心読みの逆転探偵録 カイジVS名探偵コナン   作:梅酒24

10 / 34
アニメ
第230話「謎めいた乗客(前編)」
第231話「謎めいた乗客(後編)」


ケース10は、記念すべき10作品目となるスペシャル回です。
登場人物には人気キャラクターが多数登場し、新要素や新キャラクターも加わった長編構成となっています。

本作では、伊藤カイジが圧倒的な主人公として物語の中心を担います。
ただし――カイジやコナンが序盤で死亡するという、これまでにない衝撃的な展開が待ち受けています。

序幕の時点で、「ここからどう逆転していくのか」という大きな謎が提示されます。
実は、その伏線はすでに序幕に散りばめられています。

ケース10に到達するまでの間に、違和感を探しながら読み進めるのも一つの楽しみ方かもしれません。

ということで、本編に先駆けて――まずは序幕のみを公開します。






【座席】

【前方】

          ┌──────────────────┐
          │       運転席       │
          └──────────────────┘


【中間席】

左側(2席)      通路    右側(2席)

┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘
┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘
┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘
┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘
┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘
┌──────────┐  ┌──────────┐
│(空席)   │  │   (空席)   │
└──────────┘  └──────────┘


┌──────────┐  ┌──────────┐
│新出先生(窓)│  │   カイジ(通路)│
│ジョディ(通路)│ │   服部(窓)  │ ← 後ろから3番目
└──────────┘  └──────────┘


┌──────────┐  ┌──────────┐
│灰原(窓)  │  │   博士(通路) │
│コナン(通路)│  │   蘭(窓)   │ ← 後ろから2番目
└──────────┘  └──────────┘


【最後列(5席)】

┌────────────────────────────┐
│トリッシュ 空席 空席 赤井秀一 空席│
└────────────────────────────┘


スペシャル回 ファイル10:逆転交渉録 カイジ 序幕編

バスのエンジン音が、低く腹に響く。

ゴォォォ……。

俺は窓際の席に身体を沈めながら、ぼんやりと外の景色を眺めていた。冬の空気は乾いていて、ガラス越しでもわかるほど冷たい。遠くの山にはうっすらと白――雪だ。

(スキー合宿……ねぇ……)

人生で初だ。こんなイベント。普通の人間ならワクワクするところなんだろうが――俺は違う。

ざわ……ざわ……

(どうせ何か起きる……いや、起きるに決まってる……!)

これまでの経験がそう言っている。俺が関わるとロクなことにならない。事件、疑い、修羅場……。

――そんな中での、この面子。

阿笠博士が前の方でニコニコしながら振り返る。

「みんな、今回のスキー合宿はのう、体力づくりとリフレッシュが目的じゃ!無理せんように楽しむんじゃぞ〜」

見た目はただの丸っこい発明おじさん。だがこの人、ただ者じゃない。変な道具を作るし、コナンとの関係も深い。裏で何か握ってるタイプ……。

(油断できねぇ……)

そしてその隣。

灰原――あのガキ。

見た目は小学生、だが中身は違う。冷静、無機質、どこか諦めたような目。

「はしゃぎすぎて怪我しないでね。特にあなた」

チラッと俺を見る。

(……俺かよ)

こいつ、妙に勘がいい。というか、心の奥底まで見透かされてる感じがする。

ざわ……ざわ……

(こいつ……危険だ……)

蘭と服部が普通に会話している。

「スキー久しぶりやわ〜」

「私は初めてだからちょっと不安かも…」

服部は相変わらずうるさい。エネルギーの塊みたいなやつだ。だが――推理力は本物。

(こいつがいるってことは……事件濃厚……!)

その隣でコナン。

ざわざわ……

(このバス……濃すぎるだろ……)

――そんな中。

途中の停留所で、さらに“濃い”連中が乗ってきた。

ガタンッ。

ドアが開く。

まず目に入ったのは――白衣っぽい清潔感のある男。

新出先生。

優しそうな笑顔、整った顔立ち。医者らしい落ち着き。

だが――

(この人……なんか引っかかる……)

理由は分からない。ただの直感。でも俺の直感は、こういうとき当たる。

そしてその隣。

金髪の女――ジョディ先生。

「Oh〜!Looks fun!」

テンション高い。外人特有のオーバーリアクション。だが目の奥は笑っていない。

(この女……普通じゃねぇ……)

ぞくっ……

背筋に寒気。

こいつもまた、裏があるタイプだ。

そしてさらに、他の乗客たちもちらほら。

スキー客らしい若者グループ、カップル、家族連れ――

一見、ただの普通のバス。

だが――

ざわ……ざわ……

(違う……これは……“舞台”だ……)

役者は揃ってる。

(この中に……“何か”が起きる……)

バスはゆっくりと発進する。

ゴォォォ……

雪山へ向かって。

(来る……来るぞ……)

胸の奥がざわつく。

静かな嵐の前触れ。

(頼む……今回は……何も起きるな……)

――そんな願いは、だいたい裏切られる。

俺は知っている。

ざわ……ざわ……ざわ……

 

バスの中――

 

エンジン音が一定のリズムで響く中、それぞれの席で会話が始まっていた。

 

■ 後ろから3番目 左(新出&ジョディ)

 

「スキーはお好きなんですか?」と新出先生。

 

「Of course!でもね、日本の雪は特別よ」とジョディが笑う。

 

「なるほど……」

 

(……3回目……)

 

新出の表情は穏やかだが、心の奥がざわついているのが分かる。

 

(次で3回目……糸口を見つけないと……)

 

(……なんだこいつ……)

 

(デートか……?告白のタイミングでも探ってんのか……?)

