月光のOCG化決まってて勝手にテンション上がってデッキ作ってました
黒羊と白兎で舞猫姫を出せるし、場合によっては聖光の宣告者を出してぐるぐる回す感じで結構面白そうでした
あとブラック・ガーデン使えばワンキルも見えてきます
さて、黄昏VS大神のデュエル決着です
お互い3ターンずつ経過し、フィールドには大神のエースらしき《ナチュル・ビースト》、黄昏のフィールドにもこのターンに《スクラップ・デスデーモン》なら召喚することはできるだろう。
ライフも互角、《ナチュル・モスキート》をどう処理するかが難しいが、いつもの黄昏なら対処できるだろう。
「黄昏君、いつものデュエル出来ていないね」
ぽつりと、誰に言うでもなく葵は呟いた。
先ほどのターン、《ハブ・リスク》を出す前に《スクラップ・キマイラ》で《ナチュル・ストロベリー》を攻撃していれば、ダメージは100少なくなるが《ブレイクスルー・スキル》を温存することが出来た。
そうすれば、最低でも黄昏のターンに《ナチュル・モスキート》を破壊することが出来た。
普段の黄昏なら、ダメージより墓地リソースを優先するはずだ。
それをしないということは、それだけ早くライフを削りきろうとしている。
視線の先でカードをドローしようとしている黄昏を見据えながら、七波はこのデュエルの結末が彼にどんな影響を与えてしまうのかが気がかりだった。
★
| 【黄昏】 0/3200 --○○- ● -■□□- | 【大神】 2/3200 ○○○○△ ◎ --□-- |
「オレのターン、《破滅へのクイック・ドロー》の効果も含めて2枚ドロー!」
【黄昏】
手札:0→1→2
手札に加わったのは《スクラップ・スコール》と《スクラップ・コング》。
場には《エンペラー・オーダー》があるため、《スクラップ・コング》のデメリットを無視できる。
「それよりも問題は、《ナチュル・ビースト》がどの効果を無効にしてくるか、だな」
先ほど《リビングデッドの呼び声》を発動した際はスルーされたが、あれだけでは罠カードが対象でないのか、それとも発動しなかっただけなのかはわからない。
罠カードなら今のところ大丈夫だが、もし対象がモンスター効果だった場合、《スクラップ・コング》を《エンペラー・オーダー》で無効にすることなく破壊され、召喚権を無駄にしてしまう。
魔法カードだった場合《スクラップ・スコール》が無効にされるリスクがあるが、それさえ突破できれば《スクラップ・ソルジャー》を墓地へ送り、《スクラップ・ツイン・ドラゴン》を出せる状況が作れる。
無効にされれば大神の手札が増えるのは痛いが、ここは一番無難な選択がいいだろう。
「俺は手札から速攻魔法発動《スクラップ・スコール》! 対象は《スクラップ・ゴブリン》だ」
「ならその発動にチェーンして《ナチュル・ビースト》の効果を発動!
デッキトップから2枚カードを墓地へ送り、魔法カードの効果を無効にする![神秘の断罪]」
「っ、魔法カードだったか……っ!」
《ナチュル・ビースト》の咆哮が《スクラップ・スコール》を砕き、発動を妨げられた。
「さらに相手のカード効果を無効にしたため、《ナチュルの森》を発動! デッキからレベル3以下のナチュルモンスターを手札に加える。
オレは《ナチュル・ナーブ》をサーチさせてもらおう!」
【大神】
手札:2→3
「手札は増やすことになったが、これで《ナチュル・ビースト》の効果は判明した!
俺は《スクラップ・コング》を召喚!」
《スクラップ・コング》
☆4・地属性・獣族
ATK:2000
フィールドに現れた《スクラップ・コング》はエヴァ戦の時同様、相手を威嚇するためにドラミングを行おうとする。
これを行えば《スクラップ・コング》は自壊し、第二の効果で墓地のスクラップモンスターをサルベージできる。
「けど、今回はこいつがフィールドにいてもらわないと困るんでな!
