普段は"赤評価の(ここ大事)"ブルアカ×マイクラのクロスを書いてたりするのですが、試験的な取り組みとしてこの二次創作を出してみました。
よければそちらも見て行ってください。
男、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアは計画の最終段階に移行していた。
万能の願いを叶えると言われる聖杯を用いた魔術儀式━━聖杯戦争。
参加者たちは英霊をサーヴァントとして召喚し、最後の1騎になるまで殺し合う極めて特殊な戦争だ。
かつてダーニックは日本で行われた第3次聖杯戦争でナチスドイツと共謀して自身の召喚したランサーのサーヴァント、フィン・マックールと共に聖杯戦争を勝利し、その根幹である大聖杯を奪取することに成功した。
その後はダーニックはナチスドイツを裏切り大聖杯を隠匿するために亜種聖杯戦争を起こさせるように仕向け、陰で長々と計画を進めていた。
そして今日、この日に聖杯大戦を宣言する。
それがダーニックという人物を
しかし、実際の所ダーニックの考えは違っていた。
「もうここまで来たか‥‥‥。」
ここからは彼の独白である。
「確かに私は聖杯戦争に勝つためにナチスと協力してアインツベルンやマキリの相手をして大聖杯を奪取した。しかし、元はと言えばあれは
思い出すは当時ナチスのSS将校時代の大やらかしをした時である。
「それで、ダーニック中尉。その手のあざは何だ?」
「え…ぁ‥‥‥フランツ大佐‥‥」
当時の私は足かけてきたのはフランツ・ヴァルター・シュターレッカー。*1
ナチス・ドイツ親衛隊(SS)の将校で現時点での階級は大佐だが最終は少将。
一時私の面倒を見てくれていた者だった。
彼には会って早々これが何なのか詰め寄られた。
魔術で隠蔽するのを怠っていた際に腕に出来ていた令呪を見られるという失態を思いっきりしてしまったのである。
周囲には彼の部下も数名居たので、その場で暗示の魔術を使えない状況であったため仕方なく彼にすべてを話した。
「ふむ‥‥成程、聖杯戦争か‥‥‥実に面白いではないか」
「そう…ですね」
「どうした?体調が優れないように見えるのだが」
「いえ、問題ありません(マズいな‥‥‥)」
間違いなく聖杯という願望器に興味を持ってしまっているヴァルター。
これにはダーニックもいろいろと焦った。
実のところダーニックはユグドミレニア一族の栄光のために聖杯戦争に参加したのではない。
ただただ魔術師として、『 』を目指す魔術師として、興味本位で腕試し程度で参加しただけなのだ。それこそこの数年後に参加した初代ロード・エルメロイと同じ理由だ。
もし優勝して聖杯で『 』に至れたらそれでヨシ、至れなくても聖杯戦争に勝った・聖杯を持って帰ったということで、それはそれで経歴に箔がつくのでヨシ。
そんな浅はか気味な考えで参加する予定だったのだ。
「時に、ダーニック君。もし私がもう間もなく勃発するであろう世界大戦の際に大聖杯に勝てるように願ってみよう。もしその場合はどうなるのだ?」
「はっ!場合にもよりますが、特にその結果までの過程を出力させない限りは推測の域ですが、敵対する国の全ての人をだれ一人残さず殺すでしょう」
「成程‥‥‥では、最新の兵器によって勝利する、相手が次々と自滅してこちらが勝つ、こちらが戦いで連戦連勝すると願った場合、聖杯はこれを出力できるか?」
「小難しい過程でなければそうなるでしょう」
「そうか、ならばダーニック中尉。私の部隊を貸そう、必ずや聖杯を持って帰れ、そしてそれを我らが総統閣下に献上せよ」
こうなることは必然だったと言えるだろうう。
いや、予想外だったのは部隊を貸しだされたことだ。
彼の部隊『アインザッツグルッペン』は上は国家保安本部、下は武装親衛隊とオルポで構成された殺人部隊だ。
構成員のほとんどがエリートではあるのだが、国防の長官ラインハルト・ハイドリヒが部下の将校たちにナチスに忠誠心を問うために殺戮任務を負わせるために送らされる懲罰部隊なので全く人気のなかった。
ただ、反ユダヤ主義者の隊員は自ら望んで殺戮をすることがあるため一部の層からは人気があったが。
貸し出されるのは当時ヴァルターが指揮していたアインザッツコマンド、本来はオーストリアに派遣される予定だったスパイ部隊の分隊一つを丸々貸し与えられた。
間違いなく「部下を使ってでも勝利せよ、失敗は許されない」、ということであろう。
