日本からアベンジャーズ入りしました。尊敬する人?五代さんと一条さんです 作:ken4005
この話からアヴェンジャーズをアベンジャーズ、ヒュドラをヒドラに訂正します。誠に申し訳ありませんでした。
そして、だらだら長いです。申し訳ありません。
――未来知識大暴露会。
そんな名前を誰かが付けたわけじゃない。付けたわけじゃないんだけど。
「…………。」
僕の目の前には、壁一面を覆う半透明の板が浮かんでいる。青白い光を放つそれは、地球でいうところのホワイトボード……いや、タッチパネル式の大型ディスプレイかな?あ、指で触れると文字が書けて、空中で動かせる。さすがアスガルド。神話の世界なのにハイテクな物がたくさんある。いや、今はそんなことどうでもいい。
「では、始めましょうか。」
手を叩きながら、フリッガさんが穏やかに微笑んだ。
「…………はい。」
逃げられないよなぁ、と思いながら僕はベッドの上で上半身を起こしたまま、部屋を見回す。
一条さん、真魚、フューリー、キャロルさん、ロキ、オーディン王、フリッガさん。
何このメンバー?こんな原作重要人物たちの前で、うろ覚えの映画知識を披露しなきゃいけないの?…………もういいや、どうにでもなーれ。
「じゃあ最初に、僕の知識について説明します。」
全員の視線が集まる。………このメンバーの視線が集まると普通に怖い。
「前提条件として、僕は未来を自由に見られるわけじゃありません。」
「未来予知ではない、と?」
ロキが聞いてくる。
「はい。未来が突然見えるとか、そういう能力じゃないです。」
「では、何なのだ?」
今度はオーディン王。どう説明すれば良いんだろ?転生しました、前世であなたたちの戦いを映画館で見ました。…………いや、これは止めよう。意味不明過ぎる。ん?でも映画か、
「……ある特定の人たちの戦いを、映画みたいな形で見た記憶があるんです。」
「映画?」
キャロルさんが首を傾げる。
「はい。僕自身がその場にいたわけじゃなくて、少し離れたところから出来事を見ているような……そんな感じです。」
フューリーが腕を組む。
「つまり、記録映像に近いものか。」
「感覚としては、そんな感じです。ただし――」
ここ大事。ものすごく大事。
「全部じゃありません。」
「全部ではない?」
「はい。」
僕は深く息を吸った。そして、覚悟を決めてから口に出す。
「…………正直、好みで知識に偏りがあります。」
「「「「「「「…………。」」」」」」」
部屋が一気に静かになった。静寂の中、キャロルさんが瞬きをしながら、
「好み?未来の知識なのよね?」
「はい。」
「好みで?」
「どの未来の知識を観るのか、選択肢みたいなのがあったので。」
キャロルさんがフューリーを見る。
「ニック。」
「何だ。」
「思ってたより役に立たないわよ、この未来知識。」
「酷い!いや事実ですけど、本人が一番分かってるので言わないでください!」
僕が嘆いているのを無視して、一条さんが確認するように口を開く。誰も慰めてくれない。
「つまり、黒雄が興味を持っていた人物や事件については詳しいが、そうでないものについては知らないことが多い、ということか。」
さすが一条さん、僕の雑な説明を綺麗にまとめてくれた。
「それどころか、知ってる話でも細かい部分は忘れてます。」
「……お前、今までよくそれで動いていたな。」
フューリーが呆れたように言う。
「今回の件は特に本当にすみません。色々と急いで動き過ぎて、迷惑をかけました。」
でも、知ってるから安心、じゃない。知ってるけど細部が分からないから怖いんだ。だから、正直、今回このメンバーで僕の知識を共有できるのは渡りに船だ。僕は目の前の半透明な板を触れ、
「とりあえず。これから起きることだけを話しても分かりづらいので、今まで起きたことも合わせて年代順に並べてみませんか?」
「妥当だな。」
フューリーも頷いてくれた。僕は板へ指を伸ばし、
「まず、一番古いのが……キャプテン・アメリカ。」
文字が浮かぶ。
1943~1945年 キャプテン・アメリカ
