中学時代の果乃子と陽芽の恋人関係について。
水族館と、屋上と、そして苦い思い出と。
間宮果乃子という一人の少女が、一歩踏み出すまでの物語。


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3/29のガールズラブフェスティバルにて頒布するわたゆり本の試し読みです。

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夢が覚めても

 ひらひらり、格子状に切り取られた陽だまりの中に彼女は躍り出る。

 私を連れ出したあの日みたいに、青空の下に出るなり清々しそうな顔をして。

 

「やっぱり、ひめちゃんは”みんな”が嫌い?」

 

 そうしている時だけは、思わず考えてしまうのだ。彼女も同じなのかも──なんて。

 

「ううん、よくしてくれるだもん。いつも感謝してるよ?」

 

 けれど、質問をする度にやっぱりそんなことはないんだと思い知らされる。

 とびきり”みんな”の真ん中にいる彼女と、そこから一人抜け出して辛気臭いところで蹲っていた私。どう捉えたって、それは違うに決まっている。

 

「じゃあさ……私は?」

「ん。もちろん感謝してるよ? ソトヅラがなくたって私のこと、好きでいてくれるじゃん」

 

 さらっと彼女は口にするけれど、”好き”だなんてむず痒い。ましてやそれが、友達の”好き”でなければなおさらだった。 

 両手で覆った顔にかぁっと熱が集まって、そうなると彼女の顔を直視できなくなる。

 

「……あ、あのっ、ひめ、ちゃん……っ」

 

 それでも、今日ばかりはきゅっと気持ちを引き締めてでも、伝えたいことがあった。

 

 ──言わないなら、なかったことになっちゃうんだからね。

 それはあの日、初めてまともに彼女と言葉を交わした日に受け取った言葉。ぎゅっと胸に抱きしめて、何度も反芻してきたからこそ、友達から一歩踏み出せた。

 

 ──白木陽芽ちゃん。私は、あなたが好きです……っ!

 屋上での告白を経て、私たちは恋人になれたのだから。

 これは、私──間宮(まみや)果乃子(かのこ)にしてみれば、次のステップを踏むための大切な儀式みたいなものだ。

 

 「こ、今度……私と、で、デートしませんか……!?」

 

 彼女が私と恋人でよかったと思ってくれるように。

 あなたは、白木(しらき)陽芽(ひめ)に相応しい恋人だ──って、そう思われるように。

 

◇ ◇ ◇

 

 恋人の鉄則、遅刻は厳禁。それもデート当日にだなんて許されるわけもない。

 いつも言葉が出なくなってしまうから、歩いている間に考えていた無数の褒め言葉。恋愛小説みたいに、着飾ってくれた恋人に対して「可愛い」と言葉を尽くすのに少し憧れていた……けれど。

 駅前にいるひめちゃんの姿を見て、それはすぐに吹き飛んだ。

 集合時間の指定を間違えた? 私の覚えてる時間が違っていた? 今度は何をやらかしたんだ──体の真芯を撫でられるみたいに、数々の疑念が内を弄ってくる。

 今までだって私が一番信用できないのは私自身にほかならなかったから。

 

「あっ、果乃子! おーい!」

 

 けれど、瞳がかち合ってしまう。大きく手を振るひめちゃんは、確かに私を捉えている。

 

「ひ、ひめちゃん……ごめんっ、たくさん待たせちゃった……よね?」

 

 まずは謝るべきだ。でも、この後はどう続けよう? 少しは言い訳した方がいい? 集合時間を間違えたかもって……というか、ひめちゃんはどうしてむくれていない? 優しいから? 呆れちゃったから?

