パーフェクトゲームを目指すには!   作:メタ(ル)

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「なぁセイバー、お前さんの〇〇〇〇ってスキル、ほぼ直感と同じ気がするんだが‥‥‥」

「オレに言われてもな‥‥‥剣士特有の空間把握能力?的なモンなはずだ」

「とりあえずそれで納得しておこう。で、お前さんはこれからどうしたい?」

「ああ、それはな━━」


ある主従の会話





事実上の勝ち逃げ/追加(EXTRA)

朝9時、ユグドミレニアが押さえている廃墟の一つで。

 

 

「待たせましたか?」

 

「いや、問題はない」

 

 

俺と獅子劫さんは落ち合った。

具体的な場所は前回と同じ廃墟と言えば分かるだろう。

 

 

「ところで相良、一つ聞きたいんだが…お前さん寝てるのか?」

 

「寝てますよ。昨日は3時間半ですね」

 

「聖杯戦争とはいえ体壊すぞ、お前さん。眼に隈がくっきり見えてんぞ」

 

 

HAHAHAこれでもしっかりと眠って‥‥‥ないなぁ。

1時間半仮眠できたとは言え、これからやることがまだあるので絶賛現実逃避中である!

気付け薬を持ってきているとはいえ何時間持つか。

 

急いで車にモードレッドと乗ってもらった。

リムジン? 遅いし、大掛かり過ぎる。

ユグドミレニアが持ってる中型車の方が移動時間を短縮できる。

これでも国際運転免許証を持っているのである。

 

移動の最中はカットして、まもなく城塞手前。

車を車庫に入れるとすぐに迎えのホムンクルスの子たちがやって来た。

 

 

「他の奴らの様子は?」

 

「カウレス様とフィオレ様は現在中庭で会話を、サクラ様とロシェ様は各自自室に引きこもってます」

 

「ゴルド様は水層の環境改善を、ダーニック様は大聖杯のある場所に」

 

「了解。追加で桜を呼んでおいて。そんじゃあライダー念のためマッピングよろしく」

 

これ(青銅鏡の盾)は対サーヴァント用のレーダー何だけどね‥‥‥構わないけど」

 

 

青銅鏡の盾の効果、レーダーとソナーとしてあらゆる状況下での索敵を可能としている。

これに黒のマスターたちの反応と城塞内部とその周辺を記憶させることで疑似GPSとそれを確認する端末の出来上がりだ。

2000年現在には存在しない技術の再現である。

下手に今からやることをゴルドさんやダーニックさん、桜以外の参加者に教えると色々面倒だ。

てことでばったり遭遇するのを防ぐためにレーダーon!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば聞き忘れてたけど、君の願いは何?」

 

「あん?」

 

 

移動の最中、俺はモードレッドに質問を投げかけた。

こいつの願いは恐らく「騎士王を超える」か「今度こそ王になる」かの二つの内のどれかの可能性が高い。

そしてそのどちらにもあてはまる過程が、

 

━━選定の剣への挑戦

 

それはかの騎士王を超えたいがための願いなのだろう。

かの騎士王によって、聖槍ロンゴミニアドによって貫かれた、アーサー王の子であるからこその願いなのだろう。

しかし、俺は知っている。

 

選定の剣という儀式は所謂出来レースなのだと。

イギリスで起こった亜種聖杯戦争。亜種聖杯戦争の本場ということもあって4,5回ほど行われている。

そのすべてが亜種聖杯戦争の最大規模である5騎による壮絶な殺し合いが繰り広げられた。

第二次イギリス亜種聖杯戦争、この聖杯戦争であるトップサーヴァントが召喚されていた。

 

名をアルトリア・ペンドラゴン、fateシリーズにおける騎士王その人である。

その他参加者のサーヴァントもそれなりに強いサーヴァントだったのだが、知名度補正がノリに乗りまくったアルトリアに次々と敗れていき、最終的に優勝した。

その時のアルトリアのマスターだった魔術師の記録が残っていた。これは聖杯戦争を熟知している者か時計塔のロードクラスの者しか知らない情報である。

 

