杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~ 作:redhot
自衛隊基地の訓練場は、雪の白いヴェールに包まれ、静かな緊張が満ちていた。
トオルは、九歳の小さな体を中央に置き、杖くんを抱きしめたまま、ゆっくりと目を閉じていた。
無限の図書館で得た新たな知識――BLEACHの世界から生まれた魂の技術が、今、少年の内で静かに息を吹き返そうとしていた。
「これ……魂を操る力。
破道、縛道、回道……
虚の虚閃と、滅却師の技術も……
みんなが安全に戦えるように、ちゃんと僕の魔法に合わせるね」
トオルは、優しい声で呟きながら、手をゆっくりと掲げた。
まず、破道。
掌から青白い光が迸り、低級の「破道の四・白雷」が訓練用の標的を正確に貫いた。
続いて「破道の三十一・赤火砲」が炎の球となって爆ぜ、雪を溶かしながら標的を吹き飛ばす。
高位の「破道の八十八・飛竜撃賊震天雷砲」は、まだ威力を抑えて放ったが、それでも訓練場の地面を深く抉った。
次に縛道。
「縛道の一・塞」が標的の動きを封じ、「縛道の六十一・六杖光牢」が光の檻となって完全に拘束する。
「縛道の八十一・断空」は、目に見えない壁となって攻撃を防いだ。
回道は、回復の光を優しく灯した。
軽い傷を瞬時に癒し、疲労を和らげる。
トオルは、自分の腕に軽く回道をかけて、穏やかな笑みを浮かべた。
「これなら……みんなの怪我を、すぐに治せるよね」
さらに、虚の虚閃。
掌に集めた赤黒い霊圧が、強烈な光線となって一直線に放たれた。
標的を粉砕するその威力に、周囲の自衛隊員たちが息を呑む。
そして、滅却師の技術。
空気中の霊子を操り、青白い弓矢を形成して射る。
「血装・静血装」で防御を固め、「飛廉脚」で雪の上を滑るように高速移動した。
胡蝶しのぶが、訓練場の端から優雅に近づきながら、
「ふふ……トオルくん、相変わらず吸収が早いですわね。
破道も縛道も、まるで最初から使っていたかのよう……」
胡蝶カナエが、穏やかに微笑みながら、
「あらあら……虚閃の威力も、滅却師の技術も、トオルくんの優しさでちゃんと抑えられていますわ。
でも、基地が壊れないよう、ほどほどにね?」
煉獄杏寿郎が、豪快に笑いながら、
「うむ! 魂の技術か! トオルの力は日々広がっていく!
わしらも負けていられんぞ!」
炭治郎が、静かに頷きながら、
「トオルくん……ありがとう。
その力で、みんなを守ってくれるんだね」
トオルは、みんなの顔を見て、照れたように頰を赤らめた。
「うん……僕、ただみんなが笑顔でいられるように、取り入れてみただけだよ。
無限の図書館にあった知識を、ちゃんと僕の魔法に合わせたから……
安全に使えるように、がんばったよ」
杖くんが、トオルの耳元で優しく囁いた。
『トオルちゃん……破道の破壊、縛道の束縛、回道の癒し……
虚の閃光と滅却師の技まで。
あなたは本当に、どんな力も優しさで包み込むのね』
トオルは、杖くんをぎゅっと抱きしめ直し、静かに微笑んだ。
「うん……みんなが、怪我をしないように。
僕、もっと上手く使えるように、がんばるよ」
基地の外では、雪が静かに降り積もり始めていた。
ガンダムとザクは白く染まり、犬型ゴーレムたちが静かに見守る中、
トオルは、今日もまた、みんなの笑顔を守るために、静かに歩み続けていた。
人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、魂の鬼道と虚の閃光と滅却師の力を胸に、
ただ、世界を優しく照らし続けていた。
霧の港町は、少年の光と、雪の白さに包まれながら、輝き続けていた。