先に言っておく……!
ネタバレ……!!
カイジにとって――
最悪の相手……!!
それは――
自殺……!!
ざわ……ざわ……
しかも……ただの自殺じゃねえ……!
トリック付き……!!
つまり――
心を読んでも……
“犯人がいない”……!!
詰み……!!
能力頼りの俺にとって――
最悪……!!
この地獄……
抜けられるのか……!?
アイドル密室殺人事件 アニメ第三話 参照
ざわ……ざわ……
――俺、カイジ。
最近……絶好調……!!
能力の扱いにも……慣れてきた……!
人の心……読む……読む……!
もうミスらねえ……!
無双……状態……!!
ざわ……
そして――
仕事も始めた……!!
だが俺は……分かっている……!
この能力……便利だが――
人と関わると……疲れる……!!
心……聞こえる……!
本音……だだ漏れ……!
優しさも……悪意も……全部……!!
そんなの……耐えられるか……!
無理……!!
だから選んだ――
人と関わらない仕事……!!
そう――
フードデリバリー……!!
神……!!
ほぼ会話なし……!!
店で受け取って……
運んで……
渡すだけ……!!
怒られない……!!
詰められない……!!
上司もいない……!!
天国……!!
ざわ……ざわ……
そして――
奇跡……発生……!!
アプリに表示される――
名前……住所……
「沖野ヨーコ」
……え?
は?
ざわ……ざわ……
まさか……!
あの……アイドル……?
ヨーコちゃん……!?
いやいやいや……!
落ち着け……!!
同姓同名……ある……!!
普通にある……!!
……でも……
住所……タワマン……!
しかも……高層階……!!
ざわ……ざわ……
ありえる……!!
いや……でも……!
芸名なら……本名違うんじゃ……?
いや……いる……!
本名で活動する芸能人……!!
どっちだ……!?
本物か……偽物か……!!
ざわ……ざわ……
エレベーター……上昇……!!
数字……上がる……上がる……!
10階……20階……30階……!!
高層……!!
景色……別世界……!!
場違い感……半端ねえ……!!
俺みたいなクズが……
来ていい場所じゃねえ……!!
ざわ……ざわ……
そして――
到着……!!
廊下……静か……!!
高級ホテルみてえな空気……!!
心臓……バクバク……!!
チャイム……押す……!!
ピンポーン……
……その瞬間。
ざわ……ざわ……
“音”がした。
カイジ……
最悪の事件に足を踏み入れる……!!
――開いた。
ドア……!
そして――
いた。
本物……!!
沖野ヨーコ……!!
ざわ……ざわ……
笑顔……!!
可愛い……!!
いや……可愛いとかじゃねえ……!!
レベルが違う……!!
テレビで見る何倍も……柔らかい……!
私服……ナチュラル……!
なのに……圧倒的……!!
オーラ……!!
俺……完全に場違い……!!
ざわ……ざわ……
「あ、ありがとうございます!」
声……透き通ってる……!!
やばい……!!
現実か……これ……!!
「時間ありますか?」
――え?
「あ、はい……これで最後なんで……!」
思わず即答……!!
断れるか……こんなの……!!
「そしたら中に入って、お茶でもどうですか?」
――は?
……はああああああああああ!?
ざわ……ざわ……
おかしい……!!
絶対おかしい……!!
普通――
飯届けて……終わり……!!
家に上がる……?
ありえねえ……!!
何この展開……!?
罠……!?
ざわ……ざわ……
ここで頼るのは――
心の声……!!
(カイジさんにお願いしてみようかしら……)
(でも話聞いてくれないかも……)
(初対面だもん……)
……え?
ざわ……
怪しい……!
でも……違う……!!
よくあるやつ――
壺の押し売り……宗教勧誘……!!
美人が絡むと大体これ……!!
でも違う……!
ニュアンス……違う……!!
しかも――
“俺の名前”……知ってる……?
いや……アプリ……!
名前も顔も出る……!
それ見た……?
……え?
なんで……?
俺……?
ざわ……ざわ……
――まさか。
一目惚れ……?
……ねえよ……!!
そんな都合いい話……!!
俺だぞ……!?
クズ……!!
ニート予備軍……!!
ざわ……
でも――
断れない……!!
この流れ……!!
「……じゃあ、お邪魔します……」
言っちまった……!!
――突入。
部屋……!!
ざわ……ざわ……
いい匂い……!!
なんだこれ……!!
高級……!!
清潔……!!
生活感あるのに……完璧……!!
俺の部屋と真逆……!!
同じ人間の住処じゃねえ……!!
ざわ……
「どうぞ、こちらに」
椅子……!
座る……!!
ふわっ……!!
柔らかい……!!
すげえ……!!
