アイドル・沖野ヨーコの連絡先を手に入れ、無敵状態のカイジ――!!
しかし、カイジ……やってしまう……!!
今回は、まさかのカイジ自身が犯人――想定外の展開!!
オリジナル回
ざわ……ざわ……
――俺、カイジ。
無敵……!
完全に無敵……!!
アイドル・沖野ヨーコちゃんの連絡先ゲット……!
しかも事件も解決……!
(勝った……人生……勝った……!)
居酒屋――
ジョッキがぶつかる音。
「もう一杯!!」
ビール……ビール……ビール……!
喉を通る黄金の液体――
キンキンに冷えた苦味が一気に流れ込む。
(うめえええええええええええ!!)
体の中に幸福が広がる――
脳が痺れる……!
(これだよ……これ……!)
生きてる実感……!
勝者の味……!
テーブルには空いたジョッキの山。
「今日は全部うまい!!」
焼き鳥も、枝豆も、全部が輝いて見える……!
(俺は今……“上”にいる……!)
底辺じゃない……
這い上がった側……!
そして外――
夜風。
ひやりとした空気が頬を撫でる。
「っはぁ〜〜〜……」
アルコールで火照った体に、夜風が染みる。
(最高だ……)
頭が少しふわふわする……
足取りも軽い……
世界が少し優しく見える……!
(怖いもんなんてねえ……)
(俺には“心を読む力”がある……)
犯人がいようが……
自殺だろうが……
全部見抜ける……!
(もう俺は……無敵だ……!)
……と、そのとき。
ぐぐっ……
(あ……)
来た。
生理現象。
(やべ……めっちゃ飲んだ……)
当然だ……あれだけ飲めばこうなる……!
周囲を見る――
駅は遠い……
店もない……
コンビニもなし……
住宅と空き地だけの夜道。
(トイレ……ねえ……!)
……だが。
カイジは止まらない。
(関係ねえ……)
(昔からこの辺は庭みたいなもんだ……)
小中高――
この辺で何度もやってきた……!
ズボンを下ろす――
夜の静寂。
ひんやりとした空気。
そして――
シャァァァァ……
(あああああああああああああああああああ……)
解放――!!
圧倒的解放……!!
体の中に溜まっていたものが一気に流れ出る……
全神経が“楽”に支配される……!
(気持ちいい……!)
(これ……生きてるって感じだ……!)
夜風と一体になる感覚……
アルコールの余韻と混ざり合い、
脳がじんわりとほどけていく……!
(最高だ……)
(世界が俺を祝福してる……!)
無敵……
自由……
勝者……!
(俺は……今……人生の頂点……!)
――だが。
このあと。
カイジはまだ知らない。
(この幸福の先に……)
(最悪の展開が待っていることを……!)
***
ざわ……ざわ……
夜の静寂を切り裂くように――
「きゃああああ!!」
甲高い悲鳴が響き渡る。
声の主は、元気いっぱいの少女、
吉田歩美。
小さな体に大きな好奇心を詰め込んだ、
無邪気でまっすぐな性格の持ち主だ。
「どうしたんですか?歩美ちゃん!」
すぐさま反応したのは、冷静で理知的な少年、円谷光彦。
知識豊富で、どんな状況でも状況分析を忘れないタイプである。
「なんだなんだ!?事件か!?」
さらに駆け寄るのは、小嶋元太。
食いしん坊で豪快、だが仲間思いの熱い少年だ。
三人――
少年探偵団が、異変のもとへと視線を向ける。
そして、歩美が震える指で示した先――
「変質者です!!下半身を出してる!!」
空気が一瞬で凍りつく。
「いい大人が、小学生の前で何してるんですか!」
光彦の声には、明確な非難がこもる。
「うわっ、マジかよ!!」
元太も思わず後ずさる。
「きゃああああああ!!」
再び響く悲鳴。
その中心にいたのは――
凍りついた表情の男。
伊藤カイジ。
(やばい……)
空気が変わる。
ざわ……ざわ……
(この状況……やばすぎる……!)
ほんの数秒前まで、夜風と解放感に浸っていた男は、
一転して奈落の底へ突き落とされる。
(俺……ただ……しょんべんしてただけ……!)
だが現実は非情。
人気のない場所。
小学生。
そして“タイミング”。
すべてが最悪の形で噛み合ってしまった。
(いや待て……これ……)
(普通に犯罪じゃねえか……!?)