 

「ふふっ、全然間に合ってるから大丈夫だよ。まだ三十分前だし」

「……え?」

 

 散々どうするか考えて、まだまだシミュレートをしている途中だったのに……くすりと笑うひめちゃんは思いもよらなかったことを言う。

 

「楽しみだったから早く来すぎちゃっただけ。むしろこんなに早く来てくれるんだったら、エスコート役としては花丸だよっ」

「そ、そうなんだ……でも、待たせちゃったのは本当だよね……?」

「だって、それは私が勝手にやったことだもん。もうっ、果乃子はもっと胸張っていいんだよ? ちゃんと早く来たんだからって」

 

 いつもそうだ。ひめちゃんは、散々悩んでいる時も答えを教えてくれる。

 私がなよなよして落ち込んでいる時も、この場からさっさといなくなりたい──と思う時も、ひめちゃんが励ましてくれるから、もう少しだけ頑張ってみようって気持ちになる。

 私はもちろんひめちゃんと一緒にいて嬉しい。だけど、ひめちゃんにしてみれば、いつもフォローしなきゃいけない恋人……なんて、手を煩わせるだけで不釣り合いかもしれない。

 だからこそ、私も少しはアピールしなければいけない。いつもひめちゃんがやってるソトヅラみたいに私と一緒にいるといいこともあるんだよって……そんなの傲慢かもしれないけど、このまま恋人でいたいのなら、少しは頑張れるようにならなきゃいけない。

 

「でもさ、今日の果乃子の格好、すごい似合ってる! 誰から教えてもらったの?」

「え、えっと……お母さんから。大人っぽい格好にしたくて……」

 

 デニムのシャツに、ふんわりとしたスカートでお洋服は着飾りつつ。

 いつもみたいに簡素な二つ結びじゃなくて少しは隣にいても浮かないようにしなきゃ……って、ハーフアップにお団子。お母さんがいつもしている髪型に、いつも使っているヘアゴムを借りてきて、私が思う大人風に纏めてみたものだ。

 せめてデートを提案した側として、エスコートするに足るような見た目にしようと思って。

 

「だっ、だから……この間も言ったけど、今日のデートは私がエスコートするね?」

「うんっ、よろしくね? 果乃子の格好見て、私もますます楽しみになっちゃったし!」

 

 隣り合って歩きだすと、歩幅のせいか私だけ少し前に出過ぎてしまう。

 そこで、とんとんと数歩。ひめちゃんが私に歩調を合わせてくれたのを見て、余計に気が引き締まった。

 

◇ ◇ ◇

 

 デートに水族館だなんて、あまりにもベタすぎたのかもしれない。

 入場してそうそう目の前に映る予想以上の人の多さ。ロマンチックだからという理由で場所選びをしたのが失敗だったように思えてしまって、思わずたじろいでしまう。

 

「果乃子、どうしたの?」

「ううん。想像以上に人が多かったから……静かに見たかったよね?」

「私は賑やかなのも好きだよ? あ、でも、迷子になるのはちょっと怖いかな」

 

 そうだね、と口にしながらも後悔の念が募ってくる。やっぱり、もう少し物静かな方がひめちゃんも落ち着けたはず、それに、お互い離れ離れになる可能性だって──。

 

「──私たち、こうしよっか」

 

 そう思った瞬間に手のひらを包む温もり。そこにあった手のひらは私よりも一回り小さい。ぎゅっと強く握ると、ひめちゃんはステップを刻み、私の前へと躍り出る。

 

「ひ、ひめちゃん……!?」

「手とか繋いだ方がデートっぽいでしょ? まあ、こういうことは果乃子から提案して欲しかったんだけどさ」

「ご、ごめん……」

「謝ることじゃないよ。それよりもさ、いっぱい楽しもうっ!」

「う、うんっ。もちろん……!」

 

 まだちょっと心臓は鳴り止まないけれど、ひめちゃんの手を握り返す。びっくりしたみたいに、少し指先がピンと張ってなおさら可愛らしく思えた。

 

「おぉ〜! 見てっ、果乃子!」

 

 道の両脇に張り巡らされた熱帯魚の水槽を抜けたころ、急にひめちゃんが走り出す。

 

「……えっと、ペンギン?」

「うんっ、私さ、結構好きなんだよね。泳いでるだけで写真撮ってもらえて、歩いてるだけで海のアイドルってみんなからチヤホヤされて」

 

