メリーさんから逃れるたったN個の冴えた方法 ~一緒に考えましょう~ 作:だんぬ
④ メリーさんが発生するのっていつも背後なんですよ。色んなパターンを分析しましたがそれは不変です。
じゃあ携帯持ってそれを逆手に取りましょうよ。
まず、壁を背にしてみましょう。
『メリーさん』壁にめり込んじゃうよ。
物理演算が正常に働いている世界では――つまり地球が丸いうちは――『メリーさん』は現代アートと化すわけです。先鋭的すぎるな。
レオ〇レスだったら横の住民から苦情来ると思う。あなたにとっては壁の中でも、隣人にとっては室内なんだから。
メリーさんのお尻が壁から生えてきたって苦情来たらどうするのさ。隣人と一緒に怒鳴り込んできたら本末大転倒よ。刺されるときには、人様に迷惑かけたってことを噛みしめて反省してください。
⑤ 次も『メリーさん』が背後に現れることを利用します。
風呂、入ろうよ。欧米にかぶれないでさ。
彼女はいつも人の背後に出現します。つまり、普通に湯船に浸かっていれば、『メリーさん』は湯に沈むんです。発声しようにも空気が無いんだから、いくら恨み言吐きたくてもゴボゴボ沈むだけよ。
お気に入りの入浴剤でも入れとこう。フローラルな香りさえすれば、呪いの人形だって更生するよ。人と同じように、環境が「それ」を作り上げるかもしれないんだから。
⑥ あるいは犬を飼ってみるのもいいかもしれません。
犬を飼ったことがある人なら分かるかもですが、彼らは人形を物理的に破壊します。親の仇くらいボコボコにする。目玉とか鼻とか全部引きちぎるまで止まらないんですよ。
メリーさんも刃物持ってくるわけですから抵抗は試みるでしょうが、彼女の球体関節じゃ無理よ。柔軟性がまるで足りない。
一方で犬の方は恐怖心のかけらもなく猛進してくる。僕がセコンドだったら躊躇わずにタオルを投げ込みます。メリーさんの選手生命に関わるからね。
⑦ ベッドの中でプルプル震えてるのがいけないんじゃないですか。
外に出て、それこそ新幹線とかに乗ればメリーさんも追いつけないでしょう。最後には機動力がモノを言うんです。電話の間隔とその際の移動距離に鑑みても、徒歩であることは確定として良いでしょう。
彼女としては、自動車免許を取得するどころか補助輪なしの自転車もまともに乗れるか怪しいくらいです。
そのうち、彼我の埋めようのない差に気が付いて第二の人(形)生を歩み始めるでしょう。本気で取り組んだのなら、諦めはただの敗北ではありません。メリーさんには他に輝ける場所がきっとありますよ。
一緒に戦いましょう。
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