よってゼロカラササゲルイセカイセイカツのネタバレしかありません。
未読の方は本家にGO!
同名義のpixivにも公開しています。ご了承ください。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、”ここ”を忘れないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、人を殺さないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、物事を忘れないと誓います。
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負けた。
手足を貫いた光の熱が、収まっているはずの痛みが体と心を襲う。
ヴォラキアでの経験を経たレムの治癒魔法は以前、メイザース領での魔獣騒動や『怠惰』が襲来してきた時よりも格段に効果が上がっている。
だが、どれだけ効果が上がろうとその根幹は“傷を癒す“ことだ。だから、体に刻まれた傷は消えようとも、心に負った傷は決して癒えない。
手に持ったモーニングスターをレムはぎゅっと握りしめる。
フェルトちゃんがいない。クロムウェルさんがいない。エッゾさんがいない。フラムさんもグラシスさんもいない。ガストンさん、ラチンスさん、カンバリーさんもいない。ドルテロさん、マンフレッドさん、トトさんもいない。
ガーフさんもいない。
ベアトリス様がいない。
ロズワール様がいない。
姉様が死んだ。
エミリア様がいない。
他にも色んな人がいない。
そして、何より____
__スバルくんが_いない。
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、食卓を囲わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、ご飯を食べないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、食事を楽しまないと誓います。
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”アルデバスターズ”
それはスバルとベアトリスを誘拐した『逆賊』アルデバランを倒すためにエミリア陣営、フェルト陣営の者たちが結成した共同戦線である。目的はアルデバランによって誘拐されたスバルとベアトリスの解放である。
総勢六十一名にもなる大連合は敗北をもって崩壊した。
生き残ったのは僅か四名。
『暴食』に記憶を食われたオットー・スーウェン。黒蛇との戦いで疲弊しきったメィリィ・ポートルート。間に合わなかったレム。そして、向こう側に行ってしまったペトラ・レイテである。
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、再会を喜ばないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、再会を夢見ないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、再会を望まないと誓います。
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「レムさんはどうしたいですか?」
それは記憶を失ったオットーが目覚めて少し、オットーから抜け落ちた色々を話してから少しの日にちを置いた日だった。オットーはレムにそう質問した。
「……レムはスバルくんを助けたいです。でも……」
それはできないことだ。スバルくんとベアトリス様は手が届かないところに行ってしまった。
手の届かない深い深い闇の中に行ってしまった。
そこに飛び込めるのなら、レムは飛び込みたい。でもそれすらもできない。増してスバルくんを助けることなどそれよりも難しい。
目に涙が浮かぶ。
またあの目を見たい。またあの声を聞きたい。またスバルくんの隣に立ちたい。またスバルくんと笑いたい。また、スバルくんを抱きしめたい。また、また、……
溢れる想いは止まらない。けれど、その思いが届かない。
「わかりました。なら、ナツキさんを助けましょう」
「え?」
それはレムにとっては想像もしていなかった言葉だ。いや、想像していなかったというのはウソになる。正確には望んでいたが、言わないだろうと決めつけていた言葉だ。
「どうして……」
「僕がこうなったのはナツキさんの責任です」
レムはムッとする。オットーの記憶が無いのは『暴食』のせいだ。そこにスバルは関係無い。逆恨みも甚だしい。その想いを口にしようとオットーと真っ直ぐに向き合う。それは違うとそう真正面から言ってやろうと意気込んで。
でも、向き合ったオットーの目は澄んでいた。後悔も恨みも見えない。
「僕は商人だったんでしょう?ならきっちり料金は払って頂かないと」
オットーの目は微笑んでいたが、そこには確とした決意が見える。生半可な気持ちでは言っていないとそう信じれるだけの色が見えた。
「メィリィさんはどうします?」
「私も協力するわぁ。あのお兄さんにはペトラちゃんを連れ戻してもらわないといけないのよぉ」
「レムたちができるかも分かりませんよ?」
「僕が料金を受け取れないなら僕の子孫に受け取らせます。いつになるのかも分かりませんから、お高くなりますよ?」
「私の分はペトラちゃんが受け取ってくれるわぁ」
レムは二人を見る。
スバルくんが逃げ出したいと言ってきた時は少し嬉しかった。レムなんかを選んでくれて嬉しかった。
