燈河赤さん、誤字報告ありがとうございます!

大規模コラボってあり?

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