心読みの逆転探偵録 カイジVS名探偵コナン   作:梅酒24

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後半ちゃんと投稿できてませんでした。すみません!


ファイル2:TVロケ殺人事件 後編

(……俺は……)

 

ざわ……ざわ……

 

(まだ……自分の能力を理解してねぇ……)

 

拳が震える。

 

(もっと早く……気づくべきだった……)

 

(心の声が聞こえる……それだけで満足して……)

 

(使いこなす努力……してこなかった……)

 

歯を食いしばる。

 

(遅い……!)

 

(いつもそうだ……!)

 

(詰められてから気づく……!)

 

(後手……後手……!)

 

(だから……こうなる……!)

 

視線の先。

 

血文字。

 

指紋。

 

警部の圧。

 

(完全包囲……!)

 

(逃げ場なし……!)

 

(……もう……ダメか……)

 

一瞬、よぎる諦め。

 

だが――

 

(……いや……)

 

ゆっくりと顔を上げる。

 

(まだ……ある……)

 

(最後の手段……!)

 

視線を向ける。

 

毛利小五郎。

 

(……こいつしかいねぇ……!)

 

(漫画なら……)

 

(こういう時……主人公が助けてくれるはずだ……!)

 

一歩踏み出す。

 

「小五郎さん!!」

 

全力で肩を掴む。

 

ガクガクガクガクガク……!!

 

(起きろ……!)

 

(今だ……!)

 

(ここで起きなきゃ意味ねぇ……!)

 

顔が真っ赤。

 

まるで――ゆでだこ。

 

(死ぬほど飲んでやがる……!)

 

さらに揺らす。

 

「起きろって!!」

 

すると――

 

「ほにゃ……?」

 

ゆっくりと目が開く。

 

「親友じゃないか……どうした……?」

 

(来た……!)

 

(神……!)

 

「小五郎さん!!」

 

思わず前のめりになる。

 

「殺人事件です!」

 

「俺……疑われてるんです!!」

 

「助けてください!!」

 

その瞬間。

 

ピシッ――

 

空気が変わる。

 

「……なんだと?」

 

さっきまでの酔っぱらいが嘘のように。

 

目が据わる。

 

(……おお……!?)

 

(スイッチ入った……!)

 

「本当か?」

 

低い声。

 

「状況を説明してくれ」

 

(……来た……!)

 

(これだ……これを待ってた……!)

 

一気に話す。

 

「という訳です……!」

 

「俺はやってない……!」

 

「でもダイイングメッセージで“カイジ”って……!」

 

息を切らす。

 

(頼む……!)

 

(見抜いてくれ……!)

 

小五郎は腕を組む。

 

「……なるほどな」

 

一拍。

 

「親友が犯人じゃないと……俺も思う」

 

(……!!)

 

(きたあああああ!!)

 

「じゃあ簡単だ」

 

(……え?)

 

「ダイイングメッセージが違うってことだ」

 

(……!)

 

「包丁の指紋は……手袋でもしてたんだろ」

 

「俺も友達に“死ね”ってよく言ってたぞ」

 

(……雑!!)

 

(でも……!)

 

(方向性は合ってる……!)

 

「ありがとうございます……!」

 

思わず頭を下げる。

 

そして――

 

もう一度、血文字を見る。

 

じっと。

 

じっと。

 

ざわ……ざわ……

 

(……あれ……?)

 

(なんだ……これ……)

 

違和感。

 

(……形……おかしい……?)

 

目を凝らす。

 

(“カ”……?)

 

(いや……違う……)

 

(この棒……)

 

(後から……足されてる……?)

 

(元は……)

 

(“ナ”……!?)

 

心臓が跳ねる。

 

(そうか……!)

 

「……違う!!」

 

思わず叫ぶ。

 

ざわあああ……

 

「ダイイングメッセージ……書き加えられてる……!」

 

指を指す。

 

「これは“カイジ”じゃない……!」

 

(見える……!)

 

(見えるぞ……!)

 

「“ナイン”だ!!」

 

ざわああああ……

 

「“ナ”に棒を足して“カ”にしてる……!」

 

「つまり――偽装だ!」

 

一気に畳みかける。

 

「九条……!」

 

指を向ける。

 

「あいつは“九”……!」

 

「英語で“ナイン”……!」

 

(繋がった……!)

 

「つまり……!」

 

声を張る。

 

「ダイイングメッセージは……最初から九条を指してたんだ!!」

 

ざわああああああ……

 

空気が一変する。

 

(通った……!)

 

(流れ……変わった……!)

 

(いける……!)

 

警部が目を細める。

 

「……高木君」

 

高木渉が近づく。

 

「ダイイングメッセージをよく見てくれ……“ナイン”じゃないか?」

 

一瞬の沈黙。

 

「……確かに……」

 

ざわ……

 

「これは……書き足されています……!」

 

ざわあああ……

 

(……きた……!)

