……ぷるぷるぷるぷる。
ここはドット絵の世界。スライムタワーのように、一番下の土台がスライム状の餘部スライムが、皐月をおんぶしている。
…究極的に変てこな世界です。
皐月「…ツッコミたいところは沢山存在しますが……。なんで私をおんぶしたんですか?」
餘部「スライムタワーになりたいからだよ?それ以外に理由が必要かな?おかしな子だなぁ」
皐月「そんな理由…。いや、二次創作だから可能ですね?」
キャラが勝手にメタ発言しちゃう。
餘部「今日はメタさっちゃんなの?」
皐月「………。久々に作者が本気で小説を書いてくれますし」
餘部「そうだねぇ。さっちゃん、…久々に本気でギャグラブできるね。ヨシヨシ(´,,•ω•,,)ノ"(´•ω•`,,)ナデナデ♡」
彼女をナデナデしたようだ。…あれ?
皐月「……………」
餘部「どうしたの?そんな寂しそうな顔をして」
彼女の表情は、寂しそうでそれでいて、複雑そうな感情を浮かべている。
皐月「………セリフの顔文字、嘘ですね。期待しちゃいました」
餘部「あれ?バレちゃった?」
皐月「作者が顔文字を打てるからって、小説の中の先輩が撫でれる訳ではないです…」
そう、今回はスライム体。つまり、ご都合主義ではない限り、(´,,•ω•,,)ノ"(´•ω•`,,)ナデナデ♡は無理があるという事実。
餘部「あははっ。ごめんね?作者さんに協力してもらったんだぁ」
皐月「酷いです!もう降ります!」
スライムタワーのてっぺんの子、降りようとして、ドット絵が揺らぐ。
……ゆらゆらゆらゆら。
皐月「降りたい…降りれないです…」
降りようとするが、何故か抜け出すことができない。
スライムタワーは相変わらず揺れているだけ。
餘部「さっちゃん…。無理だよ。この小説のボクたちはスライムタワーなんだからさ。作者が解除しない限り、モンスター図鑑のキャラとして存在するんだよ?」
そうだ。彼女が降りたら、スライムタワーじゃなくなる。つまり、図鑑に載らないような不完全な存在になってしまう。
ドラクエのゲームを進めていて、モンスターがおんぶ解除しないように、この作品でもバグを発生するわけにはいかない。
皐月「そ、そんな………」
彼氏の説明を聞き、この状態を維持する必要があることを知り、地獄の底にいるような絶望の表情に変わっていた。
餘部「そんなに悲劇的な顔をしないで。さっちゃんの太陽のような笑顔が好きなんだよ」
彼女を不安から救い出すよう、彼は笑顔で彼女を諭す。
……ま、スライムタワーだから、ほんとは表情を直接は見れないんだけどね!
作者が2人の表情を仲介して、教えてあげてるとかそうじゃないとか…ゴニョゴニョ(笑)
シンプルに、声色から分かるというのもある。
皐月「先輩……。この笑顔、大事にしますね」
そう言って、太陽のような笑顔に戻ったらしい。
餘部「うん!それがいいよ。ところでさ、おんぶ自体の心地はどう?ボク、ガタイがいい方だからさ」
皐月「……懐かしい感じで安心します」
餘部「そう?良かった!お父さんの温もりとか?」
彼は楽しそうな声色で聞いていた。
ガタイがいい=大人=父親というイメージは多数の人間が受けるだろう。
皐月「…………えっと。…はい、そうですね!」
彼女は沈黙から口を開いた。つまり考え抜いた結果、素直に認めて伝えていた。
餘部「知ってるよ!元神様でずっと町を見ていたからね!」
皐月「…そうでしたね」
元神様は町全体、そして彼女の幼少期を知っている。
ストー…ゲフンゲフン。今も昔も彼女の幸せを願っている。
餘部「お父さんの温もりじゃなく、ボクの温もりを覚えてもらわないと!スライムタワーで画像生成されて、良かった良かった」
皐月「確かに団子状に画像生成されなかったら、この状態の再現には至らなかったですね。…温もりに甘えていいですか?」
そう、これはAIの画像生成の頑張りにより生まれた物語。
乗り降り不可なおんぶ状態。逆に言えば、この状況を利用して、自分の感情を曝け出しやすく、受け入れやすい。
餘部「いいよ!さあさ、遠慮しないでどうぞ」
餘部「………ボクの温もり覚えたかな?」
皐月「早いですよ!!」
先程までお父さんの温もりを感じたかどうかの話をしていた。新幹線並の速度で回答を急かす。
空気を読まない人は一定数存在する。
餘部「あははっ、冗談だよ。本気にしちゃった?数十分で痺れを切らす程、せっかちじゃないよ?」
…作者も本気だと騙されたとかそうでもないとか。
彼は、誰の予想をも上回るような『謎の人』というジャンル。
皐月「…!……はぁ。まったく、もう…」
彼女は呆れつつも、彼のおんぶに身を預ける。
スライムタワーだから手足は無さそうだ。身体の重心を完全に乗せることで、甘えが完成した。
……ぷよぷよぷよぷよ。
スライムタワーはぷよぷよと歩く。歩き続ける。
餘部はどこかに向かっているのかもしれない。
重心を乗せた彼女は目を閉じている。深い眠りについているようだ。
とても満たされた表情だ。
それは、スライムタワーのおんぶにより、愛しの彼の温もりを知った後の顔つき。
Fin
後日談
1日後。
皐月「……んぅ」
餘部「あ、さっちゃん!やっと起きたね!おはよう」
皐月「…あ、おはようございます。…!?あれ?ここは?」
目が覚めた時に眼にした風景。辺りはマロンだらけの様子。
餘皐は栗に包囲されていた。マロンの皮で包まれるのは間に合ってます!
餘部「↑コラコラ。包囲されてるんじゃなくて、楽園だよ。そうだよね?」
皐月「はい!こんなに栗がある場所、これまで知らなかったです…!」
彼女はとても感動している。視線がありとあらゆる場所の栗を行き来し続けた。
皐月「幸せです!先輩はマロンが好き→私もマロンが好きになりつつある→最近は食べている=餘部先輩の趣味と同じ→マロンだけじゃなく私も好きになりつつある→マロンと私が好き」
餘部「!!…あれぇ?原作でのボクの真似で数段論法かな?」
皐月「…はい!つい感動して。嫌でしたか?」
不安そうに彼に訪ねる彼女。やり過ぎたかと言いたげな気持ちを顔に浮かべる。
餘部「…そんなことないよ!……キミは何よりも運命共同体だね。ありがとう」
近くにある栗を餘部スライム体が頑張り、おんぶされていて上にいる彼女に渡す。
そして、餘部はもう一つ栗を取り自分用として召し上がる。
あまりにも素敵な朝食タイム。これを摂取し、1日のエネルギーに変える。
そして、スライムタワーは本日も楽しく過ごしそうだ。
…ぷるぷるゆらゆらぷよぷよ。
Fin