捏造に捏造を重ねております。
ワンピースの最後を妄想したら、書きたくなってしまい書きました。
直接的な死の表現は、、自分の中でではありますが、ありません…。

お付き合い頂けると嬉しいです!

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初投稿になります。

この作品は作者が勝手にワンピースの最後はこうかなぁ?と
勝手に妄想をして書き上げた、妄想の産物です<(_ _)>!


また、書きたい所だけ書いています。足りない部分は脳内補完をお願いします☆

それでもOK!となった方は、次へお進みください★


第1話

 

『海賊王に おれはなる!!!』

 

 ーーそう宣言して故郷をでた少年は、信頼出来る仲間達を得て、様々な苦難を共に乗り越えながら、宣言通り海賊王へと上り詰めた。

 

 頼もしい仲間と共に、荒れ狂う海を越える中で、時に酷使し戦い続けた身体は、いつの間にか病に侵され、ボロボロになっていた。それに気付いたのは海賊王となったのち、仲間達の前倒れ、自身の船医から余命宣告を告げられた時だった──・・・。

 

 海賊王のクルーとなった優秀なトナカイの船医でも、立ち寄った島で出会った名医と名高い医者達でも、同盟を組んでいる元七武海の死の外科医でも、誰もが彼を治す事は出来なかった。その事実にクルー達は、涙する者、悔し気に手を握り締める者。三者三様の反応を示す。

 

 彼の傘下となった海賊たちにもその事実が通達されると、彼等もまた驚愕し涙した。しかし泣いてばかりはいられないと己を鼓舞し、船長命令で、傘下・同盟相手・旧友全員が集まり涙あり笑いありの大宴会が無人島で何日もかけ行われた。

 

「お前達、もう泣くんじゃねぇぞ!!おれは泣き虫は嫌いだ!」

「了解だ、大頭!!」「分かってらぁ!!」「大頭元気でやれよ!」

 

 今は亡き兄に彼自身が幼い頃に言われ続けた言葉。無理矢理笑って涙する傘下達に、ししし、といつもとなんら変わらない眩しい笑顔を向け『あぁ!お前達も元気でなァ!!』と手を振り見送る。

 

* * *

 

 漸く麦わらの一味だけでサニー号へと戻って来た。『やっぱり我が家が1番だな!!』と言いながら、ゴロンと芝生へ寝転がるルフィの周りに全員が集まる。

 

「なぁ、おれ お前達に頼みがあるんだ」

「なんだ」

 麦わらの一味で初めて仲間になり、今や彼の左腕となった剣士が口を開く。

 

「おれ、最後にもう一度お前らと海をみて回りてぇ」

 その言葉に『もう泣くなよ、おれは後悔してねェ』と言って笑う船長のため、泣かないようにしていたが、やはりどうしても涙は溢れてしまうのだ。それはそうだ、彼と過ごしてきた濃密な時間は、もはや家族と言っていい程の関係だ。

 

 それぞれが、それぞれの夢の為に命をかけこの破天荒な船長と、この仲間達と色々な海を渡って来た。嫌になる事も、怖い事も、嬉しい事も、悲しいことも、様々な苦楽を共に歩んできたのだ。泣くなと言う方が無理である。

 

 だけど、我が船長がそれを望むのであれば、無理にでも笑っているのが彼等、彼女達である。

 

 『もちろんだ』と二つ返事で返してくれる仲間に、麦わらの船長は嬉しそうな笑みを浮かべる。

 

* * *

 

 それから一向は最後の冒険へと向かう。麦わらの一味の音楽家の心残りであり、『またお前に会いに来るから』『そしたらまたケンカしよう!!!!』と約束をして、随分と時間が経ってしまったが、彼等はクジラと涙の再会を果たし、約束を守り遂げた。

 

 双子岬の灯台守の不思議な髪形をした男もまた、初めて会った時から感じていた、前海賊王のクルー達が待ち望んでいたのが彼等であると判明し、今やその証明とばかりに海賊王へとなった彼の姿に、今は亡き船長の姿がダブって見えて静かに涙しながら、骸骨の音楽家が守り続けていた、トーンダイヤルに録音されていた懐かしい歌声を奏でる海賊達も交えた、クジラとの宴会は日を跨いでも行われた。

