現在はだいたい原作開始の6年前といったところか。
ゼファーが右腕をなくすあの事件がだいたい原作開始の7年前くらいで、そこからクマドリとフクロウの悪魔の実の件があったり、別の無人島に運び込んでいた宝樹アダムをこの島に持ってきたりしていたからな。
とりあえず俺はこの1年くらいは島に籠って修業をするつもりだ。
トムが本格的に取り掛かった造船の様子が気になると言うのもある。
しかし、本命はウィーブルとゼファーとの戦闘で急成長した覇気を確実に自分のものとしさらに成長させることだ。
それと、造船の合間にトムから魚人空手を教えてもらおうと思っている。
まず前提として、前にも言った通り、重すぎるデメリットを許容できないため俺は悪魔の実を食べる気がない。どんなに強い能力でもだ。
原作でもルッチが食べた動物系(ゾオン系)だと身体能力が向上し、なおかつモデルとなった動物の能力も得ることができる。さらに幻獣種ならその効果は著しいだろう。
だがそれがどうした。身体能力の向上?そんなものは俺が生死の境を幾度も彷徨いながらも複数回実行した生命帰還による超強化された肉体には及ばない。もちろん、毒や薬物による攻撃も想定していたためそのへんの耐性もばっちりつけている。
超人系(パラミシア系)・自然系(ロギア系)は身体能力の強化などは基本ない。そのため言わずもがなである。
例え、厄介な能力を持っていたとしても覇気で防げばいいし、覇気でぶん殴れば万事解決である。
とはいえ、能力者と比べて無能力者は広範囲攻撃つまり殲滅力などが劣っていると思うかもしれない。
しかし主人公の爺ちゃんがコビーを助けに行ったシーンで披露した「拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)」があるだろう。
身体能力・技術・覇気が揃えば能力者以上の広範囲攻撃を手に入れることも可能なのだ。
そのため俺は悪魔の実を食べずに、身体能力・戦闘技術・覇気の全てを極めて最強になる。
つい長くなってしまったが、その技術的な面で注目したのが、魚人空手である。
魚人空手とは水中でも陸上と変わらないほどの絶大な力を発揮することができる武術である。水中でのトレーニングは非常にいい鍛錬になるため最近は海に潜って海王類と戦ったりするのでちょうどいいと思った。
魚人空手の真髄は「周囲一帯の『水』の制圧」と言われている。
そのため水中のみならず陸上でも大気中や物質内に存在するあらゆる「水」を利用することで、より高い攻撃力を生み、様々な応用が効くはずである。
水中で威力が落ちないのもこの一端と言えるが、陸上でも大気中の水に「振動」や「衝撃」を伝える事でより破壊力を増したり、遠距離の攻撃ができると思った。
俺が現在使う遠距離用の攻撃といえば主に嵐脚だが、腕を使用した遠距離用の攻撃が欲しかった。
一応、「指銃」の応用技で飛ぶ指銃「撥」も使えるが、これは貫通力に優れているが、面での制圧力がなかった。
そのため魚人空手を習得して海中での戦闘力をあげることはもちろん、陸上での不足していた範囲攻撃の技を手に入れたいと思っている。
覇気と魚人空手の修業をしながら約半年が経った。
どちらも順調に自分のものにすることができている。
それと思わぬ副産物があった。身体能力がもう1段階上がったことだ。
最近はもっぱら海中で覇気や魚人空手の修業をして、海王類と戦闘しまくっていた。そうしたらこの身体がどんどん海中に適応するとともに、身体能力が上がっていた。
やはり海中はいいトレーニングになるようだ。
それとトムの造船も順調に進んでいっている。
今ではカクも楽しそうに手伝っており、トムからしても助かっているだろう。カクはこれでうちの船大工として安心して任せてよさそうだ。
それに戦闘訓練の方も合間にしっかり取り組んでいるし、カリファや他のメンバーと一緒に実戦も頻繁に経験している。
そろそろ海に本格的に出る日は近い。
