パーフェクトゲームを目指すには!   作:メタ(ル)

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IF:もしゴルドの召喚したセイバーが‥‥‥


「サーヴァント・セイバー。真名をアーサー・ペンドラゴン、"黒"の陣営としてこの戦いに勝とう」


「勝ったぞ、相良!!」

「これは勝ちました!」


「見つけた、私のセイバー‥‥‥!」


「何かやべぇの来た!?」

「"黒"の陣営の皆さん!聖杯大戦どころの騒ぎではないので、さすがにこの件は協力しましょう!!」


当たりのように見えてファブリーズ来る(最悪人類悪も来る)から外れ。
外れのように見えて意外と穏便に聖杯大戦を終わらせれるかもだから当たり。





クリティカルヒット/介錯

「アタランテの退場を確認っと‥‥‥」

 

 

城塞のテラス、双眼鏡で覗き込みながら俺は呟いた。

たった今アタランテがダンテの宝具によって退場した。

 

元々の計画(プラン)はかなり複雑なフローチャートになっていた。

アタランテが聖杯問答に参加するか否かで枝分かれが始まり、参加すれば別の選択肢へ、参加しなければプランAの「赤ちゃんの泣き声を録音した高性能なボイスレコーダー」や「幻影魔術による子供の幻覚」、「二重三重に仕込んだ罠」を用いた対アタランテ用のプランを。

参加した後、彼女の願い可能な範囲かつ特にないのであればプランBの「あの手この手で懐柔させる」を、ほぼ不可能な願いであればそれを否定する。

否定した後、折れて説得に応じればまたプランBを、折れたまま絶望しているか自暴自棄になるか暴れ出しかけるそぶりを見せたらプランP「ダンテ(Pretender)の宝具による地獄へ強制退場させる」プランを予め決めていたのだ。

念のため三郎さんを配置しておいたおかげで何とかアタランテが暴走する前に仕留めれたことは最善手だった。

 

ダンテの持つ宝具、汝、この門を潜る者、(ラシャーテ・オーニ・スペランツァ、)一切の希望を捨てよ(ヴォイ・ケントラーテ)はランクEXの対界宝具という初代fateの金ぴかアーチャーことギル様の持つあのバケモノ剣と同じレベルの宝具である。

効果は地獄の門を召喚し、そこから大量のモンスターをあふれ出して攻撃するという欧風百鬼夜行といった様相のヤバい宝具である。

また宝具使用の副作用としてダンテ自身に絶望が沸き上がるというのがあるそうだが、今回はわずか数秒しか開けていないので副作用は微々たるものだった。

と、このように対界宝具でランクEXと呼ばれているからか、かなり応用が利く上に、アタランテにやったように地獄の門に入れてすぐ閉じて、すぐに門を消滅させれば後は待つだけで勝手に相手が倒れるという荒業が使えてしまう。

 

今回はあくまで相手が上手くこちらの策にハマっただけで今沖田オルタと武蔵ちゃんとバチバチに斬り合っているカルナ相手には無理である。

双眼鏡で戦いを見てるけど、亜種聖杯戦争で追加召喚して正解だった。カルナ相手は近距離に得手な者が複数いてくれるだけで拮抗した勝負をしてくれている。

 

ここですぐにカルナを倒したいのだが、ここで動くと後々キツい。

やるのであれば天草とアサシンのコンビを倒してからだ。

拾ってきた"赤"の参加者のマスターたちには令呪が消えていた。

恐らく天草が令呪を自分か魔術礼装にでも転写させたのだろう。

この状態ならば万全のカルナと相手するよりも魔力源を絶って弱体化させた方が勝機がある。

 

天草たちの方はシャルルの宝具とエレナ女史の魔術によってそこそこ防御力が上がっている城塞宝具を物理的にぶつけて行動に遅延をかけながらしびれを切らしてやって来るのを待ち構える。

それは向こうも同じである。だから為朝ロボによる宝具を不規則に撃って圧力をかける。

さすがに敵の城塞に目立った傷はついていないが1時間ほど経ちさえすればヒビは入るだろう。

 

 

 

ドゴオオオオオオオォォンッ!!!!

 

 

 

 

おっと、またも宝具の矢が飛んで行った。

それで着弾した地点は‥‥‥

 

 

「あれ? いかにも敵陣営が居座って良そうなところに命中したくね?」

 

 

"アサシンのマスター、聞こえる?"