 

「いいですかラブーン、また私達は海へと向かいますが、今度はもっと早く此処へ戻ります」

「ぶおーーん」

「えぇ、約束です。ルフィさんとの約束を果たしたら、どんな事があっても私は此処へ戻ります」

 

 寂しがり屋だった幼い子クジラが、涙しながらも昔とは違い今度は我儘を言わず訊き入れる。そんなクジラの頭には麦わらの一味の海賊マークが、あの日から傷付くことなく綺麗に残されていた。

 

「じゃあな!!ラブーーン!!!花のおっさん!!元気でなァ!!!」

 

 昔と変わらない、またフッと戻ってきそうな太陽のような笑顔で手を振ってクジラと灯台守と別れる。初めて出会った時と違うのは、麦わら帽子を被った彼は、もう彼等と再会の約束をしなかった事だ。

 

 

* * *

 

 

 それからも沢山懐かしい場所を巡った。アラバスタ、ウォーターセブン、空島等々それぞれで懐かしい面々と再会し楽しい時間を過ごし、少し経てば島を経つ。そんな生活を繰り返していた。

 

 船長の余命宣告から、早半年。船長の体調は日に日に悪くなるが、それを仲間には見せない。唯一苦しみをみせるのは船医の前だけだった。でも笑って「チョッパー、お前が居てくれて本当に良かった。流石おれの唯一信頼出来る船医だ!」と船長が笑うけれど、自身の無力さに船医が1人泣いているのもまた彼は知って居た。

 

 それからも着々と月日は流れとある無人島で、とある海賊団と2度目の再会を果たす。

 

「おう!ルフィ!なァにやってんだ、こんな場所で」

 幼少期に海賊を目指すきっかけになった、命の恩人…赤い髪、左目に3本線の傷と、隻腕が特徴の船長との再会だった。またもや大宴会が始まった。

 

 親子水入らずで会話をする者、酒を呷り飲み比べをする者、各々が楽しそうに過ごしながら、タイミングをみて会いに来た理由を聞き出せば、昔々赤髪海賊団を超えると宣言した少年へ、宝物の帽子を託したその子供が、頼れる仲間を作り、自分達を越えて海賊王となった青年が、病に蝕まれもう長くないと知る。

 

「前戦った時に返せなかったけど、約束通りおれ、シャンクスに帽子を返しに来たんだ」

 あんなに小さかったのに、今では身長差も差ほどない。今度は昔と逆に青年から赤い髪の男へ帽子を戻される。

 

 あの日己の実力を全てぶつけた。しかし未来を託した子供に負けてしまったのだ。

 『シャンクス、おれ強くなっただろ』と、自身もボロボロになっているにも関わらず、倒れる敵船の船長にそう語らい掛ける、麦わら帽子が良く似合う男になった青年に、悔しさも勿論感じたが、繰り広げられた死闘に心から満足したと、そう口にしていた事を、赤髪海賊団の副船長はこっそりクルー達へ語ったという。

 

 その後、突然バタリと血を流し倒れてしまった彼に『ル、ル、ルフィーーーーー!!!どうしよう!!みんなァ!!!』と慌てふためく赤髪の船長に、『お頭!落ち着け!』と呆れられながら左腕から拳骨をくらい、双方の船医による治療がすぐさま行われたのは記憶に新しい。

 

 

「ししし、おれシャンクス達と会えてよかったぞ!!皆ありがとうな!!」

 そう言って笑う姿に、あの日の幼い姿がダブって見える。あんなに泣き虫で、俺達に『海へ連れて行ってくれよ!』と散々駄々をこねて居た子供が、今やこんな成長した事実に、あの日にも感じた、少しの寂しさと嬉しさがこみ上げる。

 