《スクラップ・コング》の自壊効果にチェーンして《エンペラー・オーダー》を発動!
その効果を無効にして1枚ドローする!」
【黄昏】
手札:0→1
「これで《ハブ・リスク》以外にチューナーと非チューナーが揃った。
俺はレベル3の《スクラップ・ゴブリン》でレベル4の《スクラップ・コング》をチューニング。異なる身体が結合し、やがて地獄の悪魔へと変貌する。シンクロ召喚、凶変せよ《スクラップ・デスデーモン》!」
《スクラップ・コング》、《スクラップ・ゴブリン》
フィールド→墓地
《スクラップ・デスデーモン》
☆7・地属性・悪魔族
ATK:2700
「ふむ、《ナチュル・ビースト》の攻撃力を超えてきたか。
だが、《ナチュル・モスキート》をどうにかしない限りダメージはそちら持ちだが?」
「それを気にして攻撃しないとでも思ったかよ!
《スクラップ・デスデーモン》で《ナチュル・ビースト》を攻撃![デモン・スクラップ]」
【黄昏】
ライフ:3200→2700
《ナチュル・ビースト》
フィールド→墓地
《スクラップ・デスデーモン》の爪が《ナチュル・ビースト》を引き裂き、破壊する。
そのダメージは黄昏が受けることとなるが、それでも魔法カードの使用を封じられた状態を脱却することが出来た。
「そしてメインフェイズ2、リバースカードオープン《針虫の巣窟》。
デッキトップからカードを5枚墓地へ送る!」
指定はできないが、一気に5枚ものカードを墓地へ肥やせるこの罠カードは黄昏も少なからず重宝している。
そして、墓地へ送られるカードの中に黄昏が望んでいたカードが1枚混じっていた。
「さらに墓地へ送られた《絶対王バック・ジャック》の効果! デッキトップを3枚確認して好きな順番で戻す。
……俺は《ダメージ・ワクチンΩMAX》、《異次元からの埋葬》、《貪欲な壺》の順番にデッキトップを操作する!
そしてカードを1枚セットしてターンエンド。
エンドフェイズ時に《ハブ・リスク》の効果も発動。
《リビングデットの呼び声》と《破滅へのクイック・ドロー》を交換する」
《リビングデットの呼び声》
大神→黄昏
《破滅へのクイック・ドロー》
黄昏→大神
| 【黄昏】 0/2700 --○○- ● -■□□- | 【大神】 3/3200 ○○-○△ ◎ --□-- |
矢継ぎ早にすべての処理を終えて黄昏はターンを大神に譲る。
本人はそんなつもりはないだろうが、やはり勝負を急いでいるのだろう。
「オレのターン、ドロー!」
【大神】
手札:3→4
「スタンバイフェイズに俺は《絶対王バック・ジャック》を除外して効果を発動。デッキトップをめくって、そのカードが罠カードならセットする。
デッキトップはもちろん罠カードの《ダメージ・ワクチンΩMAX》だからセットする」
《絶対王バック・ジャック》
墓地→除外
「ふむ、確か《ダメージ・ワクチンΩMAX》はダメージ計算時に受けたダメージ分回復するカードか。
一度ライフが減るとはいえ、《ナチュル・モスキート》の効果を1度は無力化できるというわけだ」
「たった一度だけ無効にしたところで、全然意味はないけどな」
「ふむ、まあそれがお前の見解ならそれでもいいだろう。
オレは《ナチュル・マロン》の効果を発動。
墓地の《ナチュル・チェリー》と《ナチュル・パンプキン》をデッキへ戻して1枚ドローする」
《ナチュル・チェリー》、《ナチュル・パンプキン》
墓地→デッキ
【大神】
手札:4→5
「そしてオレはレベル1の《ナチュル・チェリー》で、レベル3の《ナチュル・ロック》、《ナチュル・マロン》をチューニング。シンクロ召喚! 《ナチュル・ランドオルス》」
《ナチュル・チェリー》、《ナチュル・ロック》、《ナチュル・マロン》
フィールド→墓地
《ナチュル・ランドオルス》
☆7・地属性・岩石族
ATK:2350
地面が揺れたかと思うと、ナチュルの森の一部から除いていたいた空さえも
その大きさは高層ビルと変わらないほどだ。
『規格外』という言葉がピッタリなモンスターだが、その攻撃力は《スクラップ・デスデーモン》に届いていない。
大きさが攻撃力に関係があるというわけではないだろうが、それだけこのモンスターは戦闘には向いていないということなのだろうか?
