杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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杖くんと地上の悪夢

ダンジョンは時折、地上の情報を読み取り、恐ろしい姿を現すようになった。

それは、映画や物語から生まれた悪夢の具現だった。

三十階の暗い森で、突然、霧の中から巨大な影が浮かび上がった。マスクをかぶり、鉈を振り回す巨漢――ジェイソン・ボーヒーズ。映画のように不死身ではないが、銃弾を浴びても即座に再生し、異常な力で自衛隊の隊員を次々と薙ぎ倒す。

さらに奥では、チェーンソーを咆哮させながら Leatherface が現れた。人間の皮を被った狂った殺人鬼。隊員たちの悲鳴が森に響き、血の臭いが広がる。

そして、最悪の脅威――エイリアンのゼノモーフ。黒い外殻に長い尾、酸の血を滴らせながら壁を這い回る。数十体が群れをなし、隊員のヘルメットを突き破り、寄生を試みる。

自衛隊は苦戦した。銃火器は通じ、爆発物すら一時的にしか効かない。指揮官の声が無線で震えた。

「撤退だ! これは……人類の敵だ!」

だが、トオルがいた。

杖くんを握り、仮面ライダーたち、デスナイト、エルダーリッチ、グイン、D、マシュ、ニンジャスレイヤー、そして新たに創造したライトセーバーを構えて駆けつけた。

「みんな……怖がらないで」

トオルは静かに息を吐いた。即死の魔法が奔流となって放たれる。ジェイソンも Leatherface も、ゼノモーフも、映画のような不死身さはなく、一瞬で動きを止め、静かに崩れ落ちた。痛みなく、安らかに。

「ありがとう……無駄にしないよ」

トオルは両手を合わせ、短く祈った。

特に恐ろしかったのは、エイリアン・エッグの大量発見だった。三十五階の湿った洞窟に、数百の卵が脈打っていた。触手のようなものが蠢き、中からフェイスハガーが飛び出そうとしていた。

「これ……地上に出たら、大惨事だよ」

トオルは杖を高く掲げた。杖くんの魔力が加わり、炎の奔流が洞窟全体を焼き払う。一つ残らず、灰も残さずに。

「寄生されたら……他のモンスターが怪物になって、地上まで来ちゃうかもしれないから」

自衛隊の隊員たちは、焼け焦げた洞窟の前で膝をついた。

「トオルくん……また、助けられた」

煉獄杏寿郎が、炎のような声で言った。

「うむ! お前がいなければ、全滅だったぞ!」

胡蝶しのぶが微笑みながら、

「ふふ……地上の悪夢を、トオルくんが何度も滅ぼしてくれるんですのね」

胡蝶カナエが穏やかに頷き、

「あらあら、ゼノモーフの卵なんて……考えただけで怖いわ」

炭治郎が静かに、

「トオルくん……ありがとう。これで、またみんなが安心して探索できる」

トオルはみんなの顔を見て、優しく笑った。

「僕、ただ……みんなを守りたいだけだよ」

杖くんが耳元で囁いた。

『トオルちゃん……地上の恐怖を、あなたの優しさが何度も消してるわ。ダンジョンは、時々怖い夢を見せるけど……あなたがいる限り、大丈夫よ』

基地の外では、雪が静かに降り続いていた。ガンダムとザクが広場に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちがミスリルの刀を手に訓練を続ける。

ダンジョンは、地上の情報を元にした悪夢を時折生み出す。

ジェイソン、レザーフェイス、ゼノモーフ……。

だが、トオルと杖くん、そして仲間たちは、何度もそれを滅ぼし続けていた。

人類史上最大の魔法使いは、七歳の心で、世界の恐怖を、静かに払い続けていた。

霧の港町は、少年の光に守られ、静かに息づいていた。

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