超高校級のメンタリストがトリックスターをやる話   作:哀楽 紲

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 わたしは狛枝と最原クンが好きです。


私立希望ヶ峰学園にやって来た

 オレにとってその日は、なんの変哲も無いつまらない一日になる筈だった。

 

 『私立希望ヶ峰学園』の校門の前に立ったオレは、やっぱり退屈な日々に絶望していた。

 

 

「学校の前に来てみれば、何か変わると思ったけど……」

 

 

ーーーー何も感じない。

 

 

 『人生の成功者』、『幸せ者』、そうやって何度も言われてきた。

 けど、当のオレ自身は、そんな事を一度も感じた事がなかった。

 

 

 寧ろオレにそう言ってきた奴らの方が、オレよりも何百倍も幸福な、そんな気がしていた。

 

 けれど、まだ分からない。

 

 

 私立希望ヶ峰学園に集まる『超高校級』の才能を持つ生徒たち……

 そんな個性的な生徒たちとの関わりが、オレの中のナニカを変えることを期待して、オレはこの学園への入学を決意した。

 

 

 この学園の入学は推薦形式となっていて、自分から受験して合格する訳ではない。

 学園がオレ達のことを審査して、超高校級の才能であると判断された生徒のみが入学を許可されるのだ。

 

 

 オレは事前準備を兼ねて、この学園の生徒たちについて軽く調べておいたのだが、やはり各分野の超一流のみが集まってくる様だ。

 

 希望ヶ峰学園の生徒たちは、各々個別のスレッドが立つ位に有名な生徒ばかりなので、情報自体は簡単に集まった。

 

 

 たが、集めてどうすんだ?

 

 それはまぁ、新入生の皆んなと仲良くする為に、かな。

 

 

 そんなふうに、自分で自分に言い訳した。

 

 

 違うだろ?本当はーーーーー

 

 

 

 

 オレはそこで思考を断ち切り、手元の紙に注視する。

 

 

『新入生は朝8時に玄関ホールへ集合』

 

 

 オレはその紙に従い朝七時五十分に玄関ホールへとやって来た。

 玄関に置いてある立派な置時計も、正しくその時刻を示していた。

 

 

「まだ誰もいないのか……?」 

 

 

 もう結構ギリギリな時間だと思うのだが、広い玄関ホールにはまだ誰の姿も無かった。

 

 

「超一流の高校生なんだし、ちょっと個性的なのかな……?」

 

 

 にしても、みんなして時間にルーズなんて。

 たしか、超高校級の風紀委員もいた気がするのだが、時間にルーズでもいいのか?

 

 なんて思っていたら、急に視界が歪みだす。

 

 グニャァ……なんて、カイジでしか見たことのない表現が、今のオレにはピッタリだった。

 尤も、オレの場合は視界が、だが。

 

 

 ドンドンドンドン、視界が歪む、意識が失われていく。

 ドロドロドロドロドロドロドローーーーー

 

 もう、これ以上は……どうしよもないーーーーー

 

 

 そうしてオレは、意識を手放した。

 

 

 オレはこの時点で気がつくべきだった。

 

 これがオレの、退屈な日常の終わりの合図であった事に……

 

 

 

 

 

『ようこそ絶望学園ーーーーーー?』

 

 

 

 

 

 

「………ここは?」

 

 

 目が覚めると、教室に居た。

 恐らくだけど、ここは希望ヶ峰学園の教室だろう。

 

 倒れていたオレを、誰かが運んでくれたのか?

 

 そう思って周囲を見渡すと、机の上に置いてある入学案内が目に入る。

 

 

 安っぽい手書きのパンフレットだな、なんて思いながら、オレはそれに目を通す。

 

 

『新しい学期が始まりました……

 心機一転、これからは、この学園内がオマエラの新しい世界となります』

 

 

 それには、こう書いてあった。

 オマエラ?もし学園の案内だとしたら、口が悪すぎないか?

 

 

「流石に、誰かのイタズラだろうな」

 

 

 しかし、それにしてもこの教室の様子はおかしいぞ。

 窓に打ち付けられた鉄板に、監視カメラ、わからない事だらけだ。

 

 取り合えず、玄関ホールに行ってみるか。

 もしかしたら、既に他の生徒が集まっているかもしれない。

 

 

 そう思って玄関ホールに行くと、案の定何人かの生徒が集まっていた。

 

 人数を数えてみる、1、2、3、4………14人か。

 

 

「なら、オレで十五人目ってことか」

 

 

 毎年新入生の数は変わるが、いつも大体十五人程度、どうやらオレは最後の方にきたらしい。

 時間前に来といたのに……

 

 こうして生徒たちを見てみると、なんだか壮観だな。

 ここにいる全員が、何かの分野で超一流、この希望ヶ峰学園に入学を認められた『超高校級』の生徒たちなんだ。

 

 

 「あ!キミ知ってるよ!『超高校級のメンタリスト』綾瀬川ヒバリ君でしょ?!」

 

 

 そう言ってオレを指で指してきたのは、褐色の肌に豊満な身体を持つ少女だった。

 確か彼女は……

 

 そんな事を考えていると、皆の視線が入り口に集中した。

 

 オレもそれに倣ってそちらを向くと、一人の生徒が立っていた。

 

 

 良かった、オレが最後じゃないみたいだ。

 

 

「オメーも……ここの新入生か……?」

 

「じゃあ……キミ達も……?!」

 

「うん。今日、希望ヶ峰学園に入学する予定の……新入生だよ」

 

「これで16人ですか……流石にもう揃いましたかね……」

 

 

 最後にやって来た彼は、オレ達の顔をゆっくりと見渡した後、自信無さげに口を開いた。

 

 

「えっと、あの……はじめまして……苗木誠って言います……色々あって、いつの間にか寝ちゃってて……それで遅れちゃって……」

 

「え?オメーもそうなんか?」

 

 

 オレもそうだ。一体、どうなってるんだ?