(いやそれより、このモンスターも《ナチュル・ビースト》みたいに、何かの発動を無効にするだろうな……)
どっちだ、と黄昏は思考を巡らす。
9割9分、罠効果かモンスター効果の発動を無効にしてくるだろうが、黄昏の伏せてあるカードは《道連れ》。
モンスターが墓地へ送られたとき、フィールドのモンスターを文字通り道連れに破壊する罠カードだ。
そして、墓地にある《ペロペロケルペロス》は、ダメージを受けたときこのカードを除外することで、フィールドのカードを1枚破壊するモンスター。
大神は《ハブ・リスク》を攻撃してくるだろうから、その場合どちらのカードも発動条件を満たせるようになっている。
(これで確実に《ナチュル・モスキート》を破壊できる……!)
「バトルだ! ……っと行きたいところだが、大方その伏せカードはこちらのモンスターをどうにかするカードだろう?
念のためにメインフェイズ1のときに速攻魔法《禁じられた聖衣》を《ナチュル・モスキート》に発動しておく!
これにより、このターン《ナチュル・モスキート》は攻撃力が600ポイント下がる代わりに、効果の対象にならず、効果では破壊されない」
《ナチュル・モスキート》
ATK:200→0
《ナチュル・モスキート》が半透明な薄い膜で包まれる光景に、黄昏は苦い顔を浮かべる。
「さあ今度こそバトルだ! 《ナチュル・ランドオルス》で《ハブ・リスク》を攻撃![ナチュラル・ストライク]」
「く……っ!」
規格外の大きさを誇る《ナチュル・ランドオルス》の巨大な足が、《ハブ・リスク》をいとも容易く粉砕する。
その衝撃は見た目ほどの威力はなかったが、確実に黄昏のライフを削っていく。
【黄昏】
ライフ:2700→2150
「だが、この瞬間《ダメージ・ワクチンΩMAX》を発動! その効果により俺は受けたダメージ分回復する!」
「セットしていたライフ回復カードか。俺の心配は杞憂だったか?」
「それだけじゃない! 墓地の《ペロペロケルペロス》の効果を発動! ダメージを受けた時に墓地のこのカードを除外し、フィールドのカード1枚を破壊する!
破壊対象は《ナチュル・ランドオルス》だ!」
《ペロペロケルペロス》
墓地→除外
墓地から半透明な姿で現れた《ペロペロケルペロス》は、《ナチュル・ランドオルス》を破壊すべく接近し……
「《ナチュル・ランドオルス》の効果発動。手札の魔法カード1枚を墓地へ送り、モンスター効果を無効にして破壊する。
オレは手札の《強者の苦痛》を墓地へ送り、《ペロペロケルペロス》の効果を無効![異能の断罪]」
【大神】
手札:4→3
《ペロペロケルペロス》はその効果を発動する前に《ナチュル・ランドオルス》の周りを浮遊する大地に粉砕された。
「……チェーンの逆処理により、オレは《ダメージワクチンΩMAX》の効果でライフを回復」
「なら効果を無効にしたことで《ナチュルの森》で《ナチュル・ナーブ》をサーチする」
【黄昏】
ライフ:2150→2700
【大神】
手札:3→4
ダメージ計算のステップが終了し、フェイズはダメージステップ終了時に移る。
《ペロペロケルペロス》の効果は不発になってしまったが、逆に言えばこれで《ナチュル・ランドオルス》の効果と、もう一体いるであろうナチュルシンクロモンスターの効果も判明した。
《ハブ・リスク》
フィールド→墓地
「まだ終わってない! 俺はリバースカードオープン《道連れ》! 自分のモンスターが墓地へ送られたとき、フィールドのモンスター1体を対象に破壊する。