興味本位で参加したはずの戦いがなぜかガチで挑まなければならなくなったこの時のダーニックは胃を痛め、腹を抑えながらも了承した。
その後はコマンドに御三家以外の参加者となぜかやってきた(大日本)帝国陸軍を暗殺・武力行使で何とかしてもらうと、マキリは正面から大激戦を、遠坂は避けて、アインツベルンは急襲で担い手を殺すということをして何とか勝つことが出来た。
しかし、またもや胃痛がやって来る。
聖杯を確保していざヴァルターに見せると今度は‥‥‥
「ダーニック中尉、すまないが
「‥‥‥‥‥‥。」
「だからこれを今総統閣下に渡すのではなく、最終手段として戦況が悪化したら献上すれば良い。今の状況なら負ける可能性は低いが万が一があるからな。ああ、このことは私と君の二人だけの秘密にしておこう。大聖杯という願望器が外部に漏れたら大変よろしくない、良いな?」
「承知致しました‥‥‥」
こうして私はしばらくの間大聖杯を世に出さずに徹底的に隠匿して管理することとなった。
第二次世界大戦が勃発し、快勝で次々と進んで行ったナチスドイツだったが、ある戦いで戦況で悪化してしまった。
『ノルマンディー上陸作戦』、1944年6月6日に連合国軍によって行われた、ナチス・ドイツ占領下のフランス北部への上陸作戦、この作戦に敗れたナチスドイツは敗戦の一途を辿っていった。
大抵の人はこのタイミングで大聖杯を使えば、と思うかもしれないだろう。
確かに大聖杯ならこの状況を逆転できることは可能だろう。
しかし、私にはソレができなかった。
理由としては主に二つ。
一つ目が「魔術の隠匿」という観点で使用がよろしくないということ。
これは後々「よくよく考えれば魔術の隠匿破ることになるな」と気づいてしまったからである。
魔術の隠匿を破れば間違いなく魔術協会から見放される、いやそれどころか世界の情勢が一気に変わってしまうだろう。
二つ目が「魔力が足りなかった」ということだ。
結局試しても『 』には至ることが出来なかったのでただの飾り物と化していた大聖杯。
というのも汲まれているサーヴァントの魂が『 』に至るぐらいまで足りていなかった。というかどう頑張っても5つ程の聖杯戦争で召喚されたサーヴァントの全てが大英雄でなければ聖杯で『 』に至ることはほぼ不可能に近しいだろう。
軽く物を貰う程度のことはできたのだが‥‥‥
この状態の大聖杯で帝国の勝利を願ったとしてもかなわないor自分の想定している過程に沿わない可能性が高く、そのことを考慮して使うかどうかの判断を悩み続けていたら大戦にいつのまにか負けてしまっていたのだ。
大聖杯のことを知っていたヴァルターも42年にパルチザンの襲撃で命を落としていて、戦況が悪化した44年以降は大聖杯について知っているのは自分だけだった。
私は魔術師ではあるが軍で世話にしてもらっていた死人の義理は果たすべきだと考えていた。
さすがに道を外して粛清されるべき外道へと落ちるつもりはなかったからだ。
しかし、結局はその義理を果たすことが出来なかった。
そこで私は諦めた。
時にこの悩みの種となった大聖杯を破壊しようと考えた、それも自分が『 』に至るのを諦めてまでだ。
というのもユグドミレニア一族はもう衰退気味であり『 』に至る可能性は数十世代後にあるかないかだろう。
カウレスやフィオレという魔術師として大成するであろう優秀な人材もいるが、それでも衰退の歯止めは効かない。
次世代にユグドミレニアが持っている魔術の技術を教える目的で、今後の魔術の発展のために時計塔で講師をした。
政治事をやって「八枚舌」と呼ばれていたせいで人気は無かったのだが、唯一
90年代後半になった末、私は悩んでいたことを変な方向に吹っ飛ばした。
そして決断をした。
『私は若作りをしているとはいえもう老い先短い。なら最後に一暴れてしてやろうではないか』、と。
大聖杯の存在を時計塔に良いタイミングでバラし、大規模な聖杯戦争を起こす。
このまま未使用のまま大聖杯を解体するよりかは可能な範囲で使うべきだろう。
第一次~第三次までのサーヴァントの魔力に今回召喚するサーヴァントの魂の一部、それを大聖杯に汲んで願望器として使用する。
使用するのは私ではない。
これにつき合ってくれる我が一族とその傘下の魔術師、余裕があれば相対する魔術師たちにもだ。
どの道大聖杯で一族の繁栄や『 』に至ることはほぼ不可能である。
ならばそれ以外で大聖杯を使ってやろう。
魔術協会からすれば大迷惑だろうが、それで構わない。
