杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~ 作:redhot
岩内自衛隊基地は異様な緊張と期待に包まれていた。
トオルの重要度が急激に上がったため、防衛省は全国から精鋭を集めることを決定した。
北海道の静かな港町に、日本が誇る最強の戦士たちが、次々と到着し始めた。
最初に姿を見せたのは、煉獄杏寿郎の同期たちだった。
彼らはすでに基地にいた煉獄と同じく、鬼滅の刃の名を冠するような強者たち。
しかしここでは、すべてが自衛隊の制服に身を包んだ大人たちの姿だった。
巨大な体躯の悲鳴嶼行冥三佐は、盲目の目を閉じたまま、静かに頭を下げた。
その声は低く、しかし温かかった。
「……トオルくん。
私は悲鳴嶼行冥。
これより、あなたの守護を務めさせていただきます」
隣に立つ冨岡義勇二佐は、静かに水のような視線をトオルに向けた。
言葉は少ないが、その存在感だけで周囲の空気が凛とした。
「冨岡義勇です。
……よろしくお願いします」
宇髄天元一佐は、派手な制服に身を包み、豪快に笑った。
「宇髄天元だ!
音の呼吸で、あなたを守るぜ!
派手に、華々しくな!」
時透無一郎二尉は、まだ少年のような顔立ちで、ぼんやりと空を見上げながら言った。
「時透無一郎……です。
霧のように、静かに守ります」
甘露寺蜜璃二尉は、ピンクの髪を揺らし、明るく笑った。
「甘露寺蜜璃です!
愛の呼吸で、トオルくんをいっぱい守っちゃいますね~!」
伊黒小芭内二尉は、蛇を模したマフラーに顔を半分隠し、低く言った。
「伊黒小芭内……。
蛇の呼吸で、影から護ります」
不死川実弥一佐は、傷だらけの顔に荒々しい笑みを浮かべた。
「不死川実弥だ。
風のように、どんな敵も吹き飛ばしてやるぜ!」
煉獄杏寿郎は、仲間たちを見て大声で笑った。
「うむ! みんな、来てくれたか!
これでトオルくんの守りは鉄壁だぞ!」
さらに、彼らの上に立つ新たなる上官が到着した。
新城直衛大佐と、その部下たち――皇国の守護者と呼ばれる精鋭集団だった。
新城直衛は、黒い軍服に身を包み、冷静で知的な瞳をトオルに向けた。
彼の背後には、圧倒的な存在感を持つ者たちが並ぶ。
白いドレスに身を包んだ美しい女性アルベド、赤い瞳の吸血鬼シャルティア、青い甲殻の戦士コキュートス、双子のエルフアウラとマーレ、悪魔の執事デミウルゴス……。
彼らは皆、静かに頭を下げた。
新城直衛は、穏やかだが絶対的な声で言った。
「新城直衛です。
これより、あなたの守護責任者として参りました。
私の部下たちも、命に代えてもあなたをお守りします」
トオルは、突然増えた大勢の人たちを見て、少し驚きながらも、すぐに優しい笑顔を浮かべた。
「みんな……ありがとう。
僕、トオルだよ。
これから、よろしくね。
みんなで、一緒にがんばろう」
杖くんが、トオルの肩に手を置き、優しく微笑んだ。
『トオルちゃん……日本中の精鋭が、あなたを守るために集まったわ。
これで、あなたの優しさが、もっと広がっていくのよ』
基地の外では、春の風が吹き始めていた。
ガンダムとザクが丘の上に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。
新たなる守護者たちは、トオルの周りに静かに並んだ。
彼らの視線は、すべて少年に向けられていた。
人類史上最大の魔法使いは、七歳の心で、世界の精鋭たちを迎え入れていた。
霧の港町は、少年の光と、新たな守護の影に包まれながら、輝き続けていた。