 『強くなりてェ』と涙する男の子を背負い、そうだな、と静かに話を聞いていた副船長、

 それ以外にも幼かった彼と関わりがある男達は静かに涙し、海賊王へとなった青年を抱き締める。

 

「シャンクス達の方が今は泣き虫だな!!」

『うるせェ!!』と泣いている事がバレバレだけど、楽しそうに笑う姿に笑みを浮かべるのだった。

 

──そう、海賊の別れに涙はいらないのだ。泣いているのは幻覚だと、寂しいけれど笑って別れたのだ。海賊は自由だ。生きるも死ぬもまた然り。

 

* * *

 

 赤髪海賊団一行と別れた後、癖で帽子に触れそうになるけれど、もうない事に少しの寂しさを感じていると、たまたま立ち寄った島で似たような麦わら帽子をみつけ直ぐに買い身に付ければ、仲間達から『やっぱりお前/あんたには、麦わら帽子がある方が自然ね』と笑われた。

 

 

 そう、だって彼は【麦わらのルフィ】なのだから。

 

 

 そうして前半の海を全て航海し、シャボンディ諸島へ到着した。前海賊王の左腕で、現海賊王の師匠である白髪の老人と再会を果たす。彼とも懐かしい昔話に花を咲かせ楽しい時間を過ごす。

 

 

 そうして弟子の話を聞き笑顔で見送った後に『ロジャー、ルフィはお前に本当によく似ている、この私をこれだけ虜にするのは、お前達くらいだ』と静かに涙しながらも、自身の唯一の船長と弟子の酷似している数奇な運命に、若干の怒りを感じながらも笑みを浮かべた。

 

──なに、私もそう遠くない未来お前達が居る所に逝く。また会えるさ

 老人は過去を懐かしみながら、静かに酒を呷り献杯するのだった。

 

* * *

 

ーーシャボンディ諸島 41番グローブ

 サニー号へ戻って来た瞬間、麦わらの船長が吐血しバタリと倒れた。病魔は想像よりも早く身体を蝕んでいき、もうほとんど時間は残されていなかった。直ぐに船医の集中治療が始まり、その間に海兵達にバレる訳にはいかないと、船を出し近くの無人島へ寄港する。気付けば日は沈み夜になっていた。

 

 

 意識を取り戻した船長から、船医を通して全員招集が掛かる。

 

 

「皆、おれの我儘に付き合ってくれてありがとうな」

「そんなの今更だろ」

「まったくだ」

「そうね」

 

 何とか全員笑っていた。そしてどこか覚悟を決めた表情をしていた。彼が今から何を言うのか分かっていたのだ。

 

「わりィ、今日で麦わら海賊団は、解散だ!!!!」

『おう!!!!』

 

 笑っているのに涙が止まらない。分かって居たのに溢れ出す涙を止める術が分からなかった。きっと、この船長と出会わなければ、救われる事なく散ってしまっていた命が確かにそこにあった。

 約束を果たせず、一生彷徨っていた可能性だってあった。夢を果たす事も出来なかったかもしれない。

 

でも彼は言うのだ。

 

 『おれは、助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!』と。救われてばかりいたかもしれない、けれどきっとそんなことはないのだと、行動で、言葉で沢山示してくれた。

 

 その日は涙が枯れるまで泣いて、笑って、沢山飲んで、食べて、抱き締め合って、言葉を交わした。

 

 

* * *

 

 

 まずは、シャボンディ諸島へ戻って来た船長が船を降りた。

 

「良いかルフィ!!これは毎日絶対飲んだぞ!!」

「おう!分かってるって」

「ほんとか!お前そう言って飲まねぇ事が多いじゃないか!」

 

 そう言ってぷんぷんと怒る船医に、逃げるように片手に納まる荷物を持って、夢の果てへと連れて行ってくれたサニー号を降りる。陸に降り立つと船長を見つめるクルー達に視線を向ける。

 

 

「ししし、ゾロ!ナミ!ウソップ!サンジ!チョッパー!ロビン!フランキー!ブルック!ジンベエ!お前達と旅が出来て本当によかった!ありがとう!またな!!!」

 

