BlueArchive 『鷹は二度、舞い降りた。』   作:45口径信者

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更新遅れてマジでごめんなさいm(_ _)m

許してぇ…許してぇ…!



それでは本編レッツゴー!!!

誤字脱字報告、感想、よろしくお願いします。


救出作戦前の騒動。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   〜〜〜〜アビドス砂漠某所〜〜〜〜

 

 

 

 

ここは、アビドス砂漠。砂と灼熱の大地。

オアシス?んなのねぇよ、夢見てんじゃねぇぞ。

 

コホン、結論を言おう。こんな所では住むことなんて無理だ。水も無い、飯も無い。昼は死ぬほど寒く、夜は極寒。

はっきり言ってこんな所に住む奴はバカか、

底なしの愛校者だけだろう。

 

 

そんなクソほど住みにくい砂漠で、レイカ達率いるティーガーⅡを主力とする装甲師団が走っていた______________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「___Das ist zu schön,um wahr zu sein.〜〜」

 

 

「So wie ein Wunderfällt auf uns nieder」

 

 

「vom Paradies ein gold'ner Schein.〜〜♪♪♪」

 

 

そうやってティーガーⅡの車長席のキューポラ*1のハッチから半身を乗り出しながら、レイカは上機嫌に歌を歌っていた。まるで前から楽しみにしていた家族とのピクニックに行く無邪気な子供の様なテンションだが、実際に行くのは戦場である。

 

 

「歌上手いっすね〜副司令。歌手かアイドルにでもなったら良いんじゃないすか?」

 

 

「おいコラぁ!上官には敬語を使え、ボケナス!!!」

 

 

装填手がそう言い、砲手がそれを叱る。砲手の装填手に対する扱い方を見るに、この装填手はいつもこんな感じなんだろう。まぁ、気にしないが…しかし、暑いな…一度中に戻るか…

 

 

「へいへい、すんませ〜ん。」

 

 

「お前なぁ…」

 

 

「まぁまぁ、落ち着いて…私はそう云うの気にしないので…………逆に、それぐらいが丁度良いかも知れませんね。ふふっ」

 

 

「そうっすよね?ほら〜副司令も許してくれてるし、この口調でも良いじゃないすか〜」

 

 

「お、お前なぁ…!今回は副司令は許してくれたが、総司令が許すとは限らな______

 

 

「ま、そんな事どうでもいいじゃないすか、あっ、副司令、アイスありますけど要ります?この為に、わざわざクーラボックス持ってきたんすよ〜!」

 

 

「良いんですか?じゃあ、ありがたくもらいますね。」

 

 

「人の話はちゃんと聞けぇ!!一応、私は先輩だぞ!!!

副司令も!叱ってくださいよ!!!」

 

 

「先輩…うるさい、もうちょっと静かにしてさっきから耳が痛くなる……」

 

 

通信用のヘッドセットから操縦手がそう言う。

………どうやら、砲手の味方はいないらしい。

 

 

「そ、操縦手…お前まで私を裏切るのか…?」

 

 

「……?裏切るもなにも、私。いつから先輩の味方になりました?」

 

 

「こ、これは罠だ!!!」

 

 

「ハハハッ★やっぱ先輩は面白いすねwww」

 

 

「__さっきから思いましたが…愉快な人達ですね。」

 

 

実は、この様な会話はアビドスに着く前からずっと続いている。 それのせいで、本来ならば先頭から2番目にいるはずの我々が、最後尾にいるのだ……

 

 

「んじゃ、気を取り直して…副司令。続きを頼んます。」

 

 

「ふふっ、そうですね。それじゃあ…」

 

 

 

「Das gibt's nur ein______

 

 

続けて歌を歌おうとした瞬間、通信士に声をかけられる。

 

 

「副司令。

歌っているところ本当に申し訳ありませんが、一号車から伝達。『後方に反射光のようなものが見えた、確認を願う』とのことです。」

 

 

「了解、今すぐ確認します。」

 

 

「えぇ〜〜マジすか〜?!あたし、続き聴きたかったんすけど…」

 

 