 

ざわ……ざわ……

 

■ 後ろから3番目 右(カイジ&服部)

 

「カイジ、お前スキーできるんか?」

 

「できるわけねえだろ……人生で初だよ」

 

「ははは!ほな転びまくりやな」

 

(うるせえ……)

 

「お前はできるのかよ」

 

「当たり前や!大阪ナメんな!」

 

(関係あるのかそれ……)

 

ざわ……

 

(でもまぁ……こういう普通の会話……悪くねえな……)

 

■ 後ろから2番目 右(博士&蘭)

 

「蘭くん、寒くないかの?」

 

「大丈夫ですよ博士!楽しみです!」

 

「ほっほっほ、それはよかった」

 

(平和……)

 

(この空間だけ……別世界……)

 

■ 後ろから2番目 左(コナン&灰原)

 

静か。

 

空気が違う。

 

「……ねぇ」

 

灰原が小さく呟く。

 

「どうした?」

 

「寒いのよ……」

 

「そりゃ外は雪だし――」

 

「違う」

 

ピタッと空気が止まる。

 

「嫌な寒気……」

 

(……来たか……)

 

コナンの目が鋭くなる。

 

「まさか……」

 

「ええ……」

 

灰原は窓の外を見たまま言う。

 

「いる……」

 

ざわ……

 

「黒の組織……」

 

空気が一気に張り詰める。

 

「確証は?」

 

「ない……でも……」

 

(間違いない……)

 

「この感じ……」

 

コナンは静かに周囲を見渡す。

 

(このバス……)

 

(ただの旅行じゃねえ……)

 

■ そのとき――

 

バスが停まる。

 

ガタン……

 

ドアが開く。

 

乗ってきたのは――

 

スノーボーダー姿の二人組。

 

ニット帽、ゴーグル。

 

顔が見えない。

 

一人は――細身で長身。

 

服がやたら綺麗……高級感。

 

もう一人は――小柄。

 

顔が長い。髪が縦に固められている。

 

パイナップルみたいな頭。

 

(なんだあいつ……)

 

二人とも――

 

細長いスキーケースを背負っている。

 

ざわ……

 

(ここからゴーグルつけているのかよ)

 

コナンの心の声。

 

 

ざわ……ざわ……

 

そして――

 

バスが発車する。

 

その瞬間。

 

「兄貴、気合入れていきましょう」

 

小さい方が言った。

 

次の瞬間――

 

銃。

 

キラリ。

 

運転手の頭に突きつけられる。

 

「このバスは乗っ取った」

 

空気が凍る。

 

「騒いだら殺す」

 

「きゃああああ!!!」蘭の悲鳴。

 

「騒ぐと命はねーぞ!!」

 

子分が怒鳴る。

 

ざわ……ざわ……

 

(マジかよ……)

 

(バスジャック……)

 

(終わった……)

 

「まずは……」

 

兄貴の低い声。

 

「スマートフォンや携帯電話……全部出せ」

 

(やべえ……)

 

「出してなかったら……殺す」

 

「おい、ペッシ」

 

「かき集めてこい」

 

「分かったよ、プロシュートの兄貴」

 

(名前出た……)

 

(こいつら……ガチの犯罪者……)

 

「おい運転手」

 

「警察に連絡しろ」

 

「は、はい……無線で……」

 

「代われ」

 

奪い取る。

 

「今、バスジャックを開始した」

 

全員息を飲む。

 

「要求は10億円」

 

(10億……!?)

 

「用意できなきゃ……」

 

「人質を一人ずつ殺す」

 

静寂。

 

「……ああ、本気だ」

 

「おたくの名前は……目暮……?」

 

(あっ……)

 

「とりあえず切る」

 

ブツッ。

 

ざわ……ざわ……

 

(交渉人……)

 

(目暮警部……)

 

(……終わった……)

 

(あのおっさん……)

 

(こういうの弱い……)

 

ざわ……ざわ……ざわ……

 

(最悪の展開だ……)

 

(俺……また巻き込まれてる……)

 

――バスは走り続ける。

 

雪山へ。

 

そして――

 

地獄へ。

以下の文をできるだけ忠実にし、地の文を足してカイジ視点で感情を掘り下げて書いて

 

(イヤリング型小型携帯電話で、白鳥警部に連絡をする……この席からあの2人組からは死角)とコナン。

え、コナン、機械類隠し持ってたの?それまずくね?いや流石に子供は殺さないか

 

「おい、そこの小僧!!何やってる!!ぶっ殺してやる!!!!小型の携帯電話がお前、ぶっ殺してやる!!!!」

 

そしてバン、プロシュートの兄貴がコナンの頭を打ち抜き、血まみれ 一瞬の出来事だった

ドドドドドドドド

悲鳴が上がる 兄貴が「静かにしろ!!!!」と叫ぶ

 

そして「おいオメー さっきからうるせえぞ

「ブッ殺す」「ブッ殺す」ってよォ~~~

どういうつもりだてめー そういう言葉はオレたちの世界にはねーんだぜ…

そんな弱虫の使う言葉はな………

「ブッ殺す」… そんな言葉は使う必要がねーんだ

なぜならオレや オレたちの仲間は その言葉を頭に思い浮かべた時には!