俺は《ナチュル・ランドオルス》を破壊!」
《ナチュル・ランドオルス》の足元から死霊の腕が無数に伸びていき、空を覆うほどの巨体を墓地へと引きずり込んだ。
《ナチュル・ランドオルス》
フィールド→破壊
「二段構えだったわけか。見事な戦術だ」
「どう見ても俺の方が被害甚大だろ。嫌味にしか聞こえないぞ」
「《ナチュル・ビースト》や《ナチュル・ランドオルス》の効果を知っているならいざ知らず、ナチュル自体初見なお前さんにしては上出来だろう?」
「これが本番ならそんなこと言ってられないだろ」
「ふむ……」
確かにな、と思う反面、気負いすぎていると感じてくるが、それを言っても聞かないだろうと大神は口を紡ぐ。
「メインフェイズ2に移り、手札の《ナチュル・ハイドランジー》の効果! このモンスターはナチュルモンスターの効果を発動したターンに、手札から特殊召喚することが出来る。
このターンは《ナチュル・マロン》の効果を発動しているから条件は問題ない。
よってオレは《ナチュル・ハイドランジー》を手札から特殊召喚!」
《ナチュル・ハイドランジー》
☆5・地属性・植物族
ATK:1900
【大神】
手札:4→3
フィールドに急激に咲く一輪の花。
名前からしてアジサイのモンスターだが、今の黄昏にはそんなことはどうでもよかった。
「これで、また《ナチュル・モスキート》が攻撃できなくなったわけか」
「それもあるが、忘れていまい?
オレはこのターン通常召喚を行っていない」
「……ちっ」
「オレは先ほど手札に加えた《ナチュル・ナーブ》を通常召喚」
《ナチュル・ナーブ》通常召喚
☆1・地属性・植物族
ATK:200
フィールドにチューナー1体と、《ナチュル・モスキート》を除く非チューナーが1体。そのレベルは6。
そこまで来れば、もはや何が来るのか容易に想像できた。
「オレはレベル1の《ナチュル・ナーブ》で、レベル5の《ナチュル・ハイドランジー》をチューニング。その咆哮は小細工を砕く力を宿す。シンクロ召喚! 吠えろ、《ナチュル・パルキオン》!!」
《ナチュル・パルキオン》
☆6・地属性・ドラゴン族
ATK:2500
フィールドに舞い降りた巨大な竜はその咆哮を轟かせる。
レベル5の《ナチュル・ビースト》が魔法の発動を無効。
レベル7の《ナチュル・ランドオルス》がモンスター効果の発動を無効。
とくれば、その間のレベルである6の《ナチュル・パルキオン》が無効にするのは罠の発動だろう。
よかったと思うべきかどうかはさておいて、現在の黄昏のフィールド、手札、墓地には利用できる罠カードは一枚も存在しなかった。
「一度のデュエルでこいつら3体を出したのはお前が初めてだ。
オレはこれでターンエンドだ」
「エンドフェイズ、《破滅へのクイック・ドロー》の維持コストは払ってもらうぞ」
「む、そうだったな」
【大神】
ライフ:3200→2500
「今さらだが、こうも何度も入れ替える必要はあったのか?
確か、《破滅へのクイック・ドロー》はお互いに効果が適応されるカードだ。
最初の一回で大丈夫だっただろうに」
「それの種明かしは今行ってやるよ!
《ハブ・リスク》が破壊され、墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時、直前のターンに効果が適応されたカードが2枚存在する場合に発動!
