時は少し遡る。
男、相良豹馬は今まで起こった経緯を思い出す。
なお、ここからは口語である。
死んだと思ったら転生していた件について
いや、急にパトカーとチェイス中の車がこっちに突っ込んでくるとは予想できないって。
こちとらコンビニ内に居たのに‥‥。
まーじで不憫すぎる死だったよ、全く。
そんでもって死んだと思ったらなんか転生して
で、そしたら親父から「魔術を学べ」などと言われた際は思わず目をぱちくりさせてしまった。
━━多分、フィクションの世界だなこれ。
普通考えて魔術なんて現実に存在するわけないじゃん。
言われるがままにそこそこの高校入りながら防衛魔術とかいうのを習ったりしたけど、正直言って魔術がショボい。
会得してるのは防衛魔術と暗示に潜伏、後は軽い呪術。
呪術というワードで呪術廻戦かと思ったら時系列的におかしいから違うし、何の世界だこれ。
親父が生贄があーだこーだとボヤいてきたが、こちとらそんなに人殺しとかしたくもねーよ。
お袋からは一応魔術の素質が高いと言われたが、魔術師の目的やら存在意義を聞いてると魔術に興味が微塵もなくなってしまった。
曰く、『根源』へと目指す
曰く、その『根源』へと至る過程で外道な手段も顧みない
正直言ってクソくらえである。
そういう意味ではダーニック先生には感謝しかない。
高校を卒業した後にあの人の教室にお世話になったが、その際にありがたいお話をたくさんしてくれたおかげで今の今まで平静を保っていられた。
そういや同じ教室を持ってる人物でエルメロイっていう人がいたけど前世で聞覚えがあったな‥‥どこだっけ?
18になってからは親父から魔術刻印を受け継いだ。
そして隠居してもらった。
こちとら自由に過ごしたいんだ。
ロンドンにある魔術協会で資料を呼んでいのたが、そこでようやく転生した世界が分かった。
このワードを聞いたらもう確定してしまった。
『亜種聖杯戦争』
「よりによってfateの世界かよ‥‥‥」
fate
確か結構有名なゲーム・アニメで原作は…具体的な内容は知らない。
大雑把な結末程度しか知っていない。
結構な数の死亡フラグがはびこる世界なのだが、とにかく冬木と呼ばれる市には絶対に行くつもりはない。
あんな魔境で一般人に毛が生えた程度の自分が生き残れるわけが無い。
ただ気になるのはなんで『亜種』聖杯戦争なんだ?
今は1997年で多分fate/zeroの事件が起こった後のはずなのだがニュースや時計塔の方で災害が起こったなんて情報を得たこともなければ原作の二次創作で『亜種聖杯戦争』なんて聞いたことがない。
単に原作ミリしらの自分だからという理由だけであってほしい、いやホントに。
そして、2000年に入って5月頃に事が動いた。
前々から仲良くしてたダーニックのおっさんが何か時計塔に宣戦布告しやがった。
それだけならまだよかったのだが、あろうことかダーニックの阿呆からこっちに付いてほしいと言われた。
聞けば今度行うサーヴァントを総勢14騎、7VS7で戦わせる聖杯大戦のマスターの1人になってほしいとのこと。
「嫌だ!!」と断りたかったのだが、ダーニックさんから事の発端と目的を聞かされて‥‥‥参加する決意を決めてしまった。
いやあの演説を聞かされて、覚悟を見せつけられたら従うのも無理はないだろう、恩もあるんだし。
ダーニックさんからは「普段通りのコウモリ男ムーブを取って平静を装ってほしい」と言われたのでその役割を演じてやろう。
すぐさま時計塔である程度仲良くなっていたウェイバー君ことエルメロイⅡ世に「情報を売るから見逃してくれ。」と一報入れておいた。
それにエルメロイⅡ世が胃を痛めたらしいが、知らん。こちとらずっと腹痛なんだよ。
というかこれfate/stay nightの世界じゃねぇ、これ外伝とかの世界線だわこりゃ。
時系列がいくら何でも合わなすぎる。
しばらく経ったら、ダーニックがサーヴァント召喚して腹を抑えまくっていたので胃薬を買う羽目になった。
ダーニックからアサシンクラスのジャック・ザ・リッパー召喚しろなんて言われたが、多分召喚した瞬間にこっちを殺してくるぞ。
それと最初召喚予定だったのがかのウラドⅢ世というのと切り割きジャックで分かったことだが、多分アポなんちゃらの世界だわ。
知っているのは主人公がジークとか呼ばれる少年なのとルーラーのジャンヌ・ダルクが色恋沙汰するぐらいしか知らないし、下手にその二人に関わるのは極力避けよう。
ということで、イギリスに行くなんて愚行はせずに地元の日本で召喚しよう。
知名度補正?
