というのもこれ「"赤"の陣営をどうやったらボコボコにできるのか」を面白半分で作っただけの作品ですので‥‥‥
まさかそこそこ人気が出るとは思わなんだ‥‥
また次のイベントがやって来た。
大広間にやって来るや否や使い魔と監視カメラの映像が見せられた。
ああ、監視カメラはホームセンターとかで売ってる物だ。
「使い魔だけじゃなくて機械からの情報もあったほうが便利では?どこぞの魔術師殺しも現代の電子機器を使ってるっぽいですし」などと言ってダーニックさんのお金から拝借して買った物をトゥリファスにいくつか設置しているのである。
ただ誤算だったのは監視カメラの9割が白黒のモニターなことだ。熱源探知は出来るけど、くっっっそ見ずらい。
えーっと中型の大蛇とホムンクルスが戦ってるのは‥‥‥
『剣の技など戦闘における一つの選択肢にすぎん。勝つためなら殴るし蹴るし、噛みついてもやるさ』
『大いに同感だ』
‥‥‥って!
「げぇ、獅子劫さんかよセイバーのマスターは」
「ああそう言えば以前お前とこの
「ええ、まぁ‥‥‥」
マジかぁ…獅子劫さん相手取る必要あるのかぁ‥‥‥
あの人滅茶苦茶強いからなぁ。
俺の防御魔術を突破してくる散弾とか放って来るから相性悪いんだよ。
あの人フリーの賞金稼ぎだけど良識派ではあるから情報持ってきてくれたら嬉しいんだけどなぁ。
「筋力B+、耐久A、敏捷B、魔力B‥‥‥幸運を除きC以外が存在しない、さすがセイバーと言うべきかな(ようやく平均的なセイバーが来てくれたか)」
「ええ、まさに剣の英霊に相応しいステータスでしょう。
特筆すべきは一部ステータスをこちらと同じように隠蔽している節がある事です。恐らくは宝具の効果でしょう(ただ真名は二択に絞れたけど)」
「しかし、同じ剣を扱うバーサーカーにはステータスは及ばないか。つくづくこちらのバーサーカーは常軌を逸してると思わざるを得ないな」
「相良、このセイバーについてどう見る?」
早速話を振られた。
まぁ考えは出てるよ。
「そうですね‥‥‥まず結論から言うとあのセイバーはブリテンの円卓の騎士かその王アーサーに仕えていた騎士の誰かでしょうね」
これには今回集まっていたマスターたちは驚いていた。
円卓の騎士と言えば亜種聖杯戦争でも大半が優勝しているレベルの猛者ぞろいである集団だ。
特にアーサー王は引いただけで優勝と言われる強さを誇る英霊だ。
「続けますね。まず時計塔が用意できる触媒の一つにアーサー王物語所縁の触媒はあると考えていました。時計塔があるのは英国ことイギリス。そこではかつてアーサー王が統治していました。しかし統治されていたブリテンは神代との分離と共に消え去った、その姿、その片鱗すらも。本当にそうでしょうか?
