杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんとアメリカの密談と伝説の影

ワシントンD.C.、ホワイトハウスの地下会議室。

重厚な扉が閉ざされ、秘密保持の魔法のような緊張が満ちていた。

ロナルド・レーガン大統領は、いつもの穏やかな笑みを浮かべたまま、しかし瞳の奥に鋭い光を宿して座っていた。

その周囲には、国防長官、国家安全保障問題担当補佐官、CIA長官らが固い表情で並んでいる。

国防長官が、書類を叩きながら低い声で切り出した。

「ビックボス――ヴェノム・スネーク率いるダイアモンド・ドッグズが、日本に雇われた。

トオル少年の傭兵として、ダンジョン探索に参加するそうだ。

情報は極めて信頼できる筋から入った」

CIA長官が、眼鏡を押し上げながら続けた。

「大統領……我々は彼がアメリカの機密を漏らすとは思っていません。

しかし、あの男は我々の後ろ暗い部分を、ほとんど知り尽くしています。

アフガン、ニカラグア……そしてあの『プロジェクト』のことまで。

日本側にどれだけ話すつもりか……」

国家安全保障問題担当補佐官が、苦々しく言った。

「どうするべきか。

一度、こちらから使者を送って話し合うべきではないか?

表向きは『友好確認』として。

ビックボスは今、傭兵だ。

アメリカ軍所属ではないが……油断はできない」

レーガン大統領は、ゆっくりと指を組んで、静かに言った。

「諸君……ビックボスは恐ろしい男だ。

しかし、今の彼はトオル少年の側にいる。

あの少年は、世界を守るために動いている。

我々が強引に動けば、逆に日本との関係を悪化させる可能性もある。

使者を送るにしても、慎重に……」

会議室に、重い沈黙が落ちた。

誰もが、伝説の傭兵が持つ「秘密の山」を思い浮かべ、表情を硬くしていた。

一方、遠く北海道の自衛隊基地では、そんなアメリカの密談など知る由もないトオルが、食堂でみんなと食事をしていた。

九歳の少年は、杖くんを抱きしめながら、穏やかな笑みを浮かべていた。

「ビックボスさんたち……今日も元気かな。

新しい装備、ちゃんと役に立ってるといいな」

胡蝶しのぶが、優雅に微笑みながら、

「ふふ……トオルくん、世界のどこかで、あなたのことを気にかけている人たちがいるようですわ」

胡蝶カナエが、穏やかに頷いた。

「あらあら……でも、トオルくんはいつも通りでいいのですよ。

みんなの笑顔を守る、それがあなたの役割ですもの」

トオルは、みんなの顔を見て、静かに言った。

「うん……僕、ただみんなが笑顔でいられるように、がんばるよ」

杖くんが、トオルの耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……アメリカの皆さんも、あなたとビックボスさんのことを気にしているわ。

でも、あなたはいつも通りでいいの。

世界は少しずつ、あなたの優しさで変わっていく……』

基地の外では、雪が静かに降り積もり始めていた。

ガンダムとザクは白く染まり、犬型ゴーレムたちが静かに見守る中、

トオルは、今日もまた、みんなの笑顔を守るために、静かに歩み続けていた。

人類史上最大の魔法使いは、九歳の心で、遠い大国の密談など知らずに、

ただ、世界を優しく照らし続けていた。

霧の港町は、少年の光と、雪の白さに包まれながら、輝き続けていた。

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