騎士王は迷宮都市でひっそり暮らしたいけど、エクスカリバーのビームの撃ち方とかわかりません   作:meiTo

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※色々リクエストなどあったので試しに書いてみました。


(仮)もしも騎士王本人がダンまちの世界に来たら

 

「――ぐあっ!」

 

薄暗い地下迷宮。

 

オラリオの地下に広がる『ダンジョン』の第5階層にて、駆け出しの冒険者である白髪の少年――ベル・クラネルは、圧倒的な暴力の前に崩れ落ちていた。

 

本来この浅層にいるはずのない、巨体を誇るミノタウロス。

 

その赤い瞳が、恐怖にすくむベルを見下ろしている。

 

 

(死ぬ……!)

巨大な斧が振り下ろされる直前。

突如として、ダンジョンの空間そのものが歪む様に眩い光が弾けた。

 

 

 

『――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に』

 

 

 

どこからか響く、荘厳な詠唱。

 

光の奔流がミノタウロスを弾き飛ばし、ベルの目の前に一つの『魔法陣』を表せる。

 

 

光が収束したその中心に、一人の少女が立っていた。

 

青を基調とした甲冑に金の髪を束ねた整った容姿。

 

およそ戦士には見えない華奢な体躯でありながら、彼女が放つプレッシャーは巨大なミノタウロスをも凌駕していた。

 

 

「…あとはお任せを。」

 

 

少女は背後のベルを一瞥することなく、凛とした声で告げた。

 

その手には何も握られていないように見える。

 

いや、違う。

 

空気の層が不自然に屈折している。

 

彼女は『風王結界(インビジブル・エア)』によって、その手にあるはずの剣の刀身を不可視のまま隠蔽していた。

 

 

「ブォォオオオオオオオ!!」

 

獲物を邪魔されたミノタウロスが怒り狂って突進してくる。

 

しかし、少女は微塵も動じない。

 

気付けば小柄な体が弾けたように躍動し、瞬きする間に巨獣の懐へと潜り込む。

 

 

「ふっ!」

見えない剣が一閃する。

 

それは、少女の見た目からは想像が出来ない威力が乗った、規格外の斬撃だった。

 

硬いミノタウロスの皮膚がまるで紙のように易々と切り裂かれる。

 

 

「やあっ!」

 

 

さらに追撃。

 

巨体がバランスを崩した瞬間、少女は地を蹴って宙へ舞った。

 

風を纏った不可視の刃が下から上へと見事な弧を描く。

 

少女の目に、迷いはない。

 

彼女の刃が致命の一撃へと形を変える。

 

 

 

「叩き斬る!」

 

 

ドォン!!という轟音と共に、迷宮の壁が激しく揺れた。

 

 

一刀両断。

 

 

浅層の冒険者では束になっても敵わないはずの怪物が、断末魔を上げる間もなく光の塵となって魔石へと変わっていく。

 

 

 

「…………え?」

 

尻餅をついたままのベルはただ唖然とするしかなかった。

 

圧倒的。それしか思い浮かばない。

 

あまりにも美しく…そして完成された剣技。

 

 

 

「……まだまだ未熟ですね」

 

 

少女は散りゆく塵を見つめながら、小さく息を吐いた。

 

そして、周囲に他の敵がいないことを確認すると、見えない剣を下ろしゆっくりとベルの方へと振り返る。

 

 

 

碧色の瞳がベルを真っ直ぐに射抜いた。

 

 

神々すらも魅了するであろうその清廉な佇まいに少年は息を呑む。

 

 

すると少女はベルの前に歩み寄り、静かに言葉を紡いだ。

 

 

「問おう。貴方が私のマスターか?」

 

 

この出会いが最強の幻想にして『約束された勝利の剣』を帯びる騎士王(アルトリア・ペンドラゴン)と後に英雄となる少年の運命の邂逅であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「マスター……? あの、えっと、僕はベル! ベル・クラネルって言います! あなたは……?」

 

 

 

 

腰を抜かしたまま慌てて名乗る白髪の少年に、アルトリアは静かに不可視の剣を収めた。

 