記録の中には興味深い内容が多数あったのだが、中でも俺が注目視したのがマスターが見たアルトリアの過去というものだった。

何らアーサー王物語と一致している記録。*1

しかしその中に時系列は不明だが、「選定の剣は出来レースであった」とマーリンから告げられたという物語に記載されていなかった内容が文中にしれっと記載されていたのだ。

 

人の心を知らないマーリンは赤き竜の血を引いてるアルトリアを王にすることが目標であったとしよう。

赤い竜の血を持っているとはいえポッと出で女性であるアルトリアを王にするのはさぞ大変だっただろう。

そのためにマーリンは人間関係を無視した合理的な選択ばかりを取り続けた。

その中の一つが選定の剣を出来レースとして開催。

選定の剣が突き刺さっていた石かその剣自体に魔術でもかけてアルトリアが剣を持ったタイミングで魔術を解除すればあら不思議、「理想の王」の誕生である。

 

この事に加え、「アルトリアが王になった」という前提条件がなければモードレッドの誕生という事象は起こらない。

故にモードレッドの願いを叶えるのは難しいのである。

ただ、もしも!それでも!叶えたいのであれば今の状態のモードレッドを選定が行われている最中に時間移動させ、マーリンに土下座覚悟で頼み込み説得させるという運要素のある手段を提示できるのだが‥‥‥

 

 

さて、どう説得したものかと悩ませていると‥‥‥

 

 

「オレの願いは「選定の剣への挑戦」━━だった(・・・)

 

 

やはりこの願いを提示して来たか‥‥‥ってあれ?

 

 

だった(・・・)? なぜに過去形?」

 

「ああ。改めて生前オレが取った行動を思い返してみたんだが、オレは王になりたいわけじゃなかったんだと思う」

 

「‥‥‥。」

 

「オレはアーサー(父上)に認めて欲しかったんだと。モルガン(母上)に唆されたってのもあるが、それが叶わなかったから一時の感情に身を任せて暴走した、というのが自己分析をした結果だ」

 

 

時折モードレッドから感じる既視感があると思ったら、反抗期の子供だ、これ。

元々対アーサーとして創り出されたモードレッドは人としてはまだ幼かったのだろう。

 

 

「だから「選定の剣への挑戦」したとしても、今のオレが満たされることは無い。なら父上に認めてもらうことを願いにしようかとも考えたんだが聖杯なんかで認めさせるのも何か違う。結局のところオレが聖杯に掛ける願いはねぇな。強いて言えば、英霊として戦果を上げることぐらいだな」

 

「てなわけで聖杯大戦が終わるまでこいつを現界させて、他の赤の奴らを倒し終えたらそっちの特に願いがない‥‥‥セイバーとバーサーカー辺りと戦わせたいんだが良いか?」

 

「あー‥‥バーサーカーは多分問題ないですけど、セイバーも…恐らくは大丈夫かな」

 

 

これ絶対バタフライエフェクトとかいう奴だよな‥‥‥。

モードレッドが自己分析(EX)のスキルが付与されてそう。

いや、説得する手間が省けたって意味ではありがたいよ、ありがたいんだけど‥‥‥

 

 

(ここまで良い結果を出されると何か怖い)

 

 

具体的にはこれから起こるであろうバタフライエフェクトによる反動なのだが。

この後さらに変な方向に持って行くつもりなんだけど、変な乱数引くなよ!(フラグ)

 

ていうかさぁ‥‥‥

 

 

「うん、やっぱり()に似てるね」

 

()? ‥‥‥お前まさかとは思うが」

 

「多分そのまさかだね。僕は以前聖杯戦争で君の父と本気で戦ったことがあるんだ」

 

「‥‥‥道理で剣術がほとんど効かねぇワケだ。本気の父上と戦ったらそりゃクセとか覚えるよな」

 

「ちなみに、こっちのセイバーも戦ったんだってさ(なぜか女性だったそうだけど‥‥‥)」

 

「マジか!?」

 

 

何でこのサーヴァントたちは過去の聖杯戦争の記憶を覚えてるやつが多いんだよー!!

