心読みの逆転探偵録 カイジVS名探偵コナン   作:梅酒24

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第76話「コナンVS怪盗キッド」(1時間スペシャル)参考


ファイル4:怪盗キッドの祝杯 前編

ざわ……ざわ……

 

本来なら……

ここには“彼女”がいたはずだった……

 

夜景を見ながら酒……

豪華な料理……

笑い合う時間……

 

だが――現実……

 

「……一人かよ……」

 

手に残るチケット……

重い……やけに重い……!

 

だが――

 

「……行くしかねえだろ……!」

 

ここで捨てるのは負け……!

せめて元は取る……!

 

ざわ……!

 

「飯だ……酒だ……!」

 

それだけでいい……!

 

豪華客船――

 

デカい……!

圧倒的スケール……!

 

金……金……金……!

 

金持ちの匂い……!

 

ざわざわ……

 

「うお……ビュッフェ……!」

 

肉……!

寿司……!

ワイン……!

 

天国……!

 

「くぅ〜〜〜っ……!」

 

一口――

 

脳がとろける……!

 

「うめえええええええええ!!!」

 

これだ……!

これでいい……!

 

彼女?知らん……!

今は食だ……!

 

だが――

 

ざわ……ざわ……

 

周囲が騒がしい……

 

やたらと警備……

やたらと人……!

 

「……なんだよこれ……」

 

そのとき――

 

耳に入る名前……

 

“怪盗キッド”

 

「……キッド?」

 

なんだそれ……

 

だが……周りの反応……

 

異常……!

 

ざわざわざわ……

 

「知らねえのか!?」

 

近くの客が興奮気味に言う……

 

「怪盗キッド……世界的な大泥棒だ!」

 

ざわ……!

 

説明が始まる――

 

「神出鬼没……!」

 

「白いマントにシルクハット……!」

 

「空を飛ぶように現れて……!」

 

「宝石だけを狙い……華麗に盗む!」

 

まるで……魔法使い……

 

(いや――それはコスプレイヤーかマジシャンだろ)

 

そう……!

 

トリック……変装……煙幕……!

 

すべてを使い……

 

「絶対に捕まらない……!」

 

ざわ……ざわ……

 

「しかも予告状を出すんだ……!」

 

事前に……!

 

時間も場所も……!

 

堂々と……!

 

「それでも捕まらない……!」

 

挑戦状……!

 

警察への……完全な挑発……!

 

「……は?」

 

俺はポカンとする……

 

「そんな奴……いるのかよ……」

 

現実離れ……!

 

だが――

 

今回……

 

「この船に来るらしい……!」

 

ざわあああああああ!!!

 

「ブラックスターって宝石を狙ってな……!」

 

ブラックスター……

 

黒く輝く大粒の宝石……

 

価値――とんでもねえ額……

 

ざわ……ざわ……

 

「……興味ねえな……」

 

俺は肉を頬張る……

 

「宝石とかどうでもいい……」

 

キラキラ……?

いらねえ……!

 

それより――

 

「このステーキの方が100倍価値あるだろ……!」

 

もぐもぐ……

 

至福……!

 

だが――

 

ふと……感じる……

 

ざわ……

 

視線……

 

人混みの中……

 

誰かが……笑っている……

 

(今夜……頂く)

 

ぞわっ――!!

 

なんだ今の……!?

 

心の声……?

 

……いや……気のせいか……?

 

ざわ……ざわ……

 

「……なんだよ……」

 

ただの飯のはずだったのに……

 

空気が……変わっている……

 

事件の匂い……

 

危険の匂い……

 

そして――

 

俺はまだ知らない……

 

この夜……

 

“怪盗キッド”という怪物と……

 

そして――

 

さらなる事件に……

 

巻き込まれることを……!

 

ざわ……ざわ……ざわ……!

 

***

 

――ざわ……ざわ……

 

船内に漂う違和感……

煌びやかなシャンデリア、上品な香水の匂い、静かに響くクラシック……

 

その中で――俺だけが浮いている……!

異物……完全なる異物……!

 

 

――ざわ……ざわ……

 

完全にアウェイ……!

圧倒的アウェイ……!

 

場違い……異物……混入……!

この豪華客船において、唯一の“ノイズ”……それが俺……!

 

理由は明白……!

 

超金持ちの弁護士の女……

その女に拾われ……

その女にチケットを用意してもらい……

 

そして――その女は死んだ……!

 

俺だけが残った……

何もかも“他人の上”で生きてるクズ……!

 

こんな場所にいていい人間じゃねえ……!

分かってる……分かってるのに――

 

帰れねえ……!

 

料理が美味そうだから……!

酒があるから……!

 

――最低……!

 

俺はグラスを持つ……

中の氷をコロン……コロンと転がす……

 

その音がやけに響く……

静かな空間に……俺の“中身の空っぽさ”みたいに……!

 

(これから……ブラックスターを盗んでやるぜ!!)

 

――ビクッ!

 

来た……!

心の声……!

 

背後……若い男の声質……

軽い……だが芯はある……!

 

怪盗気取りか……?

いや――違う……本気だ……!

 

(辞めとけ……)

 

思わず心の中で返す……

だがもちろん届かねえ……!

