内緒やで、ぶっちゃけダサいと思っとんねん。伐刀者が得物持ち歩くの 作:器用貧乏ならっこ
落第騎士の細かい設定とかはほぼ覚えてないのでそこら辺は適当に流しといてください
次は何に手を出そうかな…(はよ素直哉の本編完結までかけやクソ作者。執筆者の心とかないんか?)
直哉の持つ技は呪霊直哉の時と同じです(領域展開除く)
『七星剣王』──それは七つの学園に通う生徒達が毎年しのぎを削りあう『七星剣武祭』の頂点を手にしたものだけが得られる称号。
ここ『破軍学園』ではそれに出場する選手を決めるための”レート制”の予選が行われていた。
それを提唱し、実現したのは今年度新しく就任した”新宮寺黒乃”である。
彼女は今、理事長室で予選の結果を示した一枚の紙を見つめていた。
中でも目に留まったのは三人の少年少女。
『
そして『破軍学園』きっての問題児──”禪院直哉”
禪院直哉──彼の実力は高く、前年度の『七星剣武祭』の出場者候補でもあった。
ではなぜ過去形なのか。それは彼が素行の悪さから出場権利を取り消されていたからだろう。
入学してから吐いた差別発言や暴言は数知れず。
なまじ実力が高いばかりに学園側も取り扱いに困っていたが、流石に『破軍学園』を背負った大会で問題行動を起こされてはたまらないと、出場資格の取り消しが決まった。
だがそれを今年度就任した新宮寺が作った”
(素行に目を瞑れば素晴らしいのだがな……)
そう思いながら新宮寺は直哉の能力値を見る。
魔力量はDランク相当と少ないながらも、高い魔力制御・身体能力を併せ持つその実力は『雷切』に負けず劣らずではないかと一部では囁かれていた。
最もそれはあくまで表面上のデータだけを見た場合であって、実際のところは不明なのだが。
「理事長。お時間です」
「そういえばもうそろそろか」
そう言われた新宮寺は時計に目を向けた後、立ち上がる。
何せ今日は期待の一戦──先ほど述べた三人の内の二人が対戦する日なのだから。
◆◆
「なんやねんこれ」
そう呟きながら直哉は掲示板を見つめていた。
何せそこには《破軍の
散々な言われようやな、と直哉は一人ごちる。
その原因は直哉の発言にあるのだが、この世界も
「ねえ……あれって」
「シッ、目つけられたら何されるかわかんないぞ」
そう言って直哉の近くをコソコソと通り過ぎていく人間も居るには居るが──直哉はそれを無視して歩き出した。
(面と向かって言われへんのやったら俺の視界に入ってくんなやカス)
内心で愚痴りながら直哉は足を進める。
先程と同じように生徒達とすれ違うが、立場を弁えているのか直哉から目を背けてそそくさと視界から彼らは消えていった。
直哉はそのことに少し機嫌を直しながら、闘技場へと入る。
そこには既に対戦相手であるステラ・ヴァーミリオンが待ち構えていた。
「遅いわよ」
「ごめんちゃい♡でも別にええやろ。どうせ勝つのは俺なんやから」
遅刻したことに一切の反省も見せず、開幕からいきなり挑発をかます。
直哉にとってステラ・ヴァーミリオンという少女は特に苦戦するような相手でもないと判断した。
「はぁ?アンタ舐めるのも大概にしないと痛い目を見るわよ」
ステラはそう冷静に返すが拳は強く握りしめられ、怒りを隠しきれてはいない。
「舐めるもクソも、俺より弱い奴を弱いって言って何があかんの?所詮魔力量が多いだけの女に何ができるねん」
直哉は鼻で笑いながらステラへと向き合った。
「〜〜‼︎一々癪に触ることを言う奴ね!?その減らず口がどこまで続くか見ものだわ」
「君こそ、その強気な態度がいつまで続くんやろな?」
「ハッ、騎士としての誇りが欠片もないようなアンタをボコボコにするまでは続くわよ!」
そう叫ぶステラに対して直哉は思い切り顔を顰める。
「今、めっちゃキショい事言うた?ドン引きやわ。伐刀者やるのに騎士としての誇りなんか必要ある訳ないやろボケ」
「!?」
その言葉にステラは驚愕した。
何故なら伐刀者としての才能に恵まれた彼女は、それを誇りに思うと同時に騎士としての強い自覚を持っていたのだから。
それをこの男はあろうことか真正面から否定したのだ。
これには流石にステラも怒りを抑えきれなかった。
“