 

(逆転の一手……!)

 

周囲の視線が――

 

一斉に向く。

 

九条へ。

 

(終わりだ……)

 

(ここから……崩れる……!)

 

胸の奥で、何かが弾ける。

 

(助かった……!)

 

(小五郎さん……!)

 

(あんた……やっぱり……)

 

ちらりと見る。

 

毛利小五郎。

 

(……この人……)

 

(すげぇ……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(逆転……成功……!)

 

(ここから……一気に決める……!)

 

***

ざわ……ざわ……

 

九条が、ゆっくりと前に出る。

 

髪をかき上げ――余裕の笑み。

 

「ハハハ……」

 

(……きやがった……)

 

「ナインだから僕が犯人?」

 

肩をすくめる。

 

「警部さん、面白い冗談を」

 

(余裕……完全に余裕……!)

 

「22時30分に宴会場にいたのは、多くの人が証明しています」

 

ざわ……

 

「その時間に犯人が目撃されているなら――」

 

一拍。

 

「僕のわけがないじゃないですか?」

 

(……くそ……)

 

「説明できるのですか?」

 

静かな圧。

 

(来る……!)

 

そして――

 

「……確かに」

 

目暮十三が頷く。

 

(……は?)

 

「じゃあ……カイジか」

 

(はああああああ!?)

 

ざわあああ……

 

(待て待て待て待て……!)

 

(俺の時はあんなに詰めたのに……)

 

(九条の反論はそれだけで通るのかよ!?)

 

(おかしいだろ……!)

 

(理不尽……!)

 

(でも……)

 

冷静な自分が割り込む。

 

(確かに……)

 

(この“アリバイ”崩せなきゃ……)

 

(全部終わる……)

 

ざわ……ざわ……

 

深く息を吸う。

 

(落ち着け……)

 

(今だ……)

 

(心を整えろ……)

 

(九条の“心の声”を拾え……!)

 

集中。

 

雑音が引いていく。

 

そして――

 

(……くそ……偽装して“カイジ”と書いたのがバレかけている……)

 

(……!)

 

(だがなぜか……みんなが俺のアリバイを証明してくれている……ラッキー……)

 

(……やっぱりお前か……!)

 

確信。

 

(犯人……九条……!)

 

(でも……)

 

(なぜ……崩れない……!?)

 

さらに――

 

(でもなぜなんだ……俺の時計だと……23時に宴会に戻ったんだけど……)

 

(……!?)

 

(……は?)

 

(23時……?)

 

(でも……みんな……)

 

(22:30って……言ってる……)

 

思考が加速する。

 

(ズレてる……)

 

(時間が……ズレてる……!)

 

(誰かが間違ってる……)

 

(いや……)

 

(“全員が同じ時間を見てる”……?)

 

(あれ……)

 

記憶を辿る。

 

(宴会場……)

 

(あの時……)

 

(みんな……何見てた……?)

 

(……腕時計……?)

 

(いや……)

 

(違う……!)

 

(……古時計……!)

 

閃光。

 

(ああああああああ!!)

 

(そうだ……!)

 

(温泉……!)

 

(みんな風呂上がり……!)

 

(腕時計してねぇ……!)

 

(だから……)

 

(全員……同じ時計を見た……!)

 

(宴会場の……古時計……!)

 

心臓が爆発する。

 

(もし……)

 

(あれが……壊れてたら……?)

 

(全員の証言が……ズレる……!)

 

(アリバイ……崩壊……!)

 

顔を上げる。

 

「……高木刑事!!」

 

声を張る。

 

高木渉が振り向く。

 

「古時計だ!!」

 

ざわ……

 

「宴会場の古時計……!」

 

一歩踏み出す。

 

「22時30分で止まってたんじゃないか!?」

 

ざわあああ……

 

「それなら……全部説明がつく!」

 

(頼む……!)

 

(当たってくれ……!)

 

「調べてくれ!!」

 

空気が張り詰める。

 

数分。

 

いや――体感では数時間。

 

(長ぇ……!)

 

(頼む……!)

 

(ここ外したら……終わり……!)

 

やがて――

 

バタバタと足音。

 

戻ってくる高木。

 

息を切らしながら。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

(来た……!)

 

「どうだ……!?」

 

「カイジさんの言う通りです……!」

 

ざわああああああ!!

 

「古時計は……22時30分で止まっていました!」

 

(――きたああああああああああ!!!)

 

(当たり……!)

 

(大当たり……!!)

 

(アリバイ……崩壊……!!)

 

視線が一斉に動く。

 

九条へ。

 

ざわ……ざわ……

 

(終わりだ……)

 

(お前の“完璧”……)

 

(崩れた……!)

 

胸の奥から込み上げる。

 

(助かった……)

 

(生き延びた……!)

 

(俺……勝った……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(逆転……!)

 

(ここから……完全勝利だ……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(……崩れた……!)

 

(ついに……!)