頭の中で警報が鳴り響く。
(外で用を足すのもアウト……)
(しかもこの状況……完全に“見せた側”……!)
ざわ……ざわ……
思考が一気に加速する。
(このあとどうなる……?)
警察――
通報――
事情聴取――
そして最悪の場合――
(人生終了……!?)
幸福の絶頂から一転。
カイジは、自らの行動が招いた“想定外の事件”の中心に立っていた。
***
ざわ……ざわ……
――俺、カイジ。
終わった。
完全に終わった……!!
(やばい……やばい……やばい……!!)
目の前には小学生三人。
叫び声、非難の視線、完全に“アウト”の空気。
(違う……違うんだ……!)
ただの生理現象……!
ただの事故……!
だが――現実はそんな言い訳を一切受け付けない。
(待て……落ち着け……まだだ……)
ここから挽回……できるか……?
いや――
(できねえ……!!)
ここでさらに気付く。
致命的な事実。
(俺……免許ない……)
身分証明――なし。
つまり、
(自分を証明する手段……ゼロ……!)
ざわ……ざわ……
頭の中で警報が鳴り響く。
(ってことは……)
(住所不定無職……扱い……!?)
いや、待て……!
(俺、一応働いてる……!フードデリバリー……!)
だが――
次の瞬間、さらなる絶望。
(あっ……)
(開業届……出してねえ……)
税務署……行ってない……
手続き……一切なし……
つまり――
(社会的には……無職……!!)
ぐにゃあああああああああああ……
脳内に浮かぶ未来予想図。
ニュースのテロップ。
『無職の男(年齢不詳)、伊藤カイジ……小学生にちんこ見せる――』
(終わりだ……)
(完全に終わり……!!)
だが、それだけじゃない。
さらに最悪な連鎖。
(俺……ちょっと目立ってる……)
豪華客船……
事件解決……
そして――指名手配……
(やべええええええええええええ!!)
これはただの“軽い事件”じゃ終わらない。
むしろ――
(メディアの大好物……!!)
誰かが死んだニュース?
埋もれる……
流れる……
だが――
(こういう“ちんこ事件”は違う……!!)
「最近指名手配された男」
「豪華客船で話題になった人物」
「その男が――」
(小学生の前でちんこ出す……!!)
ざわ……ざわ……
(どう考えても……炎上……!!)
SNS――拡散……
動画サイト――切り抜き……
コメント欄――地獄……
(日本最大級のネタニュース……!!)
笑いもの……
叩かれる……
人生終了……
(俺の人生……ここで……)
(“変質者”として固定される……!!)
ざわ……ざわ……
逃げ場なし。
完全包囲。
カイジ――
人生最大のピンチに、今まさに立たされていた……!
ざわ……ざわ……
終わりじゃない――
まだ終わってないどころか……ここからが“本当の地獄”……!!
(いや……それだけじゃない……)
脳が勝手に先の未来を組み立てる。
止まらない。止められない。
(豪華客船……)
(あの件……絶対掘られる……!!)
「この無職、どうやって乗った?」
「資金源は?」
「裏があるんじゃないか?」
マスコミ――食いつく。
徹底的に洗う。
(そうなると……)
(全部バレる……!!)
不倫――
紐生活――
だらしない過去――
全部……全部……
(表に出る……!!)
ざわ……ざわ……
(終わりだ……)
普通の人間――
いや、“まともな社会”はこういう人間を許さない。
(炎上……?)
(そんなレベルじゃねえ……!!)
大炎上どころか――
公開処刑……!!
そして、さらに致命的な事実に気付く。
(あっ……)
(俺……)
(沖野ヨーコちゃんの連絡先……知ってる……)
血の気が引く。
(家にも行った……)
(ベッドで……ゴロゴロ……)
(飯も一緒に……)
ぐにゃあああああああああああ……
(こんな奴が……)
(アイドルと……!?)
ファン――激怒。
いや違う。
(日本中……敵……!!)
「許せない」
「なんでこいつが?」
「ふざけるな」
声が聞こえる気がする。
まだ何も起きてないのに――
(いや……待て……)
(日本だけじゃない……)
児童絡みの問題――
海外はもっと厳しい。
(これ……世界ニュース……!?)
終わりだ。
完全に終わり。
(世界中の敵……!!)