「お茶、すぐ出しますね」
手際……良すぎ……!!
そして――
出てくる……!
お茶……!
洋菓子……!!
オシャレ……!!
美味そう……!!
俺の人生で出会ったことねえやつ……!!
ざわ……ざわ……
……なんだこれ。
天国か……?
いや……
違う……!!
こんなの――
出来すぎてる……!!
ざわ……
カイジの勘……警告……!!
これは――
ただの幸運じゃない……!!
このあと――
“何か”が来る……!!
ざわ……ざわ……
――その予感 的中!
「あの……豪華客船で活躍したそうですね……新聞で見ました」
――あ。
それか……!!
ざわ……ざわ……
あの一件……!
200万……!
俺……一応……載ってる……!
隅っこだけど……!
顔写真……名前……コメント……!!
「はい……まぁ……たまたまというか……なんか二つの事件、解決しちゃいました……」
くっ……!
ちょっとカッコつけた……!!
今の俺……!
ざわ……
「それで……推理力が高いカイジさんにお願いがあって……」
――お願い?
俺に……?
ざわ……ざわ……
「何をお願いしたいか……分かりますか?」
……は?
分かるか……!!
そんなもん……!!
ヒントなし……!
無理ゲー……!!
ざわ……
――その瞬間。
(私……誰かに最近見張られているみたいで……)
(さらに……誰かが侵入しているかも知れなくて……)
(でもノーヒントじゃ分からないよね……)
(でも……これで分かるなら……)
(カイジさんと仲良くなりたい……)
――きゅーん。
ざわ……ざわ……
――え?
今……なんて……?
(カイジさんと仲良くなりたい……)
きゅーん……
(カイジさんと仲良くなりたい……)
きゅーん……きゅーん……
(カイジさんと仲良くなりたい……)
――リフレイン……!!
ざわ……ざわ……
なにこれ……!!
何この感覚……!!
胸……締め付けられる……!!
苦しい……のに……嬉しい……!!
人生で――
一度も言われたことねえ……!!
こんな言葉……!!
おふくろも……!
ねえちゃんも……!
言わねえ……!!
ざわ……
俺みたいなクズに……!
仲良くなりたい……!?
アイドルが……!?
トップクラスの……!
沖野ヨーコが……!?
ざわ……ざわ……
――ありえねえ……!!
でも……聞こえた……!!
確かに……!!
心の声……!!
嘘じゃねえ……!!
ざわ……
だったら――
答えは一つ……!!
これは……罠じゃねえ……!!
奇跡……!!
人生最大の……チャンス……!!
ざわ……ざわ……
――飛び込む……!!
この恋の海に……!!
深さ……分からねえ……!!
溺れるかも知れねえ……!!
でも……関係ねえ……!!
こんな感情……!
もう二度と来ねえ……!!
ざわ……ざわ……
カイジ――
決断……!!
「……分かりました」
声……震える……!!
でも止まらねえ……!!
「誰かに見張られてる……それと……侵入者……ですよね?」
ピタッ……
空気……止まる……!!
ざわ……
――勝負……!!
恋と事件……同時進行……!!
ここから……地獄か……天国か……!!
カイジ……ダイブ……!!
――言った……!!
ざわ……ざわ……
強気……!
一直線……!
頼れる男……演出……!!
「えええええ!!すごいすごい……なんで分かったんですか?」
――来た……!!
食いついた……!!
でも……
やべえええええ……!!
何も考えてねえ……!!
完全に……ノープラン……!!
ざわ……
ここで――
「心読めます」は……アウト……!!
即終了……!!
研究所送り……!!
人生詰み……!!
ざわ……ざわ……
落ち着け……!
考えろ……!
カイジ……!
――そうだ……
違和感……!
違和感を言語化……!!
それっぽく並べれば……!
“推理”になる……!!
ざわ……
しかも相手は――
ヨーコちゃん……!!
会話……無限にできる……!!
むしろ……したい……!!
永遠に……!!
ざわ……ざわ……
「いや……いきなり見ず知らずの俺を部屋に入れましたよね?」
一歩……!
「普通……おかしいんです」
二歩……!
「この仕事、玄関で受け渡して終わり……普通は部屋に入らない」
――事実……!
事実だけ……!
並べる……!
これが基本……!!
ギャンブルでも同じ……!!
ざわ……
「あ、そうなんですね!そこからもう違和感を感じてたんですか……すごい……!」
――効いてる……!!
ざわ……ざわ……
よし……続けろ……!
止まるな……!!
「で……部屋に入れたってことは……」
呼吸……整える……!
「この部屋に“何か”がある……そう考えるのが自然です」
――それっぽい……!!
めちゃくちゃそれっぽい……!!
ざわ……
ヨーコちゃん……真剣な顔……!!