時計塔の地下には神代の名残とも言える迷宮があるじゃないですか」
「成程、霊墓アルビオンか」
「はい、もしアーサー王を信奉していた者達が彼と彼に付き従った騎士たちの遺産をアルビオンに遺していて、それを時計塔の学科が発掘していたとしたら」
「筋は通ってるな。そもそも召喚時の知名度補正を受けれるイギリスで円卓の騎士の召喚ができるのだ、これを逃すほど時計塔は甘くない。ともなれば真名はかなり絞られてくるな」
ほぼ間違いなくあのセイバーは円卓の騎士だ。
そも向こうはイギリスで召喚できる。
なら召喚時の知名度補正が絶対付くサーヴァントを召喚したがるのは当然だ。
となれば召喚するなら円卓の騎士一択だろう。
というかあのセイバーが持ってた剣の見た目がfate関連の広告で流れてきたエクスカリバーと類似してたから多分あってる。
「ならば相良、(獅子劫界離が聖杯を使う権利があるか見極めるために)第二開戦を行うか?」
「やりましょう、ダーニックさん。今回は俺が行かせてもらいます」
「そうか‥‥しかしセイバー相手にアサシンはきついのではないか?」
「ええ、なのでライダーも連れて行こうかと。ああ、桜は遠巻きから観戦させますので傘下の魔術師たちを護衛に付かせてください」
「分かった、暇している『
「サンキューです。ああそれと、」
これはダーニックさんぐらいにしか聞こえない声で話す。
「多分セイバーの真名はランスロットかモードレッドのどちらかですね、俺的には7割方モードレッドで確定ですが。それと、向こうの状況を知るために獅子劫さんと接触したいので傘下の廃墟ピックしといてください」
「叛逆の騎士か、確かに呼ばれても違和感はない。ああ、廃墟も準備しておこう。胃痛の原因は一つずつ消していくべきだな。頼んだぞ」
さてと、アサシンにも聞こえてるだろうし、準備をしよ。
鎧の見た目的にイギリスの亜種聖杯戦争で暴れたランスロットとは違うし、ほぼ間違いなくモードレッドだろう。
「アサシン、ライダー、出番だ。"赤"のセイバー…推定モードレッドと戦うぞ」
「承った、相良」
「了解したよ、マスターの師匠さん」
◇
深夜12時直前のトゥリファス
人通りの少なかった路地はホムンクルスやら蛇の死骸がたくさん転がっており、不吉な光景だった。
しかしそんな路地を堂々と歩く影が2つあった。
魔術協会から派遣されたフリーランスの獅子劫界離とそのサーヴァント━━"赤"のセイバーであるモードレッドである。
「ったく、この辺は蛇なんて生息してねーだろ。特にあの中型、アレは文字通りのバケモンだろ」
「あれは妖の類だな。こうなると"黒"のキャスターは妖術師か?」
先ほど戦った蛇の敵性モンスター、あれは妖の類であるのは一目で分かった。しかし、それよりも厄介なのは数が異常であることだ。
斬っても撃っても何度も地中から現れては毒の牙を向けるので全滅させるのに数時間を要してしまった。
ここまでのやり口から"黒"のキャスターは相当なレベルの魔術師または妖術師なのだろうと推測がついた。
とりあえず今日はサーヴァントが釣れなかったということで苛立ちを少し見せているモードレッドを余所に拠点としている宿泊施設に戻ろうとしたその時━━
「マスター、正面から誰か来る」
「サーヴァントか?」
「まだ分からないが、警戒すべきだ」
「そういう時のお前の直感は間違いじゃないからな」
言われるがままに自身の得物をすぐに引き抜けるように警戒態勢を取る。
そして数秒の後、その誰かがやって来た。
それも影二つ。
「♩~ ♩~」
「良い音色だね。確か尺八っていう楽器だったっけ?」
「あれは‥‥‥虚無僧か? それと隣に居るのは…何だ?」
やって来たのは、江戸時代ごろに見られるに深編笠を被り、尺八を吹きながら諸国を行脚した、禅宗の一派・普化宗の僧侶━━虚無僧であった。
こんなヨーロッパの国では見るはずもない日本の、それも昔の服装だ。
更に隣に居るのは仮面を被り黒いマントといういかにも影でコソコソしてそうな風貌の声的に男だと思われる者だ。
どちらとも一目見ただけで不審者か異質な人物だというのははっきりとわかる。
「マスター!」
「間違いなくサーヴァントだな。二体も引けた当たり、こりゃ大当たりか」
いよいよ獅子劫は得物である散弾銃を引き抜き、隣にいたセイバーも再度鎧を身に着ける。