知るかよ、こちとら死にたくもないし。
幸いにもまだ開催まで準備期間があるからせっかくなので京都・大阪観光をするためだけに関空に降り立って清水寺とか通天閣を見ていたが、いい景色だった。
前世でも訪れたことはあったがいつ見ても綺麗だと思う。
出来ればこれが最後に見る絶景ではないことを祈りたい。
「さてと‥‥‥召喚は東京で行うとして新幹線は‥‥せっかくだしJR乗り継ぎで行こ。」
と、ここまでは順調だったのだがここで俺は盛大にやらかしていることに気づいていなかった。
そのやらかしは次の日にようやく気付いた。
「やっべ!一週間ズレてる!?」
かなり余裕があったとは思っていたけど、思いっきり日付を見間違えてた。
すぐに新幹線の席を確保しようとしたが線路トラブルで運休してるので新快速と快速の乗り継ぎで頑張ろうとしたが‥‥‥
『JR〇〇線は運休により━━』
大阪から滋賀辺りまで行けたのは良かったが今度は人身事故でストップしやがった。
時間的に東京行くのは無理だと悟り、仕方ないので滋賀で召喚を行うことにした。
幸いにもジャック・ザ・リッパー聖遺物がここに‥‥‥
「嘘だろ、なくなってるーーーー!!!」
駅のホームが混んでいた時があったからその時にスられたなこれは。
「あーもう、どうにでもなれー!」
こうならヤケだ。
どうせ、ある程度歴史は決まってる。
ジャック・ザ・リッパー召喚されるだろ、どうせ!(2度目)
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師■■■■■■■。手向ける色は“黒”」
召喚サークルを何とか作って呪文を唱える。
生贄なんてものは用意する気もなかったので完全な縁‥‥‥いや、さすがにないだろうけどその辺で買った古そうな信楽焼の狸でも置いとこ、携帯の待ち受け画面によさそうだし。
「━━告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うのならば応えよ。」
「━━誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者。我は常世総ての悪を敷く者。」
この呪文を片手でカンペ見ながらやってるがいつ見ても覚えられる気がしなかったな。
まぁ、どうせ参加するのは今回だけだろうから良いけどさ。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ━━!」
よし!サーヴァントが召喚に応じてくれた。
後は死んだふりして逃げることも視野に入れつつ、どうするか考え━━
「問おう━━貴様が我の主となる者か?」
あれぇ‥‥?
何か違うの来たんだけど‥‥‥
もしかして‥‥‥やらかした、俺?