 確かに目の前のガラス窓には多くの人が張り付いて、しきりにスマホを向けている。シャッター音やフラッシュ禁止は厳守の上で、精一杯配慮されながらもたくさん可愛がられてる。

 

「可愛いから、とかじゃないんだ」

「……もちろん、可愛いとは思うよ? でもね、見てると羨ましいが勝つんだもん」

 

 羨ましい……かどうかは私にはわからないけど、それでも、何となくひめちゃんの言うことはわかった。水槽の中では群れの中でぬくぬくして、飼育員さんから餌をもらって。その外では人間たちが黄色い声援を上げながら、しきりに写真を撮る。

 

「何というか……ひめちゃんの更にすごいバーション、みたいだね」

「更にすごいバーションって……私は既に愛されてるもん。まあ、ペンギンを見てるとまだまだだなって思うけど」

「で、でも……ひめちゃんならいつかペンギンになれるよっ」

「ペンギンになりたいわけじゃないんだよ。私は私のままでチヤホヤされたいっていうか……」

 

 本当にひめちゃんはすごい。

 学校では男子生徒たちが壁を作って、友達にだっていつも囲まれているはずなのに、今よりももっと人気者になりたいだなんて、普通の子なら世迷言だし自惚れすぎなんだと思う。

 それでも、ひめちゃんは違う。仕草も、外見も、コミュニケーションも──全てのソトヅラが完璧だ。けれど、それが日々の努力によるものだってことを私は知っている。

 だからこそ思ってしまうのだ。そんなに頑張ってる子の恋人が私なんかでいいのかって。

 

「わっ、トゲがたくさんでぷっくりしてて……なんか、不格好だなぁ……」

 

 大水槽で足を止めたり、タッチプールで思いの外ひめちゃんが驚いていたり、あとは細々とした水槽が続いていた。もうすぐイルカショーが始まる時間だったから、チラ見程度で急いでいたのに、不意にひめちゃんは足を止めた。

 

「ハリセンボン、だよね? 怒ってるのかな……?」

「なんかさ、勿体ないよね。膨らまなきゃ瞳もつぶらで可愛いのに……もうちょい上手にコントロールしろよ〜って思っちゃう」

 

 その場を通る人は目もくれず、たまに通る子どもたちが水槽を叩いてハリセンボンを膨らませて楽しんでいる。先ほどのペンギンとは恐ろしく扱いが違っていた。

 縮んでいたら大して目立たず、ひとたび警戒して膨らめば子どもたちに遊ばれて、散々な扱いを受けて。それこそひめちゃんの言う通りにしていたら、あんな目には遭わないんだと思う。

 ずっと縮んでさえいれば目立つことはないかもしれないけど、少なくとも平穏だ。なのに、なまじ警戒心が強いからすぐに膨らむ。そうしてトゲを立てたところに目を付けられてしまう。

 

「でもさ、溜めてばっかじゃしんどいんだもんな。そりゃあ、ヤにもなっちゃうよ」

 

 まるでソトヅラが下手っぴ。私がひめちゃんに言われたとおりだ。

 

「ひめちゃんは、ハリセンボンが嫌い……?」

「ん、どうだろ。もっと上手くやれよとは思うけど……そうだなぁ」

 

 少しばかり悩んだような仕草を見せた後、ひめちゃんは苦笑いをしてみせる。

 

「やっぱり、嫌いかもね。羨ましいと言うか、妬ましいと言うかさ」

 

 ──それって、どういう意味?

