超かぐや姫!〜縄文時代から時を超えて〜   作:ウミウシになりたい

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かぐやSideなければスッキリする…。

次話からは、ハル視点やって時代の締めくくりにかぐやにします。むしろ、文字数なんでこんな多いねん状態の、この小説をお読みしていただき何度目かも分からない感謝!ナンデモシマ………

亀のテンポだけど許し亭許して…ッ!それでは本編どうぞ!


失くなると困る困る

 

「………あれ…?飯に、味が…しない…?」

 

 

「んん?まあハルの味覚って死んでそうだもんね。一時期、キノコバク食いして、オロロしてたし…」

 

呆然として、暫く。俺は、ぺちゃくちゃ喋るかぐやを無視して勢いをついて食事をかっこむ。今までこんなことは…というか初めてでここ数千年は、味気ない食事(趣味みたいなものになっている)しかしてないが、それでも味というものはとても重要なものだ。特に、日本男児には必須と言ってもいいものと思っていい。

 

「………なあ、かぐや。俺の味覚死んだ…」

 

 

「本当のホントにまじ?パンケーキに誓う?」

 

 

「なんで突然パンケーキでたか、分からんが…本当だから誓うぞ」

 

「えぇ~!!黒焦げお肉食って顔色一つ変えなかったハルが!?座礁してたフグを旨いよなって言って、死にそうになってたハルが?!」

 

「おい…!こっちは本気なんだぞ…って、それいつの話だよ……」

 

本当だもん!と最後に捨て台詞を言って、本当か?とチラチラこちらをみるかぐや。所在なさげに動くその姿は、シュールと言ってもいいくらいには動きがギャグだ。コイツ、俺の味覚は元から死んでると思い込んでるのだろうか?ただ、俺は完食する時に頂いた物を美味しく食べようと、心掛けていただけだが…。

 

ため息を吐いた後、俺は気分転換のために狩りの準備をすることにした。準備とは言っても大した物は装備せず、弓と数本の矢のみだ。今回は危険じゃないし、装備も多すぎたらかえってダメな獲物だ。

 

かぐやは、そんな俺の姿に目を丸くしてこちらも準備する。準備とはいっても頭の上にのって、重心にあたる位置の頭ど真ん中に座ってもらうだけだが。

無論、その補助なしでもいけはするが、あった方が幾分か楽なのだ。それに、同行させないとついていきたいと駄々をこねる。

 

あのもう遥か昔になった熊退治の日以来、最初は同行させずに村にいてもらったり、留守を任せたりしたのだが、次第にやっぱり行きたい!と、強く譲らなかったのだ。

 

かぐやが、家にいてくれたり留守をしてくれていたりで、狩りはしやすかったのだが…宵闇では、数や不意打ちでやられることが多く、その度に生傷を負っていたからだろうか?

 

俺の才能は恵まれている、とはいっても目は一般的な者と変わらない。昼は無双だが、夜は凡人だ。それなら昼だけに絞ればいいと思うだろう。………初めて大怪我したあの日は、油断しすぎたなあ。

 

そんな俺が、何故夜にも活動するのかというと、大抵の動物が夜行性だからだ。狼はその最たるものと思ってもいい。奴らは、昼は昼で積極的に行動はするがキチンとあまり痕跡は残さない…そして、夜ほど凶暴な群れに変身するクソだ。事実、狼により滅んだ集落は数知れずで、そこを通る時にも酷く憤りを覚えたものだ。この心構えも良くはなかったんだろうな、今思えば。だから傷を負ってきたんだし…。

 

 

「よーし、準備できたか?かぐや?」

 

 

「うん!私のおちょぼハンマー!うおお!いっけー!」カラダフリフリ  

 

 

なんか言ってらー、と思いながら締まらない狩りをすることにした。ボトッ おい、かぐや…落ちてこっち黙って見るな、跳べ。手は貸さんぞ。

 

 

 

深い新緑に満ちた、未だに穢れを知らぬその森は畏れるに足る聖域だった。

その森に、男と頭の上にウミウシが一匹。男だけが、その対象である獲物から目を離さない。

 

深く、深く…澱みのない空気を薄く吸って…小さく吐く。その循環を繰り返すこと、暫し。

 

トットットットッ

 

と、何かが2人を横切るが意に介さない。危険ならば、上にいるウミウシがトントンと、小さく反応するからだ。泰然一体となって、その一矢に力をギリギリまでこめて────

 

ヒュン

 

 

その獲物は、すると途端に倒れ伏したその獲物。首を見るとドクドクと、赤黒く血が流れ…泡を吹いて呼吸しようとしていた。そして、何が起きたか分かっていない一匹がまだいた。だが、狩りは既に終わりだ。

 

 

「ふぅ〜………、久しぶりに集中して狩りをしたが…楽しいな」

 

 

「おみごとー!いつ見ても惚れ惚れする腕前ー!乃依って人にも負けないね!」

 

 

「……?乃依って誰だ…?」

 

 

