青い春に馴染めない黝の星 作:うへうへ学生
「……拾ったぁ? この、ちっこいのを?」
「うん。まぁ、なに、わかるでしょ?」
「まぁお前が決めたことには異議は挟まないけどさ」
「ん、こいつ誰」
「この人は夏雪ライナさん、ホシノ先輩のお友達です。あと、一応の三年生……なのかな?」
「……弱そう。ねぇホシノ先輩、こいつが先輩と同じなの?」
「いきなり何言ってんのシロコちゃん」
「なに俺喧嘩売られてんの?」
「お前、それっぽくない」
「……躾のなってねぇ野良犬が」
「あー、二人とも一応仲良くしてくれる? おじさんの顔を立てると思って」
「よろしく、変な人」
「よろしく、野良犬」
「ん、野良犬じゃない」
「駄犬」
「違う」
「狂犬」
「違う」
「捨て犬」
「違う! この野郎……っ、ノノミ離して!」
「だ、ダメですよシロコちゃん!」
「お前」
「んだ野良犬」
「銀行を襲える?」
「はぁ? やる意味ねーだろ」
「そう。私は襲える」
「だからなんだよ」
「ので、お前は下」
「……計画言ってみろ、全部ダメ出ししてやる」
「寝ると子犬なんだがな」
「ねぇライナ、シロコちゃんに当たってるのって」
「……気に入らねえだけだ。大した話でもない」
「本当は仲良くする気あるんでしょ?」
「さぁな」
「シロコちゃんなりに近寄ってると思うよ」
「知らねえ」
「何が気に入らないの?」
「……なんでだろうなァ。あれ以外にある筈なんだが」
「はっ、可愛くねぇガキ。なーにがシロコだ。ホルモンみてえな名前しやがって」
「……なんか言った……?」
「寝てろバカ犬。寝る子は育つぞ」
「……」
「今日は焼肉?」
「またライナさんの家で集合ですかねぇ」
「買い物代くらいは金出せよお前ら。あと甘やかすな、野菜食わせろ」
「うっ、まぁ……頑張る」
「この前みんなでステーキ食べた時なんてライナさんの取ってきましたもんね」
「俺は付け合わせのミックスベジタブルも美味いって知ってるからどうでもよかったけどさ」
「絶対嘘だ! 趣味で作ってた食後のプリン自分だけ食べてたよね! おじさんたちにも出さないで!」
「連帯責任だ。了承くらい取れっつーの」
作戦会議と言ったところでだ。
対策委員会の目的はシンプルなもので、相手の備えもシンプルなもの。故に力と力のぶつかり合いしかない。最悪ホシノが総会へ到達すれば目的は達成されると言える。
「強行突破が一番早い。私が偵察に行ってくる。守りが薄いところを調べ上げれば──」
「シロコ先輩は無茶言うわね。足止めはやれて三回よ。そりゃあアヤネちゃんとライナ先輩連れてくならもう二回は増えるけど、そういうやり方良くないってみんなで決めてるじゃん」
「それに相手は別に私たちを撃破しなくていいんです。適当に足止めをして十二時まで待てばいいだけ。想像以上に私たちは不利です」
しかしそんなことは相手も承知の上だろう。こういう時先生がいれば妙案や、何か別種の話でも浮かびそうなものなのだが。
現実問題、先生はまだ来ていない。何かあったのだろうか。
「ヘリで上空からラペリングは?」
「そこまで行くならパラシュート?」
「……いらねぇだろ別に。ただ確実に着地は狙われる。ちょいと厳しいな。いい案ではあったが」
「その後はいくらでもやりようあるけど、大前提が厳しいんだよね〜。強行突破する手段を用意するにしたって時間無いし」
「列車……は、流石に難しいですね。戦車や装甲車による強引な突撃も視野に入れて色々買っておけばよかったなぁ……?」
みんなで頭を突き合わせてああでもないこうでもないと思考して、危機を打開しようとする。そんな姿は今までからは想像できない。自然、アビドス三年生にも等しいライナとしての感想がこぼれ落ちた。
「しっかし俺たち三人でやってた時には思いもしなかったな」