ステラが目を向けた先には、先ほどとほとんど変わらない状態の直哉が居た。
戸惑うステラを見た直哉はニヤニヤと笑いながら展開した
そして一言、こう言った。
「内緒やで、ぶっちゃけダサいと思っとんねん。伐刀者が得物持ち歩くの」
◆◆
『Let’s go ahead────!』
試合開始の合図が鳴ると同時に、直哉はステラの真横まで移動して
「!?」
ステラの身体がフリーズし、身動きを取ることができなくなる。
隙だらけのステラを直哉は容赦なく殴りつけ、吹き飛ばした。
何が起きたのかステラには理解できなかったが、咄嗟に体勢を立て直して迎え撃つ。
だがそこには既に直哉が居た。
「さっきまでの威勢はどうしたん?」
その声が聞こえたと同時にステラは剣を振るう。
しかし直哉の姿は既にそこにはなかった。
「残念、こっちはカウンター前提で動き作っとんねん」
後ろから聞こえたその声に反射的に飛び退くと、拳が目前に迫っていた。
直哉の振るった拳がステラの顔面を打ち抜き、ダメージを与える。
さらに追撃ができるようステラの足を踏みつけながら、左手で髪を優雅に掻き上げて右手一本でステラに攻撃した。
「舐めてんじゃないわよ!」
そう言ってステラは直哉の攻撃から抜け出して炎を纏った刃を振るう。
それを直哉は危なげなく回避したが、二人の距離は広がった。
「思ったよりやりよるんやね。正直舐めとったわ」
嗤いながら直哉は少し気を引き締める。
この一瞬の攻防で、相手はただ魔力量が多いだけのカスではないと察知したからだ。
「フッ!」
ステラが炎の斬撃を直哉に向かって飛ばす。
それを直哉は空気をフリーズさせて連鎖的に爆発させ、相殺した。
「!」
まさか自身の火力に匹敵するとは思わなかったのか、ステラは驚愕する。
“対戦相手の情報を集めることはしない。何故なら戦場で必ずしも知っている相手と戦うとは限らないから”という思想を持つステラだったが、今回に限っては別であった。
連勝に次ぐ連勝を重ねてきた直哉をステラは強敵と考え、能力値程度の情報は仕入れていたのだ。
“禪院直哉の出力は低い”という情報を知っていたことが裏目に出る。
ステラの動揺を感じとった直哉はそれを利用してすぐさま死角へと接近。
気づいたステラが剣を振るうもそこには既に直哉は居なく、再びフリーズさせられ吹き飛ばされた。
着地地点に向かって直哉は更に加速する。
“力は重さと速さ”を信条とする直哉はそれを実現させるためにステラの周りを駆け回った。
今にも飛びかかろうとしたその時、ステラが全方向に炎を発射する。
速度が持ち味の相手には、速度を出せなくすることで対処する。
ステラのその判断は決して間違ってはいなかった。
ただ、一つ誤算があったとすればそれは直哉の実力を見誤ったことだろう。
炎が周りに展開された時、必然的にステラの視界から直哉は消える。
それを利用して直哉は上に飛び上がり、ステラの頭上まで移動することに成功していた。
フリーズさせた空気を踏み抜き、地上に向かって加速する。
その速度を活かした渾身の打撃がステラに襲い掛かった。
背中側から放たれたその一撃にステラは備えることができず吹き飛ばされる。
地面を跳ねて壁へ激突し、項垂れる。
そこに彼女の意識は既に無かった。
『しょ、勝者──禪院直哉!』
実況がそう宣言し、会場にはどよめきが巻き起こる。
観客の殆どは直哉が負けると考えていたからだ。
最も試合の主導権をずっと握っていたのは直哉だったので、彼らは前評判でしか判断できていない間抜けであるが。と直哉は心の中で馬鹿にする。
「アイツあんなに強かったのかよ」
「何かズルでもしたんじゃないの?」
「なんであんな奴にステラさんが……」
殆どの生徒が直哉の勝利に動揺し、不快に思う中、黒鉄達も同様に驚きを隠せていなかった。
「お兄様。彼は一体……」
この中で唯一直哉のことを知っているであろう兄に黒鉄珠雫は話しかける。
「彼は”問題児”と呼ばれていてね。実力は今の試合を見た通りにしっかりあるんだけど、数々の差別発言で『七星剣武祭』への参加資格を剥奪されていたんだ。だけど今の選抜形式になってからは実質それが無くなったから参加してきたんだと思うよ」