すると突然、虚無僧が喋り出した。
「貴様が"赤"のセイバーか」
「ああ?見たら分かるだろ。そっちは‥‥何だ?」
「"黒"の、キャスターだ」
「ワタシは"黒"のアサシンだよ」
堂々と名乗るキャスターと思われる虚無僧の装いの人物とアサシンと思われる仮面の黒マント。
彼らの言っていることが正しければ、前者の人物があの蛇の妖を操っていたとされるサーヴァントで間違いないだろう。
しかし、ここで獅子劫は一つ疑問を考えていた。
(何かが引っ掛かる。なぜここでキャスターとアサシンを出してくる)
真名はおろかステータスが文字化けしたかのような表示で隠匿されているのは向こうの戦術という事で納得する。
だが、ここでキャスターとアサシンという後方支援向き・遊撃向きで前衛向きではないサーヴァントを出してきたことに不信感が募る。
しかし、時は止まっていない。
モードレッドは目の前の二人に剣を向ける。
「そんで何だ?術師と暗殺者如きがこのオレ相手に貼り合おうとでも言うのか?」
「ああ、おまえの腕、試してやろう」
「その通りだ」
「ハッ!ほざいたな、かかって来い僧侶野郎に黒マント!!」
瞬間モードレッドは魔力を爆発させて虚無僧に向かって突撃した。
対する虚無僧はというと懐から何かを取り出し、それを地面に向かって投げた。
「!?」
"赤"のセイバーの直感はそれを見て警鐘を鳴らす。
戦闘開始に取る動作にしては不自然すぎるものだ。
しかし、相手との距離は数メートル。故に"赤"のセイバーはその場から地を蹴って飛翔し斬撃を与えようとする。
「そんなんで、止まるかよッ!」
「チッ…!」
大きく繰り出された横薙ぎはバックステップを取った推定"黒"のキャスターに致命傷を与えることは無かったが、腕の辺りを浅く切り割いた。
本来なら臓腑にも届きうる斬撃を軽くいなすように避けた敏捷性、その推定"黒"のキャスターの回避行動は明らかに戦闘慣れしているモノだった。
「チッ…
「‥‥‥。」
"赤"のセイバーの足元に散乱していたのは撒菱。
現代では警察が逃走車両のタイヤをパンクさせるために用いるスパイクの原型となったものだ。
その撒菱を踏んだことによって足元から血が流れるが、手で直接足の裏にくっついた撒菱を取る。
「何のこれしきでやられたら笑いもん━━あん?」
剣による斬撃で撒菱を隅に撤去させ、また"赤"のセイバーは突撃しに掛かろうとしたその時、"赤"のセイバーは違和感に気が付いた。
「アサシンが居ねぇ! 隠れやがったか!」
眼の前には虚無僧しか居らず、仮面を付けたマント男が消えていた。
「上だ、セイバー!」
「!!」
自身のマスターからの大声を聴きすぐさま上を見上げると仮面を付けた例のサーヴァントがこちらに向かってショーテルのような得物で襲い掛かろうとしていた。
すぐさま気づいた"赤"のセイバーが大きくバックステップを取りその攻撃を回避する。
「チッ…!」
「危ねぇなッ!」
さらに畳みかけるように後ろにいる虚無僧のサーヴァントが投げナイフと思わしき投擲具を投擲して来た。
「連携が上手ぇな…だがな━━!」
"セイバー、今すぐ伏せろ!"
「こっちも、連携出来んだよッ!」
"赤"のセイバーが伏せると当時に背後に居た獅子劫が散弾銃から指弾を放つ。
その銃弾は投擲された投げナイフ…ではなく苦無と相殺した。
続けざまに獅子劫は水平二連の散弾銃に込められた二発目を放った。
照準は先の仮面のサーヴァント。
その指弾は直線的に回転しながら仮面のサーヴァントに命中する、はずだった。
「
仮面のサーヴァントはショーテルを消すとすぐに青銅の盾を取り出し、それを構えて真名を叫んだ。
宝具の真名解放だ。
それとほぼ同時、相手に当たるはずだった指弾がそのサーヴァントを避けるように曲がって壁に着弾した。
「マジかよ‥‥‥」
これには獅子劫も一瞬焦った。
というのも先ほどの真名と起こった現象からあのサーヴァントの真名に心当たりが付いたと同時にその厄介さを理解したからだ。
「大丈夫か、マスター?」
「ああ、なんとかな」
敵を見据えながら後ろにいるマスターに声をかける"赤"のセイバー。
それに対し獅子劫は簡潔に返答し、念話をし始めた。
"例のサーヴァントの真名は分かったが、ユグドミレニア本気出しすぎだろ‥‥‥"
"あの黒マントの真名分かったのか?"