 

"ん、エレナ女史か。どないした?"

 

"なんで関西弁‥‥‥ってまあいいわ。さっきの一撃で敵サーヴァントの居た場所が消し炭になったのだけど、そこからボロボロの二人が見えてる。しかもあの年層がありそうな女帝は死にかけ"

 

"あー…豪運(クリティカル)引いたか‥‥‥"

 

 

そう言えば為朝ロボの幸運値EXだったっけか。

射撃の精密性が異次元の域に到達してるし、針に糸を通すような狙撃も成功させちゃうか。

良い誤算があったけど、このままプラン通りに行こう。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

天草四郎はボロボロだった。

逆転の一手の庭園を敵アーチャーの能力の考慮を抜けていたがために状況はどんどん悪化している。

推定"黒"のキャスターの宝具と思われる城塞宝具に体当たりをされて進攻を真正面から妨害され、"赤"のアーチャー(アタランテ)は数時間もしないうちに脱落、そして偶然にも"黒"のアーチャーの矢がこちらにヒット。

そのせいでセミラミスは霊基が既に崩壊しかけており、かく云う自分も重傷である。

幸いにも命にまでは届いていないが、出血量が酷く時間の問題だ。

 

 

(それにしても"黒"のアーチャーはかの鎮西八郎の名を持つ源為朝でしたか‥‥‥)

 

 

真名看破の能力で読み取ったわけではない。いくら何でも距離があって補足できない。

宝具が飛んで来た方向から見えた巨大な鎧と特殊な形状の弓を大聖杯で検索をかけると該当者が一人出てきた。

源為朝、源氏の1人で保元物語を始めとする史実において数多の伝説と逸話を遺した弓の名手。

なるほど、彼ならアタランテの言った「オリオンと同等かそれ以上」の存在だろう。

 

 

「ぐ‥‥‥マスター、我が要塞に‥‥敵‥‥‥」

 

「この千載一遇の、チャンスは逃しませんか‥‥‥」

 

 

長々と考えているが時間は待ってくれない。

庭園と建物の半ば、そこに侵入者がやって来た。

 

 

「相良、豹馬‥‥‥!」

 

 

天草はその人物を忘れるわけが無い。

"黒"のアサシンのマスター、相良豹馬。

自分の作戦を悉く壊しては、先日の襲撃で煽りに姿を現した者だ。

しかしながら先日見た彼とは違い、大きなマスクを着けて魔術礼装のマフラーを首に巻いている。

 

何か仕込んでいるな、と思う中相良が衣服の後ろからスケッチブックを取り出す。

それに胸ポケットに入っていた油性マーカーでなにやら書き始めた。

 

 

『花粉症と風邪にやられて喋れないから筆記式で会話させて』

 

「なる、ほど‥‥‥?」

 

 

スケッチブックに出された文字に天草は懐疑的ながらも少し納得していた。

事前調査で相良がイネ科の花粉に対してアレルギー反応を起こすことが分かっている。

今の次期であればその花粉が特にピークなので風邪と組み合わされれば最悪のベストマッチだろう。

 

 

『手短に書くから答えて』

 

「‥‥‥いいでしょう(問答の最中に魔力をセミラミスに回して少し動けるだけ回復させましょう)」

 

 

ここで時間を稼ぐのが得策と考えた天草は問答に応じた。

 

 

『お前結局何が目的?』

 

「それでしたらお答えできます。私の目的は人類の救済です」

 

『具体的には?』

 

第三魔法(ヘブンズフィール)と言えば分かりますか?」

 

『人類全員を半屍人化しようとしたのか』

 

「失敬な、全人類を不老不死の存在に進化させるのであって、思考を持たない化け物に変貌させることはしませんよ」

 

『「全人類」の定義は?』

 

過去と現代を含めた(・・・・・・・・・)全ての人、ですね」

 

「!?」

 

 

これには目の前の相良も驚く。

まだ現代の者だけに適応するのは百歩譲って良しとしても過去の人物も対象にするということはほとんどの英霊の過去を無い物にする愚行である。

これを戦の世で活躍した英霊たちが聞いていたら憤慨していたであろう。

いや、それ以外の英霊でも怒りをある程度示すだろう。

この天草の愚行につき合ってたセミラミスを除く"赤"のサーヴァントたちはどこまでこのことを知っていたのだろうか。

 

