————私はなんとしてでも守り通す
邪魔をするなら———
斬り捨てる/喰ひ殺す
「例のアレを、配信者集めて配信してみせるって?えー?誰呼ぶのさ」
「まぁ、食品関係の配信者のまみまみさんは呼ぶんじゃないかな?10万は居るから少なくとも名前負けはしないだろうし」
「……まみまみちゃん呼ぶ気?マジ〜?」
どこか呆れたような視線を向ける和浦を尻目に、私は軽く首を鳴らし
「まぁ、現状まだ何も始まってないんだから、今は話半分でいいですよ………まぁ、後は時期的にそろそろ、新しいカップが始まるだろうから、そこへ備えかなぁ」
「あー、新しいやつね、前は黒鬼が取って、その前は
「ですね、もっとも、KASSENだと、運営チームとしてヤチヨがチームを作り、参加するのがやだけど」
「ヤチヨ強いもんねぇ〜、しかも、ウチと黒鬼相手する時だけフルスペックとか」
そう、話は移るがツクヨミ内で行われる新規カップ……私はすでに知っているが、それはあくまで前世の知識、こと今の世では、開催のかの字も見えておらず
新規登録者数をメインとしたカップとは到底想定もされないだろう
それもそのはず、これまでツクヨミで行われた各カップに関しては、
KASSENをフィールドとしたバトルアリーナ
登録者、未登録者を問わずに投票可能なファッションショー
現実世界やツクヨミ内での、ふじゅ〜獲得数を評価した販売バトルなど
その形式は多岐に渡っている
無論、ウチや黒鬼以外にも、個人でカップを勝ち上がった人間もいる、
が、こと次のカップ、ヤチヨカップに関しては話が違う
何故ならあのカップは
「ねー、金次〜?次のカップ、一体何がくるかな〜?」
「さ、考えてもキリがないでしぃうけど……ただ言えそうなことは一つだけ」
「一つ?」
不思議そうに首を傾げる和浦に、目線を傾けて笑って、確信を持ってこう告げる
「次のカップ、勝つのはウチでも黒鬼でもない、個人ライバーですよ」
さて!ここまでが長いながーい
ここから先は、
かぐやと名が改められ、二人してツクヨミにログインして、なんと!ヤチヨカップに宣戦布告を決めちゃう!そんなシーンなのだけれど———
遠い遠い月の空、その裏側——月の大地の中に存在する、電子的な私の故郷、そこではきっと、多分おそらく、彼がうごめている———
『姫は何処へ?』
『モウシワケアリマセン、ホソクデキマセン』
電子的な大きな和風の屋敷の中で、白い灯籠頭の月の住民を側に控えさせた白の羽織を着飾った彼
『
『
カラカラコロコロと音が響き、その報告を聞き、彼は虎のような目を細め———
『舟を用意してください、僕が現地に出向き捜索を行います』
『カシコマリマシタ
いざ出向かん!と指示を仰いだところで、からんと灯籠の音が響く、そこに居るのは、4人もの灯篭頭の月の民を従えた、指示能力を持つ月の民、それがふわりと流れるように近づいて——
『まだ、早いのでは?見つからぬと決まったわけでは無いでしょう?』
『………第二十六万四千八百八十番……今見つかっていないなら、見つかるとは考え難いでしょう』
『統治個体、で良いですよ、第二番……とはいえ、逃亡からまだ一日、些か性急すぎるでしょう』
琴のような音色を奏でた彼女は、落ち着くように彼を諭す、それを聞き、彼は顔を背けて床のモデルに目を落とす
『統治個体十四機全機よりの訓令をお伝えします、以後二週間の、第二番個体、個体名白虎の他個体への指示任命能力を凍結、剥奪処分とします』
『な……!流石にそれは権限の過剰行使です!僕は———』
『姫にも休暇は必須です、貴方も暫く休みなさい、望むのであれば、舟をも貸し、地球などで休むべきです』
その話はこれでおしまいとでも言うように、彼女はそっと歩みだす
項垂れる彼の名前は白虎、月という独自の管理体制の空間にて、
私の、
何処か暗い、個室のような中、パソコンのような画面に向けて、ソースコードを叩き込んでいる
白い息を吐く、僕にとってみれば生の体だけど、どこか違和感のひどい電子の義体
あれから何年経っただろうか、記憶に靄をかけ、意図的に思い出さないようにして、それでも辛いからと共に頼んで、娯楽を起こした
今はもう友は眠っているけれど、僕に何かあれば起きてくれる
それを分かっているから、僕は平気な顔を見せる
この世界がどこか、詳しくは知らないけど僕は知っている、その思い出はないけれど、他の記憶は大勢あった
だからこそ僕は
月の内海にあるサーバールーム、それをどうにか作って、ここまで漕ぎ着けた
あとは彼女を連れ戻せば、全てが終わる、みんな幸せに生きられる
けど、戻ってこない可能性も零じゃない、だから可能性はしらみつぶしに消していく
指示能力を剥奪されたけど、とはいえ行動を封じられたわけじゃぁない、元光る竹なら僕一人でも動かすことが出来る
だから……僕は
持ちうる全ての