ウマ娘 コノハナレッド   作:takapon960

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あなた自分を車に例えるの意外とまんざらでもなさそうだな…


第51話

ーーー51ーーー

 

「さあ大外のウマ娘もすべてゲートインが完了しました」

 

大井レースが静まり返り、数秒。

 

ゲートが開いた。

 

「……スタートです!少しばらついたスタートか」

 

何人かのウマ娘が出遅れたが、その中にジープベニザクラとアルマダクロックはいない。

 

「--3番手に7番アルマダクロック、そのすぐ後ろに2番ジープベニザクラがぴったりとくっつく」

 

どちらも先行ウマ娘であるアルマダクロックは3位、ジープベニザクラ4位と近い位置についた。

 

スタートから200m,300m,400m,500m……

 

序盤、自分の有利な展開を作るための区間を走り続ける2人の順位は一切変動しない。

 

「まるで私のペースに合わせてるみたいです……」

 

ジープベニザクラはここで少しペースを上げてアルマダクロックに揺さぶりをかける。

 

「……通さない」

 

予想通り、アルマダクロックはジープベニザクラと同じだけペースを上げた。

 

2人の差は一切埋まらない。

 

「そうですか。ここで負けず嫌いなら何としても追い抜かなければ、という気持ちになるのでしょうか」

 

他人事のようにジープベニザクラはつぶやいた後、ペースを元に戻した。

 

ジープベニザクラはそこまで負けず嫌いな性格ではない。

 

しかし、勝敗なんてどうでもいい、といえばそれは嘘になる。

 

最後に勝てばいいのであって、今勝っている必要はない。

 

ペースを緩めたことに気づいたアルマダクロックは、自分もまたペースを同じだけ緩めた。

 

2人の差は一切広がらない。

 

 

「このわずかな差を保ち続けて勝つ。シンプルだが侮れねえだろ?」

 

石原トレーナーの隣にいた原崎トレーナーは勝ち誇ったような態度で聞いてきた。

 

答える前に石原トレーナーは原崎トレーナーの顔を見る。

 

原崎トレーナーの声こそ自信満々だったが、その表情は真顔だ。

 

原崎トレーナーの実際の心境は、まだ油断は禁物と思っているのだろう。

 

「後ろを見ずとも気配でわずかなリードを保ち続けている。なるほど、あれがアルマダのレースセンスか」

 

「で、根性勝負が得意なのはアンタのベニザクラだけじゃねえ」

 

アルマダクロックというウマ娘は粘り強さもまた長所だ。

 

2つのストロングポイントを持つアルマダクロックに、根性論1本で立ち向かうのはあまりに無謀が過ぎる。

 

「厳しい戦いになるぞ、ベニザクラ」

 

石原トレーナーは原崎トレーナーに聞こえないよう、小さく独り言をつぶやいた。

 

レースはいつの間にやら1000mを通過し、残り半分。

 

2人の差はスタートから一切埋まりもしなければ、広がりもしていない。

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