◇
召喚されたのはナイフを持った殺人鬼ではなく、白い蛇を思わせるような忍者なアサシンだった。
「あ、ああ‥‥‥そうだ。俺がマスターだ」
「そうか‥‥‥」
物静かなアサシン。
間違いなくジャック・ザ・リッパーではない、日本人のサーヴァントだ。
確か日本の英霊は‥‥‥ああそう言えば、ダーニックさんが大聖杯を手入れしていたからそれで一部の機能を変更させたのか。
と、考えてはいたものの目の前にいるアサシンについてだが、忍者とこの召喚場所が滋賀県であることからもしかしてだけど‥‥‥
「あーアサシン、お前の真名はもしかして甲賀の‥‥‥」
「左様、我が真名を甲賀三郎。甲賀一族の祖だ」
甲賀三郎
『諏訪縁起事』『大岡寺観音堂縁起』の主人公。
天狗にさらわれた妻の春日姫を追いかけるが、2人の兄のはかりごとにより人穴に突き落とされ、伊吹山の異界、地底の国に迷いこみ彷徨い、後に地上へと生還するも、蛇体(または龍)となった魔人。
最終的には人間の姿に戻り、神道の法を授かって神通力を会得した後、信濃国岡屋庄に諏訪大明神として祀られている半神のサーヴァント。
恐らくだが、触媒となったのは適当に設置した古そうな信楽焼だろう。
あれには信楽、甲賀市の粘土が用いられているけど、まさか触媒になるとは‥‥‥。
ステータスの方は敏捷A、幸運EX、宝具A+、気配遮断A+‥‥‥って普通に当たりスペックじゃねーか!?
ダーニックさんには申し訳ないが、このアサシン多分初代の聖杯戦争でもやっていけるスペックだぞ。
「よろしく、アサシン。俺の名前は相良豹馬、呼び方はそっちが好きに呼んでくれたら構わない」
「では、相良と呼ばせてもらおう」
「ああ、分かった。あっ、そうだ、先に聞いておきたいんだが、アサシン…三郎さんの聖杯にかける望みは何だ?」
聖杯戦争は特にサーヴァントの願いを重視しない奴らが大半なのだが、生憎俺は願いはあるにはあるが、聖杯に願うほどのモノではないのでサーヴァントの願いに寄り添うカタチでいる。
当のアサシンはというとすぐに返答を返してきた。
「我が甲賀流の子孫達ならあるかもしれないが、
故に
「成程、なら当面は俺がこの聖杯大戦で生き残る且つ自陣営が勝利することを目標としたい。というのも‥‥‥」
一応アサシンにもこの聖杯大戦に参加した経緯と目的を聞いてもらった。
「それが我が主相良の御意向なら、承知した」
あー…そういや、この人って伝承の中でもハッピーエンド寄りで終わったんだっけ。
後で伝承も調べるけど、願いはないのか。
そう考えると何で呼べたんだろ。願いが無いなら指定したサーヴァントを呼べないのが当たり前だけど、「特に願いはないけど呼ばれたら行こう」なタイプなのかな。
まあいっか、アサシンに経緯も説明したことだし、ともかくルーマニアに向けての便を関空から何とか見つけて乗れた。
乗ってる最中に霊体化したアサシンから能力を聞かされたが、忍術はもちろんのこと、蛇や大蛇操れたり腕伸ばした格闘戦やら毒を放射できたりと‥‥‥あなた本当にアサシンですよね?
キャスタークラスではなくて?