 多分だけど、みんな同じ状況なんだろう。

 普通に考えるなら、有り得ない考えが頭に浮かんだ。

 

 ……そんなまさか、ね。

 

 

「となると、ますます妙ですわね……」

 

「異常だ……これは間違いなく異常事態宣言発令ですぞ!」

 

 

 そんな言葉に、苗木クンは動揺した様子で声を上げる。

 

 

「あ、あの……どういうこと?よく状況を把握出来ていないんだけど……」

 

 

 オレもそうだ。今、オレ達はどういう状況下にいるのか、まるで検討が付かない。

 

 

「多分だけど、オレと苗木クンが来る前に、なにか話し合っていたんじゃないかな?

 申し訳ないけど、その内容を教えてもらうことって……」

 

 

 苗木クンが『キミも?!』という表情で見つめてくる。

 『そうなんだ』とアイコンタクトを入れる。苗木クンは仲間がいて露骨に安心した様だった。

 

 ……なんか可愛いな。

 

 

「ちょっと待ちたまえ!その前にだ!

 苗木くんッ!遅刻とはけしからんじゃないか!!8時集合と知らされてあったはずだろう!

 入学初日に遅れるなんて言語道断!

 学校側に報告の上、厳正なる処罰を……」

 

 

 オレはギリギリセーフだったみたいだが、確かに苗木クンは遅刻している。

 ……って、そんな事今はどうでもいいだろ!

 

 同じ事を思った人は、オレの他にもいたようで……

 

 

「アンタ、何言ってんの……?しょうがないじゃん、こんな状況なんだからさ……」

 

 

 と、オレの気持ちを代弁してくれた。

 

 

「それより、改めて自己紹介しない?!遅れてきたクラスメイトくん達の為にもさ!」

 

「……自己紹介だと?

 んな事やってる場合じゃねーだろ!!」

 

「ですが、問題について話し合う前に、お互いの素性は分かっていた方がよろしいでしょう

 なんてお呼びしていいのかわからないままでは、話し合いも出来ないじゃありませんか……」

 

「それも、そうだよねぇ……」

 

「じゃあ、まず最初に自己紹介ってことでいいですか?話し合いは、その後ということで……」

 

 

 結局、あんまりこの状況がなんなのかは分からなかったけど、取り合えず自己紹介をするか。

 

 調べておいた情報が本当に正しいのかも確かめたいし……

 

 まず最初に、同じ境遇の苗木クンに話を聞いてみるか。

 彼の事は調べたなかで出てこなかったし、どんな超高校級の才能があるのか、聞いておかないと。

 

 そう思っていたら、寧ろ向こうから話しかけてくれた。

 

 

「こ、こんにちは。キミは綾瀬川クン、だよね。超高校級のメンタリストの……」

 

 

 どうやら向こうはオレの事を知っているようだ。

 

 

「そうだよ。よく知ってるね……」

 

「うん、キミの事は『希望ヶ峰学園新入生』のスレッドで見たんだよ。

 それを抜きにしても、キミはテレビや本でよく見るし……

 ーーーあ!そういえば、妹がキミのファンでさ、よく動画を見てるんだよ」

 

「それはありがたいな。あとでサインでも書こうか?……なんてね。

 それにしても、オレの学が浅いだけかな、キミの事が誰なのか、イマイチピンとこないんだよね。

 良かったら、キミの超高校級の才能を教えてくれないかい?」

 

「うん、勿論いいよ。

 ーーって言っても、ボクの才能はキミみたいに自慢できるものではないんだけどね……

 ボクは超高校級の幸運として、この希望ヶ峰学園に入学が許可されたんだ。

 平均的な高校生の中から、抽選で選ばれただけの、みんなとは違う普通の高校生だよ」

 

「そうなんだね。

 でも、何万人もいる高校生の中から抽選で選ばれるなんて、ここに十五人いる他の超高校級と比べても、何ら遜色ない凄い才能なんじゃない?」

 

 

 オレがそう言うと、彼は少し顔を赤らめ、照れた。

 

 

「な、なんだかキミみたいな凄い人にそこまで言われると……少し自信が出てきたかもしれないよ」

 

 

 ーーー凄い人……ね。

 

 

「そう?なら嬉しいかな。

 ーーーでもさ、オレだって全然だよ。キミが想像しているような凄い人なんかじゃないんだ。

 何回も失敗して……何度も諦めようと思った」

 

 

 そうだ、本当に辛かった。

 でもーーーー

 

 

「ーーーでも、キミは諦めなかった……でしょ?」

 

 

 その時、彼は驚く程に真っ直ぐな目で、オレを見つめてきた。

 オレはどうしてだか、こんな場違いな事を思った。

 

 ーーーーこの目を、汚したい。

 

 そんな自分に耐えられなくなったオレは、仕方なく話題をそらした。

 

 

「……そうかもね。

 ちょっと話が長くなってしまったね。そろそろ他の人達とも挨拶をしようか……」

 

「そ、そうだね」

 

 

 こうして、オレは苗木クンと二人で、他の十四人から話を聞くこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 あの……他キャラクターの自己紹介は書きません。

 https://www.danganronpa.com/reload/character/dangan01.html

 未プレイの方は、このリンクから公式キャラクター集を見て頂けたら幸いです。
 書こうと思ったのですが、死ぬほど長いし内容がほぼ原作と同じになって写すだけになるので……
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