あの陰湿で嫌悪感がする場所に強烈な一撃を与えて一泡吹かせてやろうじゃないか。
聖杯大戦に勝った後、召喚されるサーヴァントの願いも可能な限り叶えたら大聖杯を破壊か解体し、それが終われば一族と参加者を見逃すこと交渉をさせた末、私はこの一件を起こした首謀者として、一族及び参加してくれた者たちの責任をすべて負って魔術協会へ向かおう。
この大聖杯を有効活用してくれたのなら私は喜んで処刑台へ立とう。
幸いこの計画に降霊科のロード代理兼現召喚科学部長のロッコ・ベルフェバンや考古学科学部長兼鉱石科学科長のロード、カルマグリフ・メルアステア・ドリューク等の中立派や守旧派、後は民主主義派が協力してくれた。
このことを同じ参加者、ゴルドと唯一の教え子にはすべて伝えている。
両者とも潔くマスターとして引き受けてくれた。
途中ゴルドが話半分に聞いていたのだが、後で電話で連絡すべきだろう。
亜種聖杯戦争に参加経験のある天体科のマリスビリーには声をかけていない。
あいつは一般的な魔術師のように思えるが、化け物と言える手腕と常軌を逸した思考回路を隠し持ってる。そんな奴に協力を持ち掛けるわけにはいかない。
正直なところ聖杯戦争を起こす目的は「ただ暴れてやりたい」というだけなのだ。
このまま死ぬよりも巨大な祭りごとをやってから死んでやろうという身勝手な考えである。
これが私、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニアの本心だ。
(独白終了)
召喚に必要な触媒も準備出来ている、さて召喚しようとダーニックが魔法陣の作成をしている。
召喚するのはかの王、ルーマニアで串刺し公と呼ばれたウラドⅢ世。
恐らくはこのルーマニアで最大の知名度補正がかかり、ランサーとして存分に実力を発揮するだろう。
いざ召喚しようと思った時、ダーニックの脳裏にはある考えが過った。
「いや待てよ‥‥安易にウラドⅢ世を召喚すべきか? 召喚できたとしても間違いなく協会側は対ウラドⅢ世の対策が為されている可能性が高いな」
ダーニックの目的は自陣営の勝利である。
そのためにわざわざ大聖杯に細工を施し、7対7という大規模な聖杯戦争へなるように仕組んだ。
時計塔側に協力者は居るのだが、向こうの陣営の参加者は全員は表向きのダーニックらユグドミレニアの討伐という目的しか知らず、本来の目的を知らない。
これは一流の魔術師とは言えど、大聖杯を悪用する輩が紛れていた時の防止策としてだ。だからこそ、この戦いは聖杯を使わせるか見極めるという試練でもある。
そういうわけでダーニックはこの場所なら最大戦力となるウラドⅢ世を召喚しようとしたのだが、疑問が生まれた。
確かにウラドⅢ世は"このルーマニアなら"間違いなくトップクラスのサーヴァントとなるだろう。
しかし、その姿・能力ほぼ間違いなく真名が露呈するのは愚か、対策を早急に取って来る可能性が高い。
例えば、ある亜種聖杯戦争の話、現ロード・エルメロイⅡ世が召喚した征服王イスカンダルや召喚されるたび協会の悩みの種となっている真名不明の赤い外套のアーチャー。
彼らの持つ宝具の中には固有結界を生み出すものがある。
もし固有結界内でウラドⅢ世が戦う場合は、
そうなれば相手の強さにもよるが、大抵負けるだろう。
このような固有結界持ちや場所の判定を上書き・変更する宝具やスキルを持ったサーヴァントが相手方に居れば、早々に知名度補正の意味をなさなくなるだろう。
「となれば‥‥‥召喚するサーヴァントを変えるべきだな」
こうなるのも必然と言えるだろう。
ランサーとして他に候補を上げるなら以前召喚したフィン・マックールだが、魔術協会に確認されているので対策も簡単にしてくるだろうから除外だ。
円卓の騎士の槍使いことガレスやパーシヴァル、トロイアの大英雄ヘクトールは‥‥そもそも触媒が無いので呼べない。
ならば何を呼ぶかと悩んでいた時、ふとひらめいた。
「そうか、日本の亜種聖杯戦争に参加したサーヴァントなら‥‥!」
実のところ、日本で行われる亜種聖杯戦争というのは他の国で開催される亜種聖杯戦争と違って時計塔や魔術協会がサーヴァントの情報や起こったタイミングを探知しにくいという性質がある。
これは日本というのは極東にある島だから、日本にいる聖堂協会の動きは遅い、聖杯戦争関連による大事件が一度も起こっていないからなどの理由が取り上げられる。
日本の亜種聖杯戦争はアメリカやらイギリスやらギリシャやらの大規模なそれとは違ってぐだぐだとしたのが多いせいか、注目視されていない。