「馬鹿!近くに武装組織がいるんだから仕方ないだろ!!!」

 

 

「落ち着いてください。終わったら、続きを歌いますよ。」

 

 

「マジすか!?やった〜!!!」

 

 

「ふふっ、楽しみにしてくださいね?」

 

 

そう言うと、私はハッチから身を乗り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さぁ〜て、人が気持ちよく歌ってるのを邪魔したのは何処のどなたでしょうね〜」

 

 

双眼鏡を取り出し、さっき言われた方向に向ける。

 

 

双眼鏡で覗いてみると…確かに、何人かの武装した集団を乗せたトラックの車列が確認できた。

 

 

牽引してるのは…榴弾砲か…

 

 

制服を着ていることから、何処かの学生…

しかも、装備の質からしてだいぶ大きな学園だろう。

まさかだが……

 

 

嫌な予感がし、学章を見る。

十字架に3つの輪と逆三角形が重なり合った学章……そして、その下には、学園名が刻まれていた…

 

 

トリニティ……何故連中が…?)

 

 

もしかして…とは思ったが、当たってしまった様だ。

しかし、連中は何故ここにいるんだ…?

まぁ、それはいいとして…とりあえず、全車両に伝えなくてはならない。

 

 

「通信士、全車に伝達。

『"後方にトリニティ所属の武装組織を確認。各員、警戒態勢に入れ。"』。」

 

 

「了解です。」

 

 

「え?ちょ、ちょっと待ってくださいよ!なんでこんな所にトリニティがいるんすか!?」

 

 

装填手は慌てながら言う…当然だろう。仮想敵学園の軍隊がこんな所にいたら、誰しも慌てる。

 

 

「落ち着け、装填手。まだ戦うとは決まった訳では無い。

お前が他校相手が初めてなのは知っているが、落ち着いてないと戦えないぞ。」

 

 

「りょ、了解っす。」

 

 

砲手はそう言った。その言葉を聞いて、装填手は少しだけ落ち着いた様だ。

 

 

「それで…副司令、どうしますか?一度、連中に話を聞いてみますか?」

 

 

「……そうですね……一度相手に話を聞いてみましょう。」

 

砲手との話を終えると、私は通信士を呼ぶ。

 

 

「通信士、全車に伝達。

『"二号車はトリニティの武装組織に接触し、ここに居る理由を聞く。

場合によっては戦闘にも発展する可能性あり、戦闘態勢にいつでも入れるようにせよ。"』と…」

 

 

「了解。直ちに送ります。」

 

 

「副司令、私もついて行きましょうか?」

 

 

銃手はそう言う。心配してくれてるのだろう。

 

 

「ありがとうございます。ですが…心配には及びません。

私一人で行きます。」

 

 

「ですが………」

 

 

「大丈夫です、私を…信じてください。」

 

 

"ズザザザッ"

 

 

背後でトラックが止まる音がする。

 

 

「……わかりました…お気をつけて。」

 

 

「ええ、それでは行ってきます。」

 

 

そう言うと、私は戦車から降りる。………

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは…あちら側と話してみますか。」

 

 

私は制帽を整え…

 

 

トリニティ砲兵隊の方に向かって、歩いて行った…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、トリニティ砲兵隊のトラックの車列が砂漠を走っていた。

 

 

 

そして、そのトラックの運転席と助手席で二人の生徒が会話をしていた________

 

 

 

 

「____暑い…ものすごく暑いです…」

 

 

助手席に座る女子生徒がダルそうにそう言う。彼女らが乗っているトラックにはクーラーが付いていないからか、だいぶ暑そうである。

 

 

「文句言っても何も出ませんよ?」

 

 

それを、隣の運転席に座る女子生徒が叱る。

 

 

「知ってますよぉ…そこまでバカじゃないですよ。」

 

 

「はぁ〜早く帰って、紅茶を飲みたいですね…」

 

 

そうやって助手席に座る生徒はうなだれる。

 

 

「てか、私達が出る必要あります?正直言って、廃校寸前の学園なんて、助ける必要が見えないんですが。」

 

 