実際に相手を殺(や)っちまって もうすでに 終わってるからだッ!

だから使った事がねェ―――ッ

ペッシ オマエもそうなるよなァ~~~~~~

オレたちの仲間なら… わかるか? オレの言ってる事… え?

『ブッ殺した』なら使ってもいいッ!(そのまま言葉を変えずに使って)」

 

「俺はルールを破ったら子供でも容赦しねえ。」

 

ふざけるな!!!!!お前ぶっ殺す!!!!とカイジプロシュートの兄貴を殴ろうとするがその前に

バン。頭を打ちぬかれて死亡

 

――バスの中。

 

すでに均衡は崩れていた。

 

静寂ではない。

 

支配だった。

 

完全なる恐怖による支配。

 

江戸川コナン――沈黙。

 

伊藤カイジ――沈黙。

 

二人はもう、動かない。

 

ナレーションは淡々と告げる。

 

江戸川コナン、伊藤カイジ、死亡。

 

ありえない。

 

主人公が倒れるなど――

 

物語として成立しない。

 

だが――

 

ところがどっこい現実です。

 

これは物語ではない。

 

現実だ。

 

本当に、終わったのだ。

 

「分かってないな」

 

プロシュートの兄貴が呟く。

 

「今言っただろ」

 

低く、重い声。

 

「“ブッ殺した”なら言っていい」

 

その瞬間――

 

「ふざけんなぁぁぁぁ!!!!」

 

服部が叫ぶ。

 

床を蹴る。

 

動く。

 

速い。

 

ペッシが反応し、引き金を引く。

 

だが――

 

外す。

 

「くっ……!」

 

次の瞬間。

 

プロシュートの兄貴が動いていた。

 

迷いなし。

 

ためらいなし。

 

乾いた音。

 

服部の動きが止まる。

 

そのまま――崩れ落ちる。

 

沈黙。

 

ナレーションは続ける。

 

服部平次、死亡。

 

「……おい」

 

兄貴の声が、今度は怒りを帯びる。

 

「ペッシ……」

 

振り向く。

 

睨む。

 

「お前……マンマーニか?」

 

空気が震える。

 

「びびってるから外すんだ!」

 

怒号。

 

「びびるんじゃねえ!!」

 

ペッシの目が変わる。

 

震えが止まる。

 

その瞬間――

 

銃声。

 

赤井秀一。

 

無言で構え、撃つ。

 

兄貴。

 

その弾丸を見据える。

 

撃つ。

 

弾丸同士が空中でぶつかる。

 

火花。

 

相殺。

 

異常。

 

ナレーションが淡々と告げる。

 

常識の外側。

 

ペッシが動く。

 

狙う。

 

赤井の頭部。

 

撃つ。

 

赤井、即座に反応。

 

撃ち落とす。

 

だが――

 

その瞬間。

 

「―――っ!」

 

死角。

 

兄貴の弾丸。

 

ペッシの弾の“後ろ”。

 

そこに重ねるように撃たれていた。

 

視認できない軌道。

 

避けられない。

 

静寂。

 

赤井の身体が崩れる。

 

ナレーション。

 

赤井秀一、死亡。

 

バスの中の空気が壊れる。

 

誰も動けない。

 

「な……なんなんだこれは……!」

 

新出が叫ぶ。

 

「落ち着いて話を――」

 

言い終わる前に。

 

乾いた音。

 

言葉は途中で途切れる。

 

ナレーション。

 

新出智明、死亡。

 

残されたのは――

 

絶望。

 

雪山へ向かうバスは、

 

もはやただの移動手段ではない。

 

閉ざされた檻。

 

そしてその中にいるのは、

 

“人間”ではない。

 

ナレーションは最後に告げる。

 

この時点で、逆転の可能性は限りなくゼロに近い。

 

それでも――

 

物語は、まだ終わらない。

 




ファイル4:怪盗キッドの祝杯
ファイル5:アイドル密室殺人事件 
ファイル6:伊藤カイジ ちんこ露出事件 
ファイル7:図書館殺人事件 
ファイル8:外交官殺人事件
ファイル9:怪盗キッドと黒い糸
ファイル10:逆転探偵録 カイジ(バスジャック事件)
です。

ミステリーにギャグ成分混ぜてみましたがどうですか?

  • かなりあり
  • なかなかいい感じ
  • 普通
  • ミステリーにギャグいらん
  • ありえん!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。