日本からアベンジャーズ入りしました。尊敬する人?五代さんと一条さんです   作:ken4005

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ソーの戦闘規模な主人公暴れさせても問題ないよね!

というわけで、マイティ・ソー / ダークワールド編、開幕です。

アイアンマン3の件を反省して、主人公が積極的に行動します。………行動はするんです。




マイティ・ソー / ダーク・ワールド編
行動


 

「というわけで、はい。帰れませんでした!」

 

僕は東京の空を見上げながら、誰に言うでもなくそう叫んだ。アンノウンを巡る一連の事件が終わり、G4計画も破棄され、闇の力と光のエルの問題も、とりあえずは落ち着いた。

 

本来なら、僕と一条さんは長野へ帰るはずだった。ところが、

 

『一条薫警部には、引き続き警視庁において未確認生命体、およびそれに類する特殊事件への対応に――』

 

とかなんとか。要するに、

 

「一条さん、東京勤務続行!」

 

「不満か?」

 

「いえ、別に。」

 

隣を歩く一条さんを見る。むしろ僕としては、一条さんと一緒にいられるので不満はない。

 

「長野県警の人なのに、いつまで警視庁にいるんです?」

 

「俺に聞くな。」

 

「ですよね。」

 

というわけで、僕たちは東京で生活を続けることになった。ホテル暮らしを続けるわけにもいかないので、一条さんが都内の一軒家を借りてくれた。そんな感じで、東京での新生活が始まったのだが、

 

この世界で、平和な日常が続くわけがない。

 

正確に言えばまだ何も起きていない。ニュースを見ても、大事件が起きたという話はない。スタークさんの件以来、S.H.I.E.L.D.からも特に連絡はない。だからこそ、

 

「今年だったはずなんだよなぁ……。」

 

前世の記憶。それによれば、『アイアンマン3』の次に起こる大きな事件は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』。細かいところは、正直かなり忘れている。だけど、覚えていることもある。

 

舞台は確かロンドン、いや地球ではって話だけど。確か色んな世界に行ってた気がする。それで、敵はダークエルフ。エーテルと呼ばれていた赤い何かが出てきて、あれの正体は確か、インフィニティ・ストーン。そして、

 

「ソーのお母さん……亡くなるんだよな。」

 

フリッガ。ソーとロキの母親でダークエルフがアスガルドへ侵攻した際に殺される。

 

「……これは、助けた方がいいよね。」

 

原作を知っているからといって、何でも変えればいいとは思っていない。下手に歴史を変えた結果、その後に何が起きるか分からない。実際、ニューヨークでもアイアンマン3でも、僕はなるべく本来の流れを壊さないように動いてきた。

 

だからって、助けられるかもしれない人が死ぬと知っていて、何もしないのは違う。

 

「よし。」

 

まずは………電話だ。

 

―――――

 

『それで?』

 

「ソーと連絡取りたいんですけど。」

 

『無理だ。』

 

「即答!?」

 

電話の向こうで、フューリーが平然と答えた。

 

「いや、S.H.I.E.L.D.ですよね!?」

 

『だから何だ。』

 

「宇宙人とも連絡取れたりしないんですか?」

 

『S.H.I.E.L.D.を何だと思ってる。』

 

「宇宙人とも連絡取れる組織。」

 

『買い被りすぎだ。』

 

ニューヨークで宇宙人と戦った組織なんだから、もうちょっと頑張ってほしい。

 

「じゃあ、ソーが地球に来たら分かります?」

 

『状況次第だ。』

 

「アスガルドへの連絡手段は?」

 

『ない。』

 

「ビフレストを呼ぶ方法。」

 

『ソーが世界を移動する手段だったか?ない。』

 

「ヘイムダルに連絡。」

 

『誰だ?』

 

「役に立たない!」

 

『切るぞ。』

 

「すみません!………分かりました。自分で何とかします。」

 

『クロオ。』

 

「はい?」

 

『何が起こる?』

 

「さあ?ただ僕の勘は、何かが起こるって言っています。」

 

『お前が『勘』という言葉を使う時は大体何かが起こる。なら、事が起こる前に連絡を入れろ』

 