助手席に座る生徒が、隣に座る生徒に対してそう愚痴を言う

 

 

「ナギサ様にも、何か考えがあって言ってるんですよ。

………もしかしたら、ナギサ様はお優しい方ですから、情けで助けるよう言ってるのかも知れませんね。」

 

 

「無いですね。絶対に、あの頭の良いナギサ様が、意味も無くこんな事をする訳がありません。」

 

 

「まぁ大方、あのヒフミ(お気に入り)ちゃんが頼んだんでしょうね。」

 

 

「ちょっと、その発言は容認できるものでは無いわ。」

 

 

「事実でしょうよ…実際、ナギサ様はお気に入りちゃんの事を随分と気に入っているらしいじゃないですか。」

 

 

「だとしても、人の事をそう言うのはやめなさい。」

 

 

「はいはい、わかりましたよ。」

 

 

「本当にわかって____ちょっと待ってください、あれはなんです?」

 

 

運転をしている少女が前を見ながらそう言った。

 

 

「あれ?あれって……」

 

 

それを見た助手席に座る少女が前を見てみると、前に数十台の戦車がいた。

 

 

「あれは…ティーガーⅡ!?しかも、乗ってるのゲヘナの連中じゃないですか!?」

 

 

「なぜ…?なぜここにゲヘナが……」

 

 

「どうします?止まりますか…?」

 

 

「……ええ、そうですね。止まりましょう。」

 

 

そう言うと、運転をしている少女は、ブレーキを踏む。

 

 

"ズザザザッ"という音をたて、少しばかしの砂煙を上げながら、トラックは止まった。

 

 

「結構な数の戦車ですよ…しかも迫撃砲まで持ってますし…」

 

 

「そうですね……一応、警戒するように皆さんに伝えてください。」

 

 

「了解。」

 

 

 

『前方にゲヘナ所属のティーガーⅡを確認。各員、警戒せよ。』

 

 

トラックの荷台に乗っていた生徒達は、その報告を聞いて警戒体制に入る。

 

 

「な、何かあったんですか…?」

 

 

トラックの荷台に乗る、キヴォトスで最近人気?になっている、モモフレンズのペロロのデザインがされたリュックサックを背負った少女がそう言った。

 

 

そう、この少女こそが、先ほどの会話で出ていた『ナギサ様のお気に入り』であり、ペロロの為ならキヴォトス最大のスラム街である『ブラックマーケット』にも行くペロロ狂信者___ペロロファンの…

 

 

阿慈谷ヒフミである。

 

 

そして…ヒフミからの質問に対して、砲兵隊の隊員は答えた。

 

 

「どうやら…前に戦車がいるらしい…しかも、ゲヘナ所属らしいし。」

 

 

「な、なんでゲヘナがここに……!?」

 

 

「さぁ…?私達のことを、あの戦車で吹き飛ばそうとしてるとか?」

 

 

隊員の内の一人が、そうやって軽口を叩く。

 

 

「ふ、吹き飛ばす!?私達を、ですか?!」

 

 

その言葉を聞いて、ヒフミは少しだけ怯える。

 

 

「あうぅ…早くアビドスの皆さんを助けに行かないといけないのに……」

 

 

「大丈夫だよ、阿慈谷さん。戦車なんてコイツで吹き飛ばせるから。」

 

 

ヒフミの様子を見た隊員が、安心させようと、PIAT*2を見せながらもそう答える。

 

 

その時、一人の隊員が大声を上げる。

 

 

「ティーガーから誰か歩いて来てるぞ!!!!!!」

 

 

その声を合図に、全員が前を見る。

…確かに、前から黒と赤の制服を着た女が歩いてきていた。

銀髪に青い目…そして、腰に着けているホルスターにはリボルバーを入れている。そう…レイカである。

 

 

レイカが近づいてくるのを見て、銃を向けながら隊員が大声で警告する。

 

 

「そこのお前!止まれ!!!」

 

 

「おっと、これは失礼。」

 

 

レイカは、その警告にも怯まず、逆に笑みを浮かべていた。

正直言って気味が悪い。まるで楽しんでるようだ…

 