「第二次世界大戦中。スティーブさんが超人血清を投与されてキャプテン・アメリカになった。ヒドラと戦って、最後は飛行機ごと北極圏に墜落。長い間、氷の中で眠ることになった。」
「そこはS.H.I.E.L.D.の記録とも一致する。…………お前、過去の記憶まであるのか?」
フューリーが言う。
「少しだけです。次が――」
僕の指が止まる。
「…………あれ?」
「どうしたの?」
真魚が首を傾げる。
「いや。」
次ってアイアンマン。スタークさんの事件だと思ってたけど。チラっと、僕はキャロルさんを見る。
「キャロルさんって、いつ頃に力を得たんでしたっけ?」
「私?」
キャロルさんが少し考え、
「一九九五年だったわね。」
「なるほど。」
新しい文字を書き入れる。
1995年 キャロル・ダンヴァース
「私の話も知ってるの?」
言えない。本筋の内容は全く知らないなんて言えない。
「後で。」
「怪しいわね。」
怖い。…………とりあえず視線を逸らして、次にいこう。
「その次が……アイアンマン。」
2010年 アイアンマン
「スタークさんが拉致されて、洞窟で最初のアイアンマン・スーツ、そしてアークリアクターを作る。帰国後、アイアン・モンガーと戦う。」
フューリーが頷いているので合ってるみたいだ。
「次は、」
2011年 アイアンマン
「もう一回アイアンマンなんだ。」
「雑ね。」
真魚とキャロルさんからツッコミが入った。
「いや、だってアイアンマン関係の事件が連続で起きてるはずなんですよ。」
正式名称を言うならアイアンマン2だけど、2って何だよってなるし。
「この頃にウォーマシンが誕生して…………あ、フューリーがスタークさんと接触したのって、この時ですよね?」
「そんなことも知っているのか。」
もう一つ追加。
2011年 ハルク
「同じ頃、ブルース・バナー博士がハルクになる。」
さらに、
2011年 ソー
「ソーさんが地球に追放されて、ロキが色々やらかして、ロボットみたいな奴が地球で暴れた。」
「デストロイヤーだな。………随分と私の部分が簡潔ではないか?」
「詳しく話しましょうか?」
「……いや、いい。」
ロキが目を逸らした。まあ、僕もあの辺の家庭事情を本人と両親の前で詳細解説したくない。
「この三つは、ほとんど同じ時期に起きた…………と思うんですけど、」
「そうだ。」
フューリーがボードに書かれた内容を確認する。
「スターク、バナー、ソー。S.H.I.E.L.D.は同時並行でこれらに対応していた。正直、目が回るほど忙しかった記憶がある。」
映画の公開順だとズレて見えるけど、実際の年代ではかなり近いんだ。
「で、翌年にはとうとう、」
2012年 アベンジャーズ
「ロキが地球に来て、チタウリがニューヨークを襲撃。アベンジャーズが結成される。」
「私の輝かしい敗北だな。」
「輝かしいんですか?」
「黙りたまえ。」
何で僕が怒られるんだよ。気を取り直して次だ。
2012年末 アイアンマン
「トニーさんがマンダリン――というか、キリアンと戦う。」
アベンジャーズ以降の事件に関しては、僕が介入し始めて、知識と変わり始めているはずだ。
2013年 ソー
「そして先日の、ダークエルフとエーテルの事件。」
そこまで書いて、僕は一度止まる。ここが現時点。そして、これから先が未来の話だ。新しい文字を書いていく。
2014年 キャプテン・アメリカ
部屋の空気が少し変わり、フューリーの表情から感情が消える。
「……それが。」
「あの件です。」
ヒドラによるS.H.I.E.L.D.の乗っ取りが発覚、そして崩壊。インサイト計画。そして、ウィンター・ソルジャー。
「来年、もう一度キャプテン・アメリカが関わる大きな戦いがあります。」
僕は並んだ年代を眺める。
1943~1945年。
1995年。
2010年。
2011年。
2012年。
2013年。
2014年。
「…………こんな感じだったはず………なんですけど、」
自信がなくなってきた。
「フューリー、間違ってる所ってありますか?」
「俺に未来についての知識を確認するな。」
「ですよね。」
でも、過去の出来事についてはフューリーが一番正確に覚えているはずですよね?
