戦闘が終わると第1戦隊の方からユルゲンの戦隊の方へとやってきた。第1戦隊の戦闘のジャガーノートのハッチが開くと砂漠迷彩の戦闘服を着ていた褐色の肌と赤毛の女が現れたのたので迎えていたハヤテが目を丸くする。
「あたしは見世物じゃないよ。名前はシデン・イーダ、レーナ(女王陛下)の家臣団を務めている。アンタがマイヤーとかいうヤツかい?」
「すまん、戦車用のつなぎ服じゃないのが意外でな。俺はハヤテ・グラッシー中尉、第5戦隊の副隊長を務めている。戦隊長は今・・・」
シデンはハヤテの振り向いた先へと視線を向ける。木製のストックを付けた古いアサルトライフルを担いだまま、ユルゲンが大破したジャガーノートへと近づいて外から壊れたハッチを無理やり開けるとそこに腹部と頭部に砲弾の破片をもろに食らった隊員シュミットの遺体がジャガーノートの操縦室で横たわっていた。余程の痛みだったのかシュミットの顔は大きく歪んでいた。
「ハンドラー・ミリーゼ、こちらマイヤー。フォックストロット06・・・シュミットも戦死した。頭部に砲弾の破片が刺さっているからレギオンに持っていかれる事はない。」
ユルゲンはレーナに隊員の戦死を報告した。しかしレーナにはパラレイド越しでも僅かに震えるユルゲンの声が伝わった。
「了解しました。シュミット上等兵とデ・シルバ兵長の事は申し訳ありませんでした。」
「・・・!」
ユルゲンはレーナに何か言い返そうとして口をつぐんだ。彼女のどこか申し訳なさそうな感情がパラレイド越しに感じてくるからだ。これが同調の悪い所だろうとユルゲンは舌打ちをした。隊員によってシュミットとデ・シルバの遺体をそれぞれボディーバッグに包んでいるのを見ながらユルゲンはシデンと会話を始めた。
「イーダ第1戦隊長だったか?俺はミュラー第5戦隊長だ。一応よろしく。」
「あんたがマイヤーか。うちのレーナ(女王様)と変わらない歳だっていうのは本当だったんだね。」
シデンからそう言われてユルゲンは初めてレーナが自分と同じ年齢だという事に気づいてどこか感心した表情になっていた。
「イーダ戦隊長、あんた達が補給科のケツ拭きにいったって本当か?ここは第1戦隊の担当区域でもないだろ?」
ユルゲンにそう問われるとシデンは肩をすくめて苦々しく笑う。
「話はレーナから聞いた様だね。あたし達はそいつらの救出の為に墜落地点に向かったんだけど屑鉄共の待ち伏せにあっちまって廃村まで逃げ込んだって訳。」
「そいつらを助けに行けって本当にアンタのハンドラーが言ったのか?」
「そうだよ。」とシデンから返されるとユルゲンは呆れる様に溜息をついた。ユルゲンはシデンへの質問を続けた。
「で、そいつらは生きてるのか?それとも誰か死んだか?」
「副パイロットは死んだけど立てこもっていた建物の中でパイロットと機付長を保護している。あいつ等文句ばかり一丁前さ。やれ早く救援を呼べとか、こんな危険な場所にいられるかとかうるさいもんだよ。」
「イーダ戦隊長、俺も戦隊長として一応確認したい。連れて行ってくれるか?」