 

「さて…こんにちは、トリニティの生徒の皆さん。」

 

 

「私の名は仇取レイカ、万魔殿の者です。以後お見知りおきを…」

 

 

「それで、トリニティの皆さん。貴方方はここで何を?出来れば、教えて欲しいのですがね…?」

 

 

レイカは落ち着いた言動で言う。焦りも、恐れも、そこにはない。

 

 

「お前に答える気は無い!こちらは上層部からの命令を受けているッ!!!」

 

 

トリニティ砲兵隊員は強めの言動でそう言う。

彼らにも、任務がある。ここで退いたらどんな罰則があるか分からない。

 

 

「落ち着いて…こちらに争い合う気はありません。ただ、話を聞きたいだけです。」

 

 

レイカは相手の隊員を宥めるながら近づく…

 

 

「近づくなッ!撃つぞ!!!」

 

 

しかし、相手は警戒しきっており、銃の引き金に指をかけてる状態である。

 

 

「銃を構えるのをやめていただきたい。こちらに敵意はありませんので。」

 

 

再度、近づこうとすると…

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォン!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

甲高く、そして重低音が混ざった銃声と、火薬の匂いが立ちのぼる。

 

 

なんと、隊員が発砲してきたのだ。

幸い、警告の意味で撃った銃弾はレイカの足元に着弾した。

 

 

「近づくなと言った!!!これ以上近づこうものなら、次は身体を撃つ!!!!」

 

 

トリニティ側は完全に戦闘寸前の状態に入っている。

もはや話し合いは絶望的だ。

 

 

「アイツら…副司令を撃ちやがった……ッ!!!」

 

 

「クソったれのトリニティ共が…ッ!8.8cm砲(アハト・アハト)をぶち込んでやるッ!!!」

 

 

AGIS隊員や、さっきの砲手達も激昂している。そりゃそうだ。自分達の隊の上官。しかも、副司令が撃たれたら、怒り狂うに決まっている。

 

 

「「「………………」」」

 

 

ヒュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ…………

 

 

風が吹き、砂煙を上げる。

 

 

「はぁ………仕方ないですね。出来れば…"今回は"話し合いが良かったのですが_____」

 

 

そう言うと…レイカは、

ホルスターに手を伸ばし……

 

 

リボルバーを抜こうとするが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

み、皆さん、落ち着いてください!!!

 

 

 

 

 

 

大声が、緊張しきった砂の大地に響く。

声の主は、ヒフミであった…

ヒフミは、砲兵隊とレイカの間に立つ。

 

 

「!?阿慈谷さん!何を…?!」

 

 

「皆さんもう少し落ち着いてください!あの人達は何もしていません!!!」

 

 

「それに、相手も話し合いを望んでいるですから、ここは話し合うべきです!!!」

 

 

ヒフミは、砲兵隊にレイカとの話し合いをするように説得する。

だが、ヒフミの言葉は一部間違いである。

実は…話し合いを望んでいるのは、レイカだけなのだ。

ほかの隊員は…

「トリニティ?殺す。(迫真)」

だったり…

「トリニティの生徒に会ったら?殴り飛ばして、財布の中身全部抜くに決まってるだろ?」

と、まぁ……おっかない連中である。

 

 

え?砲手はどうなのかって?

あれは……時と場合によるタイプ…だと思いたい。

 

まぁ、話は戻して…

 

 

「……話の分かる人がいて助かります。」

 

 

そう言うと、レイカはホルスターから手を離す。

 

 

そして…ヒフミに近づく。

 

 

「すみませんが…お名前を聞いても?」

 

 

「あ、阿慈谷ヒフミです!よろしくお願いします。」

 

 

「阿慈谷ヒフミ…覚えておきましょう。」

 

 

レイカは、ヒフミに対して左手を差し出す。

 

 

「それでは…改めて、ヒフミさん。話し合いをしましょうか。」

 

 

「は、はい、よろしくお願いします!」

 

 

ヒフミは、差し出された手を握り返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど…つまり、あなた方もアビドスへの支援目的で…」

 

