2010年世代はカレンチャン込みで推そう!!(厄介オタク)

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光の彼方

 なんて事のない、ただの日曜日の昼下がり。もうすぐ年度が新しくなり、世間は新たな出会いに胸を膨らませながら己の一年への総決算へ向け慌ただしく動く。そんな三月末の束の間の休息。

 しかし365日、世界のどこかで生命はその産声を上げる。毎日が、誰かの誕生日なのだ。

 日本の府中という土地。人が行き交い興行で生計を成す者も多いこの土地で、ある女性が今日誕生日を迎えていた。

 淡いベージュのシャツに、真っ白なカーディガンを羽織り、美しく輝く漆黒の尻尾をたなびかせ、エイシンフラッシュは府中の街を歩く。普段ならばもういくらか落ち着いた服装だが、今日会う相手が、そして家族に散々朝から祝われたおかげか染みついた本日の主役という自覚からか、指輪やネックレスがキラリと光る。

 府中駅前、立体的な建物構造のお陰か少々入り組んだ駅だがそれを迷うことなく歩み目的地へとたどり着く。腕の時計を見れば時刻は12時05分。集合時刻の10分前。うん、予定通りだ。

 頷き小さな鞄から文庫本を取り出そうとしたその時、彼女の耳がピクリと動く。少し懐かしく、思わずほおが緩む声を敏感な耳が捕えたのだ。

 

「よっ、主役」

「フラッシュさ~ん!」

「ルーラーさん!カレンさん!」

 

 フラッシュの口から放たれる友の名。ルーラーシップ、そしてカレンチャンがやってきた。今日の彼女らはフラッシュの迎え役…府中駅での合流をし、目的地へフラッシュを導く役目だ。

 一通りの挨拶を済ませた後、駅内部へ3人は歩き出す。その最中も、今の自分や知り合い、家族の普段の様子なんかを嬉しそうに語る。

 改札を通り、少しむせかえるような狭い電車に乗りつぎやって来たのは銀座。お洒落な高級街を3人で歩いていると、向こうにフラッシュも知る友人の2人が手を振って待っていた。

 

「ローズさん!ピサさん!!」

 

 少女ならば跳ねていただろうか。上ずった声色、揺れる尻尾。時折彼女の経営する店にやってきてくれるとはいえ、友人としての時間を送れるのはいつだって嬉しい。

 ローズキングダム、ヴィクトワールピサの2人と楽し気な挨拶をした。

 

「行こう、フラッシュさん。予約時間になってしまう」

 

 優しく微笑み、ローズが店へと案内する。学園で学生をしていた頃なら付いていた先輩という敬称。それが取れ、さん付けになった。ライバルで…仲間。そんな間柄も勝負の世界から身を引けば、残るのは親しい友人関係のみである。

 それもまた…嬉しい変化だった。

 ローズが案内する大きなビル、その1階に目的地はあった。ホテル併設の小さな、でも豪華なレストラン。その入り口に掲げられたのぼりには『アフタヌーンティー』の文字がお洒落なフォントで綴られていた。

 

「私たちからのプレゼントはここでのアフタヌーンティーです。是非、楽しみましょう」

「皆さん…ありがとうございます」

 

 そうして案内されるままに進めば、街の様相を丁寧に彩られた垣根ごしに眺められる窓際席。春の陽気が机も椅子も、ほんのりと温まっていた。

 

『フラッシュさん、誕生日おめでとうございます!』

 

 席へ着き最初のお茶を頼んでようやくひと段落。その時に一斉に、フラッシュへの祝いの言葉を述べた。キリリとした清廉な声、全てを包むような柔らかな声、自信に満ちた不敵な声、究極の可愛らしい声。それらが混ざり合いエイシンフラッシュの胸にすっと響く。

 レースで走っていた頃から15年近く。こんなに長く楽しみを共有させてくれたこれまでの時間に、こんなに素敵な友人らと引き合わせてくれたかつての自分へ、そして何よりいつまでも慕って大切にしてくれる友人らへ。

 

「ありがとうございます」

 

 そっと…感謝を述べる。飛び切りの笑顔も、もちろん添えて。

 

「それじゃそれじゃ、みなさ~ん。はい、チーズ!」

 

 程なくして、お茶と3段の軽食が運ばれてくるとカレンチャンがウマスタ用の写真撮影を提案してきた。それに皆で便乗し嬉しいやら恥ずかしいやら、それぞれポーズを取りカレンのスマホに写真が収められる。

 投稿された写真は当然の大バズりを記録するがそれはまた、彼女のお話。

 

「それでは…」

『いただきます』

 

 まずフラッシュが手を伸ばしたのはサンドイッチ。銀座の名店らしくハムレタス、エッグ、ツナマヨと奇をてらわず王道の品を至高の味で提供する。そのストイックさが存分に感じられる味に思わずフラッシュの耳がせわしなく動いた。

 続いて紅茶を一口。これもまた名品。紅茶の味には自身のあるフラッシュ、一口飲めばその味を舌が覚えていた。いつしか故郷で1階だけ飲んだ、インドの茶葉の味。紅茶と言えばの本格な味だった。lecker…思わず零れた故郷の言葉。

 

「んっ…いい茶葉だ…」

 

 紅茶の味に驚いたのは他のほとんどがそうで、美味しいといった言葉を口々に漏らす。唯一、ローズは飲みなれているのか得意げに飲んでいた。

 さぁ、こうして舌鼓を打てば自ずと会話が弾むという物。腰を据え、ようやく彼女らも5人での世間話を始められた。定期的に連絡を取り合ってると言えど、話の種に底はない。こんなことがあった、あんなことがあった、今どうしている、そういえばあの人に会った。可憐な少女の頃の様に会話を笑顔で弾ませる。

 大人になってもピュアに、それでも強く強く駆け抜けた彼女らだからこそ、中世の貴婦人の様な華やかさがあるのだろうか。薔薇が舞い散るかのような空間で、エイシンフラッシュは友人と、誇らしいほど楽しい時を送ったのだった。




フラッシュ!!今年も誕生日おめでとう!!!今年は…君の同期と一緒に祝えてほんっとうに嬉しいよ!!良かったね…今年も君を愛せることを誇りに思うよ

後悔が…二点あります。これ書く上で後悔が2つ
一つはヴィクトワールピサ引けてません…チャンミのご褒美でちょーよ。セリフが少ないのはそういう理由じゃなくて最近の自分の文章の傾向です
もう一つは…私はアフタヌーンティーが分からない…純粋にエアプ。一度でも事前勉強として行っておくんだった・・・行く相手はいないから20のオタク男が洒落なホテルで一人アフタヌーンティーする最悪の絵面だけど

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