「善処します。」

 

『善処じゃない。』

 

電話を切った。S.H.I.E.L.D.は駄目か。僕は庭へ出て、空を見上げる。大きく息を吸って、

 

「ヘイムダールさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!聞こえてたら返事してくださぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

 

駄目か。冷静に考えれば、ヘイムダルは九つの世界を見渡せるのであって、地球で叫んだら返事してくれる人ではない。いや、もしかしたら見てるかもしれないけど。

 

「見てるなら迎えに来てくれるかな……。」

 

………来ない、次。

 

―――――

 

「アスガルドに行きたいんですけど。」

 

「無理だ。」

 

最近、即答で無理って言われること多いな。

 

喫茶店。僕の前にはコーヒー。闇の力の前には、当然のようにカプチーノ。完全に定番になっている。

 

「闇の力ですよね?神みたいな存在ですよね?」

 

「人がそう呼ぶことはある。」

 

「宇宙規模の存在ですよね?」

 

「概ね間違ってはいない。」

 

「アスガルドに行きたいです。」

 

「無理だ。」

 

「何で!?」

 

闇の力はカプチーノを一口飲む。

 

「私にも出来ることと出来ないことがある。」

 

「ラスボスなのに。」

 

「ラスボスにも出来ないことはある。」

 

ラスボス呼びを受け入れてるよ。でも、フューリー駄目、ヘイムダル駄目、闇の力も駄目。となると、

 

「……最後の手段か。」

 

―――――

 

「というわけで、教えてください。」

 

「何を?」

 

火のエルが首を傾げた。

 

「ダークエルフについて。」

 

「知らね。」

 

僕は頭を抱えた。

 

駄目じゃん!

 

「僕よりMCU作品詳しいんですよね!?」

 

「俺は広く浅く見る派だったの。」

 

火のエルは僕の知らないMCUの知識を持っている。だったら、何か知っているかもしれないと思ったんだけど。

 

「じゃあ、覚えてる範囲でいいです。」

 

「そうだな。」

 

火のエルが腕を組む。

 

「舞台はロンドンじゃなかったか?」

 

「そう! それは僕も覚えてます!」

 

「敵はダークエルフ。そして、エーテルと呼ばれるインフィニティ・ストーンが関わっていたな。」

 

「それも覚えてます。」

 

「後は……。」

 

「後は?」

 

火のエルがしばらく考える。

 

「寒そうな時期だったな。」

 

「情報が雑!」

 

いや、でも大事かもしれない。少なくとも真夏ではない。

 

「他には?」

 

「知らん。」

 

「何かあるでしょ!?」

 

「知らんものは知らん。」

 

「じゃあ、一番大事なこと聞きます。」

 

「何だ?」

 

僕は身を乗り出した。

 

「アスガルドへの行き方は?」

 

火のエルは即答した。

 

「知らね。」

 

終わった。

 

―――――

 

「手詰まりじゃん……。」

 

僕はテーブルへ突っ伏し、向かいでは闇の力がカプチーノを飲んでいる。結局、またここへ戻ってきてしまった。

 

「アスガルドに行けないし、ソーに連絡もできない。」

 

「ああ。」

 

「ヘイムダルは来ないし、火のエルも知らない。」

 

「ヘイムダルが誰かは知らんが、火のエルは昔から大雑把だ。」

 

「どうすればいいんですか……。」

 

嘆いていると、闇の力がカップを置いた。

 

「何故、こちらから行く必要がある。」

 

「え?」

 

僕は顔を上げる。

 

「雷神が地球へ来るのであれば、その時を待てばよい。」

 

「でも、ソーが来ても僕には分からないですよ。」

 

「分かる。」

 

「……何で?」

 

「お前も雷を宿している。」

 

闇の力が僕を見る。

 

「雷神の力。そして、お前が持つ雷のエルの力。性質は異なるだろうが、共に雷を司る力だ。」

 

「……まさか。」

 

「互いが近しい世界に存在すれば、上位の力同士が感応する可能性がある。」

 

僕は自分の腹――アークルのある場所を見る。

 

「つまり、ソーが地球に来たら……。」

 

「お前ならば察知できる。」

 

なるほど、それなら。

 

「でも、居場所までは?」

 

「分からんだろうな。」

 

「ですよね!」

 

上手くいかない!

