ひとつの器で六魂共鳴 - 最下層から始まる六人格侵略譚 -   作:z567ug

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第十五話 器の証明

夜。

グレイヴェル港都。

 

「……行くぞ」

「うん」

 

視線の先。

城。

 

「――羅豪」

『任せろ』

 

切り替わる。

 

「――ぶっ壊すぞぉ!!」

 

門を蹴り破る。

門番。

 

「止まれ――」

 

「遅ぇ!!」

 

拳一撃。

突入。

雑魚。

 

「邪魔だぁ!!」

 

殴る。

蹴る。

進む。

一直線。

大広間。

 

「――来たわね」

玉座。

シーマ。

 

前に。

4人のエリート風。

そして。

 

違った風体のもう1人。

「……ほぅ」

「……私はザメル」

「シーマ様の手を煩わせるまでもないな」

 

羅豪が笑う。

「全力でいくぞ!」

 

「うん」

リーネが頷く。

 

シーマが手を振る。

「遊んであげなさい」

 

戦闘開始。

エリート雑魚。

 

「弱ぇ!!」

 

瞬殺。

一瞬で片付く。

残るは。

ザメル。

踏み込む。

拳。

 

「……っ!」

 

止められる。

 

「重いだけだな」

 

カウンター。

 

「ぐっ!!」

 

吹き飛ぶ。

 

「みなと!」

 

「問題ねぇ!!」

闘神纏。

「――纏えぇ!!」

 

氣が巡る。

 

「これでどうだ!!」

 

衝突。

押す。

 

「……効いてる!」

リーネ。

「次、右!」

 

完璧な連携。

 

「終わりだぁ!!」

 

踏み込む。

その瞬間。

 

「――つまらないわね」

シーマ。

「《選別刻印》(セレクション・シグナ)」

 

強制。

 

「――っ!?」

 

剥がされる。

 

「……え?」

 

湊に戻る。

 

「……なんで……」

 

戸惑い。

ザメルが迫る。

 

「くっ!」

 

回避。

遅い。

 

「ぐっ!!」

 

直撃。

吹き飛ぶ。

 

「……っ」

 

痛い。

立てない。

 

(無理だ)

(戦えない)

 

リーネが見える。

血。

 

(……ここで終わるのか?)

 

違う。

 

(こんな終わり方、認められるかよ!)

 

「……羅豪……!」

 

届かない。

歯を食いしばる。

 

「――六道継装!!」

 

叫ぶ。

最後の賭け。

 

(戻ってこい……!!)

 

一瞬。

静寂。

 

「……は?」

羅豪。

 

「……え?」

湊。

 

同時に存在する。

 

「なんだこれ?」

 

「俺も知らねぇ」

 

戸惑い。

その瞬間。

流れ込む。

 

――記憶。

暗い部屋。

モニターの光。

コントローラー。

 

(……これ)

 

湊の記憶。

何度もやった。

何百回も。

格闘ゲーム。

 

(必殺技……)

 

手の動き。

入力。

タイミング。

“感覚”として染みついたもの。

 

「……っ」

 

「なんだ今のは」

羅豪。

 

「俺の記憶だ」

 

「記憶?」

 

「前の世界でやってた……ゲームだ」

 

「げぇむ?」

 

「……拳を、こう構えて」

 

自然と体が動く。

 

「力を溜めて……」

 

氣の流れ。

羅豪が感じる。

 

「……なるほどな」

「イメージか」

 

「そうだ」

「形は分かる」

 

二人の意識が、重なる。

 

「やれるか?」

 

「やるしかねぇだろ」

 

構える。

 

「――いくぞ」

 

「おう」

 

「――波動撃!!」

 

氣が放たれる。

衝撃波。

 

「なっ――!?」

 

ザメルに直撃。

吹き飛ぶ。

沈黙。

 

「……っ」

 

融合が解ける。

 

「……はぁ……」

 

湊に戻る。

限界。

 

「……今の」

 

シーマが笑う。

 

「素晴らしいわ」

 

賞賛。

 

ザメル。

虫の息。

「……シグマ様……」

 

その瞬間。

空気が凍る。

 

「……誰の名前?」

 

低い声。

 

「――失格」

 

一閃。

首が落ちる。

沈黙。

 

「……興が削がれたわ」

 

ため息。

 

「この大陸」

「あなた達にあげる」

 

闇。

消える。

静寂。

 

「……は?」

 

「……終わったの?」

 

「……分かんねぇ」

 

満身創痍。

 

「……帰るか」

 

「うん」

 

歩き出す。

灰の都。

夜は、まだ深い。

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