聞いてる……!!
俺の言葉を……!!
ざわ……ざわ……
「でも見たところ……監視カメラはない」
指差し……!
空間……!
「もし物取りなら……すでに何か盗まれてるはず……」
「その場合……警察に相談してる……だからその線は薄い……」
――決め顔……!!
ざわ……ざわ……
(……すごい……ちゃんと考えてくれてる……)
――きゅーん。
やばい……!!
また来た……!!
この感情……!!
ざわ……
でも同時に――
冷や汗……!!
これ全部……!!
“それっぽいこと言ってるだけ”……!!
中身……ほぼゼロ……!!
ざわ……ざわ……
でも――
止まれない……!!
ここまで来たら……!
押し切るしかねえ……!!
ギャンブルと同じ……!!
張ったら……引けねえ……!!
ざわ……
「だから残るのは……」
――クライマックス……!!
ハッタリの頂点……!!
「“見られている”……もしくは“気配だけ残されている”タイプの侵入……」
沈黙……
ヨーコちゃんの目……!!
――輝く……!!
「すごい……そこまで分かるんですね……!」
――勝ち……!!
ざわああああああ……
乗り切った……!!
完全に……!!
ハッタリ成功……!!
ざわ……ざわ……
でも――
心の奥で……別の声……
(この人……本当に頼れるかも……)
――ドクン。
やべえ……
この期待……
重い……!!
でも同時に――
嬉しい……!!
たまらなく……!!
ざわ……ざわ……
カイジ……
今……人生で初めて……
“誰かに頼られている”……!!
しかも――
沖野ヨーコに……!!
ざわ……
――引けねえ……!!
もう……絶対に……!!
「部屋を見て回ってもいいですか?」
言った……!!
ついに……!!
この一言……!!
ざわ……ざわ……
「はい」
――許可……!!
通過……!!
ざわあああああ……
アイドルの部屋……!!
沖野ヨーコの……!!
プライベート空間……!!
侵入成功……!!
ざわ……ざわ……
やべええええええ……!!
夢か……!?
これ……夢じゃねえよな……!?
一歩……踏み込む……!!
ふわっ……
――いいにおい……!!
ざわ……
甘い……!
柔らかい……!
清潔感……!
全部乗せ……!!
なんだこれ……!!
俺の部屋と違いすぎる……!!
ゴミ袋……ねえ……!!
カップ麺の残骸……ねえ……!!
床……光ってる……!!
ざわ……ざわ……
そして――
寝室……!!
――来た……!!
聖域……!!
ざわあああああ……
ベッド……!!
白い……!!
ふかふか……!!
整ってる……!!
誰かがちゃんと“生きてる”部屋……!!
ざわ……
理性……崩壊……!!
「ちょっとだけ……失礼……」
――ダイブ。
ぼふっ……
やわらかっ……!!
ざわ……
ゴロ……ゴロ……
転がる……!!
止まらねえ……!!
顔……埋める……!!
――いいにおい……!!
ヨーコちゃんの……におい……!!
ざわ……ざわ……
幸せ……!!
圧倒的……!!
幸せ……!!
これが……人生の勝ち組……!!
俺……今……頂点……!!
ざわ……
「大丈夫ですか……?」
「あ、ああ……ちょっと確認を……」
危ねえ……!!
完全に不審者……!!
ざわ……ざわ……
でも……戻る……現実に……!!
そうだ……!!
目的……!!
事件……!!
侵入者……!!
ざわ……
部屋を見る……
棚……
キッチン……
リビング……
風呂場……
――しかし……
何も……分からねえ……!!
ざわ……ざわ……
やべえ……
全然……分からねえ……!!
理由は明確……!!
俺の能力……!!
“人間限定”……!!
心を読む……!!
それだけ……!!
ざわ……
つまり――
盗聴器があっても……無理……!!
仕掛けられた装置……無理……!!
物からの推察……無理……!!
ざわ……
俺のスペック……
・心読み → 最強
・ハッタリ → 上級
・推理力 → 並
・観察力 → 並以下
――終わってる……!!
ざわあああああ……
ここ……ヒントだらけ……!!
明らかに……!!
違和感……あるはず……!!
でも……見えねえ……!!
ざわ……
もしここに――
ざわ……ざわ……
おそらくここは 情報……乱舞……!!
なのに……!!
俺には……!!
ただの“綺麗な部屋”……!!
それ以上でも……それ以下でもねえ……!!
ざわ……
やばい……
さっきのハッタリで……
期待値……爆上がり……!!
(カイジさんならきっと分かる……)
――その目……!!
やめろ……!!
その信頼……!!
重い……!!
ざわ……ざわ……
カイジ……
今……気付く……
これは……
ギャンブルじゃねえ……!!