念話で話そうとしたが、ここで口に出しておこう。
恐らく本人も真名を隠す気がなさそうだ。
「アイギス、ギリシア神話に登場する「猛烈な暴風」という意味を持つ防具。神ゼウスが娘のアテナに貸し与えたとされるありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされている」
「てことは俺の宝具含めて、魔術系は基本効かないわけか」
「恐らくはな。それで、アイギスの盾を持っていたとされるのは伝承上ただ一人。神ゼウスの子でかの怪物メデューサを殺したとされる大英雄━━『ペルセウス』、そうだろ?」
数秒後、その仮面を付けたサーヴァントが仮面を外したと同時口を開く。
「‥‥‥ああ、正解だよ。ワタシの真名はペルセウス。第五位の‥‥‥いや、これは関係なかったね」
仮面に隠れていた顔は意外にも美形であり、いかにも優男のような風貌だった。
しかしながら見せた顔は半分が不気味に笑い、半分が憂鬱に何かを悲しむ顔だった。
「真名をばらして良かったのかよ?」
「別に、マスターたちからも自由にしていいと言われていたし、バラしたところでワタシには弱点がないしね」
"赤"のセイバーが疑問を呈するが、「それがどうした?」と言わんばかりに返すペルセウス。
真名をバラすということは自分の手札と弱点を全てオープンにするのと同義だ。
しかし、ペルセウスという英霊は同じギリシャ関連だとアキレウスやケイローンのような明確な弱点となるものがない。
それに真名が露呈したことで獅子劫はある警戒をしなければならなくなってしいまった。
ペルセウスの逸話の中で彼はアンドロメダと正式に結婚をしようとした際、彼女の(元)婚約者だったピーネウスとその一味に襲われた時に彼はメデューサの首を見せて、彼らを石にしたものがある。
もし彼が宝具としてそのメデューサの首を持っているのなら回避しようのない一番の脅威になるだろう。
「呑気に話している隙は無いぞ」
しかし時は無情にも待ってくれない。
もう片方の"黒"のサーヴァントが懐から手裏剣を3枚取り出して、"赤"のセイバーにそれぞれ違う放物線を描くように投擲した。
「甘ぇな、ヨッと」
しかし、同じような動作をしていた虚無僧の動きを見た瞬間に"赤"のセイバーは集中力を高め、投擲された手裏剣を全て弾き落した。
そしてこのまま虚無僧に突撃する、のかと思いきや、
「正面から殺り合おうぜ、ペルセウスゥ!!」
「あんまり正面から斬り合うのは苦手だけど、仕方ないか」
ペルセウスの方に90度ターンをして突撃していった。
これには後退はできないと悟ったか、ペルセウスはまたもやショーテル…恐らくはハルペーと呼ばれる宝具を取り出して、真正面に迫りくる"赤"のセイバーとの斬り合いを始めた。
カキン!