キャプテン・アメリカの戦いは第二次世界大戦末期。
キャロルさんの事件が一九九五年。
スタークさんがアイアンマンになったのが二〇一〇年。
翌二〇一一年に、スタークさんの二度目の大きな戦い、ハルク誕生と、ソーさんの地球追放がほぼ同時期。
二〇一二年にニューヨーク決戦。
同年末にキリアンの事件。
そして二〇一三年、今回のダークエルフ。
「うん。」
僕は頷く。
「だいたい合ってるはずですよね。」
「だから何故お前が確認する側なんだ。」
「記憶が曖昧なんですよ!仕方ないじゃないですか!」
「ねえ、クロオ。」
真魚がボードを指差していた。
「グロンギとかアンノウンは書かないの?あと、クウガ。」
「…………あ。」
MCU関係の事件じゃないから忘れてた。
「お前な。」
一条さんが額を押さえた。
「いや! 違うんです! 今まで僕が知ってた出来事を並べてたから、自分が実際に経験した方が頭から抜けてました!」
「だからって忘れる?」
真魚が信じられないものを見る目をしている。僕は慌てて二つ追加する。
2010年 未確認生命体事件
クウガ/グロンギ
「僕がクウガになった年。九郎ヶ岳遺跡からグロンギが復活して、未確認生命体事件が始まった。」
そしてもう一つ、ニューヨーク決戦の後。
2012年 アンノウン事件
クウガ/闇の力・光のエル・超能力者・アギト
「こっちはニューヨークの後。アンノウンが出現して、闇の力、光のエル、そして超能力者やアギトが関わった事件。」
「こうして見ると。」
真魚がボードを見上げながら、出来事に目を通し、
「クロオの周り、事件多すぎない?」
「僕のせいじゃないよ!?」
「あ。」
僕が悲痛な声を上げている隣で、キャロルさんが声を上げた。
「なら、私も追加するわね。」
「え?まだ事件があるんですか?」
「ちょっと詳細をね。」
キャロルさんがベッドから身を乗り出し、空中のボードへ手を伸ばす。
1995年 キャプテン・マーベル
クリー/スクラル事件
「名前だけじゃ分かりにくいでしょ?」
「なるほど。」
確かに。僕のクウガとグロンギみたいに、何と戦ったのかも書いた方が分かりやすい気がする。
「それなら全部統一するか。」
フューリーが立ち上がり、そこからは何故か全員参加になった。
キャプテン・アメリカ/レッドスカル・ヒドラ。
キャプテン・マーベル/クリー・スクラル。
アイアンマン/アイアン・モンガー・ウィップラッシュ。
ハルク/アボミネーション。
ソー/ロキ。
「私だけ敵側にも名前があるな。」
「実際敵だったでしょう。」
ロキが黙った。
クウガ/グロンギ。
アベンジャーズ/チタウリ・ロキ。
「ロキ。」
「反省しているので掘り返さないでください、母上。」
クウガ/アンノウン・闇の力・光のエル・超能力者・アギト。
アイアンマン/キリアン・エクストリミス。
ソー/ダークエルフ・マレキス・エーテル。
「私とクロオも参戦したよ?」
「今回は私も味方側だ。」
はい。そうでした。
ソー・ロキ・クウガ・アギト/ダークエルフ・マレキス・エーテル。
そして――
キャプテン・アメリカ/ヒドラ・ウィンター・ソルジャー。
最後の項目の後ろに、S.H.I.E.L.D.も追加する。完成した年表を見上げると、
1943~1945年
キャプテン・アメリカ/ヒドラ・レッドスカル
1995年
キャプテン・マーベル/クリー・スクラル
2010年
アイアンマン/スターク・インダストリーズ・アイアン・モンガー
2010年
未確認生命体事件 クウガ/グロンギ
2011年
アイアンマン・ウォーマシン/ウィップラッシュ
2011年
ハルク/アボミネーション
2011年
ソー/ロキ・デストロイヤー
2012年
アベンジャーズ/ロキ・チタウリ
2012年
アンノウン事件 クウガ/闇の力・光のエル・超能力者・アギト
2012年末
アイアンマン・アイアン・パトリオット・クウガ/エクストリミス・キリアン
2013年
ソー・ロキ・クウガ・アギト/ダークエルフ・マレキス・エーテル
そして。
2014年
キャプテン・アメリカ/ヒドラ・ウィンター・ソルジャー
改めて見ると、とんでもないな。特にここ数年。いや、キャプテン・アメリカやキャロルさんを除けば、ほぼ二〇一〇年からの四年間にこれだけの事件が起こっている。
「多くないですか?」
僕が呟く。
「今さらか。」
フューリーもゲンナリしながら返してくる。
「いや、こうして並べると改めて思いません?」