まず、フィールドの表側表示のカードの数×300ポイントのバーンダメージを与える!」
「っ、フィールドには合計で8枚のカード……」
「2400ポイントのダメージだ!」
【大神】
ライフ:2500→100
フィールドに表側表示のカード1枚1枚から《ハブ・リスク》の口内にあった骨のようなものが生えてくると、それらが大神目がけて射出された。
その1本1本はそれほどのダメージではないが、束になったことで軽視できないほどのダメージに膨れ上がった火力が大神のライフを一気に削る。
「ぐう、さすがにこれは効いたわい」
「……その後、直前のターンに効果の適応されたカードは俺のプレート魔法にインフェクトされる」
《リビングデッドの呼び声》、《破滅へのクイック・ドロー》
フィールド→IV
《罠解卓上》
IV:1→3
| 【黄昏】 0/2700 ---○- ● ---□- | 【大神】 2/100 --○-△ ◎ ----- |
エンドフェイズの猛攻により、大神をもう一歩のところまで追い詰める。
しかしここで油断するわけにはいかない。ライフが0になるまで何が起こるかわからないのがデュエルだ。
なにより、ライフアドバンテージ以外はフィールド、手札ともに大神の方が有利なのだ。
「確実に勝ちが確定するまで容赦はしない!
俺のターン、ドロー!」
【黄昏】
手札:0→1
ただならぬ殺意とともに引いたカードに黄昏は小さく笑った。
「速攻魔法、《異次元からの埋葬》を発動! 除外されているモンスターを3体まで持ち主の墓地へ戻す!
俺は《ペロペロケルペロス》と《絶対王バックジャック》を墓地へ戻させてもらう!」
《ペロペロケルペロス》、《絶対王バックジャック》
除外→墓地
《ペロペロケルペロス》が墓地へ戻った。これが何を意味するのかは言う必要はないだろう。
「バトル! 《スクラップ・デスデーモン》で《ナチュル・パルキオン》を攻撃![デモン・スクラップ]」
《ナチュル・モスキート》によるダメージ覚悟で上空で佇む竜を攻撃する。
しかしその瞬間大神が不敵に笑い、黄昏はその判断が軽率だったのだと直感した。
「ダメージ計算時、手札から《ガード・ヘッジ》を捨ててその効果を発動! 戦闘する自分モンスターはその戦闘では破壊されず、攻撃力は半分になる。
本来なら半分になった分の戦闘ダメージを覚悟しなくちゃならんが……」
「《ナチュル・モスキート》の効果でその分のダメージは俺が受けるってわけか……」
【大神】
手札:2→1
《ナチュル・パルキオン》
ATK:2350→1175
《スクラップ・デスデーモン》の爪が振るわれる直前、周囲の木々が《ナチュル・パルキオン》を包み込むように生い茂る。
木々により動きが制限され攻撃力が下がる《ナチュル・パルキオン》は、しかしその木々により破壊を免れた。
さらに、そのダメージは本来受ける大神ではなく、黄昏の方に向かう。
「ぐ……っ!」
【黄昏】
ライフ:2700→1175
最悪だ、と黄昏は口には出さないが顔をしかめる。
状況が悪いのももちろん、こんな状況になって初めて自分が焦っているのだと理解したのだ。
「だが、それでもこのダメージ分のやり返しはさせてもらう!
ダメージを受けたとき、墓地の《ペロペロケルペロス》を除外してフィールドのカード1枚を破壊。
そろそろ《ナチュル・モスキート》にはご退場願おうか!」
《ペロペロケルペロス》の幻が《ナチュル・モスキート》を食らい、フィールドから消滅する。
ここまで黄昏のライフを蝕んでいた元凶がフィールドから去った。しかし、その代償は無視できないほど大きい。
「それでも、これで最低でも相手が受けるダメージで死ぬなんて無様な負け方はなくなった。まあ、蘇生されたらそれまでだけどな。
俺はこれでターンエンドだ」
「エンドフェイズ、《ガード・ヘッジ》の効果で半分になっていた攻撃力が元に戻る」
《ナチュル・パルキオン》
ATK:1175→2350
| 【黄昏】 0/1175 ---○- ● ---□- | 【大神】 1/100 --○-- ◎ ----- |
「オレのターン、ドロー!」
【大神】
手札:1→2
「ふむ、このカードか。なら俺は《ナチュル・レディバグ》を通常召喚する」
《ナチュル・レディバグ》通常召喚
☆1・地属性・昆虫族
ATK:100
引いたカードは手札に加え、もう1枚のカードを切って呼び出したのは人間大のテントウムシ。
《ナチュル・モスキート》がいなくなった今、低ステータスモンスターを攻撃表示で出す必要はない。
なら……
「そいつはどんな面倒な効果を持ってるんだ?」
「別に至極単純な効果だ。
オレは《ナチュル・レディバグ》をリリースしてその効果を発動。フィールドのナチュルモンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる。
これで《ナチュル・パルキオン》の攻撃力を1000上げさせてもらおう!」
《ナチュル・レディバグ》
フィールド→墓地
《ナチュル・パルキオン》
ATK:2350→3350
「ちっ、単純に攻撃力で超えてきたか!」
「さあバトルだ!
