杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと恐るべき魔法の書

世界中の退魔組織は、静かな衝撃に包まれていた。

トオルと杖くんが編集した『精霊魔法入門――人類のためのやさしい魔法』は、各国の退魔組織に配布され、瞬く間に読み尽くされた。

古い寺院、隠された修道院、秘境の山岳道場……。

長年、闇と戦い続けてきた者たちが、その本を前に言葉を失った。

ある古い退魔組織の長老は、薄暗い灯りの下で本を広げ、震える声で言った。

「これは……恐ろしい。

太古の時代から伝わる技術を、資質さえあれば誰でも使えるようにしている。

代償も、精霊に祈るだけ……。

我々が何十年もかけて身につけた術が、こんなに簡単に……」

別の組織の師範は、ページをめくりながら、冷や汗を浮かべた。

「攻撃魔法はダンジョン内限定、回復と防御は地上でも使用可能……

しかも、精霊信仰は世界各地に根付いている。

この本一冊で、魔法が『特別な才能』ではなく、『誰でも学べる技術』になってしまう。

どれだけの叡智が宿っているのか、想像もつかない」

世界中の退魔組織は、夜を徹して本を読み、議論を重ねた。

彼らは、ダンジョンの深淵でトオルが得た知識の深さを、肌で感じていた。

「この少年は、八百五十階の無限の図書室で、何を見たのか……」

「神話の時代に失われた術が、現代に蘇っている。

しかも、誰でも扱えるように簡略化されている……

これは、恐るべき力だ」

ある老いた退魔師は、本を閉じ、静かに呟いた。

「ダンジョンの深淵で、どんな知識を得たのか……

知りたいほどだ。

しかし、同時に恐ろしい。

この本が悪用されなければいいが……」

トオルは、そんな世界の動きを知らずに、基地の食堂でみんなと一緒に食事をしていた。

九歳の少年は、杖くんを抱きしめながら、優しく笑う。

「みんな、元気だね……

僕、魔法の書を配ったよ。

少しでも、みんなの役に立てたらいいな」

煉獄杏寿郎が、大きな声で笑いながら言った。

「うむ! トオル、お前の本は世界中で話題だぞ!

退魔組織の人たちも、驚いているらしい!」

胡蝶しのぶが、優雅に微笑み、

「ふふ……太古の技術を、誰でも使えるようにしたんですのね。

トオルくん、あなたの優しさが、世界の常識を変えていますわ」

胡蝶カナエが、穏やかに頷き、

「あらあら、研究者さんたちも、科学とは別の側面と言っているそうですわ。

トオルくんは、本当に特別な子ね」

炭治郎が静かに、

「トオルくん……お前のおかげで、魔法が『希望』になり始めている。

本当にありがとう」

トオルは、みんなの笑顔を見て、胸が温かくなった。

「うん……僕、もっとがんばるよ。

みんなが、笑顔でいられるように……」

杖くんが、トオルの耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……退魔組織の人たちも、あなたの本に驚いているわ。

太古の叡智が、現代に蘇ったのよ。

あなたの優しさが、世界を少しずつ変えていく』

基地の外では、秋の風が静かに吹いていた。

ガンダムとザクが丘の上に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。

世界中の退魔組織は、トオルの魔法の書を前に、静かに、しかし確かに、

新たな時代の到来を実感していた。

人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、太古の叡智を、優しく現代に届け続けていた。

霧の港町は、少年の光と、世界の驚嘆に包まれながら、輝き続けていた。

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