杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと新たな神話の始まり

日本全国の新聞とテレビは、一つのニュースで埋め尽くされた。

一面の大きな見出しが、朝刊のトップを飾っていた。

【新たな神話の始まりか? 九歳の魔法使いトオル君に、北欧神話のドワーフが鍛えた神剣が誕生】

記事には、岩内基地の特別鍛冶場で完成した二本の剣の写真が大きく掲載されていた。

銀と金の光が交差する美しい姉妹剣。

刃文は星の軌跡のように流れ、柄と鍔にはルーンと妖精の紋様が融合した神々しい意匠。

二本で一対の剣は、まるで比翼の鳥のように寄り添い、互いを補い合う姿が印象的だった。

テレビのニュースでも、連日その映像が流れた。

「本日、岩内自衛隊基地において、トオル君専用の神剣が完成しました。

北欧神話に伝わるドワーフの伝説の鍛冶師たちが、ミスリルとオリハルコンを基に、トオル君のためにだけ打ったとされています。

剣の名はトオル君自身が名付けた『エウレカ』。

二本で一対の姉妹剣です」

アナウンサーの声が続く。

「この剣には、小さな精霊が宿っていることが確認されました。

現在、トオル君の周囲を優しく漂い、守るように輝いています」

画面には、トオルが二本の剣を手に持ち、優しく微笑む姿が映し出された。

銀の剣の精霊がトオルの右頰に、金の剣の精霊が左頰に、そっとキスをするように光を放つ様子も捉えられていた。

新聞各紙の見出しは、ほぼ同じだった。

・「神話が現実になった ドワーフがトオル君に贈った神剣エウレカ」

・「九歳の少年と比翼の神剣 新たな伝説の幕開け」

・「トオル君の優しさが呼び寄せた、北欧の鍛冶神の傑作」

全国の国民が、朝の新聞やテレビの前で息を飲んだ。

「本当に……神話の時代が来たんだな」

「トオルくん、すごすぎる……」

「エウレカ……綺麗な名前だね」

岩内基地の食堂では、トオルがいつものようにみんなと一緒に食事をしていた。

九歳の少年は、エウレカの二本の剣を大切そうに膝の上に置きながら、照れくさそうに笑った。

「みんな、ニュースで言ってるね……

僕、ただ『エウレカ』って名付けただけなのに」

エウレカの精霊たちが、トオルの周囲を優しく漂いながら、小さな光の粒を散らしていた。

まるでトオルを祝福し、守っているかのようだった。

煉獄杏寿郎が、大きな声で笑いながら言った。

「うむ! 素晴らしい剣だぞ、トオル!

ドワーフたちが本気で打った剣だ。

これで、お前はますます強くなる!」

胡蝶しのぶが、優雅に微笑みながら、

「ふふ……比翼の鳥のよう、ですって。

トオルくんとエウレカの姿が、とても美しく映っていますわ」

胡蝶カナエが、穏やかに頷き、

「あらあら、精霊さんたちがトオルくんの周りを守ってるのね。

本当に幻想的だわ」

炭治郎が静かに、

「トオルくん……お前が名付けた剣が、もう伝説になってるよ。

すごいな」

トオルは、剣の柄をそっと撫でながら、優しく言った。

「エウレカ……これからも、みんなを守ってね。

僕も、一緒にがんばるよ」

杖くんが、トオルの耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……神剣エウレカが誕生したわ。

ドワーフたちの想いと、あなたの優しさが融合した、本当に素晴らしい剣よ。

これで、また新しい神話が始まるのね』

基地の外では、秋の風が優しく吹いていた。

ガンダムとザクが丘の上に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。

トオルとエウレカの姿は、新聞やテレビを通じて日本中に広がり、

人々に「新たな神話の始まり」を実感させていた。

人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、神剣と共に、静かに未来へ歩み始めていた。

霧の港町は、少年の光と、神剣の輝きに包まれながら、輝き続けていた。

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