言ってなかったけー?あれ?誰だったっけ?と首を傾げるかぐやを、そのままに俺は鹿の血抜きのために近寄る。早くしないと臭くなるし、不味くなる。もう一匹の方は、俺達の姿を視認するや否や足早に逃げていった。

 

 

 

「………あれ?血の匂いも…しない?」ボソッ

 

 

触る感覚はあるが、違和感はあった。その違和感の原因は、狩人にはとても重要な嗅覚が機能していない、ということに起因していたようで………何度も、血を触った手を鼻付近にもっていって嗅ぐ。

 

 

「ハルって…そんな趣味あったの…?」

 

 

声の方を見ると、かぐやがドン引きするように身体をのけ反らせ、うわあ…と言いたげに冷たい目で見ていた。

 

 

「い、いや!そんな趣味は断じて無いぞ!………そのな、匂いもしないんだ…鼻も利かない…」

 

 

「………うーん?なんでだろう…?でも明日になってたら治ってるかも!ほら、光るキラキラ~があるでしょ?きっと大丈夫だよ!」

 

 

そうだと良いんだがなあ…と、思いながら俺は手際よく血抜きした鹿を背負い投げの要領で持ち、村へと帰ることにしたのだった。

 

 

 

 

 

『おお〜…これは流石、長が一目でお目付けした者だな…。これを一人で…ッ!』

 

門衛が、感嘆符のような声をあげているので感心しているのは、目に見えて分かる。俺はどうぞどうぞと、門衛にジェスチャーして一瞬困惑していた門衛も意味が分かったのか、スムーズに受け取る。

 

「「ふぅ………」」

 

 

俺は一段落したな、と気持ちを落ち着かせて村をまた見回した。頭が物理的に重いが、気にする程ではない。

少し俺自身、この村に慣れたのか昨日よりもより鮮明に見える。

 

 

稲作は田植えを時期によってずらし、植えているのか成っていない田んぼもあれば、合っていたのか穂を実らせた田んぼもある。

 

弥生土器を作る場所は、数は少ないながらも大量生産はできそうな具合で、もうそろそろといったところ。

 

そして、一番工業しているなあ…と思うのは

 

 

「かぐや、青銅器ってすごいんだぞ。なんせこの時代の最先端をやってるんだ」

 

 

「………何度も聞いたよ〜!何回目なの〜!も〜!ハルはいつも同じ話しばっかり!流石のかぐや様も怒っちゃうよ〜!」

 

 

「すまんすまん…。けど、銅を溶かして形作ってるんだぞ?この感動がどれほどか…」

 

 

常日ごろから、頑張れ〜と応援しなきゃと思っている場所であり、いずれそのままさっさと鉄を溶かしてしまえと、心の中で促す。

 

しかし…けれどまあ、やはり鼻はおかしくなっているようで、風にのって薫るであろう様々な匂いはしてこない。そのためまるで、無機質な風景を見ているように錯覚したが、肌にあたる風が現実だと強調していた。

 

はやく治らないかな、と思いながら俺はこの村にきてしていなかったルーティーンをすることにした。

 

 

「え〜っと…歴史をメモメモっと…」

 

 

「ほうほう〜?」

 

 

俺の頭の上からちょこっと顔を出して、かぐやも地面を見る。そこは大雑把な時代区分を書いた物だった。元々、俺自身は現代では歴史好きな一面もあったため米=弥生時代と、確信を持てたが記憶は薄れるもので、時代毎に確証を持てる判断がないといけない。ないと不便だ。

 

弥生時代✓米 古墳時代 ハニワ 飛鳥時代 聖徳太子etc…

 

と、一つの単語に絞って覚えやすくしていた。歴史好きといってもマイナーどころは流石に知らん…。何が流行して何時代が始まった〜だのも覚えていない。

 

まあ…どうせ死なないし、その内分かるっちゃ分かることなんだろうが。

 

「おお〜?!平安時代にー!竹取物語がある!彩葉から聞いたことある!ねぇねぇ!この時にヤチヨって来るのかな?かな?」

 

「…さあな?第一、月から来るってかぐやなあ、お前のことだろ?………そもそも、ヤチヨはどこ探しても見つからなかったし」

 

 

まだ諦めてなかったんだな…と、驚天動地にも似た感情で次は数学…という名の簡単な四則演算を反復してやって、程よく疲れたところで家に帰ることにした。逆に疲れるくらいには、しないと定着が難しかったのだが…。使うことなくて、肉体労働しかなかったからね。それがざっと5000年だし。

 

 

 

 

 

 

〜1週間後〜

 

 

「………」

 

 

俺は、食事をやめて鼻いっぱいに息をすう。だが、やってくるはずの匂いはせず…口に含んだものも、砂を噛んでいるかのようで気持ち悪い。あれから、無味無臭は変わらずのまま1週間が過ぎた。

 

待てど暮らせど、一向に治る気配は見せない。

 

 

「………ねぇ…ハル…?大丈夫…?」

 

 

「…………大丈夫、だ。かぐや…俺は大丈夫…」

 

 

力なく、そう伝える。俺は食事は必要とはせず摂取も必要がない、いわば趣味のものだった。しかし、俺にとっては生命線であり味を楽しめないというのは、拷問に等しいものだった。

