夜。
街のネオンがガラスに反射して、部屋の中まで滲んでくる。
テレビの音がやけに静かに響いていた。
『――結論から言いましょう』
白いシャツに猫背。
無機質な声。
だがその言葉には、確信があった。
『Lです。怪盗キッドを捕まえるのは――容易です』
思わず笑った。
「はっ……言うじゃねえか」
リモコンを弄りながら、画面の中の男を眺める。
世界的名探偵。
警察すら従わせる頭脳。
そのLが、わざわざテレビに出てまで言った。
「怪盗キッドは捕まる」
普通の連中ならビビるだろう。
だが俺は違う。
むしろ、こういう奴を待ってた。
「面白ぇ……」
椅子の背にもたれながら、天井を見上げる。
これまでの連中は単純だった。
罠を張って、読み合いをして、裏をかく。
それで終わり。
だがこいつは違う。
最初から“勝つ前提”で話してやがる。
「来いよ、L……」
口元が自然と歪む。
――翌朝。
黒羽快斗としての俺は、いつも通り学校に向かっていた。
青空。
通学路。
騒がしい学生たち。
昨日の夜とはまるで別世界だ。
だが、話題は一つだった。
「なあ見たか!?Lの会見!」
「キッド終わったんじゃね?」
「いやいやキッドだろ勝つの!」
教室に入った瞬間、空気がそれだった。
普段はテストだの恋愛だの、くだらねえ話ばっかの連中が、今日は全員同じ方向を向いている。
Lか、キッドか。
二択。
俺は自分の席に座りながら、机に肘をついた。
(まったく……盛り上がりすぎだろ)
だが悪い気はしない。
自分の“もう一つの顔”が、こうして話題の中心にある。
それも、世界レベルで。
その時だった。
「ねえ、快斗!」
振り向くと、中森青子がいた。
腕を組んで、じっとこっちを見ている。
「どう思うの?」
「何が?」
「だからLとキッドよ!」
目が本気だ。
こいつの親父は警察。しかもキッド専門みたいなもんだ。
そりゃ気になるか。
俺はため息をついたふりをして、椅子を少し回した。
「バーロー」
軽く笑う。
「キッドが捕まるたまかよ」
青子がムッとする。
「でもLってすごいんでしょ!?テレビでもすごいって言ってたし!」
「ああ、すげーよ」
それは本心だ。
あの一言で分かる。
あいつは“本物”だ。
だが――
「だからって捕まるかって話は別だ」
青子が首を傾げる。
「どういうこと?」
俺は窓の外を見た。
風がカーテンを揺らしている。
「Lは頭脳で追い詰めるタイプだ」
「で、キッドは?」
「自由だ」
それだけだ。
ルールを作る側と、壊す側。
「キッドは捕まらねーよ」
言い切る。
青子はしばらく黙ってから、ふんっと顔を背けた。
「なによ、偉そうに!」
「別に」
笑いながら肩をすくめる。
だが内心では、もう次のことを考えていた。
(さて……どう出る?L)
あいつは宣言した。
なら必ず動く。
罠を張るか。
心理戦を仕掛けるか。
どっちにしろ――
「退屈はしなさそうだな」
小さく呟く。
昼の光の中で、俺はただの高校生。
だが夜になれば、別の顔になる。
世界を騒がせる大怪盗。
そして今、その前に立ちはだかるのは――
世界一の探偵。
「いいぜ」
誰にも聞こえない声で言った。
「勝負だ、L」
怪盗キッド「予想してくれよな 1位になった結末になるんだからな」
-
Lが怪盗キッドを逮捕する
-
怪盗キッドはLから逃げ切る
-
怪盗キッドが奇術で攪乱させ成功する
-
Lが100%逮捕する方法を思いつく