外したら金がなくなる……とかじゃねえ……!!
“信頼”が消える……!!
ざわ……
そして――
恋も……終わる……!!
ざわあああああ……
詰み……!!
完全に……詰み……!!
でも――
ここで止まったら……終わり……!!
ざわ……
探せ……!!
無理でも……探せ……!!
無能でも……動け……!!
カイジ……!!
人生……最大の局面……!!
ここで逃げたら……!!
二度と……こんなチャンス……
来ねえ……!!
ざわ……ざわ……
――探せ……!!
何か……!!
何か一つでも……!!
突破口……!!
どうする……?
ざわ……ざわ……
ここ……分岐点……!!
恋の……!!
人生の……!!
ざわ……
ハッタリ……かますか……?
いや……無理……!!
材料……ゼロ……!!
心の情報……ない……!!
ここで適当に言ったら……
即死……!!
信用……ゼロ……!!
ざわ……ざわ……
俺は知ってる……
“適当で突っ込むカイジ”の末路……!!
大体……裏目……!!
全部……裏目……!!
ざわ……
じゃあ……どうする……?
――嘘は……ダメだ……
珍しく……理解してる……!!
ここは……正直……!!
それしかねえ……!!
ざわ……
「俺……探偵でもなくて……ただのフリーターなんだ」
言った……
逃げ道……なし……!!
「豪華客船のやつも……ラッキーパンチで……」
胸が……痛い……!!
「だから……盗聴器とかあっても分からないし……」
言葉が……重い……!!
「俺……本当に心配してるから……プロに頼んだほうがいい」
――本音……!!
全部……本音……!!
ざわ……ざわ……
逃げじゃない……
これは……守り……!!
彼女を……守る選択……!!
ざわ……
もしここで……
見栄張って……
「任せろ」とか言って……
何かあったら……
終わり……!!
完全に……終わり……!!
ざわ……
だから……これが正解……!!
これしかねえ……!!
ざわ……ざわ……
「そうですよね」
――来た……!!
判定……!!
ざわ……
(できないことは正直に言うタイプなんだ……)
――ドクン。
(見栄を張る人が芸能界には多いけど……誠実な人)
――ドクンッ……!!
誠実な人……
誠実な人……
誠実な人……
リフレイン……!!
ざわあああああ……
勝ち……!!
これは……勝ち……!!
マイナスどころか……
プラス……!!
評価……上がってる……!!
ざわ……ざわ……
でも――
ここまで……
ここまでなんだ……!!
ざわ……
連絡先……?
聞けるわけねえ……!!
そんな勇気……
あるわけねえ……!!
ざわ……
ここが……引き際……!!
理解してる……!!
今の俺……空気読めてる……!!
ざわ……
アイドルの部屋……入った……
話した……
それだけで……
奇跡……!!
これ以上は……望むな……!!
ざわ……ざわ……
「力になれなくてすみません……」
声……震える……!!
「ただ……ヨーコちゃんや部屋を見て……」
言葉……選ぶ……!!
「あなたが誠実でいい人だっていうのは伝わりました……」
――精一杯……!!
「解決するの祈ってます……じゃあ……」
――退却……!!
ざわ……
振り向かない……
顔……見れない……!!
見たら……終わる……!!
未練……出る……!!
ざわ……ざわ……
扉に向かう……
一歩……
また一歩……
――悔しい……
ざわ……
悔しい……!!
なんでだ……!!
なんで俺は……!!
ざわ……
もっと……できたはずだろ……!!
もし俺に……
“ちゃんとした推理力”があったら……!!
もし俺が……
“努力してたら”……!!
ざわ……
違う未来……あった……!!
ここで……
頼られて……
解決して……
ヒーローになって……
ざわ……
でも現実は……!!
逃げるだけ……!!
正直に言って……
去るだけ……!!
ざわ……
くそ……!!
くそくそくそ……!!
俺……チート持ってる……!!
心読める……!!
普通じゃねえ能力……!!
なのに……!!
活かしてねえ……!!
ざわ……
普通なら……
磨く……!!
鍛える……!!
人のために使う……!!
でも俺は……!!
逃げて……
サボって……
何もしてこなかった……!!
ざわ……
はじめてだ……
こんな感情……!!
社会じゃねえ……!!
誰かのせいじゃねえ……!!
――自分に……キレてる……!!
ざわあああああ……
なんでやらなかった……!!
なんで逃げた……!!
なんで……!!
ざわ……
ドアに手をかける……
その瞬間……
――止まる……
ざわ……
胸の奥……
何かが変わる……
ほんの少し……
でも確実に……
ざわ……
カイジ……
はじめて……
“自分を変えたい”と……
思った……!!
――成長……!!