「だねぇ。そもそもノノミちゃんとシロコちゃんが来るなんて想像してなかったし」
「それだけじゃない。セリカとアヤネもだ。まさか新入生が来たなんて、耳を疑ったよ」
「ん、末っ子扱いから脱却できた」
「でもシロコちゃんは末っ子感ずっとありますよ〜」
「そーゆー話じゃないでしょうが」
「ま、まぁ、色々ありましたね。本当に」
緩んだ空気で魔が刺したのか、ライナはいつだかに終わった話題をひっくり返す。
「──ノノミの言ってたアイドルグループってのも、案外やれそうなもんだな」
「え!?」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「ライナさん、いいんですか? シロコちゃんもアイドルにしちゃいますよ?」
「ま、待って!?」
「お前とホシノもやれ。ヒラヒラしたの着てウィンクしろ」
「いいですよ〜?」
「うぇ!? おじさんはちょっと……愛想良くできないし、正直そういうのは。ライナだってやりなよ」
いきなりキラーパスで自分以外の全員に歌って踊ってサービスするアイドルをやれとか宣うそこの男、案外性根は俗っぽい。
いきなり何を言ってるんだと慌てる四人に対して、ノノミはかなり乗り気であった。だがホシノはライナもツラだけはいいのを知っているか投げつけてみるも……
「いやだよ。何が悲しゅうて見ず知らずの奴らに愛想振り撒いて、歌って踊ってファンサしてやらにゃならん。というヤローだぞ俺は」
こういう時だけ人見知りの変な男アピールである。タチが悪い。しかも全くやる気は無い。人に言うなら自分も道連れにされる覚悟くらいは持って欲しいものである。
「需要ある。私に」
「お前にだけあっても仕方ねえだろ……」
「あとシロコにも」
「あの子にも!? あ、会ったのか!?」
「想像だよ」
「なぁんだよびっくりさせやがって」
シロコがちょっと意地悪に仕掛けてやっと一本。あまり褒められたものでもないが、驚愕するライナが見れたのだからよしとしよう。親指を立てる後輩二人に同じようにサムズアップで返答し、末っ子組のとりあえずの仕返しは完了した。
微笑ましい空気の中、向き合わねばならない現実に真っ先に向き直ったのはノノミだった。
「アビドス生徒会を、私は消したくありません。そこにはホシノ先輩とライナさんの思い出が残ってる。でも対策委員会だって消したくない。みんなの思い出があるから」
ずっと抱えていた罪悪感を掻き回され、身内が再び愛するこの場所を食い散らかそうとする現実。実のところ、最も追い詰められていたのはノノミだった。
言ったところでどうしようもない、慰められるだろう。だからこそ優しさが傷付ける。
誰が悪いか? 誰も悪くない。しかし誰しもが必死になって行った事が自らの首を絞めて、最後は捨てて、今また我が物顔で踏み荒らして言いたい放題をする。
我慢ならない、消えてしまえとも思う。自己嫌悪と他者嫌悪が混ざり合い、悍ましいタペストリーを描いている。
どちらかを捧げなければ、この陰謀を終わらせられない。それが事実として扱われてしまっている以上、虚偽では決してないのだから。
「いいんだ。別にアビドス生徒会が消えるわけじゃないよ、ノノミちゃん。名前が変わっても、場所が変わっても、人が変わっても、そういうものが確かにあったと記憶され続ける限り、それは永遠に存在する」
「でも!」
「それにみんながいる。みんながいることこそ、ユメ先輩と私とライナがいたアビドス生徒会があった証拠。手帳だとか死の真相だとかは、もう個人的な話なんだ」
ホシノはそんな気遣いに感謝しながらも、引きずって、引きずり過ぎてすり減っていたその重荷をどうするかについて答えを出していた。
「だから──終わりにする日が来たんだ。アビドス生徒会を、アビドス廃校対策委員会にする日が。過去を、未来に連れて行くよ。だってそうしないとシロコちゃん、アヤネちゃん、セリカちゃんの始まりの場所がいつまで経っても蔑ろにされちゃうから」
