目覚めたらフラウ・ボゥだった件~知識ゼロだけど破壊されるはずだったガンダムに乗せられて一部の皆さんにしごかれる~ 作:T9816
WBのシャワー室。そこには「あへあは」と淫らに鳴く少女も、健気な幼馴染もいない。
「……落ちねえ。タワシで血が出るまで削っても、皮膚の奥に『虹』が入り込んでやがる……」
フラウ(俺)の声は、ドスの効いた男そのものだった。
鏡を見れば、関節の隙間から七色の光が漏れている。一瞬、鏡の中のフラウが**虹色のゲロを吐きながらニヤリと笑う「おっさん」**に見えた。
「日常の皮が、内側からパッキング(侵食)されてやがる……。クソが」
「高級肉を腹いっぱい奢ってやる」というカイの買収(資源)に、俺の理性が屈服するのに時間はかからなかった。数時間後、俺はWBの多目的ホールという名の処刑台に立っていた。
「レディース・エーンド・ジェントルメーン! 本日お見せしたい『連邦の最終兵器』はこちら!」
カイがスポットライトを浴びる。横に立つ俺は、動くたびに明滅する歩くディスコライトだ。
「このスーツは衝撃を吸収し、光に変える! ……すまんフラウ、我慢してくれ!(小声)」
ドガッ!!
カイの容赦ない回し蹴りが脇腹に炸裂した。
「あへ……あははぁっ!!?」
その瞬間、スーツが暴走した。ただの発光ではない。俺の底暗い殺意に同期した光は、ホール全体を一瞬だけ**「地獄の底のような赤黒い光」に染め上げた。
「……あ、あへ? 今、何か見えたか?」
震えるカイを他所に、マチルダが装着させた『聖母の猿轡(マウスピース)』が起動する。
「やめろ、消せ!」と叫ぼうとした俺の口から出たのは、荘厳な『第九』の美声**だった。
涙を流しながら、顔面は満面の笑みで固定され、歓喜の歌を響かせながら虹色に発光するミイラ。
「……消して、誰か消してぇ!! 恥ずかしすぎて、俺もう人間として生きていけないよォ!!(※変換:ハレルヤ! 最高ですマチルダさん!)」
ステージを降りた俺を、アムロたちが「生温かい」視線で見ていた。
「……お疲れ様、フラウ。……綺麗だったよ。……あはは」
無理に作ったアムロの笑顔。だが、その瞳のハイライトは少しずつ削り取られ、俺の放つ「虹色の残滓」に吸い込まれている。
そこへ、ミデアの通信が入る。マチルダさんの「獲物を見つけた猛獣」のような慈愛の瞳が、俺を物理的に透かしていた。
『フラウ、データの解析が終わったわ。貴女の中に、もう一人「誰か」がいるみたいね……。その虹色の光をブラックライト代わりにすれば、もっと詳しく「解剖」できそうだわ』
(……気づいてやがる! 羞恥心で塗り潰さないと、中身を引きずり出される……!)
数分後。カイからせしめた肉を咀嚼しながら、俺は彼の耳元で囁いた。
「カイさん……肉、美味いっすね。……あ、言い忘れてましたけど」
俺の指先から虹色の火花が散る。
「その虹色の光……浴びすぎると、一生、夜の営みで股間が虹色に明滅する呪い(物理破砕)があるらしいっすよ。マチルダさんが言ってました(嘘)」
「……は!? 嘘だろ、おい!?」
自分の股間を必死に確認し、絶望に顔を歪めるカイ。
それを見つめるフラウ(俺)の瞳には、一切の光が宿っていなかった。