杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと新たな鉱石の光

岩内自衛隊基地の地下研究棟は、いつにも増して興奮した空気に包まれていた。

トオルが四百階を超える深層から持ち帰った新たな鉱石のサンプルが、分析室の中央に並べられていた。

ライトクリスタル――透明で淡い光を内包し、魔力を増幅する性質を持つ。

紅蓮石――深紅の輝きを放ち、高い耐熱性と魔力伝導率を併せ持つ。

カブレライト鉱石――銀白色で軽量ながら驚異的な硬度を誇る。

ユニオン鉱石――複数の金属が自然に融合した複合鉱石で、加工性に優れる。

ノヴァクリスタル――星のような輝きを放ち、極めて高いエネルギー伝導性を持つ。

研究員たちは、分析結果を見て息を飲んだ。

「ドラグライト鉱石以上の強度……

分子構成が、地球上に存在しえないレベルです。

ミスリルにわずかに劣るものの、これだけの素材があれば、軍事産業はさらに飛躍的に発展します」

一人の科学者が、震える声で報告した。

「ライトクリスタルは、兵器の照準システムや通信機器に革命を起こせます。

紅蓮石は、耐熱装甲やエネルギー兵器の核心部に最適。

カブレライトとユニオン鉱石は、軽量高強度装甲の新時代を切り開くでしょう。

ノヴァクリスタルは、魔力炉心や高出力兵器の鍵となります」

防衛省の担当者が、資料を握りしめながら言った。

「トオル君が持ち帰っただけで、これだけの価値……

これは、単なる鉱石ではありません。

日本の軍事技術を、十年、いや二十年先へ進める発見です」

トオルは、そんな騒ぎを知らずに、基地の食堂でみんなと一緒に食事をしていた。

九歳の少年は、杖くんを抱きしめながら、優しく笑う。

「みんな、元気だね……

僕、今日も新しい鉱石を見つけたよ。

みんなの役に立てるといいな」

煉獄杏寿郎が、大きな声で笑いながら言った。

「うむ! トオル、お前の発見はいつもすごいぞ!

新しい鉱石か……また日本が強くなるな!」

胡蝶しのぶが、優雅に微笑み、

「ふふ……ライトクリスタルやノヴァクリスタル……

トオルくん、あなたの探索が、国をどんどん強くしていますわね」

胡蝶カナエが、穏やかに頷き、

「あらあら、ミスリルに匹敵するほどの発見なんて……

本当に、トオルくんは日本の宝ですわ」

炭治郎が静かに、

「トオルくん……お前のおかげで、また新しい技術が生まれるよ。

ありがとう」

トオルは、少し照れくさそうに笑った。

「うん……僕、ただ、みんなが安心して暮らせるようにって……」

杖くんが、トオルの耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……新しい鉱石が、世界を変えていくわ。

あなたの優しさが、また一歩、未来を照らしているのよ』

基地の外では、秋の風が静かに吹いていた。

ガンダムとザクが丘の上に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。

新たな鉱石たちは、軍事産業の未来を大きく変える鍵として、

静かに、しかし確実に、日本の技術を次のステージへと押し上げようとしていた。

人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、深淵の宝物を、ただ「みんなの為に」と届け続けていた。

霧の港町は、少年の優しさと、新たな鉱石の輝きに包まれながら、輝き続けていた。

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