 

(俺みたいにクズまっしぐら……そうなれば終わり……)

 

そう……終わりだ……!

ギャンブル……借金……逃亡……疑い……!

 

事件が起きれば――真っ先に俺……!

 

“やりそうな顔してる”で犯人候補……!

人格で有罪……!

 

(最低な人生……)

 

……そうだ……最低だ……!

 

(何人の心配しているんだ 今日の俺……)

 

皮肉……!

笑えねえ……!

 

俺は人の心配してる場合じゃねえ……!

自分の首が常に締まってる状態……!

 

だが――

 

――ざわ……ざわ……

 

でも今日は違う……!

今日は“当たり日”……!

 

ただで豪華な食事……!

最高級の酒……!

こんな日……俺の人生で何回あった……?

 

ほぼゼロ……!

奇跡……!圧倒的奇跡……!

 

気分がいい……

緩む頬……酒がうまい……!

 

(久しぶりだ……こんなの……)

 

普通なら――

豪華客船に入る前に止められる……!

 

「お客様、身分証を」

「本当にご本人ですか?」

 

疑い……詮索……尋問……!

 

それが“いつもの俺”……!

 

だが今回は――

 

チケットを見せたら終わり……!

むしろ丁寧な接客……!

 

「ようこそ」

「ごゆっくりお過ごしくださいませ」

 

……おかしい……!

 

出来すぎてる……!

気味が悪いくらいに……!

 

(だからこそ……)

 

――考える……!

 

たまには……

余計なおせっかい……してもいいんじゃねえかって……!

 

だが同時に――

恐怖……!

 

顔を見られる……

説教される……!

 

あの時間……!

 

教師……警察……

おふくろ……ねえちゃん……!

 

「なんでこんなことしたの!」

「ちゃんとしなさい!」

 

顔を覗き込まれながらの叱責……!

逃げ場なし……!

 

最悪……!

 

分かってる……

俺が悪い……!

 

だからこそ――嫌なんだ……!

あの“正論の暴力”……!

 

だが――

 

背後の“こいつ”は……違う……!

 

(これから……ブラックスターを盗んでやるぜ!!)

 

……聞こえた……!

 

若い声……軽い……

だが決意は本物……!

 

想像できる未来……!

 

盗む……

捕まる……

牢獄……!

 

そして出所後――

 

仕事なし……

信用なし……

人生終了……!

 

――俺と同じ……!

 

(かわいそうだろ……そんなの……)

 

だから――言う……!

 

「後ろにいるお前……ブラックスターを盗むのは辞めろよ……人生終わるぜ」

 

――警告……!

 

サッカーで言うならイエローカード……!

まだ引き返せるライン……!

 

普通ならここで止まる……!

 

(え……この社会的不適合者みたいなおっさん……俺に言ってる?)

 

……刺さる……!

 

社会的不適合者……!

やめろ……事実だがやめろ……!

 

(そんな訳ねーよな……ただの酔っ払いの独り言だよな)

 

え……引かねえ……!?

 

おいおい……

これまだ“1枚目”だぞ……!

 

なら――追加……!

 

「ああ、お前だよ。そこの若いあんちゃん……」

 

畳みかける……!

 

「盗みをしたら捕まる……刑務所行き……出た後は就職先なし……クズの人生だ……そんなの嫌だろ?だから辞めておけよ……盗むのは」

 

――ざわ……

 

(え……周囲に若い青年いない……)

 

……え?

 

(むしろあんたが一番若いだろ……その見た目……)

 

は……?

 

(まさか……俺が盗もうとしてるのバレてる?)

 

動揺……!

 

(完璧だったはず……落ち度は……ない……!)

 

いやある……!

心の声ダダ漏れだ……!

 

(いや……盗む……絶対盗む……見つからなければいい……!)

 

――アウト……!

 

完全アウト思考……!

 

「見つからなければいい」

それは破滅の入り口……!

 

俺は知ってる……!

 

子供の頃……

おやつを盗み食い……!

 

バレないと思った……

でも――バレた……!

 

数が合わない……

違和感は残る……!

 

悪いことは――必ず露見する……!

 

(こいつ……分かってねえ……!)

 

若い……無知……!

だから止める……!

 

これで3枚目……

退場ライン……!

 

もう直接言うしかねえ……!

 

「……仕方ねえ……!」

 

振り返る……!

 

――ざわ……ざわ……

 

え……?

 

おかしい……!

 

は……?

 

どういうことだ……!?

 

そこにいたのは――

 

60歳くらいの……

しわだらけの……

 

“老人”……!

 

ぐにゃああああああああああ!!

 

若者じゃねえ……!?

 

声は若い……!

だが見た目は老人……!

 

何だこれ……!?

どうなってやがる……!?

 

(くそっ……まただ……!)

 

この違和感……

このズレ……!

 

“何かが起きる前兆”……!

 

俺の平穏……終了……!

 

――ざわ……ざわ……

 

 




レッドカード一発退場はむしろカイジ……後ろにいたのは変装した怪盗キッドだった!!

ミステリーにギャグ成分混ぜてみましたがどうですか?

  • かなりあり
  • なかなかいい感じ
  • 普通
  • ミステリーにギャグいらん
  • ありえん!
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