 

 今まで再会した人達には言わなかった。『またな』の言葉をクルー達にだけ言って笑う姿が、憎たらしくて、でも特別扱いをされている事は嬉しくて、昨日散々泣いたのに涙がまた溢れた。

 

 

『ありがとう!船長!!またな!!元気でな!』

 彼が笑顔でいるのだから、海賊王のクルーが泣いて別れる訳にはいかない。彼は言ったのだ。またな、と。各々が船長に向け言葉をかける。さよなら、は誰一人として言わなかった。

 

 

 全員の手に握られる、船長のビブルカード。ちりちりと徐々にだが小さく燃えている。この灯が消えた時、彼は笑って逝けているのか…それを知る術はないけれど、きっと『良い旅だったなァ~』と昼寝をするように、眠るのだろう。

 

 

* * *

 

 

 麦わら帽子を被った青年が一人、兄が眠る墓の前に立っていた。テンガロンハットが飾られたお墓と、その隣には彼がおやじと呼んだ偉大なる海賊の墓があり、飾られたばかりであろう、綺麗な花々が2つの墓を覆っている。

 

「エース!おれ海賊王になったんだぞ。すげェだろ!!」

 酒をおちょこに注ぎ、彼の生きて来た人生を語っていると、「流石、俺達の弟だ」と声がして振り向けば、シルクハットから覗く金髪の男が1人。エースの形見を食したもう一人の兄が背後に立っていた。

 

「サボ!!!お前も来たのか!」

「あぁ、お前に会えそうだと思ってな」

「ししし、流石おれの兄ちゃんだ!!」

 

 海賊王になっても変わらない、末っ子がビュンと凄い飛んで抱き着いてくるので、落とさないように抱きしめる。

 

「おいおい、そんなに激しく動いて大丈夫なのか」

「当たり前だろ!ちゃんと薬も飲んでんだ!」

「そうか」

 

 

 彼も弟の病の事を知っている1人だ。弟の病状の事を知って直ぐに飛んで会いに行ったのが記憶に新しい。コアラやドラゴンさん達に、会いに行く頻度が高すぎる!と何度咎められたか分からないが、こればかりは仕方ないだろう!と我儘を突き通していた。大事な弟なんだ。兄として心配して当然だ。

 

 久々に3兄弟揃って、杯を交わし沢山話をした。頑張ったな、流石おれ達の弟だ。と頭をクシャクシャと撫でれば、嬉しそうに笑う姿が、幼かった頃の姿がダブって見えて、泣かないと決めていたのに、頬を熱い水が伝う。

 

「ししし、サボも泣き虫だなァ!」

「何言ってんだ!!お前も泣いているだろ、ルフィ」

 

 そう、仲間や傘下や友達の前では決して涙をみせなかった青年の瞳からも静かに涙が零れていた。『泣いてねぇ』『泣いてる!』の応酬を繰り返し、くだらねェな、と笑い合う。

 

「おれ、本当に後悔はねェんだけどよ」

「あぁ」

「…死ぬのだって受け入れたんだ」

「……あぁ」

「でも1人はやっぱり少し寂しくて…サボが会いに来てくれて嬉しかったんだ」

 

 そう言ってボロっと溢れる涙を、下手くそな笑みを浮かべゴシゴシと擦る弟を抱き締めた。

 

「当たり前だろ、1人が寂しくねェ奴なんていねェよ」

「おう」

「…俺だって、エースもルフィも居なくなっちまったら、1人になんだ」

「わりィ」

「ふっ、いいさ、手のかかる弟って昔っから知ってるしな」

 

「だからさルフィ、俺も自分の旅を終えたら、絶対にお前達に会いに行く。だからエースと一緒に寂しがり屋の俺の事を待っててくれよ。そして、また3人で一緒に杯を交わそう」

 約束だ、と額を合わせれば、一度大きく見開かれた瞳が嬉しそうに笑う。

 

 