《ナチュル・パルキオン》で《スクラップ・デスデーモン》を攻撃。[ハウリング・テンペスト]」
「つ……っ!」
《ナチュル・パルキオン》の咆哮は質量を持って《スクラップ・デスデーモン》を砕き、その後方にいる黄昏を軽く吹き飛ばした。
【黄昏】
ライフ:1175→525
《スクラップ・デスデーモン》
フィールド→墓地
「さて、そろそろデュエルも終いかもしれんな」
オレはカードをセットしてターンエンドだ。」
| 【黄昏】 0/525 ----- ● ---□- | 【大神】 0/100 --○-- ◎ --■-- |
「勝ちを譲る気はねえぞ。俺のターン、ドロー!」
【黄昏】
手札:0→1
引いたカードは《貪欲な壺》。
カード2枚を引ける代償としてほとんどない墓地アドバンテージを失ことになる。
とはいえ、これ以上悠長にカードが来るのを待っていたら本当に黄昏の負けで決着がつきかねない。
「来ないなら無理やり引き抜く。そのためにならアドバンテージなんて無視だ!
通常魔法《貪欲な壺》を発動!
墓地の《ハブ・リスク》、《スクラップ・デスデーモン》、《スクラップ・コング》、《スクラップ・キマイラ》、《絶対王バックジャック》をデッキへ戻して2枚ドローする!」
《ハブ・リスク》、《スクラップ・デスデーモン》
墓地→エクストラデッキ
《スクラップ・コング》、《スクラップ・キマイラ》、《絶対王バックジャック》
墓地→デッキ
【黄昏】
手札:0→2
「……さらに《手札抹殺》発動!
お互い手札をすべて捨てて捨てた分ドローする!」
【黄昏】
手札:1→0→1
「…………………」
「いいカードは引けたか?」
大神の問いに黄昏は無言を返す。確かに引いたカードは目的のカードに近いものだ。
黄昏はそれをデュエルディスクの左上に叩き付ける。
「フィールド魔法、《疑似空間》発動!」
デュエルディスクがカードを読み込む。しかしフィールドは依然《ナチュルの森》のままで黄昏側のフィールドにも変化はない。
「《疑似空間》。確か、墓地のフィールド魔法を除外することで、1ターンだけそのフィールドを再現するフィールド魔法か」
「ああ、そうだ」
黄昏のデッキにある《スクラップ・ファクトリー》は、リリアによって描かれた世界に1枚だけのオリジナルカード。
そのカードが破壊された場合の代用として入れていたのだ。
しかし今は黄昏の墓地に《スクラップ・ファクトリー》がないため、効果はないに等しい。
「だがプレート魔法の効果は使える。俺はまず《エンペラー・オーダー》をインフェクト!」
《エンペラー・オーダー》
フィールド→IV
《罠解卓上》
IV:3→4
「そして《罠解卓上》の効果を発動! IVとなっている《エンペラー・オーダー》と《リ・バウンド》を墓地へ送って2つあるうちの片方の効果を発動できる。
俺はデッキから1枚ドロー!」
《罠解卓上》
IV:4→2
【黄昏】
手札:0→1
引いたのは罠カード。《ナチュル・パルキオン》がフィールドで居座っている間は意味をなさない。
なら、再び引き寄せればいい。
そして、今の黄昏にはそれが出来る状況が整っている。
「《罠解卓上》のこの効果にターン制限はない。俺は残りの《リビングデッドの呼び声》と《破滅へのクイック・ドロー》も墓地へ送ってさらに1枚ドロー!」
《罠解卓上》
IV:2→0
【黄昏】
手札:1→2
アドバンテージを無視し、フィールドをほぼがら空きにして得た2回目のドロー。
悪あがきにも等しいものだったが、確かに黄昏はチャンスを掴んだ。
「俺は《スクラップ・キマイラ》通常召喚!」
フィールドに降り立つ、黄昏のデッキの発火装置。
今のフィールドにその効果を防ぐものはいない。
「《スクラップ・キマイラ》の通常召喚時の効果! 墓地のスクラップチューナーを1体蘇生する!