逃げ場――ゼロ。
その先の未来まで見えてしまう。
(捕まる……)
(刑務所……)
そして――
(いじめられる……)
当たり前だ。
(子供に見せた男……)
(裏では紐生活……)
(アイドルと遊んでた……)
(最低……最悪……)
誰も守らない。
誰も助けない。
(俺……)
(ここで……)
(人生……完全終了……!!)
ざわ……ざわ……
夜風の気持ちよさなんて、もうどこにもない。
残っているのは――
底なしの恐怖と、
逃げ場のない現実だけだった……。
ざわ……ざわ……
――俺、カイジ。
理解する。
今回、本当にヤバいのは――これ。
(俺が犯人……!!)
いつもは違った。
犯人じゃない。
だから――真実に辿り着けばセーフ。
ギリギリであっても……
どれだけ追い詰められても……
(最後は“無実”でひっくり返せた……!!)
だが今回は違う。
(今回は……ガチ……)
しかも状況は最悪。
容疑者――他にいない。
証人――3人。
しかも――
(小学生……!!)
いつもですら、
無実なのにギリギリまで追い詰められる俺。
なら――
(今回、犯人だったら……?)
答えは一つ。
(詰み……!!)
人生終了。
言い逃れ不能。
ざわ……ざわ……
頭の中で警報が鳴り続ける。
(どうする……?)
(どうする……俺……!?)
出てきた答え。
(逃げる……!!)
それしかない。
ここから全力で離脱……!
姿を消す……!
だが――
次の瞬間、冷静な思考がそれを叩き潰す。
(いや、待て……)
(顔……見られてる……)
しかも俺は――
(指名手配経験あり……!!)
特徴、顔、雰囲気……
(バレる……一発で……!!)
逃げた瞬間――
(全国手配……確定……!!)
ぐにゃあああああああ……
(逃げはダメだ……)
(逃げたら終わり……)
ならどうする……?
別の道……
別の可能性……
そして――
閃く。
(あっ……)
相手は――
(子供……!!)
ざわ……
(だったら……)
(誤魔化す……!!)
これだ……!!
(ノーカン……!!)
思い出す。
地下労働……
班長……
あの世界の理屈――
(“ノーカンで押し通す”……!!)
現実をねじ曲げる。
事実を無かったことにする。
(これは事故……)
(いや……そもそも……起きてない……!!)
そう――
(これはノーカン……!!)
逃げたらアウト。
だが――
(ノーカンなら……何も起きてない……!!)
理屈のすり替え。
だが今の俺に残された唯一の道。
(いける……!)
(今回は……小学低学年……!!)
記憶も曖昧……
押し切れる可能性……ある……!!
ざわ……ざわ……
(やるしかねえ……!!)
(ここで押し通す……!!)
カイジ、極限の選択。
現実を否定し――
“ノーカン”という名の綱渡りに、足をかける……!!
ざわ……ざわ……
――俺、
絶体絶命。
「なぁ、これはノーカン……ノーカンなんだ」
震える声で放つ俺の一手。
最後の希望――ノーカン理論。
だが……
「意味が分かりません。どういうことですか?」
冷静。
あまりにも冷静すぎるガキ……光彦。
(やばい……)
(通じてない……!)
「違う……俺は何も出していない」
押し通す……!
事実を否定……!
これしかない……!
しかし――
「いえ、出していましたよ」
即答。
間髪入れず。
一切の迷いなし。
え?
「そんなことなぜ分かる」
俺の声、裏返る。
するとヤツは――
淡々と……淡々と……
事実を積み上げてくる……!
「あなたのズボン、今も下がっています」
ざわ……
「それにあなたの目線、挙動、声、呼吸、色々と可笑しい……」
ざわざわ……
「いいですか……」
来る……来る……!
「あなたはやってます」
(ぐにゃあああああああああああああああ!!)
「そして子供相手だから無かったことにしようとしている……違いますか?」
完全論破……!!
ぐにゃあああ……
なんだこいつ……!!
(光彦……だと……?)
(小学生……!?)
いや違う……!
中身……中身が異常……!!
(見た目は子供……中身は大人……!?)
ありえねえ……
だが現実――
(俺、完全に追い詰められてる……!!)
しかも……
ここでさらに気付く。
(やべえ……)
致命的なミス。
(ベルト……!!)
飲み屋で外した……
そのまま忘れた……!
つまり――
(ズボン……ゆるゆる……!!)
ずり……ずり……
(落ちてきてる……!!)
最悪の状況証拠。
自分で証拠を強化していくスタイル……!!
