これは、ドット絵のスライムタワーになったカップルのお話。

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第1話

……ぷるぷるぷるぷる。

ここはドット絵の世界。スライムタワーのように、一番下の土台がスライム状の餘部スライムが、皐月をおんぶしている。

…究極的に変てこな世界です。

 

 

【挿絵表示】

 

 

皐月「…ツッコミたいところは沢山存在しますが……。なんで私をおんぶしたんですか?」

 

餘部「スライムタワーになりたいからだよ?それ以外に理由が必要かな?おかしな子だなぁ」

 

皐月「そんな理由…。いや、二次創作だから可能ですね?」

 

キャラが勝手にメタ発言しちゃう。

 

餘部「今日はメタさっちゃんなの?」

 

皐月「………。久々に作者が本気で小説を書いてくれますし」

 

餘部「そうだねぇ。さっちゃん、…久々に本気でギャグラブできるね。ヨシヨシ(´,,•ω•,,)ノ"(´•ω•`,,)ナデナデ♡」

 

彼女をナデナデしたようだ。…あれ?

 

皐月「……………」

 

餘部「どうしたの?そんな寂しそうな顔をして」

 

彼女の表情は、寂しそうでそれでいて、複雑そうな感情を浮かべている。

 

皐月「………セリフの顔文字、嘘ですね。期待しちゃいました」

 

餘部「あれ?バレちゃった?」

 

皐月「作者が顔文字を打てるからって、小説の中の先輩が撫でれる訳ではないです…」

 

そう、今回はスライム体。つまり、ご都合主義ではない限り、(´,,•ω•,,)ノ"(´•ω•`,,)ナデナデ♡は無理があるという事実。

 

餘部「あははっ。ごめんね?作者さんに協力してもらったんだぁ」

 

皐月「酷いです!もう降ります!」

 

スライムタワーのてっぺんの子、降りようとして、ドット絵が揺らぐ。

……ゆらゆらゆらゆら。

 

皐月「降りたい…降りれないです…」

 

降りようとするが、何故か抜け出すことができない。

スライムタワーは相変わらず揺れているだけ。

 

餘部「さっちゃん…。無理だよ。この小説のボクたちはスライムタワーなんだからさ。作者が解除しない限り、モンスター図鑑のキャラとして存在するんだよ?」

 

そうだ。彼女が降りたら、スライムタワーじゃなくなる。つまり、図鑑に載らないような不完全な存在になってしまう。

ドラクエのゲームを進めていて、モンスターがおんぶ解除しないように、この作品でもバグを発生するわけにはいかない。

 

皐月「そ、そんな………」

 

彼氏の説明を聞き、この状態を維持する必要があることを知り、地獄の底にいるような絶望の表情に変わっていた。

 

餘部「そんなに悲劇的な顔をしないで。さっちゃんの太陽のような笑顔が好きなんだよ」

 

彼女を不安から救い出すよう、彼は笑顔で彼女を諭す。

……ま、スライムタワーだから、ほんとは表情を直接は見れないんだけどね!

作者が2人の表情を仲介して、教えてあげてるとかそうじゃないとか…ゴニョゴニョ(笑)

シンプルに、声色から分かるというのもある。

 

皐月「先輩……。この笑顔、大事にしますね」

 

そう言って、太陽のような笑顔に戻ったらしい。

 

餘部「うん!それがいいよ。ところでさ、おんぶ自体の心地はどう?ボク、ガタイがいい方だからさ」

 

皐月「……懐かしい感じで安心します」

 

餘部「そう?良かった!お父さんの温もりとか?」

 

彼は楽しそうな声色で聞いていた。

ガタイがいい=大人=父親というイメージは多数の人間が受けるだろう。

 

皐月「…………えっと。…はい、そうですね!」

 

彼女は沈黙から口を開いた。つまり考え抜いた結果、素直に認めて伝えていた。

 

餘部「知ってるよ!元神様でずっと町を見ていたからね!」

 

皐月「…そうでしたね」

 

元神様は町全体、そして彼女の幼少期を知っている。

ストー…ゲフンゲフン。今も昔も彼女の幸せを願っている。

 

餘部「お父さんの温もりじゃなく、ボクの温もりを覚えてもらわないと!スライムタワーで画像生成されて、良かった良かった」

 

皐月「確かに団子状に画像生成されなかったら、この状態の再現には至らなかったですね。…温もりに甘えていいですか?」

 

そう、これはAIの画像生成の頑張りにより生まれた物語。

乗り降り不可なおんぶ状態。逆に言えば、この状況を利用して、自分の感情を曝け出しやすく、受け入れやすい。

 

餘部「いいよ!さあさ、遠慮しないでどうぞ」

 

餘部「………ボクの温もり覚えたかな?」

 

皐月「早いですよ!!」

 

先程までお父さんの温もりを感じたかどうかの話をしていた。新幹線並の速度で回答を急かす。

空気を読まない人は一定数存在する。

 

餘部「あははっ、冗談だよ。本気にしちゃった?数十分で痺れを切らす程、せっかちじゃないよ?」

 

…作者も本気だと騙されたとかそうでもないとか。

彼は、誰の予想をも上回るような『謎の人』というジャンル。

 

皐月「…!……はぁ。まったく、もう…」

 

彼女は呆れつつも、彼のおんぶに身を預ける。

スライムタワーだから手足は無さそうだ。身体の重心を完全に乗せることで、甘えが完成した。

 

 

……ぷよぷよぷよぷよ。

スライムタワーはぷよぷよと歩く。歩き続ける。

餘部はどこかに向かっているのかもしれない。

重心を乗せた彼女は目を閉じている。深い眠りについているようだ。

とても満たされた表情だ。

それは、スライムタワーのおんぶにより、愛しの彼の温もりを知った後の顔つき。

 

 

Fin

 

 

後日談

 

1日後。

 

皐月「……んぅ」

 

餘部「あ、さっちゃん!やっと起きたね!おはよう」

 

皐月「…あ、おはようございます。…!?あれ?ここは?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

目が覚めた時に眼にした風景。辺りはマロンだらけの様子。

餘皐は栗に包囲されていた。マロンの皮で包まれるのは間に合ってます!

 

餘部「↑コラコラ。包囲されてるんじゃなくて、楽園だよ。そうだよね?」

 

皐月「はい!こんなに栗がある場所、これまで知らなかったです…!」

 

彼女はとても感動している。視線がありとあらゆる場所の栗を行き来し続けた。

 

皐月「幸せです!先輩はマロンが好き→私もマロンが好きになりつつある→最近は食べている=餘部先輩の趣味と同じ→マロンだけじゃなく私も好きになりつつある→マロンと私が好き」

 

餘部「!!…あれぇ?原作でのボクの真似で数段論法かな?」

 

皐月「…はい!つい感動して。嫌でしたか?」

 

不安そうに彼に訪ねる彼女。やり過ぎたかと言いたげな気持ちを顔に浮かべる。

 

餘部「…そんなことないよ!……キミは何よりも運命共同体だね。ありがとう」

 

近くにある栗を餘部スライム体が頑張り、おんぶされていて上にいる彼女に渡す。

そして、餘部はもう一つ栗を取り自分用として召し上がる。

あまりにも素敵な朝食タイム。これを摂取し、1日のエネルギーに変える。

そして、スライムタワーは本日も楽しく過ごしそうだ。

…ぷるぷるゆらゆらぷよぷよ。

 

 

Fin


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