俺は……」
ここで、黄昏に迫られる選択肢は二つだ。
一つが、《スクラップ・ゴブリン》を蘇生して《スクラップ・デスデーモン》をシンクロ召喚すること。
もう一つが、《スクラップ・ビースト》を蘇生して《スクラップ・ヘルサーペント》をシンクロ召喚すること。
大神のライフならどちらでも決着をつけることはできる。
大神の伏せカードが気になるが、わからないのならどうすることもできない。
《奈落の落とし穴》などだったらそもそも考えるだけ無駄になるのだ。結局は黄昏がどちらを出したいかだろう。
(いや、俺は《スクラップ・ヘルサーペント》を出さなくても勝てることを証明しないといけない。
なら、選択肢なんて最初からない!)
再度自分の中で決意を改め、黄昏は自分の選んだ未来を進む。
「俺は《スクラップ・ゴブリン》を蘇生!」
《スクラップ・ゴブリン》
墓地→フィールド
「ふむ、なら出すのは《スクラップ・デスデーモン》か!」
「ああ、そうだよ!
俺はレベル3の《スクラップ・ゴブリン》でレベル4の《スクラップ・キマイラ》をチューニング。異なる身体が結合し、やがて地獄の悪魔へと変貌する。シンクロ召喚、さあもう一度出番だ《スクラップ・デスデーモン》!」
《スクラップ・ゴブリン》、《スクラップ・ビースト》
フィールド→墓地
《スクラップ・デスデーモン》
ATK:2700
再びその姿を現した《スクラップ・デスデーモン》が雄叫びを挙げる。
「バトル!《スクラップ・デスデーモン》で《ナチュル・パルキオン》を攻撃![デモン・スクラップ]」
黄昏の命令に従い《スクラップ・デスデーモン》が駆ける。
その腕が抵抗する《ナチュル・パルキオン》を引き裂き、衝撃が大神を襲う直前、そのダメージが黄昏の方に反射した。
「なっ!?」
《ナチュル・パルキオン》
フィールド→墓地
【黄昏】
ライフ:525→175
ライフが削られ、一瞬何が起こったのかわからなかったが、すぐにその効果に見覚えがあることに気づいた。
「《ナチュル・モスキート》……!」
「そうだ。俺は《スクラップ・デスデーモン》の攻撃宣言時に《リビングデッドの呼び声》を発動させてもらった。
これにより、墓地の《ナチュル・モスキート》を蘇生。効果でダメージを反射したというわけだ」
《ナチュル・モスキート》
墓地→フィールド
決着はつけることが出来なかった。
しかし大神のエースモンスターすべてを葬ることができ、あと少しのところまで追いつめている。
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
| 【黄昏】 0/175 --○-- ⦿ --■-- | 【大神】 0/100 ----○ ◎ ----- |
お互いライフは残り僅か。どんなダメージでも決着がついてしまうこのデュエルの結末はもはや手の込んだコンボなどは必要なく、お互いのドローしたカード次第で決定する。
「オレのターン、ドロー!」
【大神】
手札:0→1
両者緊張の一瞬。
観客の七波たちも固唾をのんで見守る中、大神はそのカードを確認するとそのまま発動した。
「手札から《ミラクルシンクロフュージョン》発動!