 

「ふざけんなよ‥‥‥」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

「巫山戯るなよ、島原の餓鬼!!」

 

「!?」

 

 

突如強い強風が巻き起こったと同時、相良の口から彼のものとは思えない叫び声が。

風邪でたなびいていたマフラーが空中に飛ばされた瞬間、天草は自分の眼を疑った。

なぜか真名看破スキルが発動したからだ。

それによって相良‥‥‥ではない何者かの正体が割れた。

 

 

「真名‥‥‥葛飾北斎!?いや、葛飾応為か! だとしてもありえない、変装の逸話は‥‥‥」

 

「ああ、そうさ! 俺のはただの道具作成の応用だ! 邪神との通信はブッチしてんからカルデア(・・・・)の時みたく完璧ではないんだがな」

 

 

目の前に居た者の変装が解かれた。

一瞬和服姿化のように見えたが、今見えるのは禍々しいドレスを身に纏い、花のように広がった触手を生やした歪な姿をしていた。

フォーリナーと呼ばれた番外のクラスを持つ彼女からは邪な神性を纏っていた。

 

 

「なーにが「人類の救済」だ! お前さんがやろうとしてんのは必死に昔の世を生きた奴ら、次の世代へと繋げた先人への侮辱だ。数十年ちょいで奇跡を起こした餓鬼が図に乗るなよ。俺たち芸術家(絵描き)が熱意を込めて描き、後世に遺した先人の武勇を消してまで平和な世を生きたいとは思わねぇよ」

 

「何を‥‥‥! 抱いた怒りや悲しみを全て捨て去った俺のことを、江戸幕府(あの時代)で大成したの画工のオマエ(・・・)に━━「お前さん‥‥‥人を過信しすぎてるんだろ」  は?」

 

「不老不死、永遠に絵を描き続けられるんだったらそれはそれでなってみたいナ」

 

「なら‥‥‥!」

 

「だがな、そん程度で人が救済されるとでも思ってんのか? 死にたいと思ってる奴は永遠に苦しむ。より激しい戦が起こる。不死の肉体を良いことに暴走する奴が現れる。この可能性を考えてなかったんか?」

 

「‥‥‥。」

 

 

正確には人の性善説に過信して、人の可能性を信じていないのだろう。

 

 

「野望を抱くのは誰だってあらぁ、俺が興味本位で生前持たなかった力を得たようにな。だがな、お前さんのソレを他人の過去(思い出)を破壊してまで成就させるのは違ぇ。勝手に自分のエゴを他人に押し付けてんじゃねぇよ」

 

「‥‥‥。」

 

 

お前がやろうとしてるのは他人からしたら傍迷惑なんだと言わんばかりに北斎は言う。

ある意味天草の願いの出力の仕方はアタランテに通じるものがある。

 

この段階でセミラミスは霊基をギリギリ崩壊する寸前まで保てる状態となった。

やるなら‥‥‥今か。

しかし、北斎は喋る。

 

 

「それにな、人は━━」

 

 

 

 

 

 

 

「海にレムリア! 空にハイアラキ! そして地にはこのあたし!金星神・火炎天主(サナト・クマラ)!!

 

 

「!?」

 

 

突如喋っていた途中で上空から光の柱のようなものが降りかかった。

この密度的に恐らくは対軍宝具。

相良豹馬め、会話の最中に攻撃を仕掛けるとかどこまで卑怯なのだ。

その宝具の攻撃は大ダメージを負う2騎の倒れていたサーヴァントの命に届きかける。

 

 

だが、なぜか気合と根性で耐えて見せた。*1

光が消えうせ上空に飛ぶのはUFOのような飛行物体。

これを扱えそうなのは敵のキャスターぐらいだと思うが、だとすると

 

 

「━━時に醜く、儚く、汚い一方、必死に生きようとしてる様は灯火のように明るく、美しく、輝かしい。俺はお前さんの持つ題に対する解は持ってねェがな‥‥‥その答えは自分だけで勝手に完結させるもんじゃねぇ」

 

 

瞬間、北斎がスタートダッシュを決める。

そして触手に付けられていた筆に青い炎が燃え始める。

それが宝具なのは誰が見たって分かることだ。

 

 

「ふんぐるいふんぐるい、我が渾身の一筆をいざいざご覧あれ! 冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい) 神奈川異海裏すさび!」