(終わった……)
光彦、冷静に観察。
俺、ボロボロ。
勝負になってない……!
(なんなんだこのガキ……!!)
(なんでそんな分析できるんだよ……!!)
ざわ……ざわ……
完全に流れは向こう。
論理、観察、状況――すべて負け。
(ノーカン……通らねえ……!!)
崩壊。
カイジの作戦――開始数秒で瓦解。
そして理解する。
(これは……いつもの“ギリギリセーフ”じゃねえ……)
(完全アウトの流れ……!!)
夜の静寂の中――
小学生に追い詰められる男。
(どうする……!?)
(ここからどう巻き返す……!?)
ざわ……ざわ……
――追い詰められている。
完全に……袋小路。
(だが……まだだ……!)
(まだ終わってねえ……!)
そのとき脳裏に浮かぶ――
地下……あの地獄……
班長の姿……!
(そうだ……あのとき……!)
(班長はどうした……!?)
思い出す――
理屈じゃねえ……!
勢い……!
声……!
圧……!
(押し通す……!!)
子供相手……!
理屈じゃなく“勢い”で制圧……!!
「ノーカンノーカンノーカンノーカンノーカンノーカンノーカン!!」
叫ぶ……!
全身を使って……!
腕を振り回し……!
地面を踏み鳴らし……!
「ノーカンッ!!ノーカンッ!!」
ざわ……!
一瞬――
空気が揺れる。
(いける……!)
(押し切れる……!)
しかし――
「こいつあやしいぞ!!」
元太……!
「うん、歩美もそう思う」
追撃……!!
(なにぃぃぃぃぃ!!?)
効いてない……!
全然効いてない……!
(なんでだよ……!子供だろ……!?)
(普通ビビるだろ……!?)
完全に裏目……!!
むしろ怪しさ増幅……!!
ぐにゃあああああ……
そのとき――
「ごめん、お前ら、俺がそこのトイレに行っている間に、先にいくなよ」
新たな声。
振り向く――
(あ……!)
コナン……!!
(まずい……!)
(こいつはまずい……!!)
「ん?何かあったのか?ってあれ?カイジお兄さん」
(終わった……)
「え?この人知り合い?」
「うん」
最悪の流れ。
完全に知り合い認定。
逃げ場なし。
事情説明――
一気に広がる疑惑……!
(やめろ……!話すな……!)
(それ以上言うな……!!)
だが――
光彦、冷静に一言。
「ちなみに、もう警察には連絡済みです」
ざわ……ざわ……
(は……?)
(連絡……済み……?)
(いつだ……!?)
(会話してる間……!?)
(足止め……されてた……!?)
ぐにゃあああああああああああああああああ!!
(こいつ……小学生じゃねえ……!!)
(完全に狩る側……!!)
そして――
遠くから聞こえる音。
ウゥゥゥゥゥゥ……
(来た……)
(終わりの音……)
パトカー……!!
ライトが照らす――
逃げ場ゼロの現場。
ドアが開く。
降りてくる影――
(あ……)
見慣れたシルエット。
(最悪の相手……)
目暮警部……!!
そして高木刑事……!!
(なんでだよおおおおおおおおおおお!!)
今日何回目だこの展開……!
(さっきまで無敵だったんだぞ……!?)
(ヨーコちゃんの連絡先持ってる男だぞ俺は……!!)
それが今――
(露出犯として確保寸前……!!)
人生ジェットコースター……
落差……地獄……!!
目暮警部の視線が刺さる。
(終わった……)
カイジ――
完全包囲。
完全終了。
――かと思いきや……!?
ざわ……ざわ……
やべえ……来る……
目の前に立つ、あの男……目暮警部……!
――カイジリフレイン……!
(まただ……またこの流れ……)
(いつも俺が犯人扱い……)
(だが今回は違う……違わねえ……今回は――俺が犯人……!)
ぐにゃああああああ……
終わりだろこんなの……
いつもですらギリギリ……無実でも首の皮一枚……
それが今回は“黒”確定……!
勝ち筋ゼロ……詰み……負け確……!
(どうする……どうするカイジ……!)
思い出せ……あのパターン……
目暮警部の“型”……!
あいつはな……
こっちが一瞬でも詰まると……一気に来る……!
「どうなんだカイジ!」
「説明しろ!」
「矛盾しているぞ!」
畳みかけ……圧……過去の罪……全部持ち出してくる……!
一つでも躓けば……そこから一気に逮捕ライン……!