「半分近くにお前が関わっているという点も含めてな。」
一条さんから鋭い指摘が飛んでくる。グロンギ、アベンジャーズ、アンノウン、エクストリミス、ダークエルフ。
「クロオ。」
真魚が僕を見る。
「やっぱり事件を呼び寄せてない?」
「呼んでないよ!?」
エクストリミスとダークエルフに関しては自分から突っ込んでいっただけだし。呼び寄せている訳ではない。
「しかし。」
それまで黙って年表を眺めていたオーディン王が、目を細めて、
「こうして時の流れとして並べれば、見えるものもあるな。」
その言葉で、皆の視線が再び年表へ向かった。
二〇一〇年から急激に増え始めた超人、怪物、神、異星人。そして二〇一二年、ニューヨーク決戦を境に、それまで以上の速度で世界が変わっている。
「……確かに。」
フューリーが呟いた。
「個別の事件として見るのと、こうして並べて見るのでは印象が違うな。」
「地球は随分と騒がしくなったものだ。」
ロキが言う。
「あなたも原因の一つですけどね。」
「分かっている。大いに反省はしているんだ、いちいち言わないでくれ。」
キャロルさんが腕を組みながら年表を眺める。
「それで。」
その視線が一番下、二〇一四年に向かう。
「問題はここからってことね。」
「…………はい。」
僕は頷いた。ここから先は、これから起きる未来の事件。そして、絶対に起こさせたくない事件もある。
「じゃあ……。」
もう一度、大きく息を吸う。もうどうにでもなれ、ここまで話したんだ。今さら隠しても仕方がない。
「ここから先。僕が知ってる未来について、話します。」
ーーーーー
来年の事件はもう書いた。次に起きる事件は、
2015年
アベンジャーズ再集結/ウルトロン
「……ウルトロン。何者だ?」
フューリーが名前を読み、聞いてくる。
「人工知能です。」
「人工知能?」
一条さんが眉を寄せる。
僕は記憶を掘り起こす。場所はソコヴィア。ストラッカーとかいうヒドラの人間。ロキの杖。ワンダとピエトロ。ウルトロンとヴィジョン。
うん。これくらいかな?
「まず最初に、ヒドラの残党が出てきます。」
「残党?」
フューリーの顔が一気に険しくなった。
「僕が見た未来で、来年ヒドラの存在が明るみに出ても、全滅はしません。確か……ストラッカーっていう人が、ソコヴィアってところで研究施設を持ってます。」
「研究内容は分かるか?」
「ロキが持ってた杖です。」
全員の視線がロキへ向いた。
「何故私を見るんだ。」
「あなたの杖だからです。」
「今は私の手元にはない。しかもアレは貰い物だ。」
「だから問題なんですよ。」
確か、ニューヨークの後にS.H.I.E.L.D.が回収して、そのままヒドラに流れたんだったよな。…………あれ?
「……フューリー。ロキの杖って、今どこにありますか?」
「S.H.I.E.L.D.の管理下だ。」
「回収してください。帰ったらすぐに。」
「すぐにか?」
「ヒドラに渡ってしまいます。」
フューリーの片目が細くなった。
「なるほど。」
お、これだけでも色々変わるんじゃないか?
「あ、その杖にインフィニティ・ストーンが入っているんで気を付けてくださいね。」
一部唖然、一部何それ?って顔になり、オーディン王が代表して声を出してくれる。
「六つ存在する、宇宙創生より存在する特異点たる力の結晶……。」
「そうそう、それです。」
「待て。」
フューリーが片手を上げて話を止めてくる。
「ロキの杖の中に、そんなものが入っていたのか?お前、何故今まで黙っていた。」
「…………忘れてました。」
「勘弁してくれ。」
すみません。本当に忘れてました。
「話を戻しますね。その杖を使ったヒドラの研究がありまして、色々あった結果、それが最終的にウルトロンの件にも繋がります。」
「その色々が気になるが、人工知能そのものは誰が作る。」
嫌な質問が来た。
「えーと…………スタークさんです。」
「やはりか。」
フューリーが額を押さえた。今の段階ではまだ呆れてあげないでください。
「でも、スタークさんとちゃんと相談すれば出てこないですよね?」
「何をだ。」
「ウルトロン。」
ここまで来ればスタークさんにも話しておけばいい。未来で作る人工知能が暴走します。人類を滅ぼそうとしますって。
「暴走するって知っていたら、流石に作りませんよね?」
「スタークだぞ。」
フューリーが即答した。
いや、流石に未来で「作ったら世界滅ぼしかける」って聞かされて、それでも作るほどスタークさんも馬鹿じゃ――