 

 

作家系サーヴァントがよくある生前の作品が宝具へと昇華されたタイプの宝具。

その筆によって描かれるのは大波、船、そして富士。

日本人であれば一度は見たことがあろう冨嶽三十六景という名画だ。

生前描いた絵画を描くという文字だけで見ればイマイチな感じだが、やってることは水属性の攻撃を連続して命中させるランクA+の対軍宝具という先ほどの光の柱の宝具よりも1段階上の宝具なのである。

 

この宝具に天草たちは回避することが出来るわけが無く、もろにその攻撃が命中する。

これは‥‥‥彼らの命に届いた。

セミラミスはアーチャーの宝具ももろに喰らっていたというのもあって即エーテル体が崩壊した。

天草の方は受肉しているというのもあって消え去らず、その場に糸が切れたマリオネットのようにうつぶせに倒れ込んだ。

 

 

「勝負ありだ‥‥‥ん?」

 

「‥‥‥まだ、だ

 

 

間違いなく先ほどの攻撃は天草の命に届いていた。

しかし願望への執着か、最後の力というやつなのか、血まみれで倒れながらも腕を懸命に前へと伸ばし前進せしめて見せた。

さすのこの姿に北斎も、一通り終えて横に立っていたエレナも絶句していた。

 

 

「60年‥‥60年間この時を‥‥‥聖、杯を‥‥‥あいつらの…犠牲を、無駄にしない‥‥‥!」

 

 

天草四郎の掲げた理想の原点はこれだったのだろう。

島原の乱で自分のために死んでいった仲間たちの犠牲と失った者への後悔から。

それが現世を見て極端とも言える結論を出してしまったのだろう。

 

 

(まだ俺は死ねない‥‥‥)

 

 

血反吐を吐きながら前へ這いずる天草。

風前の灯の命だが、彼ならばこのまま進み続けるだろうと思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

願いのために泥臭くても前へ進む執着は賞賛する、天草四郎(ルーラー)

 

 

だが、向か方には‥‥‥

 

 

カッコイイなんて言葉じゃ足りないな。━━だけど、それは都合がよすぎるな

 

 

聖剣を構えたシャルルマーニュ(セイバー)が立っていた。

 

 

「ぁ‥‥‥が‥‥‥」

 

 

天草の肉体に聖剣『ジュワユーズ』が深々と突き刺さった。

 

 

(終わ、りか‥‥‥ちくしょう‥‥‥ああ、何もかも‥‥上手く行かなかったな‥‥‥)

 

 

そして人類の救済という野望を抱いた裁定者はその目を閉じた。

 

 

「悪いなお二人、俺が横取りするような形でやってしまって」

 

「いや、構わんサ。あの状況だとお前さんの介錯が適当だったろうヨ‥‥‥」

 

「ええ。私たちだけなら動けず仕舞いだった。ありがとう、セイバー」

 

 

聖杯大戦は既に佳境に入っている。

 

 

 

 

*1
なぜかガッツ持ち




今回のまとめ:

天草君:セミラミス共々クリティカルを喰らった。聖杯が目的であるが"黒"のアーチャーの真名を特定した時点で内心「詰み」だと悟る。だけど、聖杯は欲しいので諦めない(ガッツ付与)。最期はシャルル君に介錯された。(天草の願いの第三魔法って過去の人にも付与する予定でしたよね? 間違ってたら指摘してください)

北斎:(武士の為朝が居ない歴史を作ろうとしていたから)案の定キレた。天草に対する発言はマスターの転生相良君の性格と考えが反映された結果。FGOの記憶も一部持っている。天草の執念に引いた。

エレナ女史:喋ってる最中に宝具で奇襲したキャスター(作戦通り)。しれっとシャルル君の宝具のサポートをしていた。天草の執念に引いた。

シャルル君:天草に介錯をした人。人のためにという目的でやったことには賞賛したが、それはそれとしてやり方が自分たちの思い出を消すようなことだったのであまりよく思っていない。後味が悪いがすぐに切り替えた。


というワケで天草主従が退場しました。
私は天草の人類救済の方法に関しては(私の語彙力が低いのもあって)理知的な否定を述べれません。なので私は2点、過去を変えるという点と人の可能性という点に着目しました。
正直なところこれは人の解釈次第なので異なる意見がでるかと思います‥‥‥。


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