杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~   作:redhot

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苦情が出たようです。
以後気をつけます。


杖くんと国連の警鐘

ニューヨークの国連本部、安全保障理事会の特別会議室は、重苦しい空気に満たされていた。円卓を囲むのは、各国代表と軍事顧問たち。壁のスクリーンには、岩内自衛隊基地から送られた映像が繰り返し流れている。

ジェイソン・ボーヒーズが鉈を振り回し、隊員を薙ぎ払う姿。レザーフェイスがチェーンソーを咆哮させ、血しぶきを上げる狂気の笑い。ゼノモーフの群れが壁を這い、酸の血を滴らせる映像……。

映像の最後は、いつもトオルの姿で終わる。七歳の少年が杖を掲げ、怪物たちが一瞬で静かに崩れ落ちる。痛みなく、安らかに。

アメリカ代表が、厳しい声で切り出した。

「これらの怪物は、映画の影響を受けたものだ。ジェイソンとレザーフェイスは特に危険。浅い階層にまで出現するようになった。地上に脱走すれば……パニックは避けられない」

ソ連代表が頷き、煙草をくゆらせながら続ける。

「不死身ではない。現代兵器で撃退は可能だ。だが、以前の装備なら全滅だったというデータは事実。トオルくんがいなければ、すでに大惨事だ」

イギリス代表がファイルを叩いた。

「対策は急務だ。国連として、各国に報告書の共有を義務づける。ジェイソンとレザーフェイスの検体回収は禁止されているが、映像とデータだけで解析を進めるしかない」

フランス代表が、ため息混じりに言った。

「モンスターの素材や鉱石を使った装備開発も、急がねばならない。ミスリル刀、マカライト製の盾……これらを各国で再現できないか?」

中国代表が静かに付け加えた。

「我が国も、軍事産業に国家命令を出した。ダンジョン産素材を基にした対モンスター装備の開発を優先する。トオルくんの協力が得られれば……だが、彼は『みんなの為に』としか言わない」

各国代表は、顔を見合わせた。共通の結論は一つだった。

「トオルくんがいる限り、地上は守られる。だが、彼に頼りきりではいけない。各国で、対ダンジョン装備の開発を急げ」

会議の後、各国軍事産業に国家からの注文が殺到した。

アメリカのロッキード・マーティン、ボーイングは「ミスリル刀の再現」を目指し、ソ連の設計局は「マカライト製盾の量産」を命じられた。ヨーロッパのダイムラー・ベンツ、エアバスは「ダイミョウザザミ甲殻の装甲板」を研究。中国の軍需企業は「軍隊ガニ甲羅の軽量防具」を開発開始。

各国は、トオルの報告書を基に、必死に追いつこうとしていた。

岩内基地では、トオルが食堂でみんなと一緒にダンジョンサーモンを食べていた。七歳の少年は、杖くんを抱きしめながら、ぽつりと呟いた。

「みんな、世界中が僕のこと見てて……大変だね」

杖くんが耳元で優しく囁いた。

『トオルちゃん……あなたは、ただ優しいだけなのに、世界が追いつこうとしてるわ。でも、あなたの心が変わらない限り……大丈夫よ』

煉獄が大声で笑い、

「うむ! 各国が慌ててるのは、お前が強すぎるからだぞ!」

しのぶが微笑み、

「ふふ……ジェイソンさんたちの対策も、トオルくんがいれば安心ですわ」

カナエが穏やかに、

「あらあら、世界中があなたに頼ってるのね。でも、今はゆっくり食べてね」

炭治郎が静かに、

「トオルくん……僕たちも、もっと強くなって、あなたを守るよ」

トオルはみんなの笑顔を見て、胸が温かくなった。

「うん……僕も、みんなのためにがんばるよ」

基地の外では、雪が静かに溶け始めていた。ガンダムとザクが広場に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。

国連の報告書は、毎日膨大に送られ続けていた。

人類史上最大の魔法使いは、七歳の心で、世界の恐怖と渇望を、静かに受け止め続けていた。

霧の港町は、各国の視線と、少年の優しさに包まれながら、静かに輝き続けていた。

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