ハイスクールD×D~Stand up to~   作:ライダーマスク

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今回は大きな改変要素…番外編で明確になったライザーは元々いい奴だった事を強くする改変があります。

どうぞ!


悪魔の遊戯―――中盤戦

〔イッセーSIDE〕

 

 

 

 

 

ライザー・フェニックスの[女王]の相手を姫島先輩に作戦通りに任せた俺と搭城小猫は木場との合流場所である校庭南端に張る体育倉庫に到着した。

 

そして、その場所には既に木場が校庭の中心を監視しながら身を潜めていた。

 

「待っていたよ。2人とも」

 

「…お待たせしました」

 

「随分と余裕そうじゃあないか、木場」

 

「アハハ…。イッセー君の地獄の修業とリアス先輩の作戦かな?」

 

そう、塔城が最初の相手であるライザー・フェニックスの[戦車]を倒す少し前に再起不能にした奴の[兵士]3人と[騎士]1人を全滅させたのは木場だ。

 

まあ、木場の実力というよりかはそれに加えてグレモリー先輩の作戦で瞬時に全滅って感じだな。

 

ちなみにその作戦は本物と思わせた悪魔式の罠術式で指定の場所におびき寄せて、俺との修業でより自由に扱えるようになった木場の[魔剣創造]による強力な定点範囲攻撃で一網打尽という感じだ。

 

あの技は木場が呼んでいるラノベ作品にある必殺技をモチーフにした技で、今の木場の実力で出せる技としては最高範囲と威力を誇る技といってもいい。

 

俺に向けられた際はどうだったかって?

 

それは―――

 

「まあ、あの技は初見で兵藤君にあっさり破られたけどね」

 

「…兵藤先輩は規格外ですから。というか兵藤先輩の身体能力は異形を超えているって本当に人間か怪しいところです」

 

全部回避しつつ攻撃事態を粉砕した。

 

神との戦いがデフォだった俺には、今の木場の攻撃強度じゃあ意味がないしな。

 

「何回も言うが俺は皆が戦ってきた相手よりも遥か高い次元にいる敵と戦ってきたから実力差が出るのは当たり前だ―――さて、次はどうする?」

 

「そうだね。どうやら相手は王以外の残った戦力を校庭に集結させたようだね」

 

そう木場が言うと塔城と俺は校庭の中心を見た。

 

グレモリー先輩の貰った情報通りの面子だ。

いかにも熱血女騎士な感じの格好の女の[騎士]1人。

ワイルド風ファッションに半分に割られた仮面をつけた女の[戦車]1人。

十二単を着た女の[僧侶]1人。

ニックス以外の戦力―――猫又の通常種である女の子の[兵士]2人。

そして、ライザー・フェニックスの実妹である金髪ドリルヘアーのいかにも貴族令嬢な見た目の女[僧侶]1人。

 

「戦力は終結して僕達を数でたおす散弾みたいなんだけど……なんか違和感があるんだ」

 

「…違和感ですか?」

 

「うん。何というか焦りというか、リアス先輩に見せてもらった映像等は違った感じなんだよ」

 

「木場も気づいたか」

 

「兵藤君も気づいていたのかい?」

 

「ああ」

 

「…2人か感じている違和感はなんですか? 私はよくわからなかったのですが」

 

「それはね―――焦りだよ」

 

「…焦りですか?」

 

そう、俺は体育館でライザー・フェニックスの[兵士]3人と相対した時や、塔城が相手した[戦車]、そして[女王]も同様に奴の[レーティングゲーム

]映像よりもかなり焦っていた。

 

まるで勝ち急ぐような感じだ。

 

普通なら人数的にもレーティングゲームの経験日数的にも余裕を持ってもおかしくはないはず。

 

なのに妙に勝ち急ぐみたいな様子はおかしい。

 

「普通なら向こうは僕達が倒したメンバーを失っても動揺したり勝ち急ぐことなんてしないはずなんだ。そもそもリアス先輩の読み通り僕達が今まで倒した向こうの眷属は全て[犠牲]前提だからね」

 

「…そういえば、私が相手をしていた[戦車]も余裕というよりかは何か急いでいた気がします」

 

「もしかしたら、向こう側もこのレーティングゲームに何か込み入った事情があるかもしれないね」

 