 

嗅ぎ慣れた血の匂い、息づく生命の青臭い息吹、灰の薫り、木目調特有の匂い、などなど、普通だったら感じる何気ない匂い。しかし、今は匂いも感じ取れない。

 

無味無臭の光景が、俺を苛む。ここは現実なのか、はたまた己が見ている想像なのか、一つの境界線の境目が揺らぎ始めていた。

 

と、どこか部屋に重苦しい空気が流れ出した時、それを遮断ように入り口が開けられ、日の光が家の中に入る。

そして、開けた件の人物は早速といわんばかりに口を開け、

 

『お主の腕を頼るが、良いか?お願いしたいことがあるのだ』

 

 

お供を連れて何か長が言ったが、当然俺の知っている訛りではなく、全く別の訛りなため何を言っているのか分からない。

 

すると、かける言葉を迷っていたかぐやは、おずおずと俺の傍に寄って耳元でそのお願いを翻訳してくれた。かぐや自身も、今は翻訳に徹して部屋の空気を変えたかったようで、集中して翻訳をしてくれた。

 

俺はその依頼に、今まで飯を食わせてもらったし、住居まで用意してくれた礼として、気持ちを切り替えて快くOKをだした。

 

 

「………無理してない?ハル?」

 

 

「…してない、してない。さっきは極端になっていただけで大丈夫だ。もうならないって約束するよ」

 

 

「ッ!………うん、約束してね?ちゃんと無理してるとき言ってね?シンヨウデキナイヨケド…」

 

 

はいはい、と軽く返事をして先程のお願い事の内容を、整理するために小声でまとめていく。目線を下げて、俯いていたかぐやだが、俺が開口一番にそれを言うとかぐやがあんぐりと口を開けた。

 

 

「ふむふむ…族長の娘に弓を教える…………って!ええぇ!」

 

 

「それに、期限も1年か長くて3年だそうだぞ?」

 

 

かぐやは、酷く項垂れて翻訳に夢中になってて……もお!何やってんの自分!と、なぜか自身を責めているが、平常運転というものだ。気にすることではない。

 

 

「はぁ…味…香り………いかんっ!こうなったら、早速計画練るか!」

 

 

かぐやはほっといても良い。本当にこの扱いが一番安定するというものだ。あいつ、独り言元気すぎだろ…と、何回目かも分からないその呆れは、最早日常と言っても差し支えないものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続報・族長の娘、類稀な美少女だった件。なんだこれ?ラノベか?

 

 

 

「………ふん!」

 

 

「少し顔合わせて、あいさつに行っただけだろう?」

 

 

「だって…デレデレしてたもん、ハルが!」

 

 

「いや、それはだなあ…少しだけしてたかもしれんが…」

 

 

ほらー!と、プンスカするウミウシの姿ありけり…。こやつ、一丁前にヤキモチか…?と、邪推する男あり。

 

 

だが、鼻の下を伸ばした俺は仕方がないと思う。数多の集落で出会いと別れはあったのだが、それでも尚陰りを見せないその美貌。そんな女の子が、長とは別で丁寧に頭を下げてお願いしてくれているのだ。

それに、勝ち気そうでツンとしたその娘は、大成しそうな気がして内心とてもワクワクしている。

 

 

一応言っておくが、下心は皆無だ。この身体になってそういった衝動は、自然と抑えられていると言った方が適切かもしれない。かといって、かぐやに下の話しをするのは絶対にしないが。気心知れた仲とはいえ、それなりの分別というのは必要だからな、と勝手に一人納得しておくことにする。

 

 

「むぅ〜うがぁ〜!あの時にぃ〜!ハルがとられる〜!」

 

 

「おいおい、かぐやには彩葉がいるんじゃないのか。俺にもそういう存在いても良いんじゃ…?」

 

 

「それとこれとはまた別なの〜!鬼!悪魔!ハルの意地悪!」

 

 

冗談がすぎたのか、かぐやが堪えきれず涙を流す。俺はやりすぎた!と反省して、かぐやが一番だから!本当だから!とお姫様のご機嫌をとらなければいけなくなった。

俺の弓指導…前途多難すぎるだろ…と、嘆かずにはいられない。誰か愚痴を聞いてくれる人、募集中だ。(不老不死限定、他に登場予定なし)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハルくん、最後元気になって良かった!指導するのは女の子だよ!ちゃーんと人間ちゃんです!


縄文時代の頃も、ハルくんモテてたけど…お相手一瞬で死ぬからね。かぐやも、余裕を持って対処可能だった模様。

弓を教えることは、口振り的にも分かるように今回が初めてです。弓は高等技術で、それを習得する時間よりも短い寿命の縄文人は石器を選んでいたからですね。牽制程度には使用してたけど…って感じです。

長の娘は、大陸からの知恵で寿命は多少伸びてるから安心ですね!食事ももう稲作が始まってるから安心!弓の修行も集中してできるものよ!なお、かぐやの心は考慮しないものとする。

次回は、あったねぇ…くらいの感覚でお待ちを!
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