『なるほど、ならそれは対策しておくよ。じゃあ作るか。』
………幻聴が聞こえた。
「と、とにかく、本気で対応策を考えないとかなりヤバい事件なんです。」
ボードに追記していく。ヒドラ残党。ロキの杖=インフィニティ・ストーン。ウルトロン暴走。
「一旦次の事件に行きますね。えーっと……。」
2015年
アントマン
…………タイミングとか自信ないな。
「何だ?」
「いや。これは……世界滅亡とかじゃなかった気がします。」
「なら何故書いた。」
「一応、知ってる事件ではあったので。」
フューリーの視線が冷たい。
「えーっと、身体が小さくなるスーツを使う人が出てきます。アリくらいまで。」
真魚が反応した。
「小さくなるんだ。なんか弱そう。」
「いや、強いよ。小さくなってもパンチの威力はそのままとかだったはずだし。詳しい理屈は知らないけど。それで……。」
指が止まる。ある意味ウルトロンよりヤバい事件だよな。
「キャプテン・アメリカが大きく関わる事件が、」
フューリーが嘆息する。
「またか。彼もある意味、事件を引き寄せるな。」
2016年
キャプテン・アメリカ
アベンジャーズ内戦
「…………内戦?」
一条さんの声が低くなる。
「はい。」
これは説明しづらいけど、相談しないわけにはいかない。
「アベンジャーズが二つに割れてしまいます。」
「まあ、組織で意見は分かれることはよくあるが、内戦という言葉は穏やかじゃないな。理由は?」
「超人の活動を国際的に管理するための協定……みたいなものが作られるんです。その直前に、アベンジャーズが活動中に失敗していて。協定に賛成するスタークさん側と、反対するスティーブさん側で分かれます。というより対立します。」
僕は左右に名前を分けて、スターク側、スティーブ側、と書く。
「最終的には、本気で戦いになります。」
誰も何も言わないけど、宇宙脅威と戦った仲間同士が争うことの危険度は察しているみたいだ。
「……これも相当に不味いな。」
フューリーの言う通り、この事件は不味い。サノス戦の前にアベンジャーズがバラバラになった原因でもある。絶対、どうにかした方がいい。
「あ。」
僕は思い出したことを追記する。
スパイダーマン初登場
ん?何故か全員が黙ってしまった。
「何です?」
キャロルさんがボードを見ながら、
「なんか急に詳しく書いたなって。」
「そうですか?」
次。
「ブラックウィドウ、ナターシャさんの事件が……。」
書こうとして止まる。
「どうした。」
「いや、これ時系列どこだ?」
ナターシャさんの単独の話が確か内戦の後にあった……ような。
「多分、この辺だよな。」
2016年頃
ブラック・ウィドウ
「多分?」
「この辺りの事件に、あんまり詳しくなくて……。」
「好みで知識に偏りがある、か。」
一条さんが納得する。
「はい。」
ごめんなさいナターシャさん。
「次が……ブラックパンサーかな?」
2016年
ブラックパンサー
「あれ?ブラックパンサーって内戦にもいた、よね?」
いや、誰に聞いてるんだ僕。でも登場はしていた。確か父親である王様がテロで亡くなって、バッキーを追いかけて。
「うん。いたいた。」
「自己完結しないで説明しろ。」
ロキからツッコミを入れられてしまった。
「内戦にも関わってるブラックパンサーが、自分の国で王位を巡る戦い、だったかな?それに参加します。」
「国?どこの国だ?」
「ワカンダです。」
「ワカンダ?」
フューリーが眉を寄せる。
「あそこが?」
ああ。あの国、今はまだ正体やら実力やらを隠してる時期か。
「あの国、世界最高クラスの技術を持ってるんで、関わり方気を付けてくださいね。」
「…………何?」
「確かヴィブラニウムも大量にあるはずです。」
フューリーが完全に黙ったけど、これ後で絶対詳しく聞かれるやつだ。
「さあ次です。」
僕は少しだけテンションを上げながら
2016年頃
スパイダーマン
「さっき出てきた少年です。」
「少年?」
一条さんが反応する。
「何歳だ。」
「あ。」
しまった。
「……高校生ぐらいです。」
「黒雄、お前まさか、」
「僕じゃないですよ!ニューヨークで活動するヒーローで、壁に張り付いたり、蜘蛛の糸みたいなのを出したりして――」
追記していく。敵はヴァルチャー、舞台はニューヨーク。ダメージ・コントロールやスタークさんも事件に関わってくる。
うん。書き足りないけど、こんな所かな?