それは蓋をすることじゃない。
過去を未来に連れていく。どうにもならなかった現実を受け入れて、前へと進む。思い出して苦しむこともあるだろうけど、いつかはそういうこともあったなと思えるように。
「あと、ユメ先輩の死を認めたくないから生徒会長をやらなかったんじゃない。私にはその資格が無いと思ったからなんだ。失敗し続けても前へ前へと邁進する人を、小馬鹿にしてた自分なんかがって」
そしてその第一歩してやらなければいけないのは、自らがその肩に先人たちの苦痛を背負うこと。逃げ続けていたものに、向き合うこと。
「疑念、暴力、不信、嘘──そういうもので取り戻されるアビドスは、絶対にアビドスじゃない。だからシェマタなんてものは、絶対に見つけ出して破壊する。とはいえ統廃合に当たっては正式な手続きがいるから、契約維持を行ってからもしばらくは急所をどうにか守り抜くしかないね。事を大きくして変に介入を招く訳にもいかないし」
まぁ、それは後のことではあるのだが。
生徒会長の決定を行い、顧問の承認を受けて、生徒会と対策委員会の正式な統合を行う旨を提出し、連邦生徒会から了承される。
どれだけ迅速に行っても二日くらいは隙が生じる。
更にこの件を大事にすると、要らん介入まで招く恐れもある。連邦生徒会が腰を上げる必要のある何かがある、とすれば大抵愚かな野心の火に焼かれた者が野次馬根性でやってくるだろう。
──そして実際、シェマタなんて面倒臭いものがある。
よってこの件に関しては、正式な統廃合以外はアビドスだけで解決することが最も理想的なのだ。
「──え?」
「どうしたのアヤネちゃん」
「今朝、シャーレが……!?」
「──は?」
ギチリ、ギチリ。
カラカラと音を立てて、歯車が回転し始める。
憤怒と憎悪に燃料を焚べて、その絶望に鎧を着せて。
一人で所定の場所に、時間通りに来い。
先生の見舞いに行った前後、ノノミはそんな連絡を受けた。
普通だったら相談するところだが、先生の負傷や状況による精神の不安定化、罪悪感と追い詰められた状況故の極端な選択は、一つの可能性を意味不明な形で見出してしまった。
あの執事なら、何か手を貸してくれるのではないかと。
「ご令嬢、あんたはなんで此処へ来た」
「ネフティスの者だからです」
「……いい意味で傲慢だな。それもこうなってから生まれたのか……」
代行としてスオウがそこにいた。
振り回された側である彼女は、ノノミにいい感情を持てない。
『本当に現れたのですね、お嬢様』
「はい」
『呼んでおいてなんですが、目的は定まりましたか』
執事が話しかける。
もちろん機械越しだ。そしてまるでこれ以上答えるな、と言わんばかりの声色で尋ねた。
「──ネフティスは本当に、そんなものを手にしたいんですか」
『社としては手にしたいでしょう。野心を持たない者などあり得ない』
「何か丸く収める方法を、社は提示しなかったんですか? 利益ばかりを追い求めても何処かで過ちを繰り返してしまう!」
『お嬢様。それは──ネフティスの令嬢としての発言と見て、よろしいですか?』
「苦言を言う権利くらいはある筈です」
売り言葉に買い言葉というわけではないが、ノノミはある種の自罰意識を常に抱えていた。それは本人さえも預かり知らぬところで肥大化、変質し、怒りや嫌悪にも近い感情へとなっていた。
それ故に、ねじれもつれた心の暴走は止められない。悪意ある者に背を押されているならば、尚のことだ。
『であれば私からも苦言を申しましょう。あなたがこの場に現れたのは、またあの時のように私が手を貸してくれると思ったからでしょう。あなたが戻らず、更にはこの件を丸く収める方法でも提示してくれるとか考えて』
執事が冷たく拒絶する。