シンクロモンスターを素材とする融合モンスターの素材を、自分のフィールド、墓地から除外することで融合召喚を行う!
俺が除外するのは墓地の《ナチュル・ビースト》と《ナチュル・パルキオン》だ!
奇跡を肥しとする雄々しき獣よ、小細工を砕く咆哮を轟かせる竜よ、今自然の輪廻に導かれ新たな力を得て蘇る。融合召喚! 神秘なる森を守護する神々しき獣《ナチュル・エクストリオ》!」
《ナチュル・ビースト》、《ナチュル・パルキオン》
墓地→除外
《ナチュル・エクストリオ》
☆10・地属性・獣族
ATK:2800
フィールドにゆっくりとした動きで現れたモンスターは、素材となった《ナチュル・ビースト》が同じく素材の《ナチュル・パルキオン》の亡骸をまとっているように見える。
《ナチュル・エクストリオ》が放つ重圧は、今までのナチュルシンクロモンスターの比ではなかった。
しかし、不思議とその重圧には身に覚えがあった。
それもつい最近感じたものだ。
そこまで考えると、自ずと目の前のモンスターの正体が見えてきた。
「そいつ、獅子座を象徴するモンスターか?」
「ふむ、キャンサーのモンスターと対峙したから気づくのも早いな。
そうだ。こいつがオレのエースモンスターであり、獅子座の象徴。
オレが
「……出来れば退場願いたいんだけどな。《ナチュル・エクストリオ》の召喚成功時にリバースカードオープン《激流葬》!
フィールドのモンスターをすべて破壊する」
フィールドの中心に墓地へと続く風穴が空き、その中に流れ込むように洪水が起こる。
巻き起こる激流は敵味方関係なく等しく猛威をふるい、破壊さえできるのであればフィールドからモンスターが全滅してしまうことだろう。
そう、破壊できれば、だが。
「――《ナチュル・エクストリオ》の効果を発動。墓地のカードを1枚除外することで魔法、罠カードの発動を無効にし、その後デッキトップから1枚墓地へ送る。
俺は《ナチュル・ランドオルス》を除外して《激流葬》の発動を無効にさせてもらう。[庇護の断罪]」
《ナチュル・ランドオルス》
墓地→除外
フィールドを一掃する水の脅威は、《ナチュル・ランドオルス》の魂を力に変えた《ナチュル・エクストリオ》の咆哮により辺り弾け飛んだ。
しかし黄昏は驚愕ではなく、予想通りのことが起こってしまったという落胆の表情を浮かべていた。
「その様子だと、わかっていて発動したようだな」
「発動してもいなくても結果は同じなんだ。
なら、もしもに賭けて発動しただけだ。ただの悪あがきだよ」
ふむ、と大神は顎に手を置いてその言葉を噛みしめる。
「なら、こちらも最後まで全力で行くのが礼儀か。
オレは相手のカードの発動を無効にしたことで、《ナチュルの森》の効果でデッキから《ナチュル・バタフライ》をサーチする」
【大神】
手札:0→1
すでに決着はついているが、大神は次のターンに備えてデッキからカードを加える。
「バトルだ。《ナチュル・エクストリオ》で《スクラップ・デスデーモン》を攻撃。[ナチュラル・エクステリア]」
「ぐ……」
《ナチュル・エクストリオ》の突進は単純だがそれ故に圧迫感があり、《スクラップ・デスデーモン》は応戦するもその身体はバラバラに吹き飛ばされた。
【黄昏】
ライフ:175→75
《スクラップ・デスデーモン》
フィールド→墓地
「これで終いだ。《ナチュル・モスキート》で直接攻撃」
「………………」
抗う術はすべて失い、小さな攻撃をただ受けることしかできなくなった黄昏はライフが尽きるのをただじっと眺める。
【黄昏】
ライフ:75→0
終わりは静かに、しかしデュエルディスクのブザーはけたたましくその終幕を告げていた。
相変わらずほぼ月一更新になってますが、今年もゆっくりとですが更新していきます