 

九条のアリバイ。

 

完全崩壊……!

 

俺は一歩踏み出す。

 

「これで崩れたぜ……九条のアリバイ」

 

ざわ……

 

「なぁ……」

 

睨みつける。

 

「お前……22:30、どこにいたんだ?」

 

空気が張り詰める。

 

九条の顔が引きつる。

 

「ぼ……僕じゃない……」

 

(……弱い……!)

 

(さっきまでの余裕……どこ行った……!)

 

(今だ……!)

 

(攻めろ……!)

 

(ここで引いたら……終わり……!)

 

(俺は……あれだけ詰められた……!)

 

(なら……)

 

(今度は俺の番だ……!)

 

一気に畳みかける。

 

(待て……)

 

(決定打……!)

 

(何か……あるはず……!)

 

思考が加速する。

 

(ダイイングメッセージ……)

 

(偽装……)

 

(書き足した……)

 

(その直後に……)

 

(事件発覚……)

 

(なら……!)

 

閃き。

 

(ついてるはずだ……!)

 

(血が……!)

 

「高木刑事!!!」

 

叫ぶ。

 

高木渉が振り向く。

 

「九条の指にライト当てろ!!!」

 

ざわあああ……

 

「血文字を書き足したなら……!」

 

「指に血がついてるはずだ!!」

 

(どうだ……!)

 

ライトが当たる。

 

全員が注視。

 

だが――

 

「……何もありません」

 

(……は?)

 

肌色。

 

綺麗な指。

 

ざわ……ざわ……

 

(……くそ……!)

 

(洗ってやがる……!)

 

(当然……!)

 

(そんなの……分かるだろ……!)

 

(俺の……ミス……!)

 

ぐらりと揺れる。

 

(詰めが……甘ぇ……!)

 

(またかよ……!)

 

その時――

 

横から、声。

 

「だったら――」

 

振り向く。

 

毛利小五郎。

 

腕を組み、当然のように言う。

 

「ルミノール反応薬使えばいいだろ」

 

(……は?)

 

「血を拭き取ってても……青紫に光る」

 

(……!!)

 

(……天才かよ……!!)

 

(なんだその発想……!)

 

(いや……)

 

(発想じゃねぇ……)

 

(知識……!)

 

(経験……!)

 

(この人……やっぱり……すげぇ……!)

 

一瞬で流れが変わる。

 

「すぐに用意しろ!」

 

目暮十三の指示。

 

ざわ……ざわ……

 

(これで……)

 

(決まる……!)

 

やがて――

 

ルミノール反応。

 

九条の手に、薬剤がかけられる。

 

一瞬の静寂。

 

そして――

 

ぼうっ……

 

青紫の光。

 

ざわあああああああ!!

 

(……きた……)

 

(確定……!)

 

(逃げ場なし……!)

 

「九条……」

 

警部の低い声。

 

「お前が……偽装工作をしたんだな……」

 

空気が凍る。

 

九条の顔が歪む。

 

「くそおおおおおおお!!!」

 

絶叫。

 

「そうだ!!!」

 

ざわあああああ……

 

「僕が……偽装した!!!」

 

(終わりだ……)

 

(完全決着……!)

 

全身から力が抜ける。

 

(助かった……)

 

(マジで……死ぬかと思った……)

 

視界の端。

 

毛利小五郎。

 

(この人がいなきゃ……)

 

(終わってた……)

 

(やっぱり……)

 

(“名探偵”だ……)

 

ざわ……ざわ……

 

(生還……!)

 

(今回も……ギリギリ……!)

 

(だが……)

 

(勝ちは勝ちだ……!)

 

胸の奥で、静かに思う。

 

(……次は……)

 

(もっと早く……見抜く……)

 

(“詰め”……甘くしねぇ……!)

 

***

「そうだ……」

 

九条が、荒い呼吸のまま顔を上げる。

 

「僕は確かに偽装工作をした……」

 

ざわ……

 

(……終わりだな……)

 

(観念したか……)

 

だが――

 

「だが、犯人ではない」

 

(……は?)

 

空気が凍る。

 

「殺しはしていない」

 

ざわあああああ……

 

(……何言ってんだ……こいつ……)

 

(往生際……悪すぎだろ……!)

 

(ここまで証拠揃ってて……まだ逃げるか……!?)

 

眉をひそめる。

 

(いや……)

 

(でも……)

 

(なんだ……この違和感……)

 

「いやさすがに……」

 

目暮十三が前に出る。

 

「九条君……君が犯人だよ」

 

(そうだ……)

 

(普通はそうなる……!)

 

(血文字偽装……)

 

(アリバイ崩壊……)

 

(ルミノール反応……)

 

(ここまで揃ってて……)

 

(違うわけがねぇ……!)

 

だが――

 

九条は、首を振る。

 

「いや……聞いてくれ……」

 

ざわ……

 

「僕の話を……」

 

声が震えている。

 

だが、その目は――

 

(……必死……?)

