杖くんと七歳の魔法使い ~深淵から帰還した少年は、今日もみんなの笑顔を守る~ 作:redhot
国会は、連日連夜の審議で熱を帯びていた。ダンジョンという未知の脅威が現実のものとなり、トオルの存在が国家の安全と未来を左右する鍵となった今、政治家たちの態度は、はっきりと二極化していた。
大多数を占めるのは、トオルを積極的に支援する政治家たちだった。与党も野党も、ほとんどが協力的。ダンジョンは現実の脅威であり、政権の座を争うよりも、国民の命と国家の存続が急務だと理解していたからだ。
与党のベテラン議員は、予算委員会でこう語った。
「佐藤トオルくんは、八歳の少年でありながら、人類未踏の領域を探索し、怪物たちを退け、ミスリルやポーション、犬型ゴーレムを生み出している。これらは国家の財産であり、国民の安全を支える希望だ。法整備を急ぎ、トオルくんの活動を全力で支援すべきである」
野党の若手議員も、演説で声を張り上げた。
「ダンジョンは、いつ地上に溢れ出すかわからない脅威です。トオルくんがいるからこそ、私たちはまだ生きていられる。党派を超えて協力し、異種族保護法、魔法産物管理法、トオルくん支援特別予算を成立させましょう!」
法案は次々と可決された。異種族保護法、魔法産物輸出入規制法、トオル支援基金……。国会は、かつてないスピードで動いていた。
しかし、極少数ながら、トオルを批判・非難する声もあった。
ある与党のベテラン議員は、予算委員会で声を荒げた。
「八歳の子供が、巨額の富を得ているのは異常だ! 市場を歪め、畜産業を破壊している。ガンダムやザク、犬型ゴーレムも、危険な兵器ではないか。憲法を盾に規制すべきだ!」
発言の瞬間、議場は静まり返った。隣の議員が慌てて耳打ちする。
「君……わかっているのか? トオルくんがいなければ、ダンジョンから怪物が溢れて、日本は壊滅する可能性があるんだぞ」
だが、その議員は頑として譲らなかった。
「言論の自由は保障されている。私は信条を曲げない。子供が富を独占するのはおかしい。ガンダムやザクは、軍事転用されたら危険だ」
別の議員――「韓国派」と呼ばれるグループの一人――は、院内集会で声を張り上げた。
「トオルという鬼子を排除しろ! あんな子供が日本を支配するなど、許せない! ダンジョンは日本のものだ!」
しかし、これらの声は少数派だった。国会全体から苦言が飛ぶ。
「君たち、今何を言っているんだ? トオルくんがいなければ、ジェイソンやゼノモーフが地上に溢れていたかもしれないんだぞ」
「支援者が減ったからって、八つ当たりか? それとも、ただの嫉妬か?」
批判派の議員たちは、孤立を深めていった。支援者からの献金が減少し、選挙区の支持率も低下。だが、彼らは「自分の信条」を盾に、声を上げ続けた。
トオルは、そんな国会のことなど知らずに、基地の食堂でみんなと一緒にダンジョンサーモンを食べていた。七歳の少年は、杖くんを抱きしめながら、優しく笑う。
「みんな、元気だね。僕も、もっとがんばるよ」
胡蝶しのぶが微笑みながら、
「ふふ……国会はトオルくんのために動いてますわ。批判する人もいますけど……少数派ですもの」
胡蝶カナエが穏やかに頷き、
「あらあら、トオルくんは知らなくていいのよ。ただ、笑顔でいてくれれば、それでいいわ」
煉獄が大声で笑い、
「うむ! 批判する連中は放っておけ! お前がいる限り、日本は大丈夫だ!」
炭治郎が静かに、
「トオルくん……ありがとう。僕たちも、もっと強くなって、あなたを守るよ」
トオルはみんなの笑顔を見て、胸が温かくなった。
「うん……僕、みんなが幸せになるように、がんばるよ」
基地の外では、雪解けの風が吹き始めていた。ガンダムとザクが広場に立ち、犬型ゴーレムたちが山を守り、エルフの戦士たちが訓練を続ける。
国会は、二極化しながらも、トオルの存在を中心に動き続けていた。
人類史上最大の魔法使いは、七歳の心で、政治の嵐を、静かに見守り続けていた。
霧の港町は、少年の優しさと、国会の喧騒に包まれながら、輝き続けていた。