オラリオで娯楽革命を   作:寝心地

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決着

【ヒルディス・ヴィーニ】が不発に終わったオッタルは剣とベルを見比べる様に視線を交互に動かす。

 

「どうした【猛者】?魔法を防がれたのは初めてでは無いだろう?それとも【何も言わず黙って見ている】程私がお人好しだとでも?」

 

「……………………いや、貴様には何度驚かされるのかと驚嘆していた。ほぼ完成した魔法から【魔力暴発】を引き起こすとはな。だが、同じ手が通用する程俺も愚かでは無い」

 

「そうだろうとも。さて、そろそろ終わらせよう」

 

ベルはそう言うと同時に弾を装填しオッタルに銃口を向ける。

 

意図を察したオッタルも大剣を構える。2人が言葉を紡ぐのは同時だった。

 

「【体は剣で出来ている。(I am the bone of my sword)】」

 

「【銀月の慈悲、黄金の原野。この身は戦の猛猪を拝命せし】」

 

オッタルの【ヒルディス・ヴィーニ】とベルの【無限の剣製】、オッタルはこの瞬間、自身の先手を確信した。

 

命中こそしなかったものの1度見た発動までのタイミングは【ヒルディス・ヴィーニ】よりも遅く良くて相殺、運が良ければ押し勝てると信じて疑わなかった。

 

「【駆け抜けよ、女神の神意を乗せて】【ヒルディス・ヴィーニ】」

 

ゆっくりと斬撃を放つ体勢を取り後は振り下ろすだけ、その筈だったオッタルは衝撃の言葉を耳にする。

 

「【その体は、嘗て剣で出来ていた(So as pray UNLIMITED LOST WORKS)。】」

 

「ッ!!」

 

ベルは間の詠唱をすっ飛ばし魔法を完成させ弾丸を発射した。

 

魔法を発動し斬撃を放つ体勢に入っていたオッタルに回避は不可能、迫りくる弾丸はオッタルの皮膚では無くベルが【鶴翼三連】で付けた傷口から侵入し内臓を傷付け無数の剣となってオッタルを刺し貫いた。

 

「ガハッ!!」

 

これにはオッタルも堪らず膝を付きベルを睨む。

 

「貴様…………魔法の詠唱の省略を」

 

「君の魔法は私のより速いからな、少々切り詰めさせてもらった」

 

「最初の詠唱は…………」

 

「ブラフ…………と言うわけでもないが、俺の詠唱が長ったらしい物と思わせる為の策略だ、君の詠唱の方が私より長ければ切り詰めるつもりもなかった、手の内をあまり晒したく無いからな」

 

そう言いながらベルは弾を装填しオッタルに銃口を向ける。

 

「さらばだ」

 

そう言いベルは引き金を引く。

 

「止めろおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

そこに白と黒の何かが飛び出し銃口がオッタルからズレる。

 

ベルは驚きそちらを見るとそこにはヘスティアの姿があった。

 

「遅いぞヘスティア、もう終わる所だった」

 

リュウイチ達も近付き春姫も走って来ていた。

 

「お、遅くなり申し訳ありません」

 

息を切らせながら春姫は謝意を述べヘスティアはベルの前に立つ。

 

「ベル君止めるんだ、僕達の目的はフレイヤを止めること、人殺しじゃない」

 

「だがそこの【猛者】は生きている限り、女神に触れさせるつもりは無いらしい。ならば殺してから会った方が確実と言うものだろう?」

 

「それでも駄目だ。それをすればフレイヤと同じになる。力で無理矢理手に入れ感情のまま殺し生かす、そんなものは【英雄】じゃない、そうだろう?」

 

「………………………………」

 

「ベル、戻って来なさい。その人が何者か私は知らないがそっちに行ってはいけない事だけは分かる。魔法を解きなさい」

 

リューもベルにそう言い聞かせる。

 

「……………………ッ!?ゲホッゴホッ!!ウェッ!!……………………ここは?」

 

その時、ベルは突然苦しみだす。魔法が解けた様だ。

 

「ふぅ~、今回は流石にヒヤッとしましたね」

 

「安心するのはまだ早い、フレイヤに会いに行くぞ」

 

こうしてベル達はオッタルを撃退しフレイヤの元へ向かった。




明日と明後日はお休みします。
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