 

(いや……)

 

(恐怖……?)

 

(演技……か?)

 

(それとも……)

 

一瞬、背筋に寒気。

 

(……まさか……)

 

九条が続ける。

 

「僕は……確かに……」

 

拳を握る。

 

「血文字を……書き足した……」

 

(それはもう分かってる……!)

 

「でも……」

 

顔を上げる。

 

「その時には……もう……」

 

一拍。

 

「安西は死んでいたんだ……!」

 

ざわああああああああ!!!

 

(……!?)

 

(……なに……?)

 

思考が止まる。

 

(死んでた……?)

 

(じゃあ……)

 

(殺してない……?)

 

(いや……待て……!)

 

(じゃあ誰が……!?)

 

ざわ……ざわ……

 

場の空気が揺れる。

 

「ふざけるな……!」

 

警部の怒声。

 

「そんな言い訳が通ると思っているのか!」

 

(そうだ……!)

 

(普通は……通らねぇ……!)

 

(苦し紛れの嘘……!)

 

(……のはず……)

 

だが――

 

(……でも……)

 

カイジの中で、何かが引っかかる。

 

(こいつ……)

 

(“やってない”って言ってる時の反応……)

 

(さっきまでと違う……)

 

(偽装の時は……焦りと計算……)

 

(でも今は……)

 

(純粋な恐怖……?)

 

(……演技じゃねぇ……?)

 

(いや……でも……)

 

頭が揺れる。

 

(分からねぇ……!)

 

(どっちだ……!?)

 

九条が続ける。

 

「僕は……あの場所に行った時……」

 

声が震える。

 

「もう……倒れていたんだ……」

 

ざわ……

 

「だから……」

 

唇を噛む。

 

「とっさに……自分が疑われないように……」

 

「カイジって……書き足した……」

 

(……最低だな……!)

 

(クズ……!)

 

(でも……)

 

(殺してない……?)

 

(いや……)

 

(そんな都合いい話……あるか……?)

 

視線が揺れる。

 

(……待て……)

 

(この事件……)

 

(まだ……終わってねぇ……?)

 

ざわ……ざわ……

 

(もし……)

 

(九条が本当に偽装だけなら……)

 

(真犯人は……別にいる……!)

 

心臓が強く鳴る。

 

(……またかよ……)

 

(また……振り出しか……!?)

 

(やっと助かったと思ったのに……!)

 

拳を握る。

 

(だが……)

 

(逃げられねぇ……)

 

(ここまで来たら……)

 

(最後まで……やるしかねぇ……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(真犯人……)

 

(まだ……この中にいる……!)

 

「本当に違うんだ……!」

 

九条が必死に叫ぶ。

 

ざわ……ざわ……

 

「そもそも……」

 

息を切らしながら続ける。

 

「“ナイン”なんて書かずに……」

 

「“九条”って書けばいいだろ!?」

 

空気が揺れる。

 

(……確かに……)

 

「なんでわざわざ……あだ名なんだよ……!」

 

ざわ……

 

(……おい……)

 

(それ……)

 

(言われてみれば……)

 

(確かにおかしい……)

 

俺の中で、何かがズレる。

 

(ダイイングメッセージ……)

 

(被害者が書く……)

 

(時間もない……)

 

(なら……)

 

(わざわざ“ナイン”なんて回りくどい書き方するか……?)

 

(普通……名前書くだろ……)

 

心臓が、ドクンと鳴る。

 

その瞬間――

 

(……本当に違うんだ……)

 

九条の“心の声”。

 

(あのとき……たまたま神社に行ったら……もう死んでた……)

 

(……!?)

 

(しかも……“ナイン”って書いてあって……)

 

(……!)

 

(それ見て……閃いたんだ……)

 

(カイジにしてやるって……)

 

(……俺じゃない……)

 

ざわ……

 

(……は……?)

 

(……マジで……?)

 

思考が止まる。

 

(こいつ……)

 

(“殺した”って一言も言ってねぇ……)

 

(一貫して……)

 

(偽装した……だけ……)

 

(……って……)

 

背筋が冷たくなる。

 

(……俺……)

 

(勘違いしてた……?)

 

(いや……でも……)

 

(心の声は……嘘つかねぇ……)

 

(少なくとも……)

 

(“殺した側の声”じゃない……)

 

視界が揺れる。

 

(……凡ミス……)

 

(やっちまった……)

 

(確定したと思って……)

 

(深く考えてなかった……!)

 

歯を食いしばる。

 

(くそ……!)

 

(まただ……!)

 

(詰めが甘い……!)

 

(“犯人分かった”って慢心して……)

 

(本質……見てなかった……!)

 

ざわ……ざわ……

 

周囲の視線が揺れている。

 

疑いが――

 

再び、拡散する。

 

(……まずい……)

 

(事件……振り出し……!)