日本の英霊というのは一騎当千の猛者が多い。
かの戦国の覇者と呼ばれた織田信長、戦略家として平和な世を築いた徳川家康、剣豪として活躍した宮本武蔵など武力面でもそうだが知力面でも強い者が多い。
同時に例え知名度補正が低くても平均的なスペックが高いサーヴァントのケースが多い。
ウラドⅢ世を召喚しているかと思った相手の参加者たちの意表を突くカウンターとして申し分のない英霊たちだろう。
しかし、(元)冬木の聖杯戦争の聖杯の概念上東洋の英霊はこの大聖杯では呼べない。
一応聖杯の調整の際にインドや中国の英霊は呼べるようになってしまっているが、これでは日本の英霊は呼べないだろう。
しかし、何事にも例外というのが存在する。
御三家の一つであるアインツベルン。
彼らは以前サーヴァントの召喚呪文の研究をしていた時期があり、実際にその成果として基本クラスのバーサーカーを始め、アヴェンジャーやルーラー、エクストラクラスをランダムに召喚する術式を開発している。
ゴルドがアインツベルンからホムンクルスの技術の提供を受けている中で偶然にもバーサーカーとエクストラクラスの術式を入手することに成功している。
その二つの術式を比較してさらに研究を進めていく中でダーニックは日本の英霊を確実に呼ぶ術式を編み出していた。
長年生きていただけあって、その手のことには得意だった。
ダーニックはすぐさま日本の亜種聖杯戦争による資料を片っ端から閲覧した。
日本の亜種聖杯戦争は規模は小さいのだが、本場のイギリスやギリシャ並みに回数が多く探すのに困難を極めた。
そうして数分後、探すに探してついに召喚するに値する英霊を見つけた。
その触媒を都合よく傘下の魔術師が所持していたので、早速それを送ってもらい、いざ召喚を開始する。
加える術式は、
「されど汝の
これだけで日本の英霊を召喚できるかは仮説以上結論未満の段階だったので心配であったが、
「サーヴァント・ランサー、召喚に応じ参りました」
呼ばれたランサーは見た目から分かる通り日本人だというのは間違いなかった。
真名も召喚通りのものだったので、どうやら無事に召喚できたようだ。
これで一安心だと考えたダーニックはすぐさま次の段階へと移っていった。
「そう言えば、最近数冊本が紛失していたが‥‥‥どこへやったかな?」
紛失したのは、大聖杯の真横にある机に置かれていた本だ。
大昔にあったとされる聖杯戦争擬きについて参加していた魔術師が語った内容を様々な視点から事細かに記載されたドロテア・コイエット著:『盈月の儀とは』。
聖杯戦争を題材にした話なのだが、信憑性が低く、一種のオカルト話として今現在も時計塔で語り継がれている。
召喚されたサーヴァントはどれも一級の者で、亜種聖杯戦争で勝てる可能性が特に高いと言われているのばかり。
日本神話の頂点に救国の聖女、インド神話とケルト神話の大英雄にかの英雄王からなどという神秘の隠匿もクソくらえの連中ばかり。
この話が真実なら時計塔と教会が大慌てで隠匿しに掛かるのだが、そんな出来事は過去に存在しなかったので創作物とされているが完成度が高く、一部時計塔の教本にも出てくるぐらいである。
その他にも『日本の偉人や武人』について書かれた本がいくつか紛失している。
一体どこへやってしまったのかと考えるダーニックだが、ランサーが召喚されたことでそんなことはすぐに忘れてしまった。
まさか大聖杯が紛失した本を取り込むはずがないだろう、と。
これがダーニックのやらかしである。
今回のまとめ:
駄肉改め良肉「『 』目指したいから腕試しに参加する」
フランツ君「本気で挑んてこい」(部隊貸出)
良肉「胃痛ががが‥‥‥」
~~~
良肉「何か負けそうだけど大聖杯使うべきか? いや、でも使うのもな~‥‥‥え、負けた? 悩んでる内に負けた? やらかしたーーー!!!」
~~~
良肉「老い先短いしひと暴れしてやろ。理由? ないよ、強いて言うなら大聖杯を有効活用すること。終わったらすべての責任は私が取る」
こんな感じです。
ということで、まず初めにダーニックの性格が綺麗になり、歴史が捏造され、大戦を行う理由&大聖杯の使い道が変化しています。
初手のやらかしで一体どうなる事やら‥‥‥
"黒"のランサーのヒント:
・日本鯖
・過去に(亜種ではない別世界線の)聖杯戦争に参加経験有(明言はされてないがほぼ間違いなく参加している)
・オリジナルサーヴァントではない