え、霊基に直接刻み込んだ‥‥‥厄ネタ?(諦め)

厄ネタの宝庫なのかこの"黒"の陣営は!

えーこの後大聖杯のある場所へダーニックさんと"黒"のキャスターで魔術的知識が豊富なエレナが居たのだが、

 

 

「待ってたよ、獅子劫界離‥‥‥zzz」(3徹)

 

「マジで大丈夫か、この陣営!?」

 

「いくら魔術で体調を回復させてるとはいえ、限度ってのがあるんだからね!」

 

 

これでもましな方なんだよ。

景虎が三郎さんに戦いを挑んでしまったことから始まり、そこからどんどん胃痛の種が増え続けて、本来ならなんともなく一徹できるはずだった昨日が三徹目となってしまい、人の限界という名のギネス記録に近付いているダーニックさん。

ちなみにこの後、

 

 

「ちょちょいのちょい…っと、はい解呪成功ね」

 

(何か思ってたのと違う‥‥‥)

 

 

神々しい光によって解呪されるのかなと思ったら聖杯によって力を得たエレナ女史*2が一般的な魔術のような感じに解呪するのだった。

何か思ってたんと違うと思うだろうが、念のために補足をするとこれはエレナという特殊な魔術回路を持つキャスターのサーヴァント(魔術師)だからできる芸当であって素人がやると長ったらしい呪文と工程が必須とされるのである。

さてと桜もやって来たし‥‥‥早いとこ次の行動に移そう。

 

 

「ダーニックさん、例の物は?」

 

「この通り。通常のモノと比べてもかなり高い精度だ」

 

「エレナ女史、バックアップの方は?」

 

「できてるわ。太っ腹のおじさん*3の水槽とあなたの持つ魔術刻印の特性のおかげで当面は大丈夫だとは思うけど、博打性が高いからね」

 

「相良、プランはどうする? このままプランBか?」

 

「いえ。プランAでやりましょう。まだこちらが一体も倒されてない状態なので、ここは全掛けに出ましょう」

 

「分かった」

 

 

俺の考えた策がまもなく実行される。

この案の内容、それは━━

 

 

 

 

 

「これより━━━━亜種聖杯戦争(・・・・・・)を始める

 

 

 

 

目の前にはユグドミレニアによって作られた小聖杯に一歩だけ(・・)劣る黄金の杯‥‥‥亜種聖杯だ。

そう、俺が考えたとっておきの策は限りなく本物に近い亜種聖杯戦争をこの場所で行い、召喚したサーヴァントを新たな"黒"の陣営として追加させることである。

令呪を持った魔術師、キャスターのサーヴァントによる全力バックアップ、近くにある大聖杯。限りなく本物に近しい亜種聖杯戦争ができる状態だ。

 

まず初めにこの亜種聖杯の仕組みを一部弄り、「召喚から3分間相手のサーヴァントを攻撃できない」というルールを付け足し、召喚して早々殺し合いが起こるのを防ぐと同時にエレナ女史が大急ぎでこの亜種聖杯と大聖杯をリンクさせる。

リンクさせ終えたら、エレナ女史が「今召喚されたサーヴァントを全て"黒"の陣営に属する」というルールを組み込ませる。

神代の魔女でもない彼女がここまでの荒業を素のスペックでできないのでロシェ君に令呪を1画消費してもらっている。

これをやること自体は全員に周知済みであるので、戦力増強という名目でロシェ君も潔く令呪を消費してくれた。

 

当初はこのまま進める予定ではあったがあの大天使様の意見を踏まえて、大聖杯へのリンクを中止し、「召喚されたサーヴァントは殺し合わない」と設定を弄っておくという別パターンへと変更したのである。

 

召喚されたサーヴァントたちだが、ここで次の問題点「2騎のサーヴァントを使役するための魔力」という問題が出てくるが、ホムンクルスの水槽と大聖杯から流れて来る少量の魔力と俺の魔術刻印で解決される。

