杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんとフォースの光

岩内自衛隊基地の広場は、雪が薄く積もった地面に、青白い光が揺れていた。

トオルは杖くんを握り、目を輝かせて立っていた。七歳の少年の頰は寒さで赤く染まり、息が白く凍る。だが、その瞳は熱を帯びている。

「杖くん……スター・ウォーズ、すごかったね。フォースって、魔力みたいだよね。ライトセーバーも、魔力の刃で作れるかな」

杖くん――レディ・アヴァロンは人の姿でトオルの隣に立ち、銀髪を雪風に揺らしながら、いたずらっぽく微笑んだ。

『ふふ、トオルちゃんったら。映画に夢中ね。フォースは確かに、魔力に似てるわ。意志で物体を動かし、感覚を研ぎ澄まし……ライトセーバーは、純粋なエネルギーの刃。やってみましょうか?』

トオルは深く頷いた。

「うん! 僕、オビ=ワンさんやルークさんみたいに、やってみたい」

少年は両手を広げ、魔力を集中させた。掌の中心に、淡い青い光が渦を巻く。光は瞬時に形を成し、約一メートルの刃が現れた。青白く、静かに唸るエネルギー剣――ライトセーバー。柄はミスリルで作った簡易なものだが、刃そのものは純粋な魔力の結晶だ。

「できた……!」

トオルは柄を握り、ゆっくりと構えた。オビ=ワン・ケノービのフォームを思い出し、静かにステップを踏む。ソレス(フォームIII)の防御的な動き。刃が弧を描き、雪を溶かす熱を帯びながら空を切る。

杖くんが優しく指導する。

『もっと腰を落として。フォースを感じて……周囲の流れを。敵の攻撃を予測して、受け流すのよ』

トオルは目を閉じ、深呼吸した。魔力が体を巡り、感覚が研ぎ澄まされる。次に、ルーク・スカイウォーカーのフォームをトレース。フォームV(シエン/ドジェム・ソ)の攻撃的な動き。刃が速く、力強く振られる。雪が舞い上がり、地面に浅い溝が刻まれる。

「ルークさんみたいに……!」

さらに、ダース・ベイダーのフォームを試す。フォームVのダークサイド寄りのバリエーション。重く、圧倒的な一撃。トオルは小さな体で、しかし確かな力で刃を振り下ろした。雪が爆ぜ、地面に深い裂け目が走る。

「ベイダーさん……怖いけど、強い……」

杖くんがくすくすと笑いながら、トオルの肩に手を置いた。

『トオルちゃん、素晴らしいわ。フォースを魔力で代用するなんて、あなたらしい。でも、ダークサイドには気をつけてね。怒りや恐怖は、力を増すけど……心を蝕むものよ』

トオルは刃を消し、杖くんを抱きしめた。

「うん……僕、みんなを守るために使うよ。怒ったり、怖がったりしないように……がんばる」

広場の端では、自衛隊員たちが遠巻きに見守っていた。煉獄杏寿郎三佐が、腕を組んで大きく頷く。

「うむ! トオルのライトセーバー……あれで三十階の怪物も斬れそうだな!」

胡蝶しのぶが微笑みながら、

「ふふ……オビ=ワンみたいですわね。トオルくん、どんどんカッコよくなって」

胡蝶カナエが穏やかに、

「あらあら、子供の遊びじゃなくなってきたわね。でも、素敵よ」

炭治郎が静かに、

「僕も……あんな風に、みんなを守れるようになりたい」

エルフの子供たちが、土俵の端から目を輝かせて見つめている。

「トオルさん……光の剣!」

「僕もやりたい!」

トオルはみんなを見て、笑顔になった。

「みんなも、やってみる? 危なくないように、ゆっくり教えるよ」

広場は、青白い光の刃が舞う中、笑い声と歓声で満たされた。

杖くんがトオルの耳元で囁いた。

『トオルちゃん……フォースは、あなたの優しさそのものよ。ライトセーバーは、守るための光』

雪の降る岩内は、七歳の少年が描く光の軌跡に、静かに照らされていた。

人類史上最大の魔法使いは、映画の夢を、現実の力に変え続けていた。

そして、その光は、遠い宇宙の物語のように、優しく、強く、広がり続けていた。

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