込み入った事情か。

グレモリー先輩から聞いた話じゃ、ライザーは貴族社会でも他種族への偏見は薄い方だったと聞かされた。

だが、ある時になって貴族の悪い部分が強くなっていて身内もそんな奴にどうしていいか困っている所があったみたいだ。

 

その話が真実かどうかはこの際考える材料の一部として、どうにもこのレーティングゲームはグレモリー先輩とライザー・フェニックスの婚約を決めるというだけじゃなさそうな気がするな。

 

毎回何かのイベントというか事件に巻き込まれると、大抵背後に暗い背景やヤバい組織が絡んでいる事が大半。

そんな経験をしてきた俺の勘がそう言っている。

 

「とにかく警戒しながら相手を撃破していこう。兵藤君はリアス先輩とライザーが戦う前までは僕達の傍で静観で良いんだよね?」

 

「ああ。というか、俺が全部倒すのは違うからな。少しでもライザー・フェニックスと奴の妹以外の敵を俺に任せたら俺は何もしないからな」

 

「わかっているよ。そしたら僕は[騎士]を、小猫ちゃんは[戦車]をよろしく」

 

「…まかされました」

 

2人はそう意思疎通を図ると同時に、勢いよく飛び出し互いに決めた相手に向かっていった。

 

そして、それに気づいたライザー・フェニックスの眷属達が構えた。

 

「奇襲か! 正面から堂々とは正気とは思えんが、そんな心意気は好きだぞ!」

 

「まあ、奇襲の使用が無いから仕方がないでしょ。カーラマイン、油断しないでね」

 

「わかっているイザベラ! お前も油断するなよ!」

 

「ええ。この戦いで昔のライザー様を取り戻す為にもね」

 

ライザー・フェニックスの[騎士]と[戦車]はそうやり取りをして木場と塔城の相手をし始めた。

 

戦闘能力は恐らく既に倒した[騎士]と[戦車]よりも強いだろう。

木場も塔城も余裕が無いと言った感じで戦っている。

 

さて―――

 

「そんで、暇そうな[僧侶]2人と[兵士]2人は俺をつぶす為に来るのか?」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

俺がそういうと同時に警戒する4人。

 

攻撃してこない―――いや、攻撃した瞬間即返り討ちになるという事を理解して動けないと言ったところか。

 

全員が俺との力量さをわかっているというよりかは、一番前に出ているライザー・フェニックスの実妹である[僧侶]が他の3人を牽制している。

 

なるほど。

 

「どうやら、兄と比べて相手との実力差をちゃんとわかっているみたいじゃあないか―――“レイヴェル・フェニックス”

 

「……やはり私の事はご存じの様ですわね」

 

「ああ。そりゃ、グレモリー先輩がライザー・フェニックスと同等に警戒しているのがアンタだからな。同じフェニックスだしよ」

 

「流石はリアス様ですわね。まあ、今回のレーティングゲームに関して……いえ、兄に色々と思うところがありますわ」

 

「どういうことだ?」

 

俺がそう問いかけると、レイヴェル・フェニックスはさらに前に出て貴族が目上の存在に行う謝罪の作法で頭を下げた。

 

「まずは兄が貴方にした非礼の数々、ライザー・フェニックスの妹であるこのわたくし“レイヴェル・フェニックス”が代わりに謝罪します―――申し訳ございませんでした」

 

その言葉に続いて彼女についている[僧侶]1人と[兵士]2人も頭を下げた。

 

どういう事だ?

 

なんで、俺に謝るん―――まあ、奴があの場でやらかした非礼を代わりに家族が謝るのはわかるが、状況的にそれをさせるように許容した俺にも非はあるのは向こうも察していると思ったんだがな…。

 

「ああ…。だが、いきなり謝罪何てどうしたんだ? 一応この場じゃあ俺達は敵同士なんだが…」

 

「それを承知の上です。そもそもの話ですが、貴方がやろうと思えばこのレーティングゲームは既に終わっているはずです―――違いませんか?」

 

そう頭を上げながら答えるレイヴェル・フェニックス。

 

俺を一目見た瞬間に、俺がはるか各上だと察知するほどの慧眼。

ぱっと見の戦闘能力はライザー・フェニックスよりかは低いが、戦力分析においては既に最上級クラスに片足突っ込んでいるな。

生まれながらの軍師タイプってところか?