「それいいな!分かったぞ!ずっと待ってるからよ!絶対だぞ!」

「あぁ、約束だ」

 

 それが、数年後か、数十年後か、明日か、数ヶ月後か、それは誰にも分からないけれど、兄弟の絆は永遠に紡がれている。またきっと出会える日がまっている。2人はそう確信している。

 

 

* * *

 

 兄と別れた青年が向かったのは、自身の生まれ育った故郷。フーシャ村だった。島民たちは海賊王になった彼を大歓迎し、盛大な宴会が繰り広げられた。村長からは、相変わらず小言を言われたが、それすらも懐かしく思える。

 

「マキノ!!宝払いだ!!!」

 宝払いで食う!と言ってご飯を食べていた子供が、今や大海賊になり、目の前にドンっと置かれた宝石の数々。「やだルフィ、こんなには要らないわ!」と慌てて返そうとするのを青年は拒否する。

 

「一度渡した物は受け取らねェ」

 そういってムスッとする顔に「あらあら、ルフィも大きくなったのねぇ、あの日の船長さんみたい」と笑い、『それじゃあ遠慮なく受け取るわ、完済ね!ありがとう』、と受け取れば嬉しそうに笑う。

 

 沢山話をした、青年が戻って来た事を知った育ての親と言っても過言ではない、彼が唯一好きになった山賊も交えて宴は続き、そんなとある日、酒場へやって来た1人の男の子。

 

 

「なぁ!!お前海賊王なんだろ!!」

「なんだ?おめぇ」

 

 自分の隣に腰掛ける小さな身体、こちらを見つめるその目にはどこか既視感を覚える。

 

「おれをあんたの弟子にしてくれ!!海に連れて行ってくれ」

「弟子だぁ!?一緒に海にいく!?」

 

 うげーっとあからさまに嫌そうな顔をする男に、少年は「なんだよ!!いいだろ!!ケチ」と怒れば、その既視感が以前の自分と重なる事に気付いた。

 

 

「ふふふ、ごめんなさいねルフィ、__って言うのよ。貴方に憧れてるんですって」

「へぇ…おれにねぇ」

 

 肉を頬張りつつ、視線を向ければ確かに本気の瞳だ。ーーシャンクスもこんな感じだったのか。と当時の彼等の気持ちが少し分かってしまった。海の過酷さ、非情さ、色々知って海へ出たいと言う気持ちだけでは、乗り越えられない事実がある事を知った。だからこそ、本気で思っていても安易に連れて行けない。

 

「ダメだ、連れていけねーよ」

「嫌だ!!!」

 そんなやりとりが、数週間続いた。そうしてあっという間に旅立ちの日。もう自身の終わりが近づいている事に気付いていた。

 

 

「じゃあな、マキノ!!元気でな」

「本当に行くの、ルフィ」

「あぁ、勿論だ」

「さっさと行っちまえ!」

「ししし、ダダン、ありがとうな!」

 

 見送りに来てくれた村長、島民、マキノ、ダダン一家が涙を流していた。__最後に此処へ来れて良かった。

 

「おい!!ルフィ!!俺も連れていってくれよぉ!!」

 ギュウッと外套に抱き着き涙する__の頭を撫でる。

 

「ダメだ、大きくなって自分で海へ出るんだな」

「~~!!ケチ!!もういい!!絶対ルフィ達よりつえぇ海賊団を作ってやる」

 

 本当にこいつは昔のおれに似ている、と思わず笑ってしまった。

 

「おれ達を越えるのは中々に難しいぞ」

「絶対越えてやる!!!」

 

 涙しながらも、固い決意の瞳が自身を見つめている。

──そうか、じゃあおれの意思をこいつに託そう。憧れた人が幼かった自分に、そうしてくれたように。

 

「そうか、じゃあこの麦わら帽子をお前に預ける」

 

 麦わら帽子を外し、__の頭へと被せる。

 

「強くなれ、そして立派な海賊になって、おれ達を越えてみろ」

「う゛ん゛」

 

 ボロボロと涙する子供の頭を撫で、皆元気でな!!と笑顔で故郷を出る。

 

