杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと漫画とゲームの魔法と少年の人間らしさ

自衛隊基地の資料室は、雪の降る窓から差し込む淡い光に包まれ、静かに息づいていた。

トオルは、小さな体を机に寄せ、杖くんを抱きしめたまま、無限の図書館から取り出したゲームや漫画、アニメの記憶を次々と取り込んでいた。

九歳の少年は、優しい瞳を細めながら、呟くように言った。

「この魔法……もっと効率よく使えるように、変えられるかな……」

杖くんが、人の姿で隣に座り、銀髪を優しく撫でながら微笑んだ。

「トオルちゃん……あなたは本当に、驚くほど吸収が早いわ。

RPGやTRPGの魔法やスキル、全部自分のものにしていくのね」

トオルは、頷きながら手を動かした。

まず、BASTARD!! -暗黒の破壊神-に登場する古代魔法と精霊魔法を、自身の魔力に最適化する。

次に、ジョジョの奇妙な冒険の波紋を、もっと少ない魔力で大きな効果を発揮できるように調整し、スタンドも召喚魔法と融合させて、効率的に扱える形に変えていく。

「これなら……みんなが、もっと安全に戦えるよね」

召喚魔法の幅も、日に日に広がっていた。

女神転生の悪魔や神々、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン、そしてPCゲームから、無数の主人公サイドと敵サイドの存在を呼び出せるようになった。

ドラゴンナイトやランス2の女性キャラクターを、好奇心から一度召喚した時は――

胡蝶しのぶが、優雅だが有無を言わせぬ笑顔で即座に注意した。

「トオルくん……その召喚は、少し早すぎますわ。

あなたはまだ九歳ですもの」

胡蝶カナエも、穏やかに、しかしきっぱりと言った。

「あらあら……刺激的すぎるキャラクターは、トオルくんにはまだ早いです。

また後で、ね?」

トオルは、頰を赤らめながら、素直に頭を下げた。

あの女性キャラクターたちは、少年の目にはかなり刺激的で、心臓がどきどきしたことを覚えている。

でも、すぐに召喚を解除し、二度と軽々しく呼ぶことはなかった。

九百階挑戦の前夜。

孔雀と、王仁丸、そして召喚されている男性陣――ニンジャスレイヤー、グイン、D、メフィスト、ガンダルフ、アラゴルン、レゴラス、ボロミア、ギムリ――は、基地の片隅で静かに語り合っていた。

孔雀が、煙草をくわえながら、苦笑した。

「トオル……あの子にも、人並みの欲があるんだな。

少し安心したぜ」

王仁丸が、冷たい笑みを浮かべながら、

「人類のことを第一に考えて、自分のことはいつも後回し。

それでも、あの程度の欲は当然だ。

九歳の子供が、あれだけ世界を背負っているんだ。

神々も、このくらいは見逃すだろう」

ニンジャスレイヤーが、静かに頷いた。

「ドーモ……少年は、守られるべき存在。

欲があるということは、まだ人間らしい証拠だ」

グインが、豹頭を軽く振りながら、

「そうだ。

あの少年が、欲さえ失ったら……本当の怪物になってしまう」

トオルは、そんな会話を知らずに、資料室で最後の調整を終えていた。

九百階への挑戦を前に、すべての知識を最適化し、みんなを守るための力を整えていく。

杖くんが、トオルの頰にそっと触れ、優しく囁いた。

『トオルちゃん……あなたは、漫画やゲーム、アニメの力を全部自分のものにしながら、

それでも、ただ優しいままなのね。

少しの欲も、あなたの人間らしさ……大切にしていいわ』

トオルは、杖くんを抱きしめ直し、静かに微笑んだ。

「うん……僕、みんなが笑顔でいられるようにがんばる。

でも……少しだけ、僕も普通の子供でいたいな」

基地の外では、雪が静かに降り積もり始めていた。

ガンダムとザクは白く染まり、犬型ゴーレムたちが静かに見守る中、

トオルは、今日もまた、みんなの笑顔を守るために、静かに歩み続けていた。

人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、異界の魔法と自分の小さな欲を胸に、

ただ、世界を優しく照らし続けていた。

霧の港町は、少年の光と、雪の白さに包まれながら、輝き続けていた。5.8 秒

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