 聞ければよかったのに、その言葉は喉に突っかかったみたいだった。あまりにも私を指しているみたいで、ぷつぷつと想像しうる限りのネガティブな言葉が浮かんでは消える。

 

「あ、そろそろイルカショーだって! ほら、早く行こ!」

 

 そうして逡巡している内に結局は聞けないまま、いつも通りの私だった。

 

◇ ◇ ◇

 

 四方八方から飛んでくる歓声に、何だか平衡感覚が狂ってしまう。

 イルカショーの会場に着いた時には開始間際で、ステージ真正面の席に座るしかなかった。

 空高く飛んだイルカたちが着地する度に、舞った水飛沫が私の服にシミを作る。

 選んできた服も、結わえた髪もびしょ濡れになってしまって、ひめちゃんからは変に見えないだろうか──なんて、不安ばかりが募っていく。

 

 それなのに、周りはみんなはしゃいでる。隣を見れば、ひめちゃんだって笑っていた。

 ここは楽しむべきなのだろう。だって、水族館は楽しむ場所で──「みんな」も、間違いなくそうしていて。なのに、笑おうとしたって頬が強張る。

 胸の辺りがささくれ立ったようで、チクチクと内側から突き刺してくるみたいだった。

 

「すっごい人……果乃子、ちゃんとそこにいるよね?」

「う、うんっ」

 

 それはショーが終わったところでちっとも潜ってはくれない。むしろ館内に戻る途中では人がひしめき合っていて、ささくれが余計に頭を出していた。

 ぶつかって、ぶつかられて、たまに響く子供への怒声に誰かを呼ぶ声、触覚も聴覚も際限無く稼働していて、その中でどこにひめちゃんがいるか、なんて……。

 不意に、強く体を押された。ぐらんと揺れた視界が、滲んでぼやけて、一瞬。ぱっと途切れた。

 

「果乃子! 大丈夫っ!?」

「ひめ、ちゃん……?」

 

 ふと見上げた先にひめちゃんの顔があって、ようやく転倒に気づく。

 腰と膝がジンジンと痛い。自分の髪を引っ掛けてしまったらしい。まるで髪を鷲掴みにされたみたいに頭が熱を持っていた。

 

「とにかくっ、落ち着けるところに行こう。まずは立てそう?」

「う、うん……」

 

 ひめちゃんの手に引っ張られるまま、立ち上がり、歩く。まだ多少はふらついていたけど、その度にひめちゃんが支えてくれた、歩調を合わせてくれた。

 これじゃあ、まるで真逆だ。今日一日、私はひめちゃんに助けられっぱなし。ましてや今の私じゃ、ひめちゃんがいなければ歩くことすらままならない。

 

「……ごめんね。ひめちゃん。私、頼りっぱなしで……」

「いいの。私はさ、エスコートされてるだけの女の子じゃないんだよ?」

 

 あの日、私を陽だまりの中に連れ出した時みたいに強い力だった。

 いつまでも屋上前で蹲っているだけ、ドア一枚を隔てた外にすら出られなかった私をひめちゃんはその腕一本で連れ出してくれた。

 そんな強さが彼女にはあったから。エスコートするだなんて、あまりにもおこがましい話だったんだ。

 

「あ、髪……」

 

 ようやくベンチに腰を下ろしてから、ふと気づく。髪が広がってしまっている。先ほどまで結わえるのに使っていたヘアゴムが無くなっていた。

 

「さっき果乃子が転んだ時に、切れちゃったのかな?」

「う、うん……。そうかも」

 

 不手際で失敗ばかり、格好すらも上手く保てない。大人っぽくエスコートだなんて、現状から考えれば遠い話だ。

 そうなった要因はわかりきっている──不機嫌で、必要以上になよなよしている私自身だった。

 そんな自分が嫌いだって気持ちが全身を突き破って溢れて、体中を覆えば不格好だ。

 自分から触れないでよ、なんて顔をして、少しばかりのことで落ち込んで不機嫌になって──そんな私と一緒にいて、ひめちゃんは楽しかっただろうか。

 

「……あの格好、私には早かったかもだから。しょうがないよ」

 

 誤魔化すように口にした言葉だって、相手を遠ざけるためのもの。これ以上傷つかないようにするための予防線として予め張り巡らせていたものだ。

 