砲兵隊に対しての話し合い(事情聴取)を終えた私は、そう言う。やっぱり、話し合いってのは疲れますね……

 

「はい…って…もしかして、レイカさんもですか!?」

 

 

「ええ、まぁ…いろいろありましてね。」

 

 

そして、私含め、AGISが何故アビドス砂漠にいるのかを説明する。

『自分が先生に失礼極まりない言動を発したことに対する償い。』

それが、私達がスケバンも寄り付かないような砂漠にいる理由であった。

 

 

「では……敵…では無いんですよね?」

 

 

「えぇ、もちろんですとも…我々は最初から戦う気など無いですからね。」

 

 

まぁ、"今回は"ですがね。

 

 

「そ、そうなんですね……」

 

 

「そうですよ。……おっと、そろそろ出発しないと作戦時間に間に合わなくなりますね。」

 

 

話をしている暇は無さそうです……

 

 

「あ、本当ですね……それでは、私達も行きます。」

 

 

どうやら、ヒフミさん達も行くらしい。

 

 

「えぇ、それでは…お元気で、ヒフミさん。」

 

 

「はい!レイカさんも、お元気で!!」

 

 

そう言うと、ヒフミさんはトラックの荷台に乗っていった。

それと同時に、トラックは出発して戦車隊を越していく……

トラックの荷台からヒフミさんが手を振っているのが見える。

 

 

私は……それに手を振り返す。

 

 

 

「…………さて、私達も行きますか…」

 

 

私は二号車まで戻り、キューポラのハッチを開けて中に入る。

 

 

「…!副司令!お疲れ様です!!」

 

 

「あっ!副司令おつかれっす〜!!」

 

 

「お疲れ様です、副司令。」

 

 

「お疲れ様、副司令。ふぁ〜眠い…」

 

 

中に入ると、二号車乗員に労いの言葉を貰う。

やはり……悪くはないな、こういうのも。

 

 

「えぇ、ありがとうございます。」

 

 

「副司令、大丈夫ですか?弾とか当たってませんよね?!」

 

 

銃手らは心配しながら聞いてくる。やはり、優しい人達だな。

 

 

…………"あそこ"にも、同じような人達がいたな……

彼女らは元気にしているだろうか……

どれだけ時間が経っても、、、

あのスラム街が…かつての仲間達の姿が脳裏に浮かぶ……

今更……思い出しても戻る事は出来ないが____

 

 

「____えぇ、大丈夫ですよ。心配、ありがとうございます。」

 

 

「いいえ!副司令が傷なんて負ったら、私らは不安で仕方ないですからね!!」

 

 

「心配しないでも、私がやられる事は無いですよ。」

 

 

 

「それもそうですね。ハハハッ」

 

 

銃手は笑いながらそう言う。

 

 

「副司令〜〜そろそろ行きましょうよ〜こんな所、暑くて仕方ないっすよ。」

 

 

と、銃手と会話を交わしていると、装填手が暑そうに言ってきた。

 

 

「それもそうですね…それでは行きましょう。」

 

 

私は、通信士に声をかける。

 

 

「通信士、全車に通達。『前進開始』。

 

 

「了解。」

 

 

命令を聞くと、通信士は無線機で全車に連絡する。

 

 

「全車、前進を開始せよ。繰り返す、前進開始。」

 

 

それを聞いた他の戦車は、前進し始める。

 

 

次に私は、操縦手に命令を下す。

 

 

「操縦手、全速前進。」

 

 

「了解、発進するよ。」

 

 

操縦手は、アクセルを踏む。

それと同時にエンジン音を響かせながら、ティーガーⅡが動き出した。

 

 

「そういえば、副司令〜聞きたいことがあるんっすよ。」

 

 

少しばかし走っていると、装填手が声をかけてきた。

 

 

「良いですよ、言ってみてください。」

 

 

「いや、なんで副司令は、トリニティの連中が嫌いじゃないのかなって……」

 

 

「…?言っている意味がわからないのですが………」

 

 

「いや、だって、連中との話し合いを求めるぐらいじゃないですか、ゲヘナではそういうの珍しいですし……」

 