そう言って一輝は直哉が参加してきた背景を語り、そのまま話を続けた。
「彼の扱う”伐刀絶技”は『投射呪法』。事前に動きを作ってそれを
「言われている……?」
「殆ど戦闘データがないんだ。それにステラと戦うまでの試合は全て一瞬で終わっていたからね。だから一つだけ言えるのは、彼がとてつもない速度を出せるというだけかな」
そう言いながら黒鉄は思案する。
(スピードはともかく、パワーなら僕の方が数段上だ。けれど彼は相手の身動きを封じたり、空気を爆発させたりと多種多様な技を持っている)
間違いなく強敵だ、と一輝は判断した。それと同時に越えなければいけない壁でもあると。
一輝は『七星剣王』になることができなければ卒業することができない。そして直哉は間違いなくその土俵にまで上がってくる。
いずれ倒すべき相手として、一輝は直哉への評価を改めた。
◆◆
ドブカスだの人の心がないだの散々な言われようではあるが、誰も直哉に勝てないのだから大人しく三歩後ろを歩いてれば良いというのが直哉の思想である。
その事実を言って何が悪い、と直哉は開き直っていた。
故に彼は周りから嫌厭されており、常に一人で行動している。
最も、例外はどこにでも存在するものだが。
「相変わらずだな」
「あ?」
直哉がその声に反応して目を向けると、そこには『夜叉姫』の異名を持つ西京寧音がこちらに向かって歩みを進めていた。
彼女はこの学園で直哉に気兼ねなく話しかける数少ない人物の一人である。
「なんの用やねん」
「ステラ・ヴァーミリオンとの試合で完勝していたからなぁ。ご褒美にと思って話しかけてあげたんだよ」
嬉しいだろう?と言いたげなその表情を見て直哉は思いっきり顔を顰めた。
ステラに『騎士としての誇りはないのか』と言われた時とは比べものにならないほど不愉快そうな顔である。
「せっかく人が気分良いところやったのに話しかけてくんなやクソアマ」
「ハッ、また叩き潰してやろうか?」
「あ゛?」
「お?」
双方互いに譲らず睨み合っていると、直哉が舌打ちをしながらそれを止める。
「怖気付いたか?」
「んな訳あるかいな、今日はそんな気分やなかっただけや。感謝しいや」
「負け越してる癖によく言うな」
「相性差で俺に勝っとるんがそんなに嬉しいんか」
側から見れば喧嘩しているように見えるが彼らにとってはこんなの序の口に過ぎず、非道い時にはもっと罵詈雑言が飛び交っている。
今日は直哉の機嫌が良いことも相まってか、そこそこのジャブをお互い放った後は並んで歩き出した。
「ヴァーミリオンとの戦いはどうだったんだ?」
「戦い?あんな思想と主語だけはデカい雑魚相手にしたことなんか、戦いじゃなくて蹂躙やろ。そこ履き違えんなやカス」
そうステラを馬鹿にしながら西京の質問に返す。
実際行われていた試合はもはや試合ですらなく、蹂躙であったことは間違いない。
だがそれでも西京は聞かずにはいられなかった。
かつて自分と同じように荒れており、同格という存在が居ない直哉のことを慮る気持ちも多少はあったからである。
最も、それが直哉に伝わっているかは些か疑問ではあるが……まあ絶対伝わっていないとは思うが。
それに西京も相性の差で直哉に勝ち越せているだけで、”伐刀絶技”無しでの戦いであれば殆どの確率で負けると考えている。
それほど直哉の実力は鍛え上げられており、西京の見立てでは一人を除いて直哉に勝てる生徒はいないと思わせるものであった。
そう、一人を除いて。
「テメェはヴァーミリオンに勝った。だが同じくヴァーミリオンを打ち破った”黒鉄一輝”には勝てると思うか?」
「黒鉄……?ああ、あの留年したポンコツか。てかあの女負けすぎとちゃう?ほんまにAランクなん?」
で、そいつがどうしたん?と直哉は西京に問いかける。
「くーちゃんから聞いた話では、其奴は条件付きとはいえくーちゃんに勝ったらしい。油断してると足を掬われるぞ?」
そう返した西京は、直哉の方を見やる。
するとそこには──獰猛な笑みを浮かべた直哉が居た。
実際直哉ってこの世界の強さってどれくらいなんでしょうね
原作読んだの数年前なのであんまり覚えてないんですよねキャラの強さ。なのでまあ適当です(殴)