ザパァーン
「ふぅーーーはぁはぁ。」
死にかけた。
最近、上手くいくことが多くて気が緩んでいたな。
海中でのトレーニングの途中、今まで見たこともないくらいデカい海王類がいた。
俺はいいトレーニングになると思い、そいつに攻撃を仕掛けて海中でバチバチにやりあっていた。もちろん覇気や魚人空手を全力で使っていたため俺が有利だったんだが…
そいつが急に叫び出した。意識が飛びそうになるくらいデカい声で。
俺が唖然としていると、大量に海王類が集まりだして俺に一斉に襲いかかってきた。
さすがに海中では陸上ほど身軽に動けない俺は多勢に無勢となり押されていき、陸上に逃げようにも囲まれていたため逃げきれなかった。
いよいよ死を覚悟したとき、身体の内側からなにかが爆発的に迫り上がってくるのを感じた。
俺はそれを思いっきり解放した。
次の瞬間目を疑った。
数多の海王類が気絶していた。
あぁ……なるほど。
持っていたのか。俺も、、、王の資質を。
「覇王色の覇気」
これまで使える気配が無かったら俺には覇王色の適正はないと思っていたが…本気で死を覚悟するほど追い込まれることが俺の覇王色が目覚める条件だったのか。
なんにせよ、これは重畳。
俺は最強にまた一歩近づいた。
さらに半年が経過した。
あれから覇王色の覇気は特に進展していない。使えるようにはなったが、まだ原作の主人公がやっていたような「纏う」ことはできていない。
やはりあれは強敵との実戦でないと磨かれないということか。
しかし武装色と見聞色の方は順調であり、さらに魚人空手の真髄「周囲一帯の『水』の制圧」はモノにすることができた。
上腕から放つ、遠距離用の面での制圧力がある「水衝波」はこれから重宝するだろう。
さて、そろそろ俺たちの船が完成するようだ。
「おう、来たかルッチ。これはワシが造った船の中でも1.2を争うくらいの自信作だ!!」
「……あぁ。これはとんでもないな。よくここまでのモノを造り上げてくれた。礼を言う。」
(他のやつもみんな呆然としているな。斯くいう俺もだが。)
「なにお前らが最高の材料や道具を提供してくれたからだ!カクやお前らみんな手伝ってくれたしな!
それにあの日死ぬはずだったワシにもう一度船を造る機会をくれて、こちらこそドンと感謝じゃわい。」
「お前さえよければ、俺らの船に乗るか?」
「そうだぜトムさん!一緒に行こうぜ!!」
「いや、ワシは遠慮する。ワシも結構な歳だしな。
余生はウォーターセブンの家族と一緒に過ごすわい。
お前たちのおかげでワシも楽しかったし、こうしてまた家族と過ごす機会を貰ったからのぉ。」
「そうか。なら最初の目的地は決まりだな。
一応あれから少し時間が経ったとはいえ、あまり派手に動くなよ。
俺らも旅に出るから次は助けられんぞ。」
「ガハハッハ。お前さんらの派手な冒険の話を楽しみに細々とやっとくわ!」
それから進水式をして、最初の目的地「ウォーターセブン」へ行きトムを送り届けた。
トムが造ったこの船の乗り心地や安定感は抜群で一瞬で到着したように感じた。
この最高の船があればどこへでも冒険できそうな気がする。
船の名前は「ザ・ワールド」。ザ・ワールド号だ。
この世界のどこへでも冒険に行けるようにという意味を込めてだ。
船底には海楼石が敷き詰められ、カームベルトも安全に航海することができ、宝樹アダムで抜群の安定感を誇る。
惜しみ無くいい材料を大量に注ぎ込んだため、20人が余裕を持って船旅ができるほどの広さをもつ。
それに大砲などの武器(弾薬を除く)は搭載していないため、身軽に航海することができる。大砲を搭載してない理由は、俺らはみんな超人と言われるほどの身体能力を持っている。そんな俺らは弾丸を持って自分で投げた方が威力が出るからだ。
このようにトムは最高の船を造ってくれた。
この船でこの世界を自由に旅して、遊び尽くそう。
そしていずれは俺がこの世界で最強になりたいものだ…