それを選ぶな、そうするなという全てを行われてしまったのだ。そしてあからさまな罠に飛び込んできてしまった。であれば後はもう、やるしかないのだ。
『ある訳ないでしょう。お嬢様が受け入れるわけでもなく突っぱねるわけでもなく、こんな見え透いた罠へと現れるとは。私はあなたがアビドスの者として決別を告げに来たと思ったのですが、何故このような妙なことをするのです』
他ならぬ退路を、退路を用意したかった人間に潰されてしまったのだから。
『逃げ道を用意していたのに自分から潰すなんて……恨むならば自らの迂闊さを、ネフティスの立場とアビドスの立場を使い分けようとした自分を恨んでください。私はあなたに最低限の義理は果たしました』
刹那、音もなくスオウがノノミに当身をし、彼女を気絶させる。
最悪のタイミングで、最悪の人質が、最悪の人物の介入により作られてしまった。
周囲に誰もいないことを確認したスオウは、執事の対応に少々の突っ掛かりを覚えながらも、雇用される者として何をするべきか指示を仰いだ。
「それでどうするんだ」
『人質として使います。小鳥遊ホシノにはアビドス生徒会に責任能力そのものがなかったことを証明し、契約破棄をしてもらう。もしもお嬢様がアビドスとして現れたならば真っ向からやる気ではありましたが、そうではなかった』
「そんな気を回すくらいなら初めから罠だと伝えればよかったろうに」
『私はネフティスの人間です。組織に属するならば利益あるように動くしかない。あなただってそうですよ。結局我々は、属した瞬間からままならないものに囚われるしかないのです』
「……ままならないものに囚われる、か。あんたはこの作戦に反対していたようだが、結局実行した。何故だ?」
そんなにガタガタ言うならばやらなければよかったじゃないか、と。それは子供心ながらに出てきた大人への疑問だったのかもしれないが、しかし執事には酷く突き刺さる話題だった。
『お嬢様がもし、ご自分の考えでこの場に交渉に現れたり、あるいは現れなかったりした場合は、私は何をするつもりもありませんでした。だが現れた。困った時には頼ればいいという目をして。中学生から何も変わっていない。だから、諦めてしまったんですよ。この人は結局、私を困った時になんとかしてくれる歯車としてしか見ていないんだと』
「私にはそう見えなかったが。腹を割って話した方がいいんじゃないか」
子供に手を差し伸べるのも仕事の一つだろうに、とも思うが。
結局スオウは常にネフティスに、アビドスに振り回されている。
だから──何故我慢してやらなければならないのか。
『……さて、どうでしょうかね。もう何もかも遅いですよ。こうなった以上、私はやり切らなければならない。まだ従っているだけというあなたと違ってね』
(……お前たちはいつもそうだ。従ってることを求めるくせに、求められたことに応えるとそうやって言ってくる。なんだ? ふざけるなよ、こんなところに執着して)
あり得ない程に燃え上がる憤怒、そして憎悪。
どいつもこいつも勝手なことばかり言って、勝手なことばかりする。スオウの古傷を抉り出すようなことばかり起きて、そして起こされた現実は、自らの人らしい心を捨てる決意をさせた。
(もういい。全部、壊してやる)
──共鳴する憤怒と憎悪に飲み込まれる者は、大義名分すら失ってしまう。
後に残るのは、ただの暴力だけだ。
『ではスオウさん。学生証とカードを取り上げてください』
「……無い」
『は?』
「今ポケットの中身も財布も、カード入れも確認したが、あのクレジットカードだけが無い」
『お嬢様が気付いた……というわけでもないでしょう。そうなれば気付いた誰かが……仮面の方辺りが? しかし、あくまでも察していたのはこちらの事情であって……お嬢様は自然体だったし、誰にも話していない。ならば何が……」