 

「そこまで分析しているとはな。そんじゃあ、今は俺と話をするために居るって感じか?」

 

「どうでしょうか…。そもそも私は兄様の道楽に形式上付き合っている身ですので」

 

「奴の道楽? もしかしてハーレムか?」

 

「よくわかりましたわね」

 

「まあ、あのスケベというか女体好きでありながら、眷属全員女なら想像がつく―――ん?実妹をハーレムってのは変だな?」

 

「兄様曰く「妹をハーレムに入れることは世間的にも意義があるんだよ。ほら、妄想やフィクションで近親相姦に憧れるやつっているじゃん? 俺は妹属性は性癖の範囲外だから、形だけってことで」という事ですわ」

 

「……他人の嫉妬を煽る為に妹を形だけ眷属って―――バカなんじゃあないのか?」

 

「バカなのは昔からですわ。でも、眷属や少なくとも貴方と初対面にやったような非礼を行う方ではなかったのです…」

 

最後の言葉を言うと同時に暗い表情をするレイヴェル・フェニックス。

他にも後ろに控えている眷属達も暗い表情だった。

 

「どういうことだ?」

 

「元は色々と成功しすぎて傲慢が目立つも、他者を思いやれる方でした。ですが約1か月前―――兄様が元七十二柱関係の方々が集まるパーティーに参加した直後にその傲慢さが増長していき、貴族の悪い部分が如実にでた今の正確になってしまったのです」

 

「そうなのか? グレモリー先輩との初対面でマジのセクハラかましたのに良い奴だったといわれてもな…」

 

「そこはお母様にきつくお叱りと罰を受けて反省していました。謝罪しに行こうとも、既にリアス様は外交人質として日本に行った後でしたので、出来なかったのです」

 

母親にちゃんと絞られたのか。

しかし、現当主であるフェニックス卿が注意しないのはなんというか、当主や男ゆえの傲慢さからなのか?

 

まあ、グレモリー先輩の意思をガン無視して婚約を強制する時点で俺の第一印象は最悪だけど。

貴族や悪魔という種族と立場の違いを考慮した上でだ。

 

「そんで、それを話して俺に何をしてほしいんだ?」

 

「どうか…兄を徹底的に負かして欲しいのです。前の良かった兄が戻るにはそれしか方法が無いのです!」

 

「負かして欲しいって、俺や仲間たちが感じていた勝ち急ぎとは矛盾しているじゃあないか?」

 

「残念ながら私達も同じ意思で動いているわけではありません。大半の[眷属]達は兄様が現状の勝利に満足してないと思い、より兄様を満足させるために勝利を献上して元の兄様に戻すという者が多いいのです」

 

眷属同士でも一枚岩ではないって事か。

大半の眷属達はより勝利を献上して、自分達が惚れた主を取りもどす。

実妹であるレイヴェル・フェニックスと少数の眷属達は敗北という経験をさせて増長を無くして、自分達が着いていくと決めた者を取り戻す。

 

過程が違えども求める結果は同じか。

 

果たしてどちらの方法が正しいか…それともどちらの方法も違う別のなにかで奴は変わり果てた可能性もある。

 

毎回思うが、俺が介入する事件やこういうイベントは単純とはいかない背景があるんだよな。

 

まあ、そういう運命の奴隷って自覚しているけどな。

 

「そもそも俺はライザー・フェニックスを倒すつもりで来ている。だが、その為にはグレモリー先輩たちには覚悟を見せてもらわないとな?」

 

俺は木場と塔城が戦っている場面に視線を向けている。

 

そして―――

 

「見事…だ…グレモリー様の[騎士]よ……」

 

「そちらも…ね…ライザー・フェニックス様の……[騎士]さん」

 

「まさか…私が……負ける…とは…ね……」

 

「……あの修業…を…しても…相打ち……もう…しわけ…ありま…せん」

 

木場、塔城、そして2人を相手にしていたライザー・フェニックスの[騎士]と[戦車]がリタイアの光に包まれて消えた。

 

《〘リアス・グレモリー様陣営。[女王]1名、[戦車]1名、[騎士]1名。ライザー・フェニックス様陣営。[戦車]1名、[騎士]1名。再起不能〙》

 

アナウンスで姫島先輩、木場、塔城がリタイアしたことが確定した。

姫島先輩が敗北したか―――まあ、戦闘経験や出せる力の質は向こうの[女王]が上だから仕方がない。

 