 

(しかも……)

 

(俺は一度……)

 

(“九条が犯人”って断定した……!)

 

(信用……ガタ落ち……!)

 

喉が渇く。

 

(どうする……!?)

 

(真犯人……誰だ……!?)

 

心の声は――

 

まだ拾えていない。

 

(……落ち着け……)

 

(もう一度……)

 

(全部……洗い直せ……!)

 

拳を握る。

 

(今度こそ……)

 

(間違えねぇ……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(本当の犯人……)

 

(この中にいる……!)

 

「そうだ……!」

 

九条が必死に食い下がる。

 

ざわ……ざわ……

 

「警部さん、僕は偽装工作をしただけだ!」

 

(……来るぞ……)

 

「その時に……」

 

毛利蘭を指す。

 

「蘭さんに見られた!」

 

(ああ……それで“人影”か……!)

 

「偽装したのは謝る……!」

 

「でも……!」

 

声を張る。

 

「遺体には触れていない!」

 

ざわ……

 

「壊してもいない!」

 

「いじったのはダイイングメッセージだけだ!」

 

(……筋は通ってる……)

 

(くそ……)

 

「つまり――」

 

一拍。

 

「死亡推定時刻は……もっと前なんだ!」

 

ざわあああ……

 

(……!)

 

(そう来たか……!)

 

「調べたのか!?死亡推定時刻!」

 

空気が一気に変わる。

 

目暮十三が腕を組む。

 

「……ふむ」

 

(頼むなよ……変な方向に転ぶなよ……!)

 

「蘭君と……」

 

江戸川コナンの方を見る。

 

「コナン君の証言を元に、その時間帯で捜査していたが……」

 

(……嫌な予感……)

 

「確かにな……」

 

(やめろ……)

 

「鑑識に聞いてみるか……」

 

ざわ……ざわ……

 

(頼む……外れてくれ……!)

 

数秒。

 

だが、体感は永遠。

 

「……えっ、何?」

 

(……来た……)

 

「ふむ……ふむ……」

 

(やめろ……やめろ……!)

 

そして――

 

「死亡推定時刻は……」

 

全員が息を呑む。

 

「21時45分から……22時15分」

 

ぐにゃああああああああ……

 

(……終わった……)

 

(完全に……終わった……!)

 

「……ということは」

 

警部がゆっくりと九条を見る。

 

「九条君は……本当に死体を目撃していたのか」

 

ざわあああ……

 

(……あいつ……)

 

(白に近づいた……!)

 

(じゃあ……)

 

(犯人は……)

 

嫌な汗が背中を伝う。

 

その瞬間――

 

警部の視線が、ゆっくりと動く。

 

(……来る……)

 

「カイジ……」

 

(やめろ……)

 

「お前……」

 

(やめろって……!)

 

「その時間……アリバイないよな?」

 

ざわあああああ……

 

(はああああああああああ!?!?)

 

(また俺かよ!!!)

 

頭が爆発する。

 

(ふざけんな……!!)

 

(なんでだよ……!!)

 

(何回目だこれ……!?)

 

(俺じゃねぇって言ってんだろ……!!)

 

一歩踏み出す。

 

「おかしいだろ!!!」

 

声が響く。

 

ざわ……ざわ……

 

「なんでだよ!!」

 

指を振り回す。

 

「さっきからずっと俺俺俺って!!」

 

「証拠が出るたびに俺!!」

 

「崩れたらまた俺!!」

 

(サンドバッグか俺は……!)

 

「いい加減にしろよ!!!」

 

息が荒い。

 

「九条は偽装してた!!」

 

「死亡時刻もズレてた!!」

 

「じゃあ普通……」

 

「“別の犯人”探すだろうが!!」

 

ざわ……

 

(押せ……!)

 

(ここは押し切れ……!)

 

「なんでまた俺に戻るんだよ!!」

 

「おかしいだろ!!!」

 

警部が目を細める。

 

「……だがな」

 

(……来る……)

 

「お前には……依然として」

 

一歩近づく。

 

「アリバイがない」

 

(くそ……!)

 

「そして……」

 

低く言う。

 

「動機もある」

 

(……またそれかよ……!)

 

「さらに……」

 

「現場に近い位置にいた」

 

(……!)

 

「そして……」

 

「ダイイングメッセージに名前がある」

 

(それは偽装だろうが!!)

 

心の中で叫ぶ。

 

だが――

 

言葉に詰まる。

 

(……くそ……)

 

(全部……一応“筋”が通ってる……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(また……同じ流れ……!)

 

(俺が……)

 

(“最有力”……!)

 

拳を握る。

 

(……だが……)

 

(今度は違う……!)

 

(九条じゃないのは分かった……!)

 

(なら……)

 

(真犯人は……別にいる……!)

 

歯を食いしばる。

 

(絶対に……見つける……!)

 

(もう……間違えねぇ……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(次こそ……)

 

(本当の逆転だ……!)