(何度も……何度もそれで追い詰められてきた……!)
――だが今回は違う。
(俺は学んだ……!)
これは初見殺しじゃねえ……
もう“知っているゲーム”だ……!
だったら……対策はある……!
(先手……!)
そうだ……受けるな……!
受けた瞬間、終わる……!
目暮警部が口を開く前に――
こっちから叩く……叩く……叩き続ける……!
思考させるな……!
あいつは考えて喋るタイプ……!
なら俺は逆……!
ノータイム……!
反射……!
即否定……!
「違う!」
「それは違う!」
「ありえない!」
考えるな……感じろ……!
とにかく否定……否定……否定……!
一瞬でも“間”を作ったら負け……
その隙に刺される……!
(過去の話も出される……借金……麻雀……全部だ……!)
だから……遮断……!
全部……遮断……!
「違う!」
「関係ない!」
「それは今の話じゃない!」
――押す……!
押して……押して……
相手に喋らせない……!
(これしかねえ……これしかねえんだ……!)
ざわ……ざわ……
行くぞ……目暮警部……
今回は……俺が……!
――ガンガン行く……!!
――カイジ 準備万端!!!!
ざわ……ざわ……
――来た。
「また、カイジ……お前か……」
低く、重い声。
何度も聞いた声。
何度も俺を追い詰めてきた声……!
(ぐっ……!)
視線が刺さる……
逃げ場なし……完全包囲……!
そして――
光彦が、淡々と経緯を話し始める。
冷静に……正確に……
余計な感情一切なし……!
(やめろ……!それ以上積むな……!)
証拠が、状況が、
俺を“犯人”へと押し固めていく……!
ざわ……ざわ……
(来る……)
このあと――
いつもの流れ。
目暮警部がまとめる。
矛盾を突く。
詰める。
畳みかける。
そして俺は――
(言葉に詰まる……)
(終わる……)
だが――
(今回は違う……!!)
俺はもう、あの頃のカイジじゃねえ……!
何度も食らった……
何度も潰された……
だから分かる……!
(あいつの“型”……!)
そして――
(対策も……ある……!!)
ざわ……ざわ……
光彦の説明が終わる。
静寂――
次の瞬間、
目暮警部が口を開く――
(今だ……!!)
ざわ……ざわ……
来た――
「カイジ、お前は小学生相手にズボンを下ろして下半身を見せたとワシは思っていない」
――は?
一瞬、思考が止まる。
(え……?)
だが――
(関係ねえ……!!)
俺はもう決めている。
“即否定”からの“先制ラッシュ”……!
「警部!あんたの言っていることは間違っている……俺は見せた!!!!」
ざわっ……!!
(よしっ……!まずは否定……!!)
(ここから攻める……!!事実で……!!)
「俺はガンガン酒を飲んで、酔っ払って、この辺をブラブラ歩いていたんだ!!」
止めるな……!
考えさせるな……!
(口を開く前に……叩き込め……!!)
「そして俺はズボンを下ろした!見せた!!!!この小学生3人に!!!!」
空気が凍る。
(押せ……!!押し切れ……!!)
「目暮警部、あんたはいつも俺に対して事実と違うことを言う!!!!」
指を突きつける――!
「だから即否定して貰った!!!!」
ざわ……ざわ……
言い切った……!
全部……吐いた……!
否定どころか――
(全肯定……!!)
はぁ……はぁ……はぁ……
息が上がる……
肺が焼ける……
当然だ……!
ノータイムで……
全力で……
一切止まらずに叩き込んだ……!
(これで……終わりだろ……?)
ざわ……ざわ……
周囲の視線が突き刺さる。
ゆっくりと――
目の前の男を見る。
目暮警部。
(どうだ……?)
(これで……お前のペースは崩れたはず……)
だが――
(あれ……?)
警部の顔。
(なんでだ……)
驚いていない。
焦っていない。
崩れていない。
むしろ――
(静か……すぎる……)
ざわ……
(なにか……やばい……)
(これ……)
(俺……)
(やっちまったか……?)
カイジ――
“攻め”のはずが、
まさかの自爆……!?
ざわ……ざわ……
――静寂。
俺が全て吐き出した、そのあと。
ゆっくりと――
本当にゆっくりと……
目暮警部が口を開く。
今回のようにカイジが犯人のお話はあり?
-
またみたい
-
もういい
-
オリジナル回でお願い
-
元ネタ回ありでお願い