 

「いや…そうではなくてですね。」

 

 

私、普通にトリニティの奴らの事は嫌いですよ。

 

 

「……えぇ!?マジで言ってるんすか?!」

 

 

「えぇ、嫌いですね。表では、『品のあるお嬢様』を演じて……裏では、気に食わない生徒がいたら虐めるというあの性格が嫌いです。」

 

 

「じゃ、じゃあさっき話してたヒフミって子はどうなんです?」

 

 

と、話していると銃手も、会話に入ってくる。

 

 

「あの子は……何故でしょうね…嫌いになれないんですよ。

他のトリニティの生徒とは…こう……何かが違うような気がするんです。」

 

 

「違う?どこがですか?どう見ても、一般的なトリニティの生徒だと思いますけど……」

 

 

「違うんですよ、彼女は……性格に表裏とか無さそうな感じなんです。そこが、トリカス共とは違うところですね。」

 

 

これは本心から言っている。

彼女は……心から優しい人なのだろう……

たぶんだが…総司令に出会う前に彼女と会っていたら、

良き友になれたかも知れない。

 

 

「あーなんか、わかる気がします。」

 

 

「あの〜自分で話を始めたのもあれっすけど……

そろそろさっきの歌の続き、歌ってくれないっすか…?」

 

 

と、話していると装填手がそう言ってくる。

………この人、やっぱ自由人ですね……

 

 

この感じだと、砲手は…

 

 

「お前なぁ……そういうところだぞ。」

 

 

銃手は、呆れたように言う。てか、呆れてるなコレ。

 

 

「へ?何のことすか?」

 

 

装填手は大してわかってなさそうだ………

 

 

まぁ、良いや………

 

 

「……確かに、『続きを歌う』と言いましたからね……

良いですよ、歌いましょう。」

 

 

「ヒュ〜〜副司令最高〜〜」

 

 

「それでは…ンンッ…!」

 

 

歌う前に、喉の緊張をほぐして、歌う。

 

 

「Das gibt's nur einmal,〜〜」

 

 

「das kommt nicht wieder.〜」

 

 

「das ist vielleicht nur Träumerei!〜〜♪」

 

 

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

その後、目標地点に着くまで、歌ったり、雑談をしたりした。

 

 

目的地も近くなり、銃をくるくると回していたところ……

 

 

「_そういえば…副司令、知ってます?例の銀行強盗団の話。」

 

 

突然、通信士が声をかけてきた。

 

 

「………銀行強盗団?何の話です?」

 

 

「なんだそれ?」

 

 

「銀行強盗…?あぁ、あれか…」

 

 

「あぁ〜あれか〜〜あれ見た時は『コイツらマジか』って思ったすよ。」

 

 

銃手と私の二人は知らないが、操縦手と、装填手。この二人は、知っているようである。

 

 

「ええ…なんでも、『ブラックマーケット最大の銀行を襲って、一億円を強奪した。』っていう、強盗団です。」

 

 

「一億……ティーガーⅡが5両買えるぐらいですね……」*3

 

 

「ええ…確か、名前は………覆面……なんでしたっけ?」

 

 

「…あっ!覆面イキスギ団じゃなかったすか?」

 

 

なんか…臭そうな名前だな……

 

 

???「❗️」

 

 

???「やめなって!」

 

 

……ん?今何か聞こえたような……気のせいか……

 

 

「いや、違います。え〜と……ダメです。思い出せません。」

 

 

「しかしまぁ、とんでもない連中だな…ティーガーⅡが5両も買える程の金を盗んで、何がしたいのやら………」

 

 

銃手は、腕を組みながら考え込む。

 

 

「………!副司令、目標地点が確認できる丘が見えてきました!!」

 

 

通信士がそう言う。やっと着いた……

 

 

「了解、丘の上に登り次第、並列せよ。」

 

 

「了解。登ってよ…ティーガーⅡ…!!!」

 

 

そう言うと、操縦手はアクセルをさらに限界まで踏み込む。

 

 

"ヴォォォォ…!ドドドドドドドドド……!!!!"