 

「警部殿――」

 

低く、落ち着いた声。

 

振り向くと、毛利小五郎。

 

(来た……親友……!)

 

「親友のカイジ君を犯人と決めつけるのは……少々強引ではありませんか?」

 

ざわ……

 

(いいぞ……!)

 

「“カイジ”という文字が偽装だった以上――」

 

腕を組む。

 

「一旦フラットに考えましょう」

 

(……助かる……!)

 

「そしてその時間帯にアリバイがないのは――」

 

指を動かす。

 

「カイジ君だけではない」

 

「三井君と井上さんも同様です」

 

ざわ……

 

(そうだ……!)

 

(俺だけじゃねぇ……!)

 

「九条君については――」

 

「宿の女将が、その時間帯に雑談していた証言がある」

 

(……!)

 

「よって、九条君は除外される」

 

ざわあああ……

 

(……完全に白……!)

 

(なら……)

 

(残りは……三択……!)

 

(俺・三井・井上……!)

 

(ここから……本当の勝負……!)

 

深く息を吸う。

 

(……集中……)

 

(心の声……拾え……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(俺がやってしまった……)

 

(私がやってしまった……)

 

(……は?)

 

(……どっちも……?)

 

思考が止まる。

 

(……おい……)

 

(なんだこれ……)

 

(“両方”……?)

 

(……心の声=犯人……じゃねぇのか……?)

 

(……やばい……)

 

(前提……崩れた……!)

 

(この能力……万能じゃねぇ……!)

 

(……判断ミスったら……終わる……!)

 

歯を食いしばる。

 

(落ち着け……!)

 

(別の視点……!)

 

(論理……!)

 

その時――

 

閃く。

 

(……待て……)

 

(死亡推定時刻……)

 

(21:45~22:15……)

 

(なのに……)

 

(蘭とコナンは……)

 

(22:30に“安西”を見た……)

 

(……おかしくねぇか?)

 

「……そうだ!!」

 

声を張る。

 

ざわ……

 

「蘭さんとコナン君が見た安西……おかしくねぇか!?」

 

全員が振り向く。

 

「死亡推定時刻に……生きてることになる!!」

 

ざわあああ……

 

「確かに……そうなるわね……」

 

毛利蘭が呟く。

 

(来た……!)

 

その時――

 

(そうなんだ……)

 

小さな声。

 

(それは俺も考えていた……)

 

(……!?)

 

(この声……)

 

視線を向ける。

 

江戸川コナン。

 

(……こいつ……)

 

(小学生の思考じゃねぇ……)

 

(何だこの分析……)

 

(……化け物か……?)

 

(いや……今はいい……!)

 

(ヒントは出た……!)

 

「つまり……!」

 

一歩踏み出す。

 

「蘭さんたちが見た“安西”は偽物だ!!」

 

ざわああああ……

 

「変装だ……!」

 

(ここだ……!)

 

「そして変装するなら……」

 

拳を握る。

 

「男の可能性が高い!!」

 

ざわ……

 

(候補は……)

 

(俺・三井・井上……)

 

(でも井上は女……)

 

(なら……)

 

「その時間帯にアリバイがない男は……!」

 

一瞬。

 

呼吸が止まる。

 

「……俺と……三井……!」

 

ざわ……

 

(……いや……)

 

(俺はやってねぇ……!)

 

(なら……)

 

「……三井だ!!」

 

指を突きつける。

 

ざわあああああ……

 

その瞬間――

 

(くっ……ここで俺が殺したと言った方がいいか……)

 

(……!?)

 

(三井……!)

 

(やっぱり……!)

 

(でも……)

 

(“俺を犯人に仕立てるか、自分が捕まるか”……?)

 

(……は?)

 

(つまり……)

 

(まだ……押し合い……!)

 

(完全確定じゃねぇ……!)

 

(やべぇ……!)

 

(ここで押し切らないと……!)

 

「俺はやってねぇ!!!」

 

叫ぶ。

 

「三井が変装したんだ!!」

 

ざわあああ……

 

「そもそも“カイジ”は偽装!!」

 

「俺が犯人じゃねぇのは確定してる!!」

 

(押せ……!)

 

(今だ……!)

 

だが――

 

三井も吠える。

 

「いや俺じゃない!!」

 

ざわ……

 

「俺視点では逆だ!!」

 

(……来た……!)

 

「アリバイのないカイジが……安西のフリをした!!」

 

「そもそも“殺す”って言ってたのはカイジだ!!」

 

(くそ……!)

 

「包丁にもカイジの指紋!!」

 

一歩踏み出す。

 

「それで俺が犯人!?」

 

「おかしいだろ!!!」

 

ざわあああ……

 

(……くっ……!)

 

(完全に……五分……!)

 

(証拠……拮抗……!)

 

(このままじゃ……)

 

(また俺に戻る……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(……決め手……!)

 

(あと一手……!)