どうやら『聖杯戦争』のマスターではないらしい。周囲の魔力の質も彼女が知る世界とは異なっている。

 

 

「私は……アルトリア、アルトリア・ペンドラゴンです」

 

凛とした声で名乗ると、アルトリアは少年の様子をスッと見定めた。

 

傷はないようだが恐怖で息が上がっている。

 

 

「負傷部位の手当てを。……と言いたいところですが、見たところお怪我はないようですね。ひとまず安全な場所へ移動しましょう。」

 

「は、はい!」

 

 

ベルに案内されダンジョンを抜け出したアルトリアは、オラリオの街並みに驚きつつも彼が身を寄せるという廃教会へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

***

 

 

 

「ベーーール君!! お帰り!!……って、その子は誰だい!?」

 

 

廃教会の奥から飛び出してきたのは、小柄でツインテールが特徴的な女神『ヘスティア』。

 

ベルの背後に立つ甲冑姿の美しい少女を見て、ヘスティアの目が吊り上がる。

 

 

「あの、神様! この人は僕をダンジョンで助けてくれて……どうも行く当てがないみたいなんです…」

 

「むむむ……」

 

 

ヘスティアはじっとアルトリアを見上げた。

 

アルトリアもまた、目の前の少女から放たれる『神気』を感じ取り、背筋を伸ばす。

 

 

「初めまして、神様。私はアルトリア・ペンドラゴン。ベル殿とは怪物に襲われていたのところを救う形で出会いました」

 

「ボクの名前は女神『ヘスティア』、ふーん……まあ、ベル君を助けてくれたことには感謝するよ。でも…君、なんだか普通の人間(ヒューマン)じゃないみたいな気配がするね」

 

神の直感で何かを察したヘスティアに、アルトリアは真摯に頷いた。

 

「ええ。私は本来、この世界の住人ではありません。そして行く当てがないのも事実。ベル殿に恩を売るつもりはありませんが、もしよろしければ、貴方の所で私を預かっていただけないでしょうか」

 

「……いいよ。ベル君の恩人だしね。それに、君からは嫌な感じがしない」

 

 

ヘスティアが微笑むと、アルトリアは騎士として一礼した。

 

 

「感謝致します。」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、君の背中を出して。神の恩恵を刻むから」

 

簡易的なベッドにうつ伏せになり、背中を顕にするアルトリア。

 

ヘスティアが神の血(イコール)を一滴垂らし、ステータスを読み取ろうとした

 

 

 

 

 

 

――その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

 

 

ヘスティアの動きが完全にフリーズした。

 

背中に浮かび上がった神聖文字。

 

そこには駆け出しの眷族では、絶対にあり得ない文字列が刻まれていたのだ。

 

 

「ちょ、ちょっと待って!? レベルが……読めない!? それにこの能力値(アビリティ)!!」

 

【現在のステータス確認(神の恩恵・偽装)】

• 名前: アルトリア・ペンドラゴン

• Lv: ??? (測定不能)

• 筋力: A

• 耐久: A

• 敏捷: A

• 魔力: A

• 幸運: S

• スキル.魔法:

• 『風王結界(インビジブル・エア)』

• 『全て遠き理想郷(アヴァロン)』

• 『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』

 

 

 

 

「ぜ、全部A以上!? しかも幸運S!? 初回でこんなのあり得ないよ!! それにこの『スキル』と『魔法』の欄……!」

 

「エクスカリバー!? なにそれ、聞いたことない危険な匂いがするんだけど!! 君、一体何者なの!?」

 

「ふむ、以前より成長している様な…」

 

「いや成長っていう次元じゃないからね!? 最初から完成しちゃってるからね!!」

 

 

 

パニックに陥るヘスティアをよそに、アルトリアは涼しい顔で甲冑を着直した。

 

 

「神様、どうしたんですか……?」

 

「ベル君……うちのファミリアに、とんでもない規格外(チート)が来ちゃったかもしれない……」

 

 

 

 

 





誰かが興味を持ってクロスオーバー作品を書いてくれることを祈っています。
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