 

 

重く、鈍いエンジンを奏でながら、砂が敷き積もった丘を上がっていく。

 

 

「畜生…遅い…!!」

 

 

しかし、ティーガーⅡの悪いところ*4がここで出てしまう。

 

 

そのせいで、あまりにも登るのが遅い。

 

 

「ふぬぬぬぬぬ……!」

 

 

操縦手が踏ん張りながらもアクセルを踏み抜くと、

やっと…丘の上に上がれた。

 

 

丘の上から見るアビドス砂漠は…なんとも神秘的な光景だった…

 

 

一面に広がる砂の大地。そして、音も、何もしない静寂の場。

 

 

ふと、遠くの方に何かが見えた。

 

 

そこにあったのは、カイザーPMCの軍事基地であった。

 

 

「うおっ……やっぱデカいすね……」

 

 

急に声がしたと思い、横を振り向けば、

隣のハッチから装填手が双眼鏡を使い、カイザーの基地を見ていた。

 

 

「えぇ、確か…アビドスの本校舎を改造して使っているらしいです。」

 

 

「副司令!!」

 

 

突然、大声で呼ばれたので振り向けば…

隣に装甲師団長が乗る、一号車が止まっていた。

 

 

「装甲師団長、お疲れ様です。」

 

 

「はい。副司令も、お疲れ様です。」

 

 

「さて、装甲師団長。感動の再会なのもあれですが…敵基地の偵察をしますよ。」

 

 

「了解しました!」

 

 

そして、私と装甲師団長は双眼鏡を取り出し、基地を見る。

 

 

「……戦闘ヘリが14機。全てアパッチですね……」

 

 

「しかも、あのアパッチ…対地用のロケットまで積んでいます。」

 

 

やはり、PMCと名乗るだけある。

装備も、何もかも質の高いものだらけだ。

 

 

「手強い相手になりそうですね。」

 

 

「全くです。…まぁ、全て飛び立つ前にStG1に吹き飛ばされるのがオチですよ。」

 

 

「違いませんね笑」

 

 

「副司令、戦闘ヘリの……右手前を見てください。」

 

 

装甲師団長が言った方向を見ると、戦車が何両か止まっていた。

 

 

「クルセイダーですね……見たところ…24両くらいでしょうか?」

 

 

「それぐらいですね…連中もなかなか数を揃えてるみたいです。」

 

 

次に、基地の中央に位置する建物を見る。

 

 

どうやら、敵の司令所らしい。

何人か、士官の服装をしたオートマタが見える。

 

 

次に私は、基地の第一ゲートを見る。

 

 

基地の正門には、カイザーPMC所属のオートマタと、雇われたであろう生徒がいた。

 

 

「…………ん?」

 

 

一瞬、基地の奥側で何かが光った気がした。

 

 

基地の奥側を見てみる。

 

 

そこには、シャーレの先生とアビドスのらしき生徒達がいた。

戦闘員の数はたったの4人だが、見るだけでわかる。

彼女らは強い。並大抵の生徒では勝てないだろう。

 

 

「…………特にあの銀髪の子は強そうだな。」

 

 

「副司令…?どうしましたか?」

 

 

「…いえ、ただの独り言です。」

 

 

ふと、腕時計で時間を見ると、作戦開始時間まであと五分となっていた……

 

 

「…、そろそろ、作戦を開始します。装填手、信号拳銃を。」

 

 

「うっす!えっ〜と…あっ、あったあった…」

 

 

「副司令、どうぞ!」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

装填手から信号拳銃を貰った私は、

戦車から降り、隊員に作戦を伝える。

 

 

「隊員諸君。これより、作戦を説明します。」

 

 

その言葉を聞くと、隊員全員が、私の前に集まる。

 

 

「…まず、砲兵隊が敵司令所に迫撃砲を撃ち込み、

敵の司令態勢を破壊。その次に、砲兵隊と装甲師団は敵基地に突撃し、第二ゲートを突破します。」

 

 

「その後は、救出目標である『"小鳥遊ホシノ"』が救出されるか、敵戦闘員が戦闘不能状態になるまで戦う。……」

 