 

(どっちかを……叩き潰す……!)

 

(それがなきゃ……終わる……!)

 

心臓が激しく鳴る。

 

(勝負……!)

 

(ここが……)

 

(本当の分岐点……!)

 

 

 

(……そうだ……)

 

脳内で何かが繋がり始める。

 

(江戸川コナンたちが“安西”だと思い込んだのは……)

 

(あの……時計……)

 

(ケケケ……って笑う……不気味なアラーム……)

 

(……あれのせいだ……!)

 

ゾクッとする。

 

(……待てよ……)

 

(腕時計……)

 

視線が現場に向く。

 

(……おかしい……)

 

一歩踏み出す。

 

「なぁ……」

 

全員の視線が集まる。

 

「その安西の腕時計……」

 

喉が鳴る。

 

「血がついてねぇ」

 

ざわ……

 

「……は?」

 

「不自然なほどにだ……」

 

指差す。

 

「周りは血しぶきだらけなのに……そこだけ綺麗すぎる」

 

ざわあああ……

 

(来た……)

 

「本当だ……!」

 

「確かにおかしい……!」

 

ざわ……ざわ……

 

目暮十三が腕を組む。

 

「つまり……」

 

低く呟く。

 

「犯人は血を拭き取り……腕時計をつけて安西のフリをした……ということになるな」

 

(……そうだ……!)

 

(そこまではいい……!)

 

だが――

 

「……ん?」

 

警部が続ける。

 

「それなら……」

 

嫌な予感。

 

「カイジでも……三井君でも……どちらでも可能だな」

 

ざわ……

 

(……あっ)

 

(そうなのか……)

 

(詰め切れてねぇ……!)

 

(くそ……!)

 

頭を抱えそうになる。

 

(落ち着け……!)

 

(まだ何かある……!)

 

(絶対……ある……!)

 

呼吸を整える。

 

(……そうだ……)

 

(井上……)

 

(あいつ……まだ触れてねぇ……)

 

(でも……)

 

(“私がやってしまった”って……)

 

(あの声……)

 

(何をやった……?)

 

脳内を必死に掘り返す。

 

(……コナンと蘭……)

 

(外に出た時……)

 

(“驚いた”って言ってた……)

 

(何を見た……?)

 

記憶を辿る。

 

(……井上……)

 

(あの時……)

 

(……地蔵みたいに……立ち止まってた……)

 

(……!?)

 

(あれ……)

 

(“何かを見た顔”じゃねぇ……)

 

(“やった後の顔”……!)

 

ゾワッとする。

 

(時間……)

 

(前後関係……)

 

(安西を見た……)

 

(三井が変装……)

 

(その前……)

 

(井上……)

 

(何を……)

 

(やった……?)

 

一瞬――

 

すべてが繋がる。

 

ぐにゃああああああああああ……

 

(……解けた……)

 

(全部……)

 

(繋がった……!)

 

心臓が爆発しそうになる。

 

(そういうことか……!)

 

(犯人は……)

 

(……こいつだ……!)

 

顔を上げる。

 

ゆっくりと。

 

「……俺……」

 

ざわ……

 

「犯人分かった」

 

ざわあああああああ!!!

 

(来た……)

 

(今度こそ……)

 

(本当の答え……!)

 

(外さねぇ……!)

 

視線が、一点に集まる――

 

***

 

ざわ……ざわ……

 

静まり返る空気。

 

俺は一歩前に出る。

 

「蘭さんと……」

 

毛利蘭を見る。

 

「コナン君が外に出た時……井上さん、驚いて固まってたんだよな?」

 

「そうだよ!」

 

江戸川コナンが即答する。

 

「何かに驚いた顔だった!」

 

(カイジさんも気付いたのか……)

 

(じゃあおっちゃんの出番はなさそうだな……見学だ)

 

(……見学?)

 

(まあいい……今はそれどころじゃねぇ……!)

 

俺は続ける。

 

「何を見たか……」

 

一拍置く。

 

「時系列で考えれば分かる……」

 

ざわ……

 

「安西を見たんだ」

 

ざわざわ……

 

「……いや、正確には違う」

 

視線を三井に向ける。

 

「三井……お前が変装した“安西”だ」

 

ざわああああ……

 

三井がビクッと震える。

 

「なぜ驚いたか……」

 

声を低くする。

 

「殺したはずの人間が……生きてると思ったからだ」

 

ざわ……

 

(……決まった……)

 

だが――

 

ここからが本番。

 

「じゃあなぜ……三井は変装した?」

 

沈黙。

 

「井上さんのアリバイを作るためだ」

 

ざわあああ……

 

井上の肩が揺れる。

 

「死亡推定時刻をごまかすことで……」

 

「犯行を隠すため……!」

 

(核心……!)

 

「2人は結婚する仲だ」

 

三井の顔が歪む。

 

「守ろうとしたんだ……恋人を」

 

ざわ……

 

「三井は気付いた……」

 

一歩踏み出す。

 

「神社で見た“本当のダイイングメッセージ”に」

 

全員が息を呑む。

 

「“ナイン”じゃない」

 

「……“イノ”だ」

 

ざわあああああああ!!!

 

井上が顔を上げる。

 

「井上のあだ名……!」

 

(決まりだ……!)

 

「それを見た三井は……」

 

「恋人を守るために“ナイン”と偽装した」

 

三井が歯を食いしばる。

 

「そもそも……」

 

指を突きつける。

 

「九条が犯人じゃないなら……」

 

「元々何て書いてあったかを考えるべきだったんだ!」

 

ざわ……ざわ……

 

「そして……」

 

ゆっくり井上を見る。

 

「俺は井上さんを犯人と断定した瞬間……」

 

(見えた……全部……!)

 

「この真相に辿り着いた」

 

息を吐く。

 

「もう一つ……決定的な証拠がある」

 

ざわ……

 

「俺も三井も……」

 

自分の服を見る。

 

「着替えてない」

 

「もし犯人なら……」

 

「返り血を浴びてるはずだ」

 

ざわ……

 

「でも全員……綺麗すぎる」

 

(そうだ……)

 

「つまり犯人は――」

 

「風呂に入って着替えてる」

 

空気が凍る。

 

「その時間があったのは……」

 

ゆっくりと指を向ける。

 

「井上さん……あんただ」

 

ざわあああああああ!!!

 

「服を脱いで……」

 

冷たく言う。

 

「ルミノール反応、かけてみるか?」

 

静寂。

 

(終わりだ……)

 

その瞬間――

 

ぐにゃ……

 

井上の膝が崩れる。

 

「……っ……」

 

そのまま、崩れ落ちた。

 

ざわ……ざわ……

 

「……私が……やりました……」

 

(……確定……!)

 

理由はすぐに語られた。

 

安西の暴言。

 

それが原因で兄が自殺。

 

「……許せなかった……」

 

涙と共に崩れる。

 

ざわ……ざわ……

 

(……終わった……)

 

全身から力が抜ける。

 

(助かった……)

 

(マジで……ギリギリ……)

 

(あと一歩で……終わってた……)

 

深く息を吐く。

 

ふと見ると――

 

毛利小五郎がニヤリと笑っている。

 

(……なんだよ……)

 

(最初から見てやがったな……)

 

だが――

 

悪くない。

 

(こいつ……)

 

(なんだかんだ頼れる……)

 

その日を境に――

 

俺はこいつらとつるむようになった。

 

麻雀。

 

競馬。

 

酒。

 

(最高だ……!)

 

だが同時に――

 

(なぜか……)

 

(毎回……)

 

(事件に巻き込まれる……!)

 

ざわ……ざわ……

 

(俺の人生……)

 

(どこ行っても……)

 

(ギャンブルか……殺人か……!)

 

天を仰ぐ。

 

(だが……)

 

(生き延びる……!)

 

(何度でも……!)

 

……終わった。

 

ざわ……ざわ……していた現場も、今はもう静かだ。

 

今回――

悪いことをしていたのは……三人。

 

なのに俺は――

「犯人は一人」っていう固定観念に縛られて……

九条を確定扱い……。

 

……危なかった。

 

あのまま突っ走ってたら……

普通に間違えてた……!

 

ざわ……

 

やっぱり……俺はまだ甘い……!

 

そして――

 

小五郎さん。

 

あの助言がなければ……

完全に詰み……!!

 

俺、終わってた……!!

 

……命の恩人。

 

さすが……名探偵……!!

 

格が違う……!

 

ざわ……ざわ……

 

それにしても……

目暮警部はひどい……。

 

なんであんなに俺を疑うんだよ……!

 

毎回毎回……犯人扱い……!

 

……ん?

 

あれ……?

 

昔……そんなこと……なかったか……?

 

……思い出せねえ。

 

まあいいか……。

 

ざわ……

 

とりあえず――

 

俺を犯人扱いしてきたこのバイト……

辞めることにした。

 

……いや。

 

正確には――

 

辞めることになった。

 

あのあと――

 

小五郎さんと宴会の続きで……

酒……飲みまくって……!

 

テンション上がって……!

 

障子……ぶち抜いて……!

 

ビデオテープ……破壊して……!

 

――クビ。

 

……。

 

ざわ……ざわ……

 

というわけで――

 

俺、ニート。

 

……いや。

 

むしろ――

 

人生がやべえ……!!

 

ざわ……ざわ……

 

カイジ……

事件解決してもなお……

圧倒的転落……!!

 

――完。

 

エンド 無職になった俺




面白いと思っていただけたら、ぜひ評価していただけると嬉しいです!!
評価が高いほど、現在連載中の作品の更新頻度も上がります!

ミステリーにギャグ成分混ぜてみましたがどうですか?

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