いや……
このシナリオを準備中にラーメンシナリオについて知りました。すでに完成している物語なのでラーメンが入る余地はありません。
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「……1つ勘違いしねえでほしいんだが。バケモノになるのはアール自身が望んだことだ」
今やアールライズというウマ娘はその強さを持っていながら誰からも夢を託されていない。
ファンも記者もウマ娘も、知る者が口を開けばバケモノと恐れるばかり。
今やアールライズというウマ娘はその強さのあまり、何を目指しているかすらもよくわからなくなった。
G1など優勝レイがゴミに見えるほど獲得し、ライバルと呼ぶ者もいなければ友人と呼ぶ者もいない。
今やアールライズというウマ娘は、目に見えるレースを全て轢いていくだけの戦闘マシンのようなものだ。
そんな戦闘マシンになることが、アールライズの望み。
誰も手の届かない存在となり、目の前にいるあらゆるものを蹴散らしてやる。
それがアールライズにとっての走る最大の理由だった。
今、ジープベニザクラはそんな戦闘マシンのバケモノに勝とうとしている。
レースは1000m地点を通過した。
アールライズの位置は変わらず3位。ジープベニザクラは順位を1つ上げて5位だ。
つまり、アールライズの前には2人の逃げウマ娘がいることになる。
この2人は今年、アールライズに鎧袖一触と言わんばかりに切り捨てられ続けてきた。
そして、帝王賞の優勝レイを屈辱的な形で目の前に落とされた。
「今日だけは逃げ切る!絶対に……!絶対に……!!」
「行かせない行かせない行かせない……!」
2人の逃げウマ娘は恐怖に必死に抗いながら、アールライズとの差を作り続けている。
最早自分が1着を取るよりアールライズより前であれば1着でなくてもいい、そんな走り方だ。
そんなことを想っているだけあって、アールライズの前方は2人にブロックされ、内も外も空いていない。
……だが、アールライズにとっては必死に自分を妨害する2人のウマ娘など。
風で道端を転がるゴミと同じ程度の障害でしかない。
「邪魔」
アールライズは泥濘と化しているダートを思いっきり踏んづけて、大外に飛び出すと。
「なんで……!!」
「アールッ……!!」
いとも簡単に2人の逃げウマ娘を追い抜いた。
レースは1200m地点。
アールライズは一気に加速を始め、今までのレースと同じく他のウマ娘を引きちぎっていく。
「ここでアールライズ飛び出した、やはり他のウマ娘追いかけられない、南部杯もアールライズの勝利で決まってしまうか!」
そうやって実況が喋っている間にアールライズと他のウマ娘との差は3,4,5バ身と引き離されていく。
「いや、アールライズに追走しているウマ娘がいる!」
「ジープベニザクラだ!クラシックの対抗バがアールライズに食らいついている!」
その瞬間、2人の逃げウマ娘の視界には、ジープベニザクラが映った。
数秒前にアールライズが通ったルートをなぞるように追いかけて。
「もう、1人……」
「ベニザクラ……?」
突然現れた金髪のウマ娘に驚きから回復できないまま、2人の逃げウマ娘はジープベニザクラを見送っていった。
「それじゃあ。アールさんを捕まえに行ってきます」