お互いの剣と刀がぶつかり合った。
そこから金属と金属が強くぶつかり合ったことによる火花が飛び散ると同時に、激しい斬り合いへと発展していく。
「オラァアア!!」
「セイッ!」
火花を散らし接戦を繰り広げる2騎のサーヴァント。
"赤"のセイバー━━モードレッドは斬り合いの中で目の前のペルセウスに疑念を抱く。
素の剣術と元来の騎士とは違う足蹴りや剣を握っていない方の腕で殴るなどのダーティー染みた戦い方で圧倒しようとするが、剣術は見事にいなされるというよりも完全に見切られている。
まるで、
(差異はあるけど、
ペルセウスという英霊にはなぜか過去の聖杯戦争の記憶があった。
それは自身の霊基にその情報を直接刻み込んだからである。
後悔であり、もう二度と届かないであろう願いでもある。
『━━
『下がれ、綾香!!』
『ぃや、やめて‥‥‥』
『だから━━ごめんね?』
得物を構えた
「今でも思い出す‥‥‥」
「何感傷に浸ってんだよ! 気持ち悪ぃな」
記憶を思い返しながらも剣の斬撃を全ていなせるのは大英雄故だろう。
なお、これで筋力D+、耐久E+とスペック的には弱い方の部類である。*1
「なら泥くせぇ戦い方に変えようかッ!」
「おっと…」
すると"赤"のセイバーはリソースを剣術から腕や足の殴りと蹴りに割き、騎士とは思えないような戦い方をする。
「ぐっ…!」
これにはペルセウスも先ほどまで見せていた余裕はどことやら。
明確なダメージが命中し続ける。
このまま押せば勝てる、と思われた状況下でまたもや妨害が入った。
「チッ、毒蛇か!」
「よそ見は禁物よ、セイバー」
獅子劫と"赤"のセイバーが視線を向ける先には先ほどまでの虚無僧ではなく、白い蛇を思わせるような灰衣に身を包んでいる推定キャスターが居た。
怪人と云われても納得の見た目である。
「忍者か、なるほど。つまりあの蛇は忍術で使役した使い魔か」
「左様だ」
恐らくはあの灰衣に身を包んだサーヴァントは後方支援と前衛もある程度張れるのだろう。
そうでなければこの二体をこちらに向けてくるはずがない。
「ところで、"赤"のセイバーよ、ここで一つここで賭けをしようか」
「何?」
ここで急に賭けという提案を出してきた推定"黒"のキャスター。
なぜ話を切り出したのかは分からないが、真名看破まであと少しなのでとりあえず聞くことにする。
「宝具を以て我が宝具を破いてみせよ。我が敗れればそれで終わり、我が防げば一つ言う事を聞いてもらおう」
「あ? そんな戯言につき合ってる義理はねーだろ。それに、真名が漏れるリスクを背負うつもりはないな」
「ならば無理にでも使わせるのみだな、かの叛逆の騎士よ」
「なッ!?」
これにはさすがの二人も驚きを隠せなかった。
セイバーの真名がバレている。
ここまできっぱりと言ってきたのでブラフではないだろう。
"どうするマスター?"
"バレてるのは確定だな、こりゃ。恐らくステータス隠匿の宝具と剣でおおよそ推測が立てれていたんだろうな。
「言い忘れていたが、こちらのアサシンは下がらせよう。また「自害せよ、セイバー」などという命は出さないと誓おう」
"恐らくこいつは義理は守るタチなのは間違いないが、お前はどうしたい?"
"そうだな‥‥向こうが防げると余裕な表情してるのが気に食わねぇから、やっても構わないか?"
"ああ分かった、判断はそっちに任せる"
念話による会話を終わらせ"赤"のセイバーは自身の持つ白銀の剣を構え、推定"黒"のキャスターに向けた。
「主との会話を終えたか、結論は‥‥‥と問いを投げかけようとしたが、必要ないな」
「ああ‥‥‥その賭け、応えてやろうシノビ野郎!!」
両者互いに攻撃の構えを取った。
「下がれ、ライダー」
「分かった」
白銀の剣士に相対するは灰衣の怪人。
「それじゃあ蹂躙するか!"黒"のキャスター擬き!!」
「覚悟!"赤"のセイバーよ!!」
頭に装備していた兜を取り外し、白銀の剣士の顔が露出する。
灰衣の怪人は体表が蛇の鱗のような見た目に変化し始める。
「是こそは、我が父を滅ぼせし邪剣━━」
「これぞ伊吹の御山より授けられしモノ!左様、神なる力!━━」
放出される魔力と王の威光を増幅する能力が組み合わさり、白銀の剣は赤い雷光を纏う。
腕に巻かれていた蛇のようなモノが体中へとまとわりつき始める。
「
「
赤き巨大な雷撃が一直線に灰の怪人へと放たれた。
周囲からは赤い閃光に包まれ、その路地は朝と思い違えてしまうほどに明るくなっていた。
土埃に包まれ、辺りには静けさで満たされている。
「やったのか、セイバー?」
「‥‥‥‥‥‥。」
近づいてきた獅子劫。
先の宝具の打ち合いから相手の真名は分かった。
そのサーヴァント、甲賀三郎。
甲賀流忍術の祖で、諏訪地方に伝わる伝説の主人公。
異界から生還し、その際に蛇の体となった魔人であり、半神の存在。
"なるほどな、通りで強ぇわけだ"
"ああ、間違いなくトップクラスの英霊だ。ペルセウスもそうだが、ユグドミレニアは本気を出しすぎだろ‥‥。そんで、もう一度聞くが手ごたえはどうだ?"