俺の代で魔術刻印が突然変異を起きていたらしく、以前桜が話していた*4ように「魔力効率変換器」なる物が突然変異で生えてきた。

これは常時消費する魔力を3分の1に抑え、他人に一部を譲渡することができるという変わった性質を持っている。

今回は作戦をやるうえで元々渡していた桜と前日にダーニックさんに渡していた。

勿論この変換器だけで2体使役できるとは考えていない。だが"黒"の陣営には利点とも汚点とも言えるホムンクルスの水槽があった。

ここから流れる魔力のリソースを貰うことで本来は不可能に近い2騎同時契約できるのではないかと考え、今回の発想に至った。

何人か死んでしまうだろうが、仕方のないことと切り捨てよう。せめて生き残った奴らだけでも開放する予定だから‥‥‥。

 

 

 

「素に銀と鉄、 礎に石と契約の大公」

 

 

ロシェ君の令呪によってブーストされたエレナ女史がスタンバる中、儀式が執り行われる。

 

 

降り立つ風には壁を、 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

 

 

召喚するのは3騎。

この数だと召喚されるサーヴァントは亜種聖杯故のステータスの一段階低下が起こらないのは過去の資料からデータを取って調査済みである。

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 

繰り返すつどに五度

 

ただ、満たされる刻を破却する

 

 

召喚の呪文を唱える。

色を宣言する一節と「祖には我が大師(以下略)」の一節は加えない。

 

 

────告げる

 

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

 

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 

誓いを此処に

 

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者

 

 

神秘と魔力が満ちる。

始まったのだと、皆が思う。

そして━━

 

 

汝、番外と云う(べち)なる者。我は其れを手操る者━━

 

 

汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!

 

 

 

 

瞬間辺りには禍々しい渦が3つ巻いた。

先日召喚された英霊たちのとは違う、異様なほど魔力と神秘に満ち溢れている。

その渦が消えると同時にエーテル体で創られた者達が居た。

それすなわち、サーヴァントである。

 

 

 

サーヴァント・アルターエゴ、召喚に応じ現界した。この身の霊基が砕け散るその時まで……、共に戦おう

 

 

サーヴァント(さあゔぁんと)フォーリナー(ふぉおりなあ)。お点前さまが『マスター(ますたあ)』殿で?

 

 

サーヴァント・プリテンダー。フフ……よくぞ私を召喚してくれた……

 

 

 

 

それは"赤"の終焉に拍車をかける者達。

物語は外典(Apocrypha)からは既に逸脱している。

 

 

 

 

 

*1
多少の差異はあれどほとんど同じという意味合い

*2
敬意を表すために呼称

*3
ゴルド

*4
第4話




今回のまとめ:

獅子劫さん…事実上の勝ち逃げをした人。後は安全圏から観戦するだけ。(もう出番は無し)

モーさん…なぜか『自己分析(B)』というスキルが生えてきた。そのおかげで自分の心理ロールでクリティカルを引き当てて願いを再確認した。

転生相良君…名前の割にはそこそこな転生特典(なお本人は突然変異だと思っている)を所持。なお、この特典を以てしてもさすがに「2騎の契約サーヴァントによる同時宝具使用」をされると魔力切れで良くて気絶、悪くて死亡。



というワケで転生相良君による番外戦術「ユグドミレニア式亜種聖杯戦争」が開催されました。
多分思いつきさえすれば原作の"黒"の陣営、特に60年ぐらいという期間があって、大聖杯を持ってたダーニックならこの番外戦術をやれてた可能性は大いにあると思います。
話の持っていき方は不自然かと思われますが、大目に見て下さい。

エクストラクラスの召喚呪文はテキトウに書いただけです(もし他に良さそうな一節があるなら感想で)



召喚されたサーヴァント:

"黒"のアルターエゴ:

・初出はコハエース
・人気キャラ


"黒"のフォーリナー:

・初出はFGO
・和鯖


"黒"のプリテンダー:

・初出はFGO
・台詞でバレバレ



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