「どうする」
『事実さえ知られなければ、あとでゆっくり探すことができます。作戦に変更はありません。渡せというのはあからさま過ぎる。あえて触れないようにしましょう』
「む……? 肉付けされ過ぎているような……」
地下生活者が人に対して行う事象干渉は、ルートの固定に近い。例えば特定の人物に特定の物を渡すという結果に差し替えるよう干渉したとする。
その人物同士が喧嘩をしていた場合、喧嘩していた状態が突然憑き物が落ちたようになくなる。これによる不自然さは、本人さえも自覚できてしまう。よってあまりに連続した干渉は、支離滅裂な行動を取らされた対象の精神崩壊を招きかねない。
しかし彼はそんなものどうでもいい。だからそこに付随するリスクを無視して使用し、補強を行う事はない。手間だからだ。
だから多くの人間に今その陰謀を薄々と察せられてしまっている。それもどうでもいい。どうせ勝つのは自分だから手っ取り早い方法を使うし、それのリスクを踏み倒せるという傲慢さ。自分以外を舞台装置と思う、ゲームとしてすら成り立ってない自慰。
プレイヤーでありながらゲームマスター。
そのダブルスタンダードこそ、彼がゲマトリアを追放された大きな要因である。
大なり小なり、現在のゲマトリアはプレイヤーとして参加した場合、ルールに則り、裏を掻き、そして舞台に上がれば役者として踊る。それはベアトリーチェですら、我を忘れる程の憤怒と憎悪に蝕まれなければ必ず守る登場人物の不文律だ。
舞台を壊す、役者を歪める、望む展開を固定するなどの行為は、自らを長く乗り越えるべき敵からその場で排除されるべき障害へと貶める最悪の行為なのだから。
賽を投げて、結果は天に委ねる。──このたった一つを守れぬ者は、どのような有利を得ようが最後、主人公にあっさりと打倒されてしまうのである。
その賽の目を極限まで望みに近づけることは許される。オッズが99:1でも、僅かに『出ない』という現実があれば、世界は自ずと受け入れる。地下生活者はそれを100:0にしてしまう。
だから順調に見えても、落とし穴に既に嵌っている。彼の古い友人、フランシスは告げた。
『この世界をボードゲームか何かと思っていては、決して正しい勝利へと至れない』と。
「小生の干渉では起こり得ない……何故……」
とはいえ、本人もおかしな現実に気付いた。
望むルートに至らないなら強制的に導く為の不自然な思考と行動、それが特徴の筈なのにどういう訳か結構な頻度で適当な理由を引っ張ってきてしまっている。
地下生活者が用意したゴールポストに、自分から入って行っている。
怒りと憎しみに支配されて、極端な選択をするように。
「……黝の星。あれは小生と同じ古い力を使える存在と思うしかないが……どうやってだ? 何かオーパーツでも? しかしそんなもの、何一つも見られない……」
黝の星。
見えない何か。
地下生活者が唯一干渉できず、その内側も覗けない奇妙な存在。
それが自分と同質の力か何かを行使するのは推測できたが、しかし詳細まではわからない。
「何が目的だ……?」
勝てる勝てないではなく、ただただ不気味。
そこにいるのかいないのか定かですらない存在は、地下生活者にさえも一抹の不安を与えていた。
「──そうか、そういう事だったのか。俺の怒りと憎しみは、最初から……そして根源は……だからあんな風に……」
「はっ」
「ははは……」
「ははははははは!!」
「……シロコ。どうやら俺は──お前の愛に応える資格が、無いみたいだ」
「$+|_||)[-|\|+ [()|_||\|[][|_ |*|2[-$][|)[-|\|+……お前の望んだ様な世界ではなかったよ、結局……ちくしょう」
「……そうか、こうなったか」
「だが、絶望があるならば希望がなければならん」
「どちらを取るかは、自由だが」