「‥‥‥‥‥‥全くねぇ」
「何!?」
その言葉によって獅子劫は先ほどサーヴァントが居たところを注視する。
するとそこには、白煙が散布していながらもはっきりと巨大な影が見え隠れしていた。
「ハハハ!その程度の攻撃なぞ効かぬ!」
白煙が晴れた其処には蛇の鱗が表出し、大量の妖蛇が合体した巨大な防護服を着こんだような、大蛇と人間の融合妖物が居た。
指は蛇の尾になり、肩からは大蛇の頭部が伸びている人非ざる者へと変貌を遂げており、もはや人ではない姿である。
最も獅子劫と"赤"のセイバー━━モードレッドを驚かせたのはそれではなく‥‥‥
「
宝具を、それもランクA+の技を直撃させたのに傷はおろか目立ったダメージが見られない。
間違いなく、相手の宝具に相殺された、というよりも効かなかったというべきなのだろう。
モードレッドは宝具を打ち終えたことで魔力が弱まっていて行動が遅くなっている。
「━━すみません、獅子劫さん。少し卑怯な手段を使ってしまって」
「やっぱお前がこの忍者のマスターか、相良!」
路地裏からやって来たのは目下獅子劫が警戒していた"黒"のマスターの1人、相良豹馬だった。
しかし、なぜここで姿を現したのだろうか?
確かに命令を聞く約束事はしたが、ここで姿を現すよりも自身のサーヴァント経由で話せばいいだろう。
相良は執拗なまでに生への執着がある。それでもって苦労人タイプだ。
そんな奴がここで急に姿を現したことに獅子劫は疑問を覚える。
すると、それを感じ取ったのか、相良は気まずそうに話し始めた。
「まぁ、その‥‥‥そっちの陣営が暗黙の了解を破った件含めて状況教えてくれます? 場合によっては大聖杯を使用する権利をあげるので」
「‥‥‥はぁ!?」
急に襲撃して来た上ほぼ勝ち確定な相手が命令してきたことは同じ陣営が取り決めを破ったことについての説明をしてくれというものだった。
しかも、大聖杯を使用する権利をあげるなどという意味不明な権利を添えて。
これには獅子劫もモードレッドも驚くほかなかった。
今回のまとめ:
良肉「ようやくまともそうなセイバー主従が見られた。他の面々よりも彼らに大聖杯を使う権利を優先させて勝ち逃げしてもらうのもありか」
転生相良君「見極めるためにライダーとアサシンの偽装タッグで挑みます」
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プロトライダー「修正パッチによりproto本編よりも強くなったよ!」
サブちゃん「キャスターに作製してもらった道具も中々に使いやすい。帰ったら再度注文しよう」
獅子GO「"黒"強すぎやしねぇか? いやまぁこっちも強い面々だけども」
というワケでVSモードレッド戦でした。
私は長ったらしい戦闘シーンを書くのが苦手なのでこれぐらい雑に簡潔に書きます。
今回から大幅に独自設定・解釈を入れていきます。
プロトライダーの盾は原典通りの機能が追加され、他の宝具についても複数の宝具を同時に装備しても真名解放または、宝具の機能(気配遮断&不死貫通等)を使用しない限りは同時に装備できると解釈しました。
サブちゃんがクラレント防げた理由については次回語ります(pixivのモーさんの記事を見たら何となく想像はつくと思われますが…)
そう言えば、日間72位に入ってました!
"黒"のライダー:
真名…ペルセウス
保有スキル:
・騎乗(A+)
・対魔力(C)
・神性(A) (ヘラクレスがAでペルセウスがそれ以上の神性を持っていない訳ないじゃん)
・単独行動(B+) ※仮面(宝具ではない)による効果