 小舟に乗り出航するも、行く先は決まって居ない旅。のんびりと船は進む。

 

「ししし、あいつらは今何してんだろうなァ」

 

──空は快晴 風は軟風 風車がよくまわる

 

 

* * *

 

 波に揺られる小船が、揺り籠のように揺れ眠気を誘う。宝石を散りばめたような星空の元、どこかで感じた懐かしい風が、小舟で眠る青年の頬を優しく撫でる。

 

ヨホホホ ヨホホホ ヨホホホ ヨホホホ~

ヨホホホ ヨホホホ ヨホホホ ヨホホホ~

 

ビンクスの酒を~…… 

 

ビンクスの酒を 届けにゆくよ

今日か明日かと宵の夢

手をふる影に もう会えないよ

何をくよくよ 明日も月夜

 

 仲間達と歌った懐かしい歌が遠くから聞こえる。その声はだんだんと近づき、開き切れない瞼の裏に鮮明に映し出される。あぁ、やっぱりこいつらとの旅は最高だったなァ。

 

 『ルフィ!!』と声がし、振り返れば夜だったのに朝日が眩しくて、その先にいる仲間達がおれを呼んでいる。『あー!お前ら!!そんなとこにいたのかよ!!』走って仲間が居るところに向かい、腕を伸ばし全員をまとめて抱き締める。ーーさァ、今度はどんな冒険に出掛けようか!!

 

* * *

 

 青年のビブルカードが消滅した日、あれほど泣いて、彼が好きだった歌を歌い、飲んで、笑った日はないと後にクルー達は口を揃えて言う。──彼の遺体は何処にもなかったと、みつけられなかったと、だからどこかで生きているんじゃねェかと、軽口を言いながら話をすることもあったという。

 

 

 各々が旅の終わりに決めた場所で、腰を降ろし、あの激動の日々を懐かしむ。そうして、彼等/彼女達を知る人間は、日々の物語を聞きたがった。だから、ほんのわずかだけ、彼が生きていた証を残す為話をしてくれるのだ。

 

 

 話すクルー達の目からは、涙が溢れる事もあるが、嬉しそうに、懐かしみながら、楽しそうに激動の日々を語ってくれるのだ

 

 

『俺たち/私たちの物語の日々を聞きたいか?あいつとの出会いは...』

 

 

* * *

 

ーーー十数年後

 

 

「もう!__!貴方本当に行くの?」

「マキノ!当たり前だ!約束したからな!!」

 

 最後に彼を見送った時と同じような小舟に乗り込む、あの日麦わら帽子を譲り受けた少年。

 

「気を付けるのよ、無理はしちゃだめよ」

「おう!!」

 心配気にする酒場の彼女や村長、島民をしり目に、麦わら帽子を被り直し、『良い天気だ!出航日和だな』と島を出航する少年。ようやく海へ出れた高揚感から、バッと空へ両腕を突き上げ決意を声にだす。

 

 誰かが言った

 受け継がれる意志、時代のうねり、人の夢。これらは止めることの出来ないものだ。人々が『自由』の答えを求める限り、それらは決して留まる事はない!

 

 

『海賊王に、おれはなる!!!!』

 

 

ーENDー




【後書き的な物】

 死ネタのため賛否があるとおもうのですが、尾田っちが意味深な事を書いてたりするし、無茶な戦闘から命ゴリゴリ削られていると思うので、こんな感じだと妄想した結果がこの作品です<(_ _)>

 少年の名前を考えられなかった…悔しい…
 その後、麦わらの一味の面々と出会った時、彼等、彼女達は麦わら帽子をみて、ルフィの意思がこの子に紡がれたと直ぐに理解すると予想︎︎☁︎︎☁ 
 全員がシャッキーみたいな立ち位置になって、力を付けていく姿を楽しみにしているといいなぁ。
 ゾロはレイリーみたいに、修行を付けてくれたりすると、尚よしって感じがします☺️


 ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました<(_ _)>❤

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