でも、レムはスバルくんが英雄であることを望む。レムを救ってくれた時みたいに、みんなの力になっていて欲しい。
だから今度はレムの番だ。スバルくんが今日まで培ったもの全てをいなくなってしまったスバルくんに繋げる。それがレムにできる一番の恩返しだと思うから。
「やりましょう、皆さん。絶対にスバルくんを助けましょう」
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、寒いと思わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、暑いと思わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、心地良い天気だと思わないと誓います。
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王選が終わった。プリシラがヴォラキア帝国で没し、フェルトとエミリアがアルデバランとの戦いでいなくなった以上、残っている候補者はアナスタシア・ホーシンとクルシュ・カルステンである。
その決着もアナスタシア・ホーシンの勝利で幕を閉じた。
だが、レムたちエミリア陣営には大きな影響は無かった。それは他でもないエミリアがアナスタシアとの仲が良好だったからだろう。
いなくなった主への感謝を胸にレムはある領地に訪れた。
ユークリウス領
アナスタシアの一の騎士として返り咲いたユリウス・ユークリウスがその功績によって下賜された土地である。
「お久しぶりです。レム女史」
「はい。ユリウスさん」
「スバルくんのこと」
「お手伝いしましょう」
「は、早くないですか?!」
そこにあった思考時間はゼロだ。名前を出した時には既に口が動いていたように思える。
「スバル殿のためなら悩む理由がありません。返せていない借りもあるのでね」
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、臭いと思わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、いい匂いと思わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、匂いを嗅がないと誓います。
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「余に何の用だ。ルグニカ王国ミロード辺境伯筆頭家令レムよ」
「皇帝陛下に折り入ってのお願いをしに参りました」
今レムが訪れているのはカララギ都市国家と呼ばれる国家群があった土地である。そのカララギは南のヴォラキア帝国によってその領土を侵され、滅亡した。
「レムちん!久しぶり~~!ちょっと雰囲気変わったね!」
「下がっておれ」
「お久しぶりです。皇后様」
「もう~ミディアムって呼んでほしいんだけどな!」
「話を遮るな。そして貴様は早く話せ」
「ナツキ・スバルを助け出したとき、『陽剣』を貸して頂きたいのです」
『陽剣』。それは焼きたいものを焼き、斬りたいものを斬るというヴォラキア皇帝の持つ魔剣である。それであればスバルくんが封じ込まれているものをも切り裂くことができるはずだ。
それを求めてレムはここにやって来た。
「余は近くルグニカを攻め、滅ぼす。その時、貴様はどうする?」
どちらに付くのか。
言外に含んだそれはレムにとって重い。背負うものが多くなってしまった以上、すぐの解答は出来かねる。スバルのことだけを考えていれば、どうしただろうか。前に座っているヴォラキア帝国皇帝、ヴィンセント・ヴォラキアに付くことを選んだだろうか。
レムは考える。姉であるラムに遥かに及ばないその頭を必死に回す。
「ナツキ・スバル?今ボスの話をしましたか?!陛下!」
「セシルス、ここは貴様の出る幕ではない。下がれ」
「しかしですよ陛下!飛び入り参加と言えば注目の的!そこに僕がいないなどありえません!」
「……アラキア、貴様の怠慢だぞ」
「抑えるの、無理」
頭を抱える皇帝を見かねたようにミディアムが口を挟む。
「まぁまぁアベルちん。スバルちんには助けて貰ったし、ね?」
「条件がある。ミロード家が余と矛を交えないと誓うならば、貴様の要求を飲もう」
これは優しさだ。ヴォラキアとルグニカの戦争でレムたちがルグニカの側に付いた上で命が助かるという保証はどこにもない。が、内応とまではいかずとも、ことを構えなかった場合は家を存続させる理由になる。
「その中にユークリウス家とスーウェン家を含めて頂けるのならば、その条件を当家は飲みます」
ならば、とそう呟き、ヴィンセント・ヴォラキアは立ち上がる。
「ヴィンセント・ヴォラキアの名において誓おう。ミロード家、並びにユークリウス家、スーウェン家とその一切への手出しを禁ずる」
こうして沢山の人に会うたびに思い出して止まない。ナツキ・スバルという存在が、今までどれだけの人に影響を与えたのだろうかと。だが、例えどれだけの人がナツキ・スバルの影響を受けようと、レムは胸を張って譲らない。
スバルくんの隣はレムのものです。
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、音楽を聞かないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、音楽を作らないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、音楽を楽しまないと誓います。