「こんなに可愛い私が似合ってるって言ったんだよ? そりゃ似合ってるに決まってるじゃん」

 

 それなのに──触れてきた。ひめちゃんは、私が突き立てていたものなんてお構いなしに、そっと私の前髪をかき分ける。

 目の前にある澄んだ輝きは丸まったまま私を見つめて、やがては弧を描く。

 口元も一緒に緩めて、ぱっと華やいだようにひめちゃんは笑顔を浮かべてみせた。

 

「……でもさ、たくさん迷惑かけちゃった。ひめちゃんは『楽しもう』って言ってくれたのに」

「私は楽しかったよ。果乃子だけが違うなんて……そんなことは、なかったでしょ?」

 

 パチンと自分の髪からヘアピンを外して、ひめちゃんは私の前髪に押し当てる。うんうんと幾度か頷いてから位置を決めたのか、もう一度パチン。彼女が手を離しても、私の前髪は落ちてくることはなかった。

 

「ちょっとさっきとは髪型が違うかもだけど、似合ってるよ」

 

 一際温まった金属から、私の額に熱が伝わる。つまり、これはひめちゃんが自分のヘアピンを使って私の髪を整えてくれたってことで……。

 

「ひ、ひめちゃんの方が可愛いんだから、私には……こんなヘアピン、もったいないよ……?」

「果乃子が頑張ってくれたんだから、私にもこれぐらいさせて欲しいな」

 

 ここまでされても、私にはもったいなさ過ぎる。それは確かだ。

 だけれど、可愛さに妥協をしないひめちゃんが自分の外見を崩してまで私を大事にしてくれた。その事実だけでも少しは気持ちが上向いてくる。

 

「自分を大事にしてくれた恋人に自分も同じことをしてあげたい──薄情な子じゃないんだから、私だってそれぐらいは思うよ」 

 

 私の世界に陽を射した彼女は、そうして今だって私の前ではにかんでみせる。

 水槽の前にいる人間全員になんてものではなくて、ただ──私だけに、特別に。

 

「……ねぇ、ひめちゃん。もう一回、聞いてもいい?」

 

 だからこそ、今日はずっとダメな子だった私だけど。

 せめて、今日にこれ以上のモヤモヤを残さないために、あと一歩だけ踏み込んでもいいかなと思えた。

 

「ハリセンボンのこと、どうして嫌いなの……?」

 

 自信がなくて、誤魔化すためにトゲを出してる。そうして強がって、つついてくる子どもたちにも虚勢を張っている──そんな不格好なハリセンボン。

 例えばペンギンはそんなものに妬かないだろう。ましてや、嫌いだってほど意識するとも思えない。

 

「自分にできないことってさ、嫌いになるしかないんだよ。きっとね、妬ましいの裏返しは羨ましい──そんなものでしょ?」

 

 ひめちゃんの言うことは、私にだってよくわかる。

 隣の芝生に木の上の葡萄、いつだって「みんな」は私よりも上手く生きていて、悩みなんかないように思えて……だからこそ、妬ましい──ひめちゃんの言う通り、羨ましい。

 

「……だからさ、一緒にいると色々考えちゃう。腹が立つからとかそういうのじゃなくて、私が折り合いを付けられなくて、私が悪いからってだけだよ。……これで良かった?」

「う、うん……ありがとね、わざわざ教えてくれて」

「果乃子が折角連れてきてくれたんだもん。感想ぐらいお安い御用だよ」

 

 私は「みんな」が嫌い。「みんな」にはなりたくない、「みんな」とはいたくない。

 それなら、私にとっての「みんな」と同じぐらい、ひめちゃんがハリセンボンのことを嫌いなのだとしたら。

 

「今日は楽しかった〜。また行こうねっ、果乃子!」

 

 そんな子に、私はなってはいけないんだ。

 私たちが恋人であるために、次を約束する言葉を交わす限りは。




以下に頒布の詳細ございます。
お気に召されましたら、どうぞご覧くださいませ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=338108&uid=360315

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