 

「作戦は以上です。」

 

 

「あ、あのぉ……」

 

 

作戦の説明が終わると同時に、1人の砲兵隊員が手を挙げた。

 

 

「はい、なんでしょうか?」

 

 

「い、いや、その…さっき『"砲兵隊と装甲師団で突撃する"』と言ってましたが…」

 

 

「えぇ、随伴歩兵がいない以上。あなた方に代わりをやってもらわなければならないのです。……それが何か…?」

 

 

「い、いえ!ただ…我々の装備はワルサーぐらいしかなくて……

しかも、予備弾倉は4本しかなくて……」

 

 

「それなら大丈夫です、予備のにMP40を持ってきてます。」

 

 

「ホントですか?!よ、良かった〜ホント焦りましたよ〜」

 

 

「えぇ、流石の私も、『"部下にピストル一丁で突撃してこい。"』なんて言いませんからね。ふふっ」

 

 

「さて………他に質問者はいますか?」

 

 

「「「………………」」」

 

 

どうやら、いなそうだ。

 

 

「それでは……各員、持ち場につき、準備せよ!!」

 

 

「「「了解!!!」」」

 

 

レイカのその言葉を合図に、AGIS隊員全員が、持ち場につく。

 

 

 

 

ふと、時計を見ると…作戦開始時間まであと15秒しかなかった。

 

 

 

「さて…迫撃砲、発射用意。」

 

 

命令を下し、右手を挙げ………

 

 

 

 

 

 

「撃て。」

 

 

 

振り下ろした…………

 

 

 

 

 

 

 

"ポンッッッッッッッッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________

 

 

 

カイザーPMC前線基地・司令部

 

 

そこでは、二人のオートマタが会話をしていた。

 

 

「クソが、暑いたりゃありゃしねぇ………」

 

 

「そう言うなよ。これが終われば給料貰って、楽しく過ごせる。」

 

 

「それとこれとは話が違うんだよ。まったく、アビドスの連中なんかどうでもいいから、早く帰りてぇよ。」

 

 

「まぁ…そう言う_______

 

 

と、片方のオートマタが言おうとした瞬間_____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドカァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________________________

 

 

 

 

「…………司令所を破壊。」

 

 

「了解。各自、突撃準備。」

 

 

迫撃砲弾が直撃し、司令所は見るも無惨な光景になっていた。

 

 

私は突撃前に祈る。

 

 

「___主よ、どうか我らが身を守り給え……」

 

 

「副司令。全隊員、突撃準備完了とのことです。」

 

 

祈っていると、副司令は報告してくる。

 

 

「わかりました。それでは__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"ヴューステン・ガルデーニエ作戦"、開始。

 

 

 

 

 

 

*1
クラッペと呼ばれる視察口または防弾ガラス製の窓。あるいは潜望鏡を備える突出部。戦車などの装甲戦闘車両にとって大きな問題となる装甲による視界の悪さを改善すべく取り付けられている。

上面には乗降・脱出用ハッチが取り付けられている事が多い。

*2
イギリスが第二次大戦中に開発した対戦車兵器。実は、この見た目で迫撃砲の一種である。たまげたなぁ…装甲貫徹力は80mmから100mmまで貫けるらしく、実際に大戦中には、ティーガー戦車の側面を貫徹し、弾薬を誘爆させ撃破した例がある。しかし、成功した兵器かどうかは賛否が別れる。

*3
この小説内のキヴォトスでは、戦車の値段が現実世界と比べて、バカ安い値段になっている。……てか、下手したら、原作でも同じような価格設定になってそうで怖いわ……

*4
重装甲、高火力で知られるティーガーⅡ。しかし、エンジンがⅤ号戦車と同じ物を使ったせいで、カタログ値よりも速度が出ないのだ。






アハト・アハトは最高。はっきりわかんだね。



次回、「墜落の魔王」お楽しみに★



誤字脱字報告、感想、お願いします。

追記

最後の作戦名に少し(一文字)脱字がありましたので
修正しました。これも全部、陸八魔のせいだ……!!
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