「敵はヴァルチャー。チタウリの残骸関係で、ダメージ・コントロールが関係してたはずです。」
「ダメージ・コントロールか。」
次も内容だけなら大事だった気がする。
2016年頃
ドクター・ストレンジ
「魔術師ですね。」
一条さんが目を細める。
「……ドクターなのに魔術師なのか?まあ今さら驚かんが。」
強くなったな、一条さん。
「元々お医者さんなんですけど、事故で手を怪我して、その後なんやかんやで魔術師になります。」
「雑だな。」
ロキが言う。
「ここもあんまり覚えてないんですよ。」
でも一番大事なことは覚えている。
「この人もインフィニティ・ストーンに関わっています。たしか、時間を操れる石ですね。」
「敵は誰だ?」
「デッカい悪魔みたいな奴です。」
「名前は?」
「…………ド……。ドなんとか。」
「覚えていないなら、そう言え。」
「すみません。」
次はアスガルドの人たちがいる前だと少し気まずいな。
ロキとオーディン王、フリッガさんに一度視線を向けてから、
2017年
ソー/ヘラ復活
「このままだと、ヘラが復活するのだったな。だが、それが分からぬ。私がいる限り、封印が弱まることがあっても、封印が解けるはずはないのだが。」
うん、先日伝えてはいるからね。事件が起こることは把握してくれている。でも、封印が解ける原因か………うん未来共有は大事だよね。
「ボケます。」
また部屋が静まり返ってしまった。ロキが驚愕した表情で僕を見てきて、
「今、何と言った?」
今のをもう一度言えと?
「……オーディン王がボケてしまうんです。」
ロキの魔術が原因みたいな表現だったけど。正直フリッガさんが亡くなって、ソーもアスガルドを出て行って、色々と投げやりになっている所にロキが生きていたから、国は任せて、ヤケクソになったまま老人ホームで本当にちょっとボケてしまったんじゃないかと思っている。
「父上が?」
「はい。」
ロキが口元を押さえた。笑うの我慢しきれていませんよ?あと隣見て隣。
「ロキ。」
オーディン王の声が低くなる。
「何も言っておりません。」
「顔が笑ってるよ。」
真魚が指摘した。
「笑っていない!」
僕は咳払いする。
「その後……亡くなります。多分、未来ではフリッガさんが亡くなっているので、それも遠因になっているとは思いますが。」
一瞬で笑いが消え、フリッガさんが静かにオーディン王を見る。
「あなた。」
「……続けよ。」
「はい。」
オーディン王の死去。ヘラ解放。そしてアスガルド崩壊。
「……アスガルドが滅びるのですか?」
フリッガさんの声が小さくなる。
「滅びます。」
「ヘラによってか?」
「最終的には……スルトとかいうデッカい炎の巨人みたいなのが、ですね。」
「スルトだと?」
ロキが立ち上がりかけた。
「た、確か! ソーさんたちが意図的に復活させて、アスガルドごとヘラを倒すんです!」
「国ごと!?」
「というか、アレはもはや世界ごとですね。」
部屋の空気が凄いことになっちゃった。でも、僕はさらに言わなければならないことがある。
「脱出することは出来るんです。ただ、その後に。」
「まだあるのか。」
ロキの顔が引きつっている。
追記 生存者脱出後――
「紫ゴリラに襲われます。」
「誰だそれは。」
「僕の中での呼び方ですね。正式名称は………サノス。」
すると、キャロルさんの表情が変わった。ここからが、本当にヤバいんだ。
「こいつは………6つのインフィニティ・ストーンを全て集めようとしています。」
「全部揃うと何が起こるの?」
真魚が聞いてくる。
「指を鳴らすだけで、宇宙の生命の半分が消えます。」
「半分?それも地球だけでなく宇宙全体だと?」
一条さんが確認してくるけど、僕には頷くことしかできない。
「でも僕が考える一番の問題は、」
アベンジャーズ、集結できず
「内戦の影響で、アベンジャーズは集まることができず、バラけて戦うことになってしまうんです。そしてーー」
スタークさんたちは宇宙で。スティーブさんたちは地球で。みんなそれぞれで全力で戦うけれど、
「ーー負けます。」
僕は、そう締め括った。フューリーはこれまでで一番真剣な表情で真っ直ぐ僕を見てくる。
「未来を変えなければ、それが実際に起こると?」
「僕がもう、未来を変え始めてしまっているので、絶対ではありません。でも多分このまま何もしなければ起きると思います。でも、」
サノスが六つのインフィニティ・ストーンを集めることで世界の、宇宙の生命の半数が消滅する。
「これは絶対に阻止します。何が何でも。」
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