木場も塔城も経験とレベルが上の[騎士]と[戦車]相手に相打ちできる時点で大健闘だな。

 

そう考えていると、ライザー・フェニックスの[女王]がこちらに来た。

 

「どうやら…カーラマインとイザベラは相打ちの様ね……。リアス様の眷属はかなり健闘した様ね……[雷の巫女]同様に」

 

ライザー・フェニックスの女王はそう言いながらレイヴェルの傍に降り立つ。

 

全身に姫島先輩による雷撃によるダメージが目立ち、こうして立っているだけで限界なのが判る。

 

「どうやら、レイヴェル様とほかの娘達はその人間と話をしていたようね」

 

「ええユーベルーナ。そもそもこの方と兄様を含めた万全の私達が全力でかかっても勝てませんわ」

 

「そうね…。私も[雷の巫女]の最後のあがきでこの場に留まっているのもやっと……。でも、ライザー様の勝利の障害となる者は1人残さず倒す…。美南風(みはえ)《b》“ニィ”《/b》、“リィ”。貴女達も構えなさい。この人間を倒すわよ」

 

「そうですね…。過程は違えど私もライザー様の[僧侶]。ここで戦わないといけません」

 

「そうにゃ…。勝てないと分かっていても、ライザー様の眷属である以上戦わないといけないにゃ!」

 

「リィのいう通りニャ!レイヴェル様には悪いですが、あの人間に挑ませてもらいますニャ!」

 

そう構えるレイヴェル・フェニックス以外のライザー・フェニックスの眷属達。

 

ここまで純粋に眷属に慕われているとなると、ライザー・フェニックスが元は良い奴なのは信じても良いかもな。

 

そう考えていると―――

 

 

ボガァァァァァァァン!!!

 

 

グレモリー先輩とアーシアがいる旧校舎方面から炎による大爆発が発生した。

 

どうやら向こうも戦いの佳境に入っているようだな。

感じ取れる気配や波紋探知からグレモリー先輩とアーシアの消耗がかなり激しいな。

 

だが、勝つ姿勢は全く失ってない。

 

とりあえず向こうの様子を見に行くか。

 

俺はレイヴェル・フェニックス達に背を向けて旧校舎方面に歩みを進め始めた。

 

「敵に背中を向けるなんて…どういうつもり?」

 

ライザー・フェニックスの[女王]が問いかけて来た。

 

「生憎俺はライザー・フェニックスとレイヴェル・フェニックス以外の自分からする気はない。そして、俺がその2人に攻撃を仕掛けるのは、グレモリー先輩とその眷属である全員が俺に戦いを任せずにこの戦いに勝つ覚悟を見せた時だけ。そんでもって、眷属達はその覚悟を見せた。後はグレモリー先輩の覚悟を確認するだけだ」

 

俺はそう言って歩みを進める。

 

「私達は眼中にないって事ね……でも、貴方がライザー様の脅威である限り私達はそれを止める義務がある! 行くわよ!」

 

「はい!」

「「ニャ!」」

 

ライザー・フェニックスの[女王]、レイヴェル・フェニックスではない[僧侶]、[兵士]2人が攻撃を仕掛けて来た。

 

勝てないと分かっていても、純粋に慕い仕える主の為に挑んでくるとはな。

 

なら―――その心意気に俺も反撃しようじゃあないか。

 

俺は右腰にある専用のホルスターから[鉄球]を取り出す。

 

そして通常の回転をかけて攻撃してきた3人に投擲し、全員が再起不能になるように調整した威力の鉄球が当たりリタイアの光に包まれた。

 

《〘ライザー・フェニックス様陣営。[女王]1名、[僧侶]1名、[兵士]2名。再起不能〙》

 

アナウンスが聞こえると同時に俺は歩みを速めてグレモリー先輩とアーシアが戦う場所へと向かった。




さて、原作ではユーベルーナの無双で敗北したグレモリー眷属でしたが、朱乃はほぼ戦闘不能まで追い詰めました。
そして木場と小猫に関しては相打ちという形にしました。

流石に才能は2人が上でも、戦いの経験ではライザーの眷属が上でありイザベラとカーラマインは他の騎士と戦車は[犠牲]で使われていた背景から。その二人よりも強いと判断しての結果です。

さて、次回はリアスとアーシアが頑張りつつ最終的にジョジョ第三部のあの名場面をオマージュした場面を予定しています。

では!

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