◇
トゥリファスにあるユグドミレニアの城塞。
目的のアサシンとは別のアサシンを召喚してしまったことと、今後の予定について他の黒のマスターたちよりも一足早くダーニックさんと会話することになった。
「ただいま日本から戻りました、ダーニックさん」
「戻ったか、相良。どうやらアサシンを無事に召喚できたようだな。して、召喚したアサシンは?」
「ああ、その件についてなのですが‥‥‥」
アサシンに霊体化を解かせ、姿を現してもらった。
そのアサシンの姿にはダーニックさんは驚いていた。
「我が真名を甲賀三郎。甲賀忍の祖、此度はアサシンとして我が黒の陣に力を授けましょう」
「なっ!?相良、お前まさかとは思うが‥‥‥」
「すいません、やらかしました」
それからダーニックさんには色々説明した。
本来のアサシン召喚用の触媒が盗まれたこと。
召喚した場所を滋賀でやった結果、たまたま近くにあった触媒で呼べてしまったことをだ。
説明し終えた後ダーニックさんは少し落ちついてから、元の表情で話し始めた。
「そうか‥‥アサシンを召喚できただけよかったか。それに、召喚場所と召喚されたサーヴァントの出身地が同じだったことで一応のスペック上昇は見込めるか。
相良、そのアサシンのスペックはどうだ?やはり本来召喚されるアサシンとは違って、スペックが落ちたか?」
「いえ、それがですね‥‥‥スペックと能力的に多分亜種聖杯戦争の方だと普通に優勝できるステータスになってますね」
「それは、ホントか!!」
ダーニックさんが嬉しそうな顔をしてこっちを見てきた。
眼に隈ができているので徹夜でもしたのだろう。
一通りスペックを説明したが、やはりダーニックさん的にも規格外のアサシンだそうだ。
平均的なスペックも最低値がCでそれ以外はほとんどがBかAクラス、しかも神性持ちの半神ときた。
暗殺・強襲・格闘・忍術と遊撃としてはこれ以上にないサーヴァントであり、キャスターの役割すらも出来てしまう有能アサシンである。
これにはダーニックは胃痛が消し飛ぶほど内心ではウキウキだった。
間違いなく亜種聖杯戦争、いや本来の冬木で行われた第1次から第3次の聖杯戦争で優勝できる能力を持つサーヴァントだ。
本来召喚されるアサシンで時計塔の魔術師たちに対抗する予定だったが、良い誤算が出た。
相手のマスターに暗殺を仕掛けられるどころか、キャスターのようなことも出来る上、三騎士相当のサーヴァントと白兵戦を行えるという破格のスペックのアサシンだ。
「相良、今回の聖杯大戦でお前は作戦参謀をやれ」
「‥‥‥ゑ?な、なぜに?」
「というのもな、他のユグドミレニアのマスターなのだが、ゴルドは指揮に向いておらず、ロシェはまだ幼く戦場を知り尽くしていない。セレニケは少々アレな上除外し、カウレスとフィオレもまだ未熟な方だ。
よって、魔術師として外来ではあるがそれなりに亜種聖杯戦争に知識のあるお前を作戦参謀としてやってもらいたい。」
はぁ‥‥こうなったか。
確かに友人が亜種聖杯戦争に勝利してたし、時計塔でその知識を網羅しているから作戦参謀としては適任だわな。
まぁ、最初は離脱しようかなとも考えてたけどダーニックさんの決意を知ってるから恩を返すという意味合いも込めて忠誠を誓おう。
良いだろう、なら勝つ方針でやってやろうじゃねぇか!
「分かりました、ダーニックさん。参謀をやらせてもらいます。そして、次世代の柱としても」
「そう言ってくれると思ってたよ。さぁ、共に勝利を目指そうじゃないか」
手厚い握手をダーニックさんとする。
これより俺はどんな手段を使ってでも勝ってやる、それもパーフェクトゲームっていうやつをな!
ただし、本来の主人公たちを自分の知らない原作の軌道に乗せながらだがな。
今回のまとめ:
相良(転生者)「fate世界に転生か…静かに生きたいなぁー‥‥‥え? 聖杯大戦に出てくれ? 嫌なんだけ━━『(良肉による熱い演説)』 あー分かりましたよ、出ればいいんでしょ、出れば!」
相良(転生者)「何か触媒盗まれたし、場所も滋賀だしで色々やらかした‥‥‥。仕方ない、代わりのアサシンを召喚しよ」
サブちゃん「呼んだか?」
相良(転生者)「何か凄いのキター!」
良肉「ヨシ!司令塔やれ!」
というワケで、相良が(憑依)転生者となり、アサシンがサムレムアサシンに変更されました。ここからはメイン主人公を相良として描きます。
ちなみにですが、転生相良君は(一応)転生者特典みたいなものは2つありますが、本人は自覚していません。「無自覚系最強転生者」とかではなくガチで自覚してません。
"黒"のアサシン:
真名…甲賀三郎
ステータス及びスキルはサムレムと同一である。