杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと鋼の巨人

岩内自衛隊基地の広大な資材置き場は、霧の朝に包まれながら、突然の轟音に震えた。

トオルは杖くんを握り、創造魔法の陣を地面に描いていた。掌から青白い光が溢れ、空間が歪む。少年の瞳は、昨夜見たアニメの記憶で輝いていた。

「機動戦士ガンダム……RX-78-2ガンダムと、シャア専用ザク……作ってみよう」

光が凝縮し、地面から巨大な影が立ち上がった。

まず、白と赤と青のカラーリング。V字アンテナが鋭く天を突き、胸のダクトが赤く輝く。RX-78-2ガンダム。全長十八メートル。アニメそのままの姿で、鋼の巨人が静かに佇んだ。

続いて、緑と赤の機体。モノアイが赤く点灯し、ザク・マシンガンを構えたMS-06S ザクII S型――シャア専用ザク。同じく全長十八メートル。赤い彗星の機体が、ガンダムの隣に並んだ。

基地の警報が鳴り響き、自衛隊員たちが飛び出してきた。煉獄杏寿郎三佐は、炎のような目で叫んだ。

「うむ! 何だ、あの巨体は!」

隊員たちが銃を構え、慌てふためく中、トオルは小さく手を振った。

「僕が作ったんだ……ガンダムとザク! みんな、びっくりした?」

巨体二体は動かず、ただ静かに立っていた。乗って操縦はできないが、トオルの指示には忠実に従う。トオルが指を軽く動かすと、ガンダムがゆっくりと膝を折り、ザクが片膝をついた。まるで、少年に忠誠を誓う騎士のように。

基地は大騒ぎになった。

「十八メートル……!? アニメのまんまじゃねえか!」

「動くぞ! 重機よりデカい!」

胡蝶しのぶが優雅に微笑みながら、目を細めた。

「ふふ……トオルくんったら、なんて大胆な遊び心ですの」

胡蝶カナエが穏やかに頷き、

「あらあら、子供たちの遊び相手にもなりそうね」

炭治郎が静かに拳を握った。

「これで……大型モンスターの素材運びが、楽になる」

エルフの子供たちがテントから飛び出し、目を輝かせて巨体を見上げた。

「わあ……おっきい!」

「乗れるの?」

トオルは笑って首を振った。

「乗れないけど……一緒に遊べるよ」

ガンダムとザクは、すぐに基地の名物となった。

重機の代わりに、資材を軽々と運び、仮設住居の建設を手伝う。エルフの子供たちは、ガンダムの足元で鬼ごっこをし、ザクのモノアイが赤く光るたびに歓声を上げる。大型モンスターの肉や甲羅を運ぶ際は、ザクが片手で抱え、ガンダムがもう片方を支える。十八メートルの巨体が、基地の道をゆっくり歩く姿は、隊員たちを驚かせ、笑わせた。

煉獄が大声で笑う。

「うむ! これで三十階までの運搬が革命だ! トオル、よくやったぞ!」

ニンジャスレイヤーが覆面の下で低く言った。

「ドーモ。鋼の巨人……守護に相応しい」

グインが豹頭を下げ、

「主よ……これで、俺たちももっと深く行ける」

メフィストがくすくす笑い、

「ふふ、面白い玩具だね。子供たちの笑顔が増えるなら、悪くない」

マシュが盾を構えながら、微笑んだ。

「トオルくん……すごいよ」

トオルは巨体二体を見上げ、杖くんを抱きしめた。

「みんな、ありがとう……これで、もっとみんなを助けられるね」

杖くんが耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……あなたは、夢を現実に変えてるわ。ガンダムとザクが、基地の守り神になったのよ』

基地の広場では、エルフの子供たちが巨体の足元で歌を歌い、自衛隊員たちが笑顔で資材を運ぶ。十八メートルの鋼の巨人は、静かに、しかし確実に、岩内の日常を変えていた。

人類史上最大の魔法使いは、八歳の心で、アニメの夢を、現実の希望に変え続けていた。

霧の港町は、ガンダムとザクの影に守られ、静かに未来へと歩み続けていた。

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