 

「ならば、風谷真魚を頼れば良い。」

 

「真魚?」

 

「お前の力で、あの娘の力を増幅させろ。」

 

闇の力が平然と言う。

 

「そして、雷神へ直接呼びかければよい。」

 

「……テレパシー?」

 

「あの娘ならば可能だ。」

 

………それでいこう。

 

―――――

 

「というわけで、真魚。」

 

「嫌。」

 

「まだ何も言ってない!」

 

美杉家で僕が事情を説明しようとした瞬間、真魚に拒否された。

 

「クロオがそういう顔して来る時って、大体ろくなお願いじゃないもん。」

 

「今回は世界の危機かもしれないんだよ!」

 

「前もそんな感じじゃなかった?」

 

「前よりは規模が大きい!」

 

「余計嫌なんだけど。」

 

真魚には、僕がこの世界に関する曖昧な未来の知識を持っていることは話してある。

 

なので、とりあえず事情を説明した。ダークエルフ、エーテル、アスガルド。さらに、ソーの母親がこのままだと殺害される可能性がある事を。

 

そして、ソーが地球へ来た場合、僕の雷の力で感知できる可能性があり、

 

「それでね。僕の力で真魚の超能力を増幅して。」

 

「うん。」

 

「ソーにテレパシーで連絡を取ってほしいんだ。」

 

真魚はしばらく黙った。そして、

 

「この前は人間GPS。」

 

「…………。」

 

「今度は人間電話にするのね。」

 

「言い方!」

 

「間違ってる?」

 

「……間違ってないけど。」

 

真魚が呆れた顔で僕を見る。

 

「私の超能力、便利道具じゃないんだけど。」

 

「重々承知しております。」

 

「本当に?」

 

「本当です。」

 

「じゃあ貸し二つ目ね。」

 

「……お願いします。」

 

僕が頭を下げると、真魚は少しだけ黙って。

 

「仕方ないなぁ。」

 

小さく笑った。

 

「ソーさんが来たら教えて。」

 

「ありがとう!」

 

これで準備は出来た。ソーが地球へ来たら僕の雷の力がソーの力を感知する。真魚の力を増幅して、ソーへ連絡。そこから事情を聞いて――可能ならアスガルドへ行く。

 

「……で、ソーって人はいつ来るの?」

 

「具体的には覚えてなくて、火のエル曰く『寒そうだった』としか。」

 

「ふーん。じゃあ待つしかないね。」

 

「だね。」

 

僕と真魚は、いつ来るかも分からない雷神を待ちことになった。

 

 

ーーーーー

 

10月、ソーはまだ来ない。

 

「良かったね、大学受験と重ならなくて。」

 

「うん。でも真魚、僕に合わせて総合型受験にして良かったの?」

 

「うん。まあ、あんまり勉強好きじゃないし、受験が早く終わるのは悪い事じゃないよ。」

 

僕も、真魚も、二人とも無事に東京の私立大学への進学が決定。

 

ーーーーー

 

そして、11月。

 

「来た!………けど、何だこれ?ソーじゃない。でも、僕の中のアマダムが反応している?」

 

ーーーーー

 

真魚と合流して、先にテレパシーではなくサイコメトリーを使ってもらう。

 

「何?今度は人間検索機能にでもしようってこと?」

 

「お手間かけます。」

 

真魚と手を繋ぎ、僕が感じているものを共有、 それが何なのか確認してもらう。恐らく、

 

「………外国の女性。ううん、この人の中にある、別の何かにクロオの力が反応している感じ。」

 

「多分、この前話したエーテルだ。」

 

だけど、何でアマダムはエーテルに反応したんだ?闇の力がアマダムは宇宙由来の力だと言っていたけど、

 

まあ、今は気にしないでおこう。とりあえず確認が出来た。なら次は、

 

「「一条さんに連絡。」」

 

「………。」

 

「でしょ?」

 

 

ーーーーー

 

マイティ・ソー / ダーク・ワールド編開幕。

 

ーーーーー

 

 

 

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