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ルグニカ王国滅亡後、突如としてユークリウス領を襲ったそれは災害と呼んで差し支えないものだった。
その災害に領主であるユリウス・ユークリウスとその客として訪れていたセシルス・セグムントとアラキアが相対す。
「なぜ貴公がこちらにいる?疑問だから、疑問でならない。ヴォラキアの『青き雷光』よ」
「なんと!あなたがグステコ聖王国最強の『狂皇子』、ヴェイグ・アドガルドさんですね!これはこれは、願ってもない邂逅!」
「話にならず、話にならない。吾輩の疑問に答えていない」
「これは失礼!ですが、その答えは単純明快!ここが舞台になるとそう勘が言ったからです!」
「そうか。納得し、納得した。その上で、そこを退け。吾輩は貴公に憎しみも恨みも無い」
「確かに僕としても恨みはないですね!」
「でも、」
セシルスは二振りの魔剣を抜き放つ。
『夢剣』マサユメ、そして『邪剣』ムラサメ。世界が誇る二振りが今ここにある。
「僕はあなたに興味がある。そしてここを守り抜くことができれば、きっと映えると思うんですよね!」
「そうか。至極残念で、残念でならない。残念ながら、手は引かないが」
「何故私の領地を襲った。その理由を聞きたい」
「吾輩は精霊という汚穢を滅ぼす」
狂皇子は光の刀身をもった双剣を両手に構える。
「やや!それは『呪剣』アイオーンではないですか!その剣、僕欲しいんですよ!」
「そうなの?セシルス」
「貴公の要請に応じる理由が無く、故に応じん」
「ならば、戦勝記念とさせていただきましょう!!さあ!ご照覧あれ!!僕の舞台を!!!」
▼△▼△▼△
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、髪を結わないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、身だしなみを整えないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、化粧をしないと誓います。
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ユリウスに深い傷を残して、狂皇子は去った。
「目が覚めましたですかしら?主様」
ユリウスの眼覚めを迎えたのは明るく波打つ長い緋色の髪と瞳、そしてそれと同じ色のドレスを纏った背の高い美女である。初めて見るはずのその女性を前にユリウスは苦楽を共にしたかのようにその名前を口にする。
「イアか」
「そうでございますですのよ!主様!私を始め、クアもイクもアロもインもネスも皆大精霊へと進化しましたですわ!主様の傷もラピチャ、クアが治癒魔法で治したんでございますですのよ」
「深く、感謝しよう」
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、眠気を覚えないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、眠らないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、横にならないと誓います。
△▼△▼△▼
「ルーメラ・イア・ユークリウス」
「なんでございますかしら、主様」
「頼みたいことがあるのだ」
手足の先がひんやりと冷たい体に暖かな毛布が掛けられている。ユリウスの寿命はもう幾ばくも無い。
「私の友人、ナツキ・スバルを助けてほしい」
「承ったでございますかしら」
「本当に良いのか?いつになるとも分からない役目を君たちに負わせてしまうというのに」
「主様、私たち姉妹皆、燃え上がるほどに主様一筋でございますのよ!主様のお願い一つ、受け取らないはずがございませんですわ!」
「そうか。感謝する。イア、 クア、イク、アロ、ネス、イン」
「懐かしい名前でございますですわ」
「あぁ、そうだな」
ユリウスの意思を大精霊へと成長した六人の姉妹が受け継ぐ。ナツキ・スバルというたった一人の人物にその生を捧げる。
~~~~~~
「いいですね。モゴレード大噴口の底です。そこにナツキさんはいます。必ず、絶対に助けてあげてください。僕の大切な友人ですから」
子から子にその意思は受け継がれる。ナツキ・スバルのためにその生を捧げる。
~~~~~~
皆さんであればきっとたどり着けます。スバルくんのところにきっと手が届きます。
後はお任せします。
___でも、できることならば、私が助けたかったな___
薄い青の髪の女性は天井を見上げながら、誰にも明かさなかった胸中を呟いた。
___大好きです。スバルくん。
___愛しています。私の英雄、スバルくん。
何もないにもかかわらずその心中は穏やかだった。繋いだバトンをきっと皆が繋いでくれる。そのために精一杯頑張ったと、そうレムは胸を張る。
だから___
「受け取ってください、スバルくん。レムが繋いだバトンです」
暖かな日差しが感覚の弱くなった肌に差す。
穏やかに、少女が昼寝をするように、レムはその目を閉ざした。
△▼△▼△▼
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、誰かを愛さないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、誰かに愛されることを望まないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、誰かに愛を求めないと誓います。
△▼△▼△▼
「行きますわよ。皆様方!」
目の前にモゴレード大噴口を捉え、ルーメラは対話鏡で繋がった二コラ・スーウェンとその目を見つめ合う。
今日こそ先祖代々の宿願を果たす。幾度とないやり直しを重ねて、足りない技術も力も集めて、繋げてきたバトンを今日こそ、届かせる。
そして、ルーメラを送り出そうかという時、やはり彼は現れる。
「__吾輩は思い、思うのだ。常々思う」
「やっぱり来ました!ルーメラさん!任せますよ!」
「任されましたですかしら!!」
精霊を滅ぼすと、そう公言する『狂皇子』ことヴェイグ・アドガルド。彼の襲来はいつものことであり、織り込み済みだ。だからこそ、実際にスバルが閉じ込められているという黒い球を取りに行くルーメラだけを送り出し、強力な人材をここまで連れて来たのだ。
「ありがとうございます、協力してくださって」
「いい、セシルスの頼み」
「そうだっちゃ、セシルスの頼みっちゃ」
ヴォラキア統一帝国の将、『金剛姫』アラキアと『飛竜将』マデリン・エッシャルト。
大陸でも上位の二人が、今ここにいる。
何も倒そうというのではない。重要なのはモゴレード大噴口の底へと潜るルーメラの後を追わせないこと。
ラピチャ=クアが、ソヨネ=イクが、ドレナ=アロが、キアラ=ネスが、シニカ=インがその死をもって繋いだバトンをアラキアとマデリンが繋ぎ、それをルーメラ=イアが受け取り、眠っているナツキ・スバルへと繋げる。
離脱していくルーメラから注意を逸らすように、アラキアとマデリンは猛攻する。が、『狂皇子』にはあと一歩届かない。
二コラは手の中にある感触を確かめる。
『ナツキ・スバル救出』という悲願の発起人、オットー・スーウェン。その偉大な先祖が残した秘策が今、二コラの手の中にある。
言い伝えでは『大けがを負う。が、絶対に死なない』。
死闘を繰り広げるアラキアとマデリン、そしてヴェイグ・アドガルド。
四百年という時を経て、オットーの秘策が炸裂する。
無数の白い光がアラキアたちの戦場に殺到する。針のように細く、同時に鋭い。
「__氷河に手出ししないでって言わなかったっけ?あー言ってないかも」
「__貴君か」
「弱いものイジメ?それって楽しいの?『狂皇子』さん」
長く伸ばした赤茶の髪を赤いリボンでまとめ、桃色と水色と金色の生地に様々な色で彩った紋様のあるドレスを纏っている。
「久しいな、『憂鬱の魔女』。息災かね?」
「知り合いでもなんでもないでしょ。私たち。第一そんなのどうでもいいでしょ」
「そうでもなく、そうでもない。貴君の存在は吾輩の確かな障害だ。故にこの場でこの者らと一度に相手としたいものではない」
「へえ、そうなんだ?じゃあ私が一人だったら私と戦うの?すごーい、死んじゃえ」
軽快に手を叩いてけらけらと薄ら笑う女は残酷に再び光を放つ。万物を刺し貫く光とそれに伴う衝撃波、そして爆音。
破滅を思わせるそれを『狂皇子』がすんでで払う。
「すごい、すごーい__じゃあね」
嘲るような軽薄な笑い。
「何倍がいいかな?とりあえず五十万倍くらい__『コンプレス・アゴニー』」
可愛らしく『憂鬱の魔女』はその華奢な指を鳴らす。
『狂皇子』の動きに狂いが生まれる。
光が貫き、抉り、その体で爆ぜる。
興味を失ったように『憂鬱の魔女』はふわりと二コラの下に漂う。
「言ってなかったね。私の氷河に手を出さないで。都合よく使われるの嫌だから。今日は言ってなかった私が悪いから。次は無いよ」
背筋の凍る警告を残して、『憂鬱の魔女』は去っていった。
その朗報に続いてもう一つ。
「ありましたですわ!」
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、人に優しくしないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、結婚しないと誓います。
神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、誰かと添い遂げないと誓います。
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黒よりもなお暗く、闇よりもなお深い深淵の底にそれはあった。
漆黒という表現すら生温い暗黒色をした黒い球体。あれが探し求めたナツキ・スバル。そしてベアトリスという彼の契約精霊が眠るものである。
「ありましたですわ!」
そう遥か遠方、『狂皇子』どうやってもルーメラに追いすがれないほどに離れた土地にいる二コラへと呼びかける。
「すぐ陛下の元へ」
「わかっているでございますですわ!」
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「話は聞いておる。これが欲しいのじゃろう?」
小さい体でどうやって持っているのか。現ヴォラキア統一帝国皇帝、ロザリンド・ヴォラキアは空から『陽剣』ヴォラキアを抜き放つ。
「先帝からの、まぁ正確には鬼の娘からのものらしいが。その頼みじゃからな。余が断れば皇帝の威厳が落ちようて」
ロザリンドが赤く滾る陽剣を信じられないほどに軽々しく振るう。
黒い球が割れ、濃い桃色の服を着た大妖精、ベアトリス。そして__
(皆様のバトン、繋ぎ切りましたですわ。主様、オットー様___レム様)
黒い髪を生やした、少年、ナツキ・スバルが昏倒していた。
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神様、仏様、オド・ラグナ様。生涯、恋したことを忘れないと誓います。
書いていませんが、メィリィやオットーも救出しようとして失敗している設定です。
また、ルーメラの姉妹も何回かに分かれて陽動